堀居姉妹の五月(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『堀居姉妹の五月』とは、漫画家の御徒町鳩が『マンガ・エロティクスエフ』、『ハツキス』にて連載していた漫画作品である。主人公である堀居家の四姉妹、長女・春子、次女・桜子、三女・菜実子、四女・香奈子。長女の春子は離婚するために実家に帰省中、次女の桜子はお見合いをしているが13連敗中、三女の菜実子は恋人に不安を抱えている、四女の香奈子はアイドルを辞めてプロデューサーに片想い中と、それぞれの事情や苦悩を抱えながら、ままならなくて居たたまれない恋愛に翻弄されていく姿を描いた作品。

鷹ノ塚に男役として所属しており、子供だった笹山しげるをお姫様扱いして優しく接してくれるなどファンサービスが良いと評判で、蒼風りお様と呼ばれることが多い。
その出来事があってから、しげるの理想の相手は蒼風りお。
鷹ノ塚を退団してからは、テレビ・映画・舞台・バラエティーなど幅広く活躍している。
また、男役だった影響からマニッシュ過ぎるせいで彼氏がおらず、女性としてはイマイチに思う部分があるが、自ら「彼氏ってどうやって作るんですか?」などの発言をしており、そんな気さくなキャラが人気を集めている。

『堀居姉妹の五月』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

中島大樹「恋は仕方ないの 建前じゃ成立しないの 本音なの 欲望なの」

堀居桜子がお見合いをうまく断れなかったことが判明した時に中島大樹が言った言葉。
自分のことを卑下して遠慮してしまう桜子が、中島の姉を彼女だと勘違いして身を引こうとしたり、お見合い相手にきちんとお断りができず、良い子でいようとする桜子の悪い癖を恋人である中島が責めてしまう。
そして、中島が他人の気持ちより、自分の本音を大事にして、ワガママになることが恋愛だと伝えるべく、初めての恋愛に戸惑っている桜子に「恋は仕方ないの 建前じゃ成立しないの 本音なの 欲望なの」と説明している。
桜子のワガママで重い部分すらも丸ごと好きだと言っているシーンに胸キュンする読者が多く名場面として有名なシーンとなっている。
また、受け入れてもらった桜子がそのあと思わずプロポーズしてしまうシーンも必見。

堀居菜実子「私 シゲちゃんの王子様になりたい」

左側の人物が堀居菜実子、右側の人物が笹山しげる

笹山しげるの、お姫様に憧れる女の子の部分も理解して愛したいと思った堀居菜実子が言ったセリフ。
しげるが菜実子と距離を置くために実家に帰ってしまう。菜実子はしげるに仲直りして帰ってきてほしい一心で、王子様の衣装を着て、しげるを迎えに行く。
このままでは嫌だと仲直りするために菜実子が言った「シゲちゃんの王子様になりたい」というセリフには、しげるの全てを理解して愛したいという気持ちが込められている。
ナイーブなセクシャリティが題材になっており、赤裸々な悩みが心に刺さると言うファンが多い。
しげると菜実子がお互いに歩み寄っていく所を描いたこのシーンは、二人がお互いに大切に想っていることが伝わってくるため名場面と言われている。

木下修二「若くてかわいい女の子のいちばんいい時をアイドル業に捧げてくれて 俺たちに見せてくれてありがとう」

堀居香奈子が推しメンだった木下修二が言ったセリフで、アイドルを応援しているファンの心に突き刺さるという声が多い。
香奈子がアイドルを卒業して、実家へ帰る車内で木下がアイドルのすばらしさを語るシーンで、アイドルオタクである木下が香奈子に向けて言った「若くてかわいい女の子のいちばんいい時をアイドル業に捧げてくれて 俺たちに見せてくれてありがとう」という言葉がアイドルの良さが詰まっているため名言だと言われている。

堀居春子「不満を言うなんてみっともないじゃない」

34歳にもなってドリーズランドに心酔している自分はおかしいと考えている堀居春子は、夫の平川健一に「34歳にもなってくだらない」と言われることに傷つきながらも、その事に不満をいうのは筋違いだと思っていた。
末っ子の堀居香奈子に「なぜ健一と別れるのか」と質問されて、つい出てしまった春子の本音である。
おかしい自分と結婚してくれたのに、自分の全てを受け入れて欲しいと「不満を言うなんてみっともないじゃない」という春子の赤裸々な気持ちから出た言葉が心に刺さるため、名言だと言われている。

『堀居姉妹の五月』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

『堀居姉妹の五月』のキーワードは「お姫様」

作者である御徒町鳩の抱いた「いろんなタイプのお姉さんを描いてみたい」という欲望から生まれた漫画。また、作者自身が四姉妹だったこともあり、最終的に四姉妹たちのままらない恋愛を描いた漫画作品となった。
四姉妹の話は全て「お姫様」がキーワードとなっており、様々な形のお姫様になってハッピーエンドとなる展開になっている。
アイドルである堀居香奈子を描くときに作業用BGMとして、アイドルDVDをたくさん見て描いていた。また、御徒町鳩自身も好きなアイドルがいるため、リアリティのある話になっている。
堀居春子のモデルはとある遊園地で見かけた50代ぐらいの夫婦の奥さんで、少女のような服装で楽しそうに遊園地を漫喫していたところから着想を得た。

4uhachihitsuji
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