堀居姉妹の五月(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ
『堀居姉妹の五月』とは、漫画家の御徒町鳩が『マンガ・エロティクスエフ』、『ハツキス』にて連載していた漫画作品である。主人公である堀居家の四姉妹、長女・春子、次女・桜子、三女・菜実子、四女・香奈子。長女の春子は離婚するために実家に帰省中、次女の桜子はお見合いをしているが13連敗中、三女の菜実子は恋人に不安を抱えている、四女の香奈子はアイドルを辞めてプロデューサーに片想い中と、それぞれの事情や苦悩を抱えながら、ままならなくて居たたまれない恋愛に翻弄されていく姿を描いた作品。
『堀居姉妹の五月』の概要
『堀居姉妹の五月』とは、漫画家・御徒町鳩が『マンガ・エロティクスエフ』、『ハツキス』にて全23話まで連載していた漫画である。
主人公は堀居家の四姉妹。長女・春子(はるこ)は既婚者だが夫とケンカして長期の里帰り中、次女・桜子(さくらこ)は真面目過ぎる性格が原因でお見合い13連敗、三女・菜実子(なみこ)は実業団のバレーボール選手だったが、解散してしまい体育教師に転職、四女・香奈子(かなこ)はアイドルだったが卒業して現在は無職と、それぞれが様々な事情を抱えている。
元高校教師だった次女の桜子は偶然元教え子の中島大樹(なかじまだいき)と再会して一夜を過ごしてしまう。
三女の菜実子はオネェ言葉を使う、付き合って7年目の優しい彼氏・笹山しげる(ささやましげる)と同棲中だが、笹山しげるの女性的な性格に悩んでいた。
四女の香奈子はアイドルの時から好きだったプロデューサーの木下修二(きのしたしゅうじ)に卒業してしまった現在も片思いしている。
長女の春子は旦那である平川健一(ひらかわけんいち)とのすれ違いが原因でケンカに発展し、精神的に疲れて長期里帰りしており、離婚を考えている。
そんな四姉妹達が親戚の葬式をきっかけに実家に集まり、それぞれが様々な事情を抱えて、必死にままならぬ恋愛に翻弄される姿を描いた恋愛漫画である。
『堀居姉妹の五月』のあらすじ・ストーリー
次女・堀居桜子の初恋
堀居家の次女・堀居桜子(ほりいさくらこ)は高校教師をしていたが、同僚である教師の山下(やました)からのセクハラに耐えかねて学校を辞めてしまう。
それからは30歳ということもあり、家事手伝いをしながら婚活に励んでいたが、マイナス思考で暗い性格が原因で上手くいかず、お見合いは13連敗中だった。
そんな時、四女の堀居香奈子(ほりいかなこ)の提案で合コンに参加してみることにするが、慣れない雰囲気からいつも以上にお酒が進んでしまい酔い潰れてしまう。
その時、偶然にも高校教師時代に助けてもらったことがある、元教え子の中島大樹(なかじまだいき)と再会し、ホテルで一夜を過ごしてしまう。男性と付き合ったことすらない桜子は中島にどんどん夢中になっていく。
以前から約束していたお見合いを断ることができなかった桜子は、付き合うことになった中島にお見合いすることを打ち明ける。その話を聞いた中島は桜子との交際を真剣に考えるようになる。
桜子がお見合いについて中島に報告していると、中島の姉から桜子が「高校の時から大樹が好きだった先生」だったことを知る。
そして、中島のことが大好きだと自覚した桜子は「中島くんと結婚したい、中島くんとしか結婚したくない」とプロポーズする。
三女・堀居菜実子の恋愛
三女の堀居菜実子(ほりいなみこ)はバレーボール一筋で、大学時代に宮下咲(みやしたさき)という先輩からいじめを受けていた。そんな状態でフォローしてくれていたのがマネージャーをしていた笹山しげる(ささやましげる)だった。
チームのムードを一新するためにコーチが全員での食事会を企画する。帰り道、菜実子はコーチに車で送ってもらう途中で、コーチと身体の関係を持ってしまう。
その事に気付いた笹山は「あんたは汚れなくていいの…」と涙を流す。この事がきっかけとなり、菜実子と笹山は付き合うことになった。
その後、先輩の宮下とも和解して、大学卒業後は同じ実業団に入って名コンビと呼ばれて活躍したが、入ってから3年で実業団がなくなってしまった。菜実子は母校で体育教師とバレーボール部のコーチをすることになる。
笹山とは付き合って7年目になり、菜実子は彼がいつか女になるんじゃないかと不安に思っていた。
ある日、笹山が子供の頃に女装して撮った、憧れの鷹ノ塚の蒼風りお(あおかぜりお)との2ショット写真をきっかけに笹山が「王子様になった菜実子とお姫様ごっこがしたい」という本心を知る。しかし、「お姫様ごっこ」に対する考えの違いからケンカをしてしまう。
実家に帰ってしまった笹山を菜実子は王子様の衣装を着て迎えにいく。そして、笹山が考える「お姫様ごっこ」を菜実子は理解し受け入れて、仲直りをする。
四女・堀居加奈子の恋
四女の堀居香奈子は16歳の頃から、「ツインハート学院」というアイドルグループでアイドルをしていた。そして、ステージを見て感銘を受けた木下修二(きのしたしゅうじ)が楽曲プロデューサーとして参加することになる。しかし、総合演出を担当していたプロデューサーが昇進していなくなってしまった為、木下が楽曲から総合演出まで担当するプロデューサーを兼任することになる。
木下が香奈子のことを考えて作ったソロ曲がきっかけとなり、香奈子は木下に片想いしてしまう。
20歳の時に潮時を感じた香奈子は、ツインテール学院を卒業する。
卒業コンサートの打ち上げで香奈子は、木下に恋人がいることを知ってしまい、思わず泣いて「木下さんが好きで両想いになりたいだけです」と気持ちを言ってしまう。
アイドルを卒業した香奈子は寮を出て、実家に戻ることにした。その引っ越しの最中に木下が「実家に送る」と言い出す。車内で木下は、香奈子が推しメンだったことを明かす。
そして、木下の恋人が利害関係で付き合っているだけだと知り、チャンスだと思った香奈子は「キスする代わりに彼女と別れて欲しい」と伝える。
勢いに負けてしまった木下はその場で彼女に電話をかけて別れる。そして、香奈子と木下は付き合うことになった。
長女・堀居春子の結婚
長女の春子(はるこ)は平川健一(ひらかわけんいち)と結婚するが、一緒に生活していくうちに春子が大好きでのめり込んでいるドリーズランドのことを健一は「34歳にもなってくだらない。子供が行くところでしょ」と決めつけていたり、春子が子供が欲しいのかわからず、ちゃんと子育てできるか不安だと相談しても「俺、子供好きだし、めっちゃ可愛がるよ」と取り合わず、健一の中では「二人で子供が欲しいと頑張っている」に捻じ曲げられてしまう。そんな風に健一が毎回自分の都合の良いように解釈してしまうことが重なり、すれ違いが続く毎日に疲れてしまっていた。健一が九州への長期出張に合わせて実家へと長期里帰りをし、そのまま半年が経った。
健一と離れている間に春子は健一と離婚することを決意する。そして、復縁を望む健一から「会いたい」と電話がかかってきて、気乗りはしないが話し合いをするために一度会うことを決めるが、春子は趣味のドリーズランドで買い物がしたいため、なかなか日程が会わなかった。
日程を決められなかった健一はどうしても春子と会いたくて、春子が行くと予想したドリーズランドで春子を待ち伏せしていると、そこで幸せそうにしている春子を見つける。
健一は家に戻ってくるように春子を説得しようとするが、逆に言い返されてしまいケンカをしてしまう。
そんな時、ドリーのグリーティングの順番が回ってきて、ドリーと二人で触れ合うことになり、健一は初めてドリーの良さに気付いてしまう。
大好きな妻の春子と仲直りをするために、健一は春子にとってのドリーズランドを理解しようと一緒にドリーズランドを楽しむことにする。
そして、ドリーズランドを一緒に周っているうちに、健一はやっと「人の価値観をバカにするのはよくない」と春子が怒っている理由に気付いたのだった。
『堀居姉妹の五月』の登場人物・キャラクター
堀居春子(ほりいはるこ)
堀居家の長女で平川健一と結婚しているが、子供についての考え方の違いですれ違ってしまい、半年間ほど別居していた。
真面目で、他人にはかなり警戒心を持っており、おどおどとした態度をとってしまうところがある。また、言いたいことを言わずにため込む癖があり、自分の殻に閉じこもっているように周りからは見られることが多い。
ドリーズランドが好きすぎて、年間パスポートを持っている。ドリーの新作ぬいぐるみが出たら必ず買いに行き、パレードやお店、アトラクション、期間限定フードも全てチェックしないと気が済まないほどのドリーズランドオタク。レジ打ちのパートをしているが、給料を全てドリーズランドに捧げている。
ドリーズランドのマスコットキャラクターのドリーのことは「夢の国に連れて行ってくれる大切な友達」だと思っており、健一がドリーのことをぬいぐるみ扱いした時に「一緒に生活するのは無理かもしれない」と離婚を考えるきっかけになった。
ときどきドリーのぬいぐるみを持ち歩いており、嫌なことがあるとドリーに向かって愚痴ってしまうこともある。
ドリーズランドに夢中な自分は普通ではないと思っており、言い争うことはみっともないと思い込んでいる。そんな自分を健一にまるごと理解してほしいと心の奥では思っている。
堀居桜子(ほりいさくらこ)
堀居家の次女で30歳独身。35歳までには子供が欲しくて、親戚に頼んでお見合いをしているが13連敗中。
美人で優しくて謙虚だが、マイナス思考なところがあり、暗い性格なため男性との縁が今までなかった。親しい友達もおらず、男性と付き合った経験がなく、中島大樹が初めての恋人。そのため、初心すぎる反応をしたり、王子様とお姫様に強い憧れがあったり、夢見がちな部分がある。
世間体をを気にしすぎている所があり、妹の堀居香奈子に「なんで結婚したいの?」と聞かれた際には、「普通に追いつきたいから」「結婚して子供を産んだら みんなと同じようにまともになれるんじゃないかと思って」と答えている。
1年前までは高校教師をしていたが、同僚の山下からのセクハラが原因となり、学校を辞めてしまった。それからは実家で家事手伝いをしている。
中島と再会する前までは結婚を焦っていたが、再会してからは「すぐに結婚しなくてもいいか」と考えを改めている。中島と結婚を前提に付き合いだしてからは、将来のことを考えて塾で講師の仕事を始めた。中島の就職が決まって、婚約してからは二人で同棲を始めている。
堀居菜実子(ほりいなみこ)
バレーボール一筋で周りからは「イケメン」や「王子様」と呼ばれることもあるぐらい男の子っぽい性格をしている。
スポーツ推薦で入学した大学で人間関係が原因となり、一時期はバレーボールを辞めてしまおうと思っていた。
宮下咲という先輩からの度重なるやっかみにイライラしてしまい、腹いせに彼女と付き合っていたコーチと男女の関係になってしまう。笹山しげるにコーチとの関係を辞めるように言われたことがきっかけとなり、二人は付き合い始める。
その後、仲が悪かった先輩とは仲直りをして、同じ実業団に入ってバレーボール選手として活躍する。しかし3年後に実業団がなくなってしまい、転職して母校で体育教師とバレーボール部のコーチになった。
笹山とは長い間同棲をしていたが、「お姫様ごっこ」に対する考え方の違いでケンカをしたことをきっかけに婚約をする。
結婚式ではお色直しで笹山はドレス、菜実子はタキシードを着た。
籍を入れて、わりとすぐに長男の勇介(ゆうすけ)を妊娠する。出産後、早い段階で勇介の世話を笹山に頼んで、職場復帰をしている。
堀居香奈子(ほりいかなこ)
個性的な姉妹の中で育ってきた堀居家の末っ子で、ビジュアルは良いが得意なことが取り立てて何もないのがコンプレックスだった。
16歳の頃からアイドルをしており、「さらに可愛がられたい」という動機だけで受けたオーディションに合格して、アイドルグループ「ツインハート学院」に2期生メンバーとして在籍。
バラード調のソロ曲を作ってもらったことがきっかけで、楽曲プロデューサー兼プロデューサーの木下修二に恋をしてしまう。
20歳の時に潮時を感じてしまい、ツインハート学院を卒業する。
卒業コンサートの打ち上げの席で木下に恋人がいることを知り、勢いで告白してしまったことがきっかけとなり、香奈子の猛アタックの末二人は付き合い始める。付き合い始めた勢いで一夜を過ごした結果、妊娠してしまう。
後輩を育てる為、一時的に芸能界にタレントとして戻るがスタッフとして裏方でいることを決意する。
路上で木下とキスしている所や産婦人科から出てくる所をファンに盗撮されて炎上してしまうが、周りの協力もあり事なきを得る。
無事に長女の日菜子(ひなこ)を出産。日菜子は母親である香奈子の性格を強く受け継いでおり、目立ちたがりで会話が自分中心じゃないと気が済まないところがある。
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目次 - Contents
- 『堀居姉妹の五月』の概要
- 『堀居姉妹の五月』のあらすじ・ストーリー
- 次女・堀居桜子の初恋
- 三女・堀居菜実子の恋愛
- 四女・堀居加奈子の恋
- 長女・堀居春子の結婚
- 『堀居姉妹の五月』の登場人物・キャラクター
- 堀居春子(ほりいはるこ)
- 堀居桜子(ほりいさくらこ)
- 堀居菜実子(ほりいなみこ)
- 堀居香奈子(ほりいかなこ)
- 中島大樹(なかじまだいき)
- 笹山しげる(ささやましげる)
- 木下修二(きのしたしゅうじ)
- 平川健一(ひらかわけんいち)
- 『堀居姉妹の五月』の用語
- ツインハート学院
- ドリーズランド
- 鷹ノ塚
- 蒼風りお
- 『堀居姉妹の五月』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 中島大樹「恋は仕方ないの 建前じゃ成立しないの 本音なの 欲望なの」
- 堀居菜実子「私 シゲちゃんの王子様になりたい」
- 木下修二「若くてかわいい女の子のいちばんいい時をアイドル業に捧げてくれて 俺たちに見せてくれてありがとう」
- 堀居春子「不満を言うなんてみっともないじゃない」
- 『堀居姉妹の五月』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 『堀居姉妹の五月』のキーワードは「お姫様」