Steve Gadd(スティーヴ・ガッド)の徹底解説まとめ

Steve Gadd(スティーヴ・ガッド)とは、アメリカ出身の世界を代表するドラマー。1984年にドラムやパーカッションについて取り上げる雑誌、『モダンドラマー』で殿堂入りを認められ、名実ともに業界でトップのドラマーの地位を確立する。ヴァン・マッコイ、ポール・サイモン等数多くのアーティストとのツアーやレコーディングを行っている。
他にも自身の名前を使ったバンド「Steve Gadd Band」での活動も行っており、彼の演奏技術を最大限生かした多くの名曲を生み出している。

Steve Gadd(スティーヴ・ガッド)の概要

Steve Gadd(スティーヴ・ガッド)とは、アメリカで最も有名で、音楽業界で高く評価されているセッションおよびスタジオドラマーである。幼いころからドラムを叩いており、11歳の時にミッキーマウス・ナショナル・タレント・ラウンド・アップ・コンテストで賞を受賞。それをきっかけにアメリカのバラエティーテレビ番組、『ミッキーマウス・クラブ』に出演する。1968年に初のスタジオレコーディングを行う。ヴァン・マッコイ、ポール・サイモン、リッキー・リー・ジョーンズをはじめ数多くの世界的アーティストと共演を果たす。
その後も数多くのアーティストと共にレコーディングやツアーを行っている。
1984年にドラムやパーカッションについて取り上げる雑誌、『モダンドラマー』で殿堂入りとなるなど名実共に世界的ドラマーへと昇り詰める。また、2021年にはドラムの基礎について収録した教則本『Gaddiments』を出版する。

Steve Gadd(スティーヴ・ガッド)の活動経歴

ドラムとの出会いから、世界的ドラマーになるまで

バンドのメインでドラムを叩く幼少期のスティーヴ・ガッド(画面中央)

Steve Gadd(スティーヴ・ガッド)の初めてのレコーディングは、1968年にアメリカのジャズピアニストのギャップ・マンジョーネのアルバム『ダイアナ・イン・ザ・オータム・ウィンド』でのスタジオレコーディングだった。
1973年、ガッドはマイク・マイニエリ、ウォーレン・バーンハート、デヴィッド・スピノッツァ、トニー・レヴィンと共にジャズ・フュージョン・バンド「L'Image」を結成する。また、1973年にはジャズレーベルCTI Recordsの数多くのアルバムに出演し始め、ミルト・ジャクソン、チェット・ベイカー、アート・ファーマー、ジム・ホール、ヒューバート・ロウズなどのアーティストのバックミュージシャンとしてドラムを演奏した。
このころの彼の演奏の中でも特に有名なのものとしてスティーリー・ダンの1977年のジャズ・ロック・アルバム『Aja』のタイトルトラックでの曲の最後のドラムソロが挙げられる。この演奏は2019年のJazzizの記事で「伝説」と評された。
1970年の彼のレコーディングで代表的なものとして、1975年にヴァン・マッコイのヒット曲「The Hustle」、ポール・サイモンの「50 Ways To Leave Your Lover」。1976年にチック・コリアのアルバム『The Leprechaun』『My Spanish Heart』、1978年に同じくチック・コリアの『The Mad Hatter』『Friends』。1979年にリッキー・リー・ジョーンズの『Chuck E.'s in Love』などが挙げられる。

数々の有名音楽家との共演

バンドの中でドラムを叩くスティーヴ・ガッド

1981年にはセントラルパークでのサイモン&ガーファンクルのコンサートでドラムとパーカッションを演奏した。
1983年にSteve Gadd(スティーヴ・ガッド)はマンハッタン・ジャズ・クインテットを創設したが、1987年に同じくアメリカのジャズ・フュージョンドラマーのデイヴ・ウェックルと交代する形で脱退する。このグループは日本でもアルバムを公式リリースしている。
1990年代に入りSteve Gadd(スティーヴ・ガッド)は様々なアーティストの数多くのツアーに帯同していく。
1991年にポール・サイモンのツアーに帯同。1994年1996年にはエリック・クラプトンとレコーディングを兼ねたツアーを行い、その後1997年から2004年にかけて再びツアーを行った。更に1997年には、フランスのジャズ界の巨匠ミシェル・ペトルチアーニとベーシストのアンソニー・ジャクソンのトリオでワールドツアーを行った。

世界的ドラマーとしての確立

プロとしてレコーディングを行うスティーヴ・ガッド

2000年にはB.B.キングとエリック・クラプトンのコラボレーション・アルバム『ライディング・ウィズ・ザ・キング』でB・B・キング、エリック・クラプトンの他にジミー・ヴォーンとも共演を果たす。2009年の5月にはクラプトンのバンドに入り、ロイヤル・アルバート・ホールで演奏した。また同年ガッドはL'Imageと再会。ニューヨークのイリジウム・ジャズ・クラブで演奏し、日本とヨーロッパでツアーを行う。その後アルバム『L'Image 2.0』をリリースする。
ガッドは2014年にジェームズ・テイラーとツアーを行った。2014年以降、デンマークのミュージシャン、マイケル・ブリッシャーやダン・ヘマーとソウルジャズのトリオでの演奏も行っている。2021年には彼自身がドラミングの基礎について書いた教則本『Gaddiments』を出版している。これはハドソン・ミュージックからリリースされた。

Steve Gadd(スティーヴ・ガッド)のプロフィール・人物像

Steve Gadd(スティーヴ・ガッド)は1945年4月9日にアメリカニューヨーク州のロチェスターで生まれる。
彼の叔父が軍楽隊のドラムを担当しており、Steve Gaddが7歳の頃に叔父の勧めでドラムのレッスンを受け始める。11歳の頃にはアメリカのジャズトランペット奏者、Dizzy Gillespie(ディジー・ガレスピー)と一緒だった。その後ロチェスターにあるイーストマン大学で打楽器全般を学んだ。
また大学とは別に、ナイトクラブ等で演奏をしておりそこでは数多くの有名音楽家と共演していた。
大学卒業後3年間は徴兵により軍楽隊で過ごした。その後はロチェスターのビッグバンドと数多く共演した。
1972年にはトニー・レイヴィン、マイク・ホームズとトリオを結成しニューヨークへと渡る。トリオからはすぐに離れてしまうが、その後Steve Gaddはスタジオミュージシャンとして本格的に活動を始める。オーケストラと作曲の知識をドラムセットに生かした彼の独特の演奏は瞬く間に世界に知れ渡り、1970年代には世界的ドラマーの地位に上り詰める。

Steve Gadd(スティーヴ・ガッド)のディスコグラフィー

Gaddabout

1984年リリース。

SIDE-A
1. Gaddabout
2. My Little Brother
3. Montauk Moon

SIDE-B
1. The Duke
2. Lucky 13
3. Leavin' Tomorrow

Steve Gadd(スティーヴ・ガッド)待望の初アルバム。
作曲家のDavid Matthew(デイヴ・マシューズ)がアレンジと作曲で参加。
タメのあるグルーヴが特徴的な楽曲や、ジャズファンクスタイルの楽曲が魅力的な楽曲。

The Boys From Rochester

1989年リリース。

1. Autumn Leaves
2. Between Races
3. Here 'Tis
4. Here's That Rainy Day
5. High Heel Sneakers
6. Anniversary Waltz
7. Oleo
8. Struttin' With Sandra

「成長し続け自身の仕事に愛し続け、お互いにリスペクトし合うアーティストが奏でる音楽は巡り巡って、向上し合い、よりよいものに昇華する。」
このアルバムはこれをモットーとしている。
アメリカのジャズ、フュージョンを代表する音楽家、Chuck Mangione(チャック・マンジョーネ)が企画しニューヨーク州北部の有名ミュージシャン5人が一緒に演奏した。かつて一緒に演奏し、長年にわたって友人としてさまざまなアンサンブルを共にしてきた仲間が一堂に会する貴重な演奏が収録されている。

Together Forever

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