ギヴンの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ
『ギヴン』とは、ロックバンドメンバーの恋愛を題材とした、キヅナツキによる漫画作品。巧みなギター技術を持つ高校生の上ノ山立夏は、ある日学校で弦の切れたギターを持った佐藤真冬に出会う。立夏が真冬のギターを修復すると、真冬は立夏にギターを教えて欲しいと頼む。初めは断っていた立夏だが、真冬の美しい歌声を聴き、自身のバンドに誘う。そして、2人は少しずつ恋心を抱き始める。真剣に音楽と向き合う人の熱を持った言葉や、恋愛がもたらす幸せや哀しみを表すセリフなど、人の感情を大きく揺さぶる名言が数多く登場する。
昼寝をしようとした立夏は、いつもの場所に真冬がいることに気が付く。音楽をやっている立夏は、真冬が弦の切れたギターを持っているのを見て、思わず声をかけた。そして、教室から道具を持ってきてすぐに修理し、チューニングのために立夏は音を鳴らす。その音は、真冬の心の琴線を鳴らした。そして、「俺にそれの弾き方を教えてください」とお願いする。真冬と立夏の物語が始まる合図となるセリフである。
「上ノ山君の方がカッコよかったよ」
相変わらず真冬は立夏にギターを教えて欲しいと頼み込む。だが立夏は、自分にはギターを教える技術も経験もないため、真冬に教えることができないと考えていた。そこで、真冬に学校の軽音部に行くよう勧める。立夏の言う通り、軽音部に行って見学をする真冬。だが、再び立夏のところに戻って来る。そして、「上ノ山君の方がカッコよかったよ。だからもっとギターを教えてください」と伝える。ストレートに自分のギターがかっこいいと褒められて、立夏は驚き、珍しく照れた。そして、真冬のまっすぐな想いを受け止めて、ギターを教えることを約束する。立夏のことをかっこいいと褒められる真冬の素直さがよく現れている一言だ。
初めて鳴らすギター
ギターを教えることを承諾した立夏。そこで、バンドの練習時間の合間に、立夏は真冬にギターを教える。立夏はぎこちないながらも丁寧にアンプへの繋ぎ方からギターの基礎を教えていく。そして、何か弾きたい曲があるか立夏が問うと、すぐさま「上ノ山君が最初に弾いていたやつがいい!」と真冬は答える。指の位置を教えてもらい、弦を鳴らすと、出会ったあの日に立夏が鳴らした音が響く。嬉しさのあまり真冬は何度もその音をかき鳴らす。立夏は「うるさい!」と注意し、春樹はその様子を見て笑う。真冬が自分で音楽を奏でる楽しさに初めて触れたシーンである。
「この曲、俺も好きだよ」
真冬のために寝食も忘れて曲作りに励む立夏。ある昼休み、ようやく完成した曲を真冬に聴かせる。全て聴き終えると、真冬は優しい微笑みを浮かべて、「この曲、俺も好きだよ」と伝える。ちょうどチャイムが鳴り、真冬は先に教室に戻ろうとする。そして、去り際に「ありがとう」と一言告げた。一人になると、立夏はずっと緊張していたのかその場に横になる。「こんなに熱中したの久しぶりだ」と呟いた。無我夢中で、ただ真冬のために想いを込めて作った曲だった。真冬の「好きだよ」というストレートな感想は、立夏の気持ちを安心させた。
「もし、その人がある日突然世界からいなくなったら、なんて言います?」
作詞のテーマに春樹が「恋」を挙げるが、恋人を亡くした真冬にとって、恋をテーマにした作詞は難しいものだった。すると真冬は、春樹に好きな人の有無を聞き、「もし、その人がある日突然世界からいなくなったら、なんて言います?」と問う。春樹が戸惑いながら「なんて言えばいいかわからないかな」答えると、「俺もです」と同意する。真冬はまさに今、由紀を失った現実に対し、どんな言葉を持てばいいのかわからずにいた。言語化するととができないほど、真冬が由紀を失った悲しみはまだ癒えていないのだ。
「俺さ、本当に本当に好きな人がいたんだ。まだ俺は、これ以上の言葉を持てない。けど、伝えたいことはあるって思ったから」
学校の球技大会の日。作詞を断り続けていた真冬だったが、歌詞作りを頑張ってみたいと立夏に伝える。「俺さ、本当に本当に好きな人がいたんだ。まだ俺は、これ以上の言葉を持てない。けど、伝えたいことはあるって思ったから」と続けた。由紀を失った悲しみを言葉にすることから逃げていた真冬だったが、ようやく過去の悲しみと向き合う決意を持った。自身を変えようとする真冬。一方で、真冬の口から初めて「好きな人がいた」と耳にしたことに、ショックを覚えた立夏。そして、自分が嫉妬していることに気づく。立夏が自分の嫉妬心を認め、そして真冬への想いに自覚したシーンである。
自分の気持ちを歌で届ける
いよいよライブが始まる。1曲目は、真冬が歌詞をつけるはずだった曲。イントロが始まると、真冬は「いつもどういう反応したらいいかわからないんだ。他の人がするみたいに、泣いたり笑ったり、上手にできない。多分きっと人より伝えるのが下手くそなんだ。でも、だけど本当は、いつも本当は、ただ、上手に泣けなくて、苦しくて、痛くて叫びたいのは、誰かにずっとわかって欲しかった。少しだけでいいから」と、心の中で語り、そして突然歌い始めたのだった。真冬の中であった伝えたかった言葉が、舞台上でようやく降りてきたのだ。春樹、秋彦、そして立夏は驚いて歌い始めた真冬の方を見る。その歌詞は、あまりにも切なく苦しい失恋ソングだった。聴衆の中には、涙ぐむ人もいた。ずっと由紀の死を整理できず、悲しみや寂しさを言語化することができなかった真冬が、歌という形で徐々に受け入れていくのだった。
「じゃあ俺のために死ねるの?」
高校が別れてしまい、真冬と由紀はすれ違いを繰り返す。由紀は音楽が好きな真冬のためにバンド活動とバイトに励んでいたが、真冬は放っておかれて寂しい思いをしていた。
そしてついに2人はついにぶつかってしまい、大きな喧嘩に発展する。
互いに相手のことが好きなのに、言葉の足らなさや選ぶ言葉が間違った意味で捉えられてしまったことが原因で分かり合えずにいた。真冬のためなら何でもできると言う由紀に対し、真冬は「じゃあ俺のために死ねるの?」という過激なことを口走る。由紀の愛を少し試したかっただけかもしれないが、由紀は真に受けて自殺してしまった。
自殺の原因が自分との喧嘩であったことは明らかだったので、真冬は自分の発言に強く後悔していた。
「とある冬の話。とある夜の話。どこに行っても君がいるんだ。俺の頭の中に君がいるんだ。景色の中に君がいるんだ。どこに行っても、君がいた匂いと景色があるんだ。君を許せない。俺を許せない。許したい。寂しいよ」
由紀との幸せだった日々や、悲しい最期を思い出しながら真冬は、伝えたかった言葉を歌にする。最後のフレーズを歌い終えた時、ふと横を見ると、目が合った立夏は優しげな表情を浮かべる。その表情に、真冬は涙を浮かべる。「とある冬の話。とある夜の話。どこに行っても君がいるんだ。俺の頭の中に君がいるんだ。景色の中に君がいるんだ。どこに行っても、君がいた匂いと景色があるんだ。君を許せない。俺を許せない。許したい。寂しいよ」自分の気持ちを歌にできたことで、真冬はやっと由紀との過去を清算できたのだった。
「寂しくないよ。楽しくやってるよ。好きな音楽。楽しい昼休み。新しい好きな人」
ステージ裏に残った真冬は、亡くなった由紀に、「寂しくないよ。楽しくやってるよ。好きな音楽。楽しい昼休み。新しい好きな人。君にもう一度話せたら」と語り掛ける。由紀との思い出を胸に、真冬は前を向こうとしていた。
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目次 - Contents
- 『ギヴン』の概要
- 上ノ山立夏の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「お前さ、うちのバンドに入らない?」
- 「馬鹿じゃねえの?舐めてんのか?なんにも考えてねえわけねえだろうが!表現するのが下手?俺がお前を誘ったのはな、お前の歌に俺の心が動かされたからだ!」
- 「俺はお前の歌で弾きたい」
- 「心は弦に似ていると思う。辛くて苦しくて仕方ない時、それは胸のあたりに張った糸が、千切れそうになるみたいに痛んで、まるで弦が限界まで張りつめてつまびかれているみたいに、時々弾け飛んで、もうそれは、治らないんじゃないかって思ったりする。でも、新しい糸をこうして誰かに張ってもらえたなら、少しは傷も癒えたりしないかなんて」
- 「お前はよく頑張った」
- 「ちゃんとお前の音楽じゃない」「そうなるように作った」
- 「なら、もう音楽で真冬を殴る」
- 佐藤真冬の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「俺にそれの弾き方を教えてください」
- 「上ノ山君の方がカッコよかったよ」
- 初めて鳴らすギター
- 「この曲、俺も好きだよ」
- 「もし、その人がある日突然世界からいなくなったら、なんて言います?」
- 「俺さ、本当に本当に好きな人がいたんだ。まだ俺は、これ以上の言葉を持てない。けど、伝えたいことはあるって思ったから」
- 自分の気持ちを歌で届ける
- 「じゃあ俺のために死ねるの?」
- 「とある冬の話。とある夜の話。どこに行っても君がいるんだ。俺の頭の中に君がいるんだ。景色の中に君がいるんだ。どこに行っても、君がいた匂いと景色があるんだ。君を許せない。俺を許せない。許したい。寂しいよ」
- 「寂しくないよ。楽しくやってるよ。好きな音楽。楽しい昼休み。新しい好きな人」
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- 「ギヴン」
- 「上ノ山君が好きだよ」
- 「ちゃんと確かめないと、言葉にするのを端折ったり、ちがう言葉を使うと、だめに、なるから」
- 中山春樹の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「音楽はコミュニケーションだよ」
- 「切れたら直せばいいだろ?最初もそうやってお前が直してあげたんじゃないの?」
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