ギヴンの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ
『ギヴン』とは、ロックバンドメンバーの恋愛を題材とした、キヅナツキによる漫画作品。巧みなギター技術を持つ高校生の上ノ山立夏は、ある日学校で弦の切れたギターを持った佐藤真冬に出会う。立夏が真冬のギターを修復すると、真冬は立夏にギターを教えて欲しいと頼む。初めは断っていた立夏だが、真冬の美しい歌声を聴き、自身のバンドに誘う。そして、2人は少しずつ恋心を抱き始める。真剣に音楽と向き合う人の熱を持った言葉や、恋愛がもたらす幸せや哀しみを表すセリフなど、人の感情を大きく揺さぶる名言が数多く登場する。
「それを寂しいというのだと、燃えるような眩しい舞台の上でいつか知る」
由紀と真冬が海へデートした日。冬の海はとても寒く、由紀は震えていたが、なかなか帰ろうとしなかった。真冬に、今日海に来たことを忘れさせたくなかったからだ。真冬は、由紀と海へ来たことを10年経っても覚えているだろうが、少しずつ忘れていくことを予感していた。この日に降りたバス停の名前や、着ていたセーターの色。当時2人の間で流行っていた言葉のこと。それらを少しずつ忘れていく。「それを寂しいというのだと、燃えるような眩しい舞台の上でいつか知る」と、自分の気持ちを上手く表現できなかった真冬は、ライブを経て「寂しさ」だと名付けることができた。
「ギヴン」
これから4人でバンドをやっていく上で、大切なバンド名が決まっていないことを春樹が指摘する。そして、真冬になにか案がないか問うと、「ギブ」と回答する。由紀の母からギターを譲ってもらったことが、音楽との出会いであり、立夏たちとの出会いにも繋がったからだ。そこから秋彦が「ギヴン」と提案し、決定した。
「上ノ山君が好きだよ」
練習終わりに、みなとみらいに寄る立夏と真冬。ライブでキスをした以来、どう接すれば良いのかわからずにいいた立夏。赤レンガ倉庫に着き、海を見つけた真冬は走り出す。海を眺めながらしばらく会話をすると、真冬は突然、「上野山君が好きだよ」とさらっと自分の気持ちを伝える。突然の言葉に、立夏は「え?」と驚いて硬直する。「友情的な意味の?」と聞くと、「恋愛的な意味の話」と照れる真冬。両想いという事実に、頭の中では大きく動揺する立夏。やっと、想いが通じ合った感動的な場面である。
「ちゃんと確かめないと、言葉にするのを端折ったり、ちがう言葉を使うと、だめに、なるから」
秋彦のもとで曲作りに夢中になり、立夏への返信がおざなりになっていた真冬。立夏は、付き合いが悪いことや、秋彦と一緒にいることに嫉妬していた。久しぶりに学校で会う立夏の様子が不機嫌だったので、真冬は「怒ってる?」と恐る恐る聞く。自分の心境を察せない真冬に苛立ちを覚えた立夏は、冷たくあしらってしまう。すると真冬は、「ちゃんと確かめないと、言葉にするのを端折ったり、ちがう言葉を使うと、だめに、なるから」と怯えた表情を見せる。相手の気持ちを確かめずにすれ違ってしまった由紀との恋愛を反省し、立夏の言葉にしっかり耳を傾けたいと思っていた。立夏は大いに反省し、素直に嫉妬していたことを伝えて仲直りのキスをする。過去の辛い経験を繰り返さないために、真冬は立夏との関係を大切にしたいと想っていることがわかるシーンだ。また、恋愛だけではなく、どんな人間関係においても「自分の中で完結するのではなく、相手の言葉をちゃんと確かめる」という真冬の考え方は大切である。
中山春樹の名言・名セリフ/名シーン・名場面
「音楽はコミュニケーションだよ」
真冬にバンドへの誘いを断られた立夏。ショックと意地から、どうにか真冬をバンドに入れようと説得に走るが、なかなか上手くいかない。そこで春樹と秋彦に相談すると、話の流れから立夏は真冬の連絡先さへ知らないことが発覚する。春樹から、「なぜバンドに入らないのか聞いたか」を聞かれ、確認していなかったことに気が付く立夏。そんな立夏に春樹は、「音楽はコミュニケーションだよ」とアドバイスした。立夏は真冬やバンドの為にも、徐々に苦手だった人間関係を改善させようと努力していく。
「切れたら直せばいいだろ?最初もそうやってお前が直してあげたんじゃないの?」
ライブ当日になったが、結局真冬は歌詞を作ることができなかった。そのことで喧嘩になってしまった立夏と真冬。感情が昂り、真冬がギターを持つ手に力を入れると、弦がぷつんと切れてしまった。その様子を見て、立夏は真冬との関係をもう修復不可能だととっさに思う。すると、その場に春樹がやってきて、「切れたら直せばいいだろ?最初もそうやってお前が直してあげたんじゃないの?」と伝える。そして、立夏は弦を購入するために走り出した。壊れかけたバンドの空気は、春樹の一言によって持ち直すことができた。
「音の広がりの後ろには千の音楽の気配がする。努力して聴き込んだんだ。一口で天才って言うのは語弊がある」
真冬と立夏は、制作途中の新しい楽曲を春樹に聴いてもらう。渡された楽曲に歌詞は無かったが、春樹はそれがラブソングだとわかった。真冬が短期間でたくさんの音楽を聴き込んで理解し、自分なりの解釈を新曲に反映させたために歌詞がなくてもメッセージ性が伝わってきたのだ。「音の広がりの後ろには千の音楽の気配がする。努力して聴き込んだんだ。一口で天才って言うのは語弊がある」と春樹は評価する。元々のポテンシャルの高さもあるが、秋彦や雨月のもとで熱心に音楽を勉強をした真冬の努力の賜物だということを春樹は理解していた。春樹の言葉を通して、真冬がどれほど一生懸命に音楽と向き合っているかがわかるシーンである。
秋彦との決別
秋彦との衝突を経て、春樹は音楽仲間の岳ちゃんのところに向かう。そして、ずっと伸ばしてきた髪を切って欲しいとお願いする。かつて秋彦に長い髪を褒められてから、願掛けのように伸ばしてきた髪。それを切るということは、春樹も自分の気持ちと決別するという強い意志が窺える。
梶秋彦の名言・名セリフ/名シーン・名場面
「恋というものは、柔らかく、もっと甘やかで、優しいものだと思っていた。それは体のいい妄想だったと、初恋で知る。人を好きになることは、肉を切り裂かれるような暴力だ。」
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目次 - Contents
- 『ギヴン』の概要
- 上ノ山立夏の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「お前さ、うちのバンドに入らない?」
- 「馬鹿じゃねえの?舐めてんのか?なんにも考えてねえわけねえだろうが!表現するのが下手?俺がお前を誘ったのはな、お前の歌に俺の心が動かされたからだ!」
- 「俺はお前の歌で弾きたい」
- 「心は弦に似ていると思う。辛くて苦しくて仕方ない時、それは胸のあたりに張った糸が、千切れそうになるみたいに痛んで、まるで弦が限界まで張りつめてつまびかれているみたいに、時々弾け飛んで、もうそれは、治らないんじゃないかって思ったりする。でも、新しい糸をこうして誰かに張ってもらえたなら、少しは傷も癒えたりしないかなんて」
- 「お前はよく頑張った」
- 「ちゃんとお前の音楽じゃない」「そうなるように作った」
- 「なら、もう音楽で真冬を殴る」
- 佐藤真冬の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「俺にそれの弾き方を教えてください」
- 「上ノ山君の方がカッコよかったよ」
- 初めて鳴らすギター
- 「この曲、俺も好きだよ」
- 「もし、その人がある日突然世界からいなくなったら、なんて言います?」
- 「俺さ、本当に本当に好きな人がいたんだ。まだ俺は、これ以上の言葉を持てない。けど、伝えたいことはあるって思ったから」
- 自分の気持ちを歌で届ける
- 「じゃあ俺のために死ねるの?」
- 「とある冬の話。とある夜の話。どこに行っても君がいるんだ。俺の頭の中に君がいるんだ。景色の中に君がいるんだ。どこに行っても、君がいた匂いと景色があるんだ。君を許せない。俺を許せない。許したい。寂しいよ」
- 「寂しくないよ。楽しくやってるよ。好きな音楽。楽しい昼休み。新しい好きな人」
- 「それを寂しいというのだと、燃えるような眩しい舞台の上でいつか知る」
- 「ギヴン」
- 「上ノ山君が好きだよ」
- 「ちゃんと確かめないと、言葉にするのを端折ったり、ちがう言葉を使うと、だめに、なるから」
- 中山春樹の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「音楽はコミュニケーションだよ」
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- 「恋というものは、柔らかく、もっと甘やかで、優しいものだと思っていた。それは体のいい妄想だったと、初恋で知る。人を好きになることは、肉を切り裂かれるような暴力だ。」
- 「俺おかしいですか?」「全然」
- 「ささくれてた昔の俺をバンドに誘ってくれてありがとう」
- 「お前、俺のこと好きなくせに逃げんの」
- 「要らないならなんで俺の未練を許す。俺の未練に同情するなら、なんで俺を捨てようとする。つかまえたい。逃げたい。あきらめたい。あきらめきれない。触りたい。苦しい」
- 「ここに置いてといてくれてありがとう」
- 「今、音楽が春樹といて、想像以上に楽しい。その事実に打ちのめされていた」
- 「4人全員天才じゃバンドできねえよ」
- 「ああ、音楽が好きだ」
- 「俺が生き方を変えたのは!お前に見合う男になりたかったからだ」 「好きです。俺と付き合ってください」
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- 「真冬が歌えてよかった」
- 「独善的で享楽的で冷徹。なのにどこか孤独。由紀は魅力的な男だったよ」
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- 「傷つけるんじゃなくて、わかってあげたかった」