終末のハーレム(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『終末のハーレム』とは、LINK(原作)、宵野コタロー(作画)による日本の漫画、およびアニメ作品。ウェブコミック配信サイト『少年ジャンプ+』にて、2016年5月から連載。2017年にボイスドラマ化、2019年にVRアニメ化を経て、2021年にはテレビアニメ化されている。2021年5月からは第2部『終末のハーレム After World』が配信された。
主人公の水原怜人は難病を治療するため、コールドスリープに入る。しかし目が覚めた時、男性のほとんどが死滅していた。

『終末のハーレム』の概要

『終末のハーレム』とは、『少年ジャンプ+』の2016年新連載春の陣第5弾として連載が開始された、宵野コタローによる近未来エロティックサスペンス漫画、およびアニメ作品である。成人向け漫画作品を中心として知られる宵野コタローの、一般誌連載作品で、原作・原案はLINKが務める。キャッチコピーは「男性消滅。5対50億の超ハーレム!」(第1部)、「めくるめく欲望の新世界、開幕。」(第2部)。
ストーリーとしては、難病を治療するためのコールドスリープから目覚めた主人公が、ウイルスによって男性が99.9%死滅した世界に直面し、出会ったばかりの女性たちに子作りを懇願されて困惑する一方、残りわずかな男性たちを救うために必要な特効薬の開発を目指す姿を描いている。ウイルスは男性優位の社会を憎み女性だけの理想郷を実現しようとするミサンドリストたちの陰謀によるものという設定で、男性の絶滅を目論む女性たちの組織と、主人公に寄り添いながら陰謀の公表を目指す女性たちの攻防も描かれている。また本作とは異なる世界観で、剣と魔法の異世界を舞台にした新シリーズ『終末のハーレム ファンタジア』が、『少年ジャンプ+』にて2018年5月から連載されている。さらに本作や『ファンタジア』とは異なる世界観に一新した新シリーズ『終末のハーレム ブリタニア リュミエール』が、『少年ジャンプ+』にて2020年6月から2021年8月まで連載された。
本作は、その設定や描写ゆえに性的な表現も多く描かれており、連載開始当初から物議を醸している。
一方で、台湾・香港、韓国、フランス、アメリカ、イタリアなど、各国で自国語での翻訳版が出版されている。

『終末のハーレム』のあらすじ・ストーリー

第1部 男性が死滅した世界

西暦2040年の日本。「細胞硬化症」に罹患した青年・水原怜人(みずはら れいと)が、兄の龍(りゅう)、妹のまひる、幼馴染の橘絵理沙(たちばな えりさ)に見送られ、コールドスリープに入る。
5年後、目覚めた怜人の前に専属担当官・周防美来(すおう みら)が現れ、男性の99.9%を死滅させた「MKウイルス」の免疫は細胞硬化症を治療した怜人たち5人「ナンバーズ」のみが持つことを告げ、子作りを要請。
怜人は「UW日本支部」内で、先に目覚めた火野恭司(ひの きょうじ)が子作りに成功したこと、絵理沙が行方不明であること、コールドスリープ中の龍ら生き残りの男性たちも1年足らずでMKウイルスによって死亡することを、まひるとの再会を経て知る。怜人は絵理沙を捜すため、美来に1か月間の猶予を求めた。そして怜人は、ナースの龍造寺朱音(りゅうぞうじ あかね)やボディーガードの山田翠(やまだ すい)と合流し、特効薬の開発を決意する。

その頃、UW日本支部の首脳陣は極秘で「メイティング計画」を進めていた。MKウイルスが人工ウイルスであることを知った怜人は監禁されるものの救出され、国務長官・鬼原(きはら)に外出許可と研究施設の使用許可を交換条件に、女性たちに希望を捨てないよう呼びかける。一方、首脳陣は恭司の子を妊娠する女性たちの増加を喜び、さらなる成果を期待した。
その頃、男子高校生・土井翔太(どい しょうた)が目覚める。専属担当官・神谷花蓮(かみや かれん)の手引きで翔太は担任教師と結ばれ、その後も女子生徒たちと次々にメイティングしていく。花蓮は翔太に世界で一番偉くなるという野望を明かし、翔太と結託する。

特効薬の開発に難航していた怜人は、日本で最初に犠牲者が出た慶門市でMKウイルスの論文を入手する。しかし東京ではUWの首脳陣が集結しており、自身の暗殺計画を知った怜人難民地区に隠れ家を構えた。
その後も怜人は殺害されそうになるが、UW世界本部の使者にであるクロエ・マンスフィールドに助けられる。一方、慶門市では爆破テロが発生し、東京ではコールドスリープ中の会社員・木根渕善(きねぶち ぜん)がテロ集団に拉致されてしまう。
テロ集団の電波ジャック放送により、テロ組織に入っていた絵理沙の口から、5年前UW世界本部がMKウイルスを散布した可能性が高いことや、単為生殖によって女性だけの世界を作ろうとしていることが暴露される。
まひると合流した怜人は、美来の後任として新たに着任した黒田マリア、朱音、翠と共に台湾へ向かった。

クロエは美来と麗亜を拘束し、怜人は台湾で絵理沙と再会する。絵理沙は怜人に自身が所属する組織・イザナミが2つの派閥に分かれていることを明かした。精力剤の服用とメイティングの一時中止によって常時興奮状態に置かれた善は、「祭」の当夜、イザナミの主・イザナギとして欲情した彼女たちとの乱交に没頭する。
怜人たちは香港の反UW勢力のボスからMKウイルスの結晶を託されるが、彼女の裏ではクロエが暗躍。怜人は絵理沙から、すでに妊娠できない身体となっていたことを明かされる。しかし彼女と改めて相思相愛を確かめ合い、結局は結ばれた。

怜人は絵理沙たちと共に世界各地へのワクチン手配に着手する。彼らとの合流に備えて恭司は潜伏していたが、クロエはナンバーズの全員抹殺を決意。クロエの率いる小隊が迫り、怜人たちは追い詰められるものの、翔太や花蓮と結託したイザナミが現れ怜人たちを救出した。だが、クロエに狙撃されていた恭司が死亡したうえ、その事態を利用する形で翔太や花蓮はクロエたちを追放し、日本を自分たちの支配下に置くことになっていく。

第2部 男性絶滅計画

時は進み西暦2049年。日本ではワクチンによって男性約5千人が復帰したが、彼らはそれに仕込まれていた性欲消滅物質「NOSEX」によって生殖能力を失っていた。アメリカではクロエがUWから再編した「MW」を率い、部下たちと共に「男性絶滅計画」の進行を画策している。そんな中、コールドスリープから目覚めさせられた少年・金村陸(かねむら りく)は雨宮牡丹(あまみや ぼたん)と同棲していたが、専属担当官・溝下乃薔薇(どぶした のばら)や上級生3人とも同棲することとなる。
その頃、生殖能力消失の濡れ衣を着せられていた怜人だったが、能力回復の手がかりを見い出す。

陸は牡丹と結ばれ、乃薔薇は陸たちをさらなるメイティングに誘おうと沖縄へ連れ出した。一方、翔太と花蓮はNOSEXへの対策に怜人を使おうと画策し、彼のもとへちふゆを派遣する。
翔太がメイティングに飽きを覚え始めた頃、クロエは花蓮の抹殺計画を実行に移した。

一方、陸の異父姉・金村桜(かねむら さくら)が陸の学校を訪れる。陸は桜との再会を経て、彼女へ募らせてきた思いを回想。怜人・マリア・朱音・翠・ちふゆは、捜索に応じたミキや怜人を思う桜を連れ、NOSEXへの対策に必要な薬草を求めて九州へ向かう。
怜人たちは善の妻であるミキを連れてきたために歓迎され、薬草の入手は許可される。しかし善の解放は許可されず、怜人は善から定住を提案されるが、それを断る。その夜、MWによる襲撃を経て、善を守ろうと残ったミキを心配しながら、怜人らは東京へ帰還した。

激務で翔太が消耗する関東からクロエらは帰還するが、抹殺計画による怪我から極秘に復帰していた花蓮に拘束される。一方、怜人は陸と対面して比較実験用のデータを入手していた。
クロエは出自の記憶を花蓮によって呼び覚まされ、その真相を確かめようと彼女に誘われる。美来への思いも新たに花蓮を糾弾した怜人は彼女の怒りを買う。真相を把握したクロエは単性生殖システム「聖母の子宮」を横領し、クローンの製造に着手する。
怜人が対NOSEX試薬を完成させ、怜人は美来と改めて思いを交わそうとしていた。しかし政府職員を偽った女性たちに襲撃され、朱音と共に監禁される怜人。怜人が彼女の看病によって高熱から回復するが、美来の死亡を告げられる。

『終末のハーレム』の登場人物・キャラクター

水原 怜人(みずはら れいと)

CV:山谷祥生 (ボイスドラマ)/ 市川太一、小市眞琴(少年時代)(アニメ)
本作の主人公。コールドスリープから2番目に目覚めた、「ナンバー2」の医大生。2042年に行方不明となった幼馴染の橘絵理沙への思いを貫いてメイティングを拒否し続け、MKウイルスの特効薬の開発を決意して研究を行う。

橘 絵理沙(たちばな えりさ)

CV:白石晴香(アニメ)
水原怜人(みずはられいと)の幼馴染であり、怜人が想いを寄せる女性。紫色のロングヘアや抜群のプロポーション、シミひとつない肌が魅力の美少女。怜人がコールドスリープから目を覚ました2045年、UWに反対するイザナミの幹部になっている。

周防 美来(すおう みら)

CV:伊藤静(ボイスドラマ) / 白石晴香(アニメ)
本作のメインヒロイン。怜人の専属担当官。怜人のメイティング成果を得られず上層部によって解任されるが、その後も彼に協力し続ける。正体は絵理沙のクローン。

黒田 マリア(くろだ マリア)

CV:小林桂子(VRアニメ) / 小坂井祐莉絵(アニメ)
美来の後任として新たに着任した、専属担当官の1人。怜人のMKウイルスの研究に役立てようとUW日本支部から派遣された、研究者でもある。

片桐 麗亜(かたぎり れあ)

CV:石原愛依梨(VRアニメ) / 渡部恵子(アニメ)
美来の後任として新たに着任した、専属担当官の1人。前役職は撫民官(ぶみんかん)だった。怜人に当初は否定的であるが、彼の誠実さと美来への愛情ゆえに協力する。

龍造寺 朱音(りゅうぞうじ あかね)

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