ワタシってサバサバしてるから(ワタサバ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ワタシってサバサバしてるから』とは、原作者とらふぐ、作画者江口心による漫画作品である。2020年11月よりめちゃコミックをはじめとする漫画アプリにて連載がスタートした。網浜奈美は、「私ってサバサバしてるから」が口癖の自称サバサバ女、通称「自サバ女」である。同僚たちから疎まれながらも好き勝手に働いていた奈美だったが、真のサバサバ女、本田麻衣が派遣されて来たのをきっかけに、次第に追い込まれていく。暴走する自称サバサバ女VS真性サバサバ女の戦いを描く、スカッとコメディ作品である。

『ワタシってサバサバしてるから』の概要

『ワタシってサバサバしてるから』とは、原作者とらふぐの作画者江口心による漫画作品である。2020年11月9日よりめちゃコミックをはじめとする漫画アプリにおいて、女性マンガレーベル『コミックなにとぞ』にて連載が開始された。また、小学館より単行本が刊行されている。
女性雑誌の編集部に勤める主人公・網浜奈美は、「私ってサバサバしてるから」を言い訳に、偏った主張を振りかざす自称サバサバ女、通称「自サバ女」である。他人を思いやらない傍若無人な態度で日々振る舞い続け、同僚たちから疎まれていた。しかし真のサバサバ女、本田麻衣が派遣されてきたのをきっかけに、奈美は自らを窮地に追いやる事になる。暴走する自称サバサバ女VS真性サバサバ女の戦いを描く、スカッとコメディ作品である。

『ワタシってサバサバしてるから』のあらすじ・ストーリー

同僚との合コン

「自称サバサバ系女子」の網浜奈美

網浜奈美(あみはまなみ)は、光洋(こうよう)出版社の女性雑誌編集部に勤めている。サバサバ女を自称してそれを言い訳にやりたい放題しており、周りからはかなり疎まれていた。ある日、同じ部署で働く同僚女子、藤川亜紀(ふじかわあき)と安藤晴香(あんどうはるか)が合コンに向かうところに行き合った奈美は、そのまま合流して参加する事になる。他の参加者は営業部の山城達也(やましろたつや)、鈴木雄太(すずきゆうた)、加賀亮(かがりょう)、そして奈美と同じ部署で働く派遣社員の本田麻衣(ほんだまい)である。のっけから自サバ全開で同僚女子を小馬鹿にする奈美に苛立ちと戸惑いを隠せない周りの面々だが、麻衣は1人その横柄な言動を意に介さず、正論を返していた。
合コンの後、山城が自分に気があるのだと勘違いした奈美は、タクシーで帰るという山城の後を追って同乗する。山城のすべての受け答えを都合よく解釈した奈美は、暗にセックスしようと誘いをかけるが、恐怖を感じた山城はわざわざタクシーを降りて逃げていった。

超人気ショップオーナーとの会食

麻衣が超人気セレクトショップ「BIBA」の取材担当に抜擢され、奈美は編集長から麻衣のサポートにつくよう指示を受ける。派遣社員の麻衣が重要な仕事を任されたうえに自分が世話役にされたことが面白くない奈美は、麻衣を煽るように偉そうな発言を繰り返すが、本人には一向に相手にされない。麻衣の取材は滞りなく完了して特集記事は高く評価され、「BIBA」のオーナーも喜んでいるとのことである。編集長と麻衣がオーナーとの会食に赴くことを聞きつけた奈美は編集長に迫り、自分も参加する事を無理やり承諾させた。オーナーと麻衣が和気藹々と話しているのを見て苛立った奈美は、オーナーにさえも無礼な言動を連発し、傍で見ている麻衣と編集長は必死でフォローし続ける。疲弊した2人が席を立ってオーナーと二人きりになった奈美はここぞとばかりに「男に媚びない女」をアピールするが、「本田さんと話すよりオーナーと話す方が楽」と発言した奈美に対し、オーナーは穏やかな顔で「君はラクでも僕はどうかな」と告げた。そのまま会食はお開きになり、オーナーの怒りを買わずに済んだ編集長と麻衣は胸を撫で下ろす。編集長は激怒して奈美を叱咤するが、奈美はまったく自分が悪いとは思っていないのであった。
社内では、麻衣が正社員に登用されるとの噂が立っていた。その折、ひとつの事件が起こる。営業部の谷川誠(たにがわまこと)が自分のミスの責任を麻衣になすりつけようとしたのだ。麻衣が指示された証拠を突きつけても谷川は難癖をつけて認めようとせず、結局その場は決着がつかないままに収まった。その後、麻衣のことを「調子に乗っている」と毒づいている谷川を見かけた奈美は、谷川を利用して麻衣を蹴落としてやろうと目論み、麻衣は谷川がお気に入りでわざと突っかかっていると嘘を吹き込む。調子にのって麻衣に誘いをかけて断られた谷川は、彼女を逆恨みして上司に契約解除を進言し、事態は奈美の思い通りに動いているように思えた。だが、その後人事異動が発表される。谷川が別部署に飛ばされて麻衣は正社員に登用され、それだけでなく、奈美は別名「追い出し部屋」と噂される社史編纂室に異動になっていた。

Web雑誌企画コンペ

社史編纂室にやってきた奈美は、予想以上に地味で覇気がない仕事場の雰囲気に文句タラタラである。その様子を見た指導係の年配社員・千堂光男(せんどうみつお)は、「君は自分の事が全く分かっていないようだ」と告げた。新しい部署で働き始めた奈美だが、やる気がなく仕事が適当なうえに勤務態度も極めて悪く、千堂から注意を受けても改善しようとする素振りさえ見せない。
千堂から社内の各部署の取材を言いつけられた奈美は、社員の米沢(よねざわ)を伴い、古巣である編集部を訪れる。部署の社員の許可も取らずに好き勝手に取材する奈美を咎めたのは、正社員となって働いていた麻衣であった。麻衣に追い出されることになった奈美は苛立ちを募らせて社史編纂室に戻る。結局編集部の取材は中途半端なままに終わり、奈美は取材できなかった部分を「私のセンスと経験」ででっちあげて取材記事を作成した。だが、奈美の原稿を一目見た千堂は、ボツだと一刀両断してやり直しを求める。千堂に「今まで編集部で何をやってきたのか」と言われて逆上した奈美は、編集部に返り咲こうと執念を燃やし、折しも募集されていたWeb雑誌企画の社内コンペで結果を出して周りを見返そうと決意した。
自分なら素晴らしい企画案が出せるはずだと意気揚々と企画を練り始める奈美だが、考えど考えど良いアイデアが降りてこない。そんな中で、奈美は同僚の木内静江(きうちしずえ)がコンペに応募するつもりであることを知る。コンペの締め切りが迫るも一向に企画書作成が進められずに焦った奈美は、木内の企画書の内容を覗き見した後、他の社員を差し置いて一番乗りで企画書を提出した。コンペの期日が過ぎ、なんとか締切に間に合った社員達は安堵の表情を見せている。ところが、トラブルが発生した。社史編纂室を訪れた広報部の社員によると、木内の企画書に盗用疑惑があると言う。木内が提出した数日前に内容が酷似した企画書が出されていたというのがその根拠だが、実はその企画書は奈美が出したもので、つまりは奈美の方が盗用していたのである。身に覚えのない疑惑をかけられて混乱する木内に、奈美はいけしゃあしゃあと「分相応に生きろ」と言ってのける。
そして社内コンペの結果発表が行われ、大賞を取ったのは、木内の企画であった。大慌てで自分の名前を探すも、奈美の名前はどこにもない。何かの間違いだと広報部に突撃して文句をつけた奈美は、会長が自分を呼んでいるとの旨を知らされる。コンペで会長自ら会長賞をくれるのだと考えた奈美が意気揚々と会長室に向かうと、そこで待っていたのは編纂室の嘱託社員のはずの千堂だった。千堂の正体は、会社の会長だったのである。実は千堂は、社内に蔓延る隠れた問題を見つけ出すためにあえて立場を伏せて編纂室で働いていたのだ。問題だらけの行動を見せ続けてしまった奈美は千堂の不興を買っており、それだけでなくコンペの企画の盗用もバレていた。自宅謹慎を言い渡された奈美は転職を決意し、自ら会社を辞めることを宣言して去っていったのだった。

派遣社員となった奈美と新たな職場

人材紹介会社に登録した奈美は、自信満々でスカウトメールを待つ。しかし、山ほどスカウトが来るはずとの予想に反し、何日待ってもメールは来ない。打つ手がなくなった奈美は、退職前に麻衣から渡された名刺を頼りに派遣会社「マンパワークラブ」に赴いた。「難関大学卒業で出版社に就職し編集者として大いに貢献した」という経歴を意気揚々と語る奈美だが、実際のところその内容は薄っぺらいものでしかなく、対応にあたった社員の広瀬(ひろせ)には「編集者のキャリアとは言えない」と一刀両断されてしまう。そこに偶然居合わせたのは、大手アパレル通販会社「GOGO CITY」の滝川守(たきがわまもる)社長である。今を輝く滝川の会社でコールセンターの人材を大量に募集することを聞きつけた奈美は、滝川に直接アプローチをかけ、結果、奈美は派遣社員としてGOGO CITYで働くことが決まったのだった。
そして出社初日、奈美を迎え入れた社長秘書の早乙女京子(さおとめきょうこ)は、美人だが奈美に負けず劣らずの毒舌女だった。初っ端から早乙女に食ってかかって目をつけられた奈美は、オリエンテーション会場で他の社員の前でバカにされ、負けずに言い返す奈美と早乙女の間には火花が散っていた。オリエンテーションが始まったが、奈美はクレーム対応などは余裕だと真面目に聞いていない。その後の昼休み、食堂で再び早乙女と遭遇した奈美はまたもや好戦的な態度をとり、奈美が去るのを見届けた早乙女は「すぐに辞めてもらうことになる」と不穏な発言を残した。

GOGO CITYでの仕事ぶり

翌日からさっそくコールセンターでオペレーターとしての仕事が始まり、電話対応にあたった奈美はのっけから客に失礼な態度をかまして指導を受けることになる。早乙女から「向いていない」と言われて怒り心頭のままに帰ろうとした奈美は、滝川社長が誰かと話しているのを目撃する。その相手は麻衣と木内であり、驚いた奈美は急いで彼女達の元に向かった。聞けば、木内が出したコンペの受賞企画を進めることが決まったのだという。そのうえでGOGO CITYと協業することになり、麻衣がそのサポート役についたらしい。ライバル視していた麻衣、そして充実した仕事ライフを送っている木内の様子を見た奈美は、苛立って仕方がなかった。
翌日、奈美はGOGO CITYから苦情を受けて出向いてきた広瀬に、客対応についての注意をうけていた。契約を切ることを決めた広瀬が奈美を連れ帰ろうとした時、奈美が失礼な対応をして怒りを買った客から奈美本人宛に電話がかかってくる。ひどいクレームを受けることを覚悟してヒヤヒヤしながら見守る周囲の面々だが、意に反してその電話は奈美の応対を認めるものであった。結局、奈美は引き続きコールセンターで働くことが決まり、自らの客対応に一層自信をつけた奈美は、オペレーターとは思えない「フレンドリー」な対応をとり続ける。早乙女に態度を咎められるも「パワハラ」だと言い返し、奈美と早乙女の間には一触即発の雰囲気が漂っていた。その折、GOGO CITYがアメリカの大手通販会社「フォレスト社」に狙われていることが発覚し、そのフォレスト社の一行が急遽来日するという。翌日、会社の前をぶらついていた奈美は、滝川社長がフォレスト社のジェームズ・ブロンソンを出迎えている現場に行き合う。奈美を一目見たジェームズは、突如顔を輝かせて「SABA SABA(サバサバ)」と叫んだ。

『ワタシってサバサバしてるから』の登場人物・キャラクター

光洋出版社・編集部

網浜 奈美(あみはま なみ)

網浜奈美は、本作の主人公である。28歳である。本作の開始時には光洋出版社の女性雑誌編集部で働いていたが、社史編纂室に左遷され、その後転職してGOGO CITYのコールセンター勤務になった。自称「サバサバ系女子」であるが、実はかなりねちっこい性格である。しかし、本人は自分がサバサバ系だと信じており、それを建前に誰に対しても失礼な言動を繰り返すため、ほぼすべての周りの人間から疎まれている。ただし、本人はその事にまったく気づいていない。プライドが非常に高く、自分が否定されることに我慢がならない。だが、根がポジティブなためすべてを自分に都合よく捉え、否定されていると気づかない場合も多い。ぽっちゃり体型で容姿端麗とは言い難いが、自分は男性にモテると勘違いしている。何かと周りの女性のことを「媚びている」と揶揄し、逆に自分のことは「媚びない女」と思ってそのように行動しているつもりである。だが、実際には男関係に貪欲であり、上司や顔が良い男性社員にしょっちゅう媚びている。

本田 麻衣(ほんだ まい)

本田麻衣は、光洋出版社の女性雑誌編集部で働く女性社員である。26歳である。誰もが認める美人で、モデルの仕事もしている。もとは派遣社員として働いていたが、その有能さゆえ、後に正社員として採用された。正真正銘のサバサバ系女子であり、本作にて奈美のライバルとして描かれている。日頃は穏やかな受け答えをしているが、間違ったことは間違っているとはっきり口にする強さも併せ持ち、自サバの奈美とは正反対で、周囲の評判もすこぶる良い。奈美が勝手にライバル視しているためによく突っ掛かられているか、その度に大人な対応で流し、それがまた奈美の苛立ちの元になっている。奈美が退職した後、営業部の山城と付き合い始めた。

安藤 晴香(あんどう はるか)

安藤春香(右)と藤川亜紀(左)

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