海が走るエンドロール(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『海が走るエンドロール』とは、『ミステリーボニータ』にて2020年11号から連載中のたらちねジョンによる日本の漫画。
主人公・茅野うみ子は夫と2人で映画鑑賞するのがとても好きだったが、夫とは死別したばかりだった。久しぶりに映画館に行った際、かつて夫から言われた「映画が好きなのではなく、映画を観ている人が好きなんですね」という言葉を思い出し、ふと映画館内の客席を見ていたら映像専攻の美大生・海と目があってしまう。

カイ「ゾクゾクするからなんじゃないの?」

カイ(右奥)の発言に衝撃を受けるうみ子(左手前)

うみ子が映画館で客席を気にしてしまう癖について、カイは「どんな面白い映画を観ても客席が気になるのは、自分の作った映画がこんなふうに観られたらって考えて、ゾクゾクするからなんじゃないの?」と看破する。この言葉がきっかけでうみ子のイメージで海の波が現れてくるインパクトのあるシーン。

カイ「今から死ぬ気で映画作ったほうがいいよ」

うみ子(左)を支えるカイ(右)

うみ子が波のイメージに足をさらわれそうになったところに、カイが「死ぬ気で映画を作ったほうがいいよ。」と言ったセリフ。この言葉をきっかけにうみ子の人生が大きく変わっていく。『海が走るエンドロール』の中でも代表的な名セリフとシーンである。

うみ子「誰でも船は出せる」

カイ(左)を撮影するうみ子(右)

うみ子とカイがロケハンで朝の浜辺に来たときに、「モノを作る人と作らない人の境界線は、船を出すか出さないかに似ている」という話になり、うみ子は「誰でも船は出せる」とカイに言う。このシーンでうみ子とカイの信頼関係がより深くなっていき、物語も大きく動いていく。

カイの笑顔

普段はまったく笑わないクールでマイペースなカイが、うみ子と朝の浜辺でロケハンしている最中、大波にさらわれて笑ったシーン。この笑顔を見て、うみ子はカイをモデルに映画を撮ることを決めた。

『海が走るエンドロール』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

うみ子の参考になっているのは作者の母

うみ子の65歳という設定は年金の支給開始の年齢であり、シニア割引などがある高齢者という年齢に括られてしまう中でセカンドライフしかり、まだこれから色々できるんじゃないかということを意識して設定した年齢である。作者のたらちねジョンの母親が60代後半であるためとても影響を受けて漫画を製作している。

初期設定のうみ子はインスタグラマー

うみ子の初期の設定ではインスタグラマーとして注目されていたニューヨークのおしゃれなおばあさまのイメージであったが、うみ子らしさを出すため現実的な生活感のある格好に変更されている。

カイのモデルは綾波レイ

カイのモデルは『新世紀エヴァンゲリオン』に登場する綾波レイで、中性的で綺麗な印象や感情の起伏が少ない、実際の人間っぽくないキャラクターが参考にされている。

カイは典型的な性規範から外れた立ち振る舞いをするキャラクター

カイ(左)、うみ子(右)

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@honjou_mami5

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