チャームエンジェル（チャムエン）のネタバレ解説・考察まとめ

『チャームエンジェル』の概要

『チャームエンジェル』とは、『ちゃお』2006年2月号から2008年5月号まで連載された、もりちかこによる少女漫画。『ちゃお』2006年8月号までは『チャーム†エンジェル』というタイトルだったが、『ちゃおDX』2006年8月増刊からチャームエンジェル』に変更された。単行本は全6巻。
どんな願いも叶えられるという「星天使（スターエンジェル）」の候補生に誘われた主人公のアミーは、その資格を得るため、パートナーのリコルとともに人々の悩みを解決する活動を開始する。少女漫画の主人公にあるまじき暴挙が当たり前のアミーと、天使の心を持つリコルの対比が面白いファンタジーコメディ。

本編の連載終了から13年後、新章となる『チャームエンジェル -星天使編-』が、Web漫画サイト「ちゃおプラス」にて2022年8月10日から2024年1月29日にかけて連載された。『星天使編』では、星天使となり、大人になったアミーの魔界での新たな活躍を描いている。単行本は全4巻。

『チャームエンジェル』のあらすじ・ストーリー

孤独な悪魔への天使の誘い

幼い頃に両親に裏切られた経験から人間不信に陥り、粗暴な振る舞いで周囲から「悪魔」と恐れられていた少女・保利アミー（ほり アミー）。孤独な日々を送っていた彼女のもとに、ある日、天界から天使のリコルとラミエルが現れる。
どんな願いも叶えられるという「星天使（スターエンジェル）」の候補生に誘われたアミーは、その資格を得るためにエンジェルリングを授かり、パートナーのリコルとともに、人々の悩みを解決して「チャーム」を集める活動を開始する。

ライバルの出現とリコルの過去

活動を通じて人々の心に触れ、少しずつ成長していくアミーの前に、最も有力な候補生とされる少女・ミルが現れる。完璧な天使として振る舞いながらも、なぜかアミーに強い敵意を向けるミル。やがて「記憶の香水」により、リコルが人間だった頃の記憶を取り戻し、リコルとミルが過去に深い関わりを持っていたことが判明する。
そして、事件の裏で暗躍する試験神官マキデュエルの陰謀を、アミーはミルのパートナー・ティリと協力して乗り越えていく。

星天使育成学校での試練と恋

事件収束後、アミーは次期星天使を目指す候補生が集う「星天使育成学校」へ入学した。そこでは「5大天使」と呼ばれる強力な天使たちが講師を務めており、試験に脱落すれば候補生としての記憶を消去されるという厳しい掟があった。
クラスメイトとの衝突や、ゾノからの告白、そして試験神官であるラミエルへの淡い恋心に揺れながらも、アミーはリコルやラミエルの期待に応えるべく試験を乗り越えていく。

星天使の決定

最終候補生まで勝ち残ったアミーだったが、姿を消していたマキデュエルが放った「絶望の種」により、天界は崩壊の危機に直面する。アミーはわずかな仲間とともに天界を救うべく立ち上がり、未曾有の事態に立ち向かう。
そしてマキデュエルとの戦いを経て、ついに次期星天使が選定される時が訪れた。かつて孤独だった「悪魔」のアミーは、仲間と共に多くの困難を乗り越え、ついに星天使に選ばれたのだった。

『チャームエンジェル -星天使編-』のあらすじ・ストーリー

悪魔になってしまった星天使

千年に一度交代する星天使の候補となったアミー。仲間や愛する人たちと共に困難を乗り越え、ついに星天使に選ばれた。
それから10数年の月日が流れ、大人になったアミーだったが、天界の象徴としての重責から、あらゆる問題を一人で抱え込もうとするようになっていた。そんなある日、アミーはひょんなことから悪魔に堕天。大悪魔を目指すリーフデビル・メイベルの「パートナー悪魔」として活動することになる。

悪魔教師としての活躍と魔界崩壊の危機

悪魔メディアによって正体を暴露され、窮地に陥るアミーだったが、大悪魔の計らいで許され事なきを得る。そして悪魔の性質をより深く知る必要性を感じたアミーは、周囲の勧めで「悪魔教師」となり、メイベルの教育を任される。
キラキラとしたアイドル的人気を誇る「愛」、圧倒的な美貌を武器にする「ビューティ」、そして冷徹な判断力を持つ「運」といった、強烈な個性を持つ「五大悪魔」たちの授業を共に受ける中で、アミーはメイベルの成長を見守りつつ、自らも悪魔の世界への理解を深めていった。
しかし、平穏な日々は、メイベルの試験神官だったロアが起こした騒動によって一変する。ロアは実力主義の現大悪魔の体制に不満を持っており、一方的な力で統制する悪魔界にすることを画策していたのだ。
悪魔界を支配しようとするロア。魔界が崩壊の危機に瀕する中、アミーは本来の星天使の姿へと戻り、ロアを捕らえるために大悪魔たちと共に戦うことになる。

ロアの過去とアミーの決断

苦戦する大悪魔やアミーたちだったが、そこにかつて「絶望の種」を用いて天界を破滅寸前まで追い込んだマキディエルが現れる。実はロアはマキディエルの弟だったのだ。マキディエルの口から、ロアがかつて家族同然に接していた天使の少女・ジルを目の前で悪魔に聖女の石にされてしまい、その怒りから悪魔を殺し、自らも堕天したという悲しい過去を知らされたアミーたち。
ロアの抱える真実を知り、アミーとメイベルは大きな決断を迫られた。そして互いの信念をかけた戦いの末、アミーたちはついにロアの暴走を食い止めたのだった。

『チャームエンジェル』の登場人物・キャラクター

主要人物

保利アミー（ほり アミー）

主人公。パートナーのリコル、試験神官のラミエルとともに星天使を目指す。
日英ハーフの美少女だが、過去の家庭崩壊から「嘘」を激しく嫌い、周囲からは「悪魔」と恐れられていた。「アミー必殺」と称するコスプレで数々の危機を突破する。
物語を通じて仲間との絆を知り、最終的に星天使に選出。生涯ラミエルを想い続け、人としての生を終えた後に正式に星天使となった。
星天使編では悪魔界に潜入し、メイベルのサポート悪魔や非常勤講師を務める。

リコル