10代で読んで欲しい哲学&倫理学&心理学の名作を紹介!プラトンやニーチェなど

長年に渡り世界中で読み継がれている哲学や倫理学、心理学の名作をまとめました。古代ギリシアの哲学者プラトンの『国家』や、ドイツの思想家ニーチェの『道徳の系譜』など、各作品の基本情報や読者の感想をまとめています。哲学入門編にぴったりな本もまとめて紹介しています。

前期ウィトゲンシュタインの古典的名著『論理哲学論考』の、とても頼りになる日本語訳です。訳者が『「論理哲学論考」を読む』の著者である野矢茂樹氏なだけあって、訳が読みやすいし訳注もとても充実しています。『「論理哲学論考」を読む』は、この本ととても相性の良い副読本として使えます。

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巻末の訳者解説には、訳者による『論考』本文の簡単な要約のような文章が載っています。この本はもはや『論考』の単なる和訳というだけにとどまらず、『論考』の入門書でもあると言って過言ではないと思います。

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ただ、本文中の訳注が付いていない箇所で解釈が定まらないところがあったり、訳注で訳者の推測にとどまる箇所(語尾が「~と考えられる」だったり「~と思われる」だったり)があったりします。こうした箇所より先は、読者が自力で考える必要があると思います。そうした点を踏まえつつ和訳を読みながら自力で考えることができるので、『論考』を読みふける体験を濃密に味わえる一冊です。

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ミンスキー『心の社会』

心はどうはたらくのか?大昔から問われてきたこの問題に対して、『心の社会』は革命的な回答を与えている。

本書は、ミンスキー教授が長い間練りに練った、人間の知能についての新しい考え方を示したものである。

ミンスキー教授は、心とは、「一つひとつは心を持たない小さなエージェントたちが集まってできた社会」と提示する。

本書の内容は、子どもの描く絵から自己意識に至るまで、あるいは、何かを否定するような思考のもつ力から日常の思考におけるユーモアの役割に至るまで、多岐にわたっている。

ミンスキーといえば、ソフトウェアに何らかの関わりをもっている人なら、人工知能の研究者として、たいていは、名前ぐらいは知っている。ただし、具体的にどのような研究をした人かまでは、私も知らなかった。

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実際に、この本を読んで、世の中にはすごい人がいるものだと、改めて感心させられた。
心のはたらきが、これだけ広範にかつ深く考察されているのは、人工知能をつくりあげるという具体的な目標があったからだと思う。

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心というものは、エージェントとよばれる個々のプロセス単位の集合体(階層)として構成されているという考えが、ミンスキー氏の理論のベースとなっている。
最初はこの考えに少し違和感があったが、読み進めていくうちに、普段、あまり意識してなかった自分の心のはたらきが、次第に生き生きと浮かび上がってくる。
さらに、心のはたらきを客観的に再認識することによって、自分の判断や行動を改めて見つめ直すことにも役立つようにも思える。

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ライル『心の概念』

ライルの《心の概念》の刊行(1949)は、〈戦後の哲学におけるきわめて重要な事件〉(G.J.ワーノック)であった。

これと前後して出版されたウィトゲンシュタインの《哲学探究》とともに、
2冊の書物が20世紀後半の哲学に与えた影響ははかり知れない。

本書は、いわゆる日常言語学派の哲学的方法の確立の宣言であり、
それはウィトゲンシュタインの〈言葉の意味はその使用である〉という洞察の展開ともいえよう。

ライルは、この方法によってデカルト以来の心身二元論の哲学的伝統を根底的に批判し、
心にかんする新しい概念地図を提示する。

この本は心という概念を、意志や情緒、想像力、知性.etcに分解して、その一つひとつに対してギルバート・ライル自身の一貫した視点から説明がなされているものです。

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著者は、われわれが心の働きであると信じているものは、結局外からの観察によって得られているもので、身体の中に、身体とは別の何ものかが存在しているのではない、つまり”機械の中の幽霊”などというものは存在しない、ということを主に言語的な側面から論じています。

自分としては若干英語の文法に引きずられていると感じましたが、あるいはそれでいいのかもしれません。

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結構面白く、ところどころで目を開かされるような言葉もありますが、ページは500弱、文字も小さく分量が多いので、読みきるには根気が必要です。読んでみようと思う人は、えー、頑張ってください。

ちなみにですが、この本はアーサー・ケストラーの著書『機械の中の幽霊』のもとになっていて、また、そのタイトルが攻殻機動隊のGhost in the shellのもとになっているのです。

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>デカルト的二元論に反旗を翻した戦後哲学史上の事件、ライルの『心の概念』を読んでいた。味わい深い。

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バタイユ『エロティシズム』

労働の発生と組織化、欲望の無制限な発露に対する禁止の体系の成立、そして死をめぐる禁忌…。

エロティシズムの衝動は、それらを侵犯して、至高の生へ行き着く。

人間が自己の存続を欲している限り、禁止はなくならない。

しかしまた人間は、生命の過剰を抑え難く内に抱えてもいる。

禁止と侵犯の終りなき相克にバタイユは人間の本質を見ていった。

内的体験と普遍経済論の長い思考の渦から生まれ、1957年に刊行された本書によって、エロティシズムは最初にして決定的な光を当てられる。

バタイユ新世代の明快な新訳で送る、待望の文庫版バタイユの核心。

訳者解説によると、本書は「性の理論書」だそうである。
とんでもない!

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人間の深奥の内的体験の書であり、性はその一面である。
人間とは何か? 宗教とは何か? 文明とは何か?
このような問題に答えてくれる本である。

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バタイユのエロティシズムは哲学的というよりかは文学的に価値の高い作品に思われます。というのも、哲学書と何ら変わりない難解な用語を多様してはいるものの、言いたいことはいたって単純で、究極的な言い方になってしまうかもしれませんが、エロティシズムは禁止と侵犯の連鎖によって死にまで至らしめる生の賞揚と考えても間違いはないようにおもわれるからです。

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