10代で読んで欲しい哲学&倫理学&心理学の名作を紹介!プラトンやニーチェなど

長年に渡り世界中で読み継がれている哲学や倫理学、心理学の名作をまとめました。古代ギリシアの哲学者プラトンの『国家』や、ドイツの思想家ニーチェの『道徳の系譜』など、各作品の基本情報や読者の感想をまとめています。哲学入門編にぴったりな本もまとめて紹介しています。

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プラトン『国家』

ソクラテスは国家の名において処刑された。

それを契機としてプラトン(前427‐前347)は、師が説きつづけた正義の徳の実現には人間の魂の在り方だけではなく国家そのものを原理的に問わねばならぬと考えるに至る。

この課題の追求の末に提示されるのが、本書の中心テーゼをなす哲人統治の思想に他ならなかった。

プラトン対話篇中の最高峰。

冒頭の正義論は実に興味深い。「正義とは友を利し敵を害することである」と主張するポレマルコス。「正義とは強い者(支配階級)の利益になることである」と主張するトラシュマコス。

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そしてソクラテスは、次のような案を提示する。小さな文字も拡大すれば見やすくなるのと同じように、より大きなものの中にある正義の方が、いっそう大きくて学びやすい。よってまず国家における正義について探求してみよう、と。

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読んでいて納得のいかない部分がないわけではない。詭弁としか思えない箇所も少なくない。とはいえ哲学書としては手がつけられないほど難解ではないし、さまざまな考察を惹起する魅力的なテキストである。

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アリストテレス『ニコマコス倫理学』

自分のまっとうな努力で得た徳のみが人の真の価値と真の幸福の両方をきめる。

そして徳の持続的な活動がなければ人は幸福ではない、と考えたアリストテレス。

上巻では幸福とは何かを定義し、勇気と節制、正義、また気前の良さ、志の高さなど、人柄の徳について考察する。

カント研究の大家である天野貞祐が学生に薦める書として内村鑑三の『後世への最大遺物』、ヒルティの『幸福論』とともに本書を挙げたそうだ。特別な哲学の素養のない読者に大哲学者の古典的著作を5冊推薦するとすれば、間違いなく本書はその一冊に入るだろう。

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意味がつかめるようになるまで、とても幸福について書かれているとは思わないかもしれません。ただし、そこにあるのは紛れもない幸福論です!正直、翻訳本独特の読みにくさはあります。
不思議なことに、孔子もブッダもそしてこの本の著者であるアリストテレスも、おおよそ同世代の人物であり一様に中庸の重要性について説いています。しかし、この本のは中庸の利点を語るだけでなく、中庸そのものについて深く言及しています。

近代以降の科学解明に伴い、今となっては非科学的な論述も一部ありますが、紛れもない名著だと言えるでしょう!
ちなみに、私は個人的に悩んだ時や落ち込んだ時にこの本を読みます。

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ショーペンハウアー『意志と表象としての世界』

ショーペンハウアーの魅力は、ドイツ神秘主義と18世紀啓蒙思想という相反する二要素を一身に合流させていたその矛盾と二重性にある。

いまその哲学を再評価する時節を迎えつつある。

世界とは「わたしの表象」、人生とは。苦悩、そして解脱とは。

この本を読むと他の哲学書を読むことがバカバカしくなってしまう。ショーペンハウアーは哲学すること自体の無意味さも哲学によって明らかにしてしまったバカ正直な男である。

我々はもう沈黙するしかないのか?と言いたくなる衝撃のラスト。そういった意味でもこの本は思想家にとっては都合の悪い本であり、現代思想においてあまり話題にされない理由はそのせいでしょう。人生を変える一冊です。

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『意志と表象としての世界(正篇)』はショーペンハウアーの主著であり、邦訳はほかに白水社の全集版と理想社版があるが、入手のしやすさと分かりやすさでは西尾幹二訳の本書が群を抜いている。このまま忘れ去られてしまうのはあまりにも惜しい、特に若い読者に読んでもらいたい古典的名著であり名訳である。

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>音楽を聴いてるとき人は他者の痛みを理解しその倫理的な気持ちなれるとした。

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ヘーゲル『精神現象学』

感覚という意識の最も低次の段階から、経験を通じて、精神が〈絶対知〉に達する過程を描く「意識の経験の学」。人間の知の範囲の限界の拡張を試みるヘーゲル第一の主著。66年刊の元訳を補訂。

上巻では、序論、緒論、A−意識、B−自己意識、C−理性が収録されています。
意識が「絶望の道」を経ながら、つまり否定に直面しながら、
真の知へと展開していく様子が事細かに叙述されています。

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訳文は良い出来だと思います。しかし、ヘーゲル独特の言葉や言い回しに
初めて触れる方は戸惑うかもしれません。
そう簡単にすらすらと読み進めることは困難ですので、
それなりの覚悟と忍耐が要求されると思います。

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若い時に苦労して何度も何度も読み返したこの本は、ボクの本当の「哲学=人生事始」であり、具体的な事象から目を背けず、かつ抽象的思考とも切り離さず、相関的にどこまでも近似知的に追及し続ける知的執拗さと愉しさを実感的に教えてくれた大切な1冊です。若い方にこそお勧めしたいと思います。

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デカルト『省察』

近代哲学の父にして偉大な数学・物理学者でもあったデカルトが、『方法序説』の刊行後、形而上学にかかわる思索のすべてを、より精密に本書で展開。

ここでは、一人称による六日間の省察という形式をとり、徹底した懐疑の積み重ねから、確実なる知識を探り、神の存在と心身の区別を証明しようとする。

この著作は、その後、今日まで連なる哲学と科学の流れの出発点となった。
初めて読むのに最適な哲学書として、かならず名前を挙げられる古典の新訳。

全デカルト・テキストとの関連を総覧できる註解と総索引を完備。これ以上なく平明で精緻な解説を付した決定版。

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