THE FIRST -BMSG Audition 2021-(ザ・ファースト)のネタバレ解説・考察まとめ

『THE FIRST -BMSG Audition 2021-(ザ・ファースト)』とは、ダンスボーカルグループAAAのメンバーでありラッパーのSKY-HI(スカイハイ)が自腹1億円を投じて行ったオーディション番組だ。2021年4月からHulu(フールー)にて配信され、ショート版が日本テレビ系列、朝の情報番組『スッキリ』で放送され、BMSG公式YouTubeチャンネルにもアップされている。最終的に7人のメンバーが選ばれ、ボーイズグループが「BE:FIRST」誕生した。

『THE FIRST -BMSG Audition 2021-(ザ・ファースト)』の概要

『THE FIRST -BMSG Audition 2021-(ザ・ファースト)』とは、ダンスボーカルグループAAA(トリプルエー)のメンバーであり、ラッパーのSKY-HI(スカイハイ)が主催のオーディション番組である。SKY-HIが自腹1億円を投じ開催し、エンタテイメント業界のみならず多方面で話題となった。才能があるにも関わらず埋もれて行く若者達や、廃れていく日本の音楽業界の未来に危機を感じ使命感を持ってスタートした。「クオリティファースト、クリエイティブファースト、アーティシズムファースト」という3ファーストをコンセプトに掲げ、従来のボーイズグループには収まりきらない才能を活かし、世界で通用するグループを生むことを目的とする。
世界に通用するグループを作るためのオーディションだが、「自分を愛し仲間を愛し、審査で最高のパフォーマンスをする事が自分にとっても仲間にとっても最善である」とSKY-HIは語った。その中で生まれる参加者同士とSKY-HIのストーリーも大きな見所だ。
日本テレビ系列、朝の情報番組『スッキリ』でダイジェスト版が放送された。完全版はストリーミングサービスHuluで配信され、BMSGのYouTubeチャンネルでは1話を15分程度にした映像も無料で見ることができる。『THE FIRST』ファンは「ザスト民」と呼ばれる。
2020年から始まった書類審査の後、同年年末の2次審査はコロナ禍(世界で流行したコロナウイルスにより、人と人との接触と行動の制限がされた)の影響もあり東京以外はリモートで行われた。2次審査で絞られた30人が東京に集められ、2日間の3次審査が行われ、更に4次審査に進む15人が選ばれた。
4次審査は1ヶ月の富士山合宿。社会で話題になり注目されたのは審査内容である。合宿1次審査から合宿最終審査を経て、メンバーを決める最終審査が行われる。あまり見た事のない審査内容と、関わるサウンドプロデューサーやコレオグラファーが日本のみならず世界で活躍する人物だったため音楽業界もざわかせた。そして7人が選ばれ、「BE:FIRST」が誕生した。
また、最終審査でBE:FIRSTに選ばれなかった3人の参加者も、SKY-HIが社長を務めるマネジメントレーベル、BMSGの所属が決定した。「脱落」する者がおらず、10人のボーイズの夢が絶たれなかった『THE FIRST -BMSG Audition 2021-(ザ・ファースト)』は見る者にとっても幸せな締め括りとなった。

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『THE FIRST -BMSG Audition 2021-(ザ・ファースト)』のあらすじ・ストーリー

1次審査〜2次審査

2次審査

2020年から始まった1次書類審査では全国の応募者を絞り、同年年末から行われた2次審査はコロナ禍(世界で流行したコロナウイルスにより、人と人との接触と行動の制限がされた)の影響もあり札幌、名古屋、大阪、神戸、福岡のオーディションはリモートで行われた。
参加者の中には従来のアイドルグループやボーイズグループには合わない、収まりきらない才能が集まった。経験者の中には過去にオーディションで辛い思いをした者や、芸能界で苦渋を味わった者、歌、ダンスのクオリティーが高いにも関わらず日の目を見れないなど、何らかの心の傷を負う参加者も少なくなかった。視聴者はその姿を見てエンタテイメント業界の厳しさを感じた。オーディション後の参加者のインタビューでは、SKY-HIにかけられた言葉に救われたと語る者もおり、出口の見えない努力が間違いではなかったと実感できた参加者もいた。『THE FIRST』を取り上げたネット記事などでもSKY-HIと参加者の切なくも心温まるやりとりが記事にされている。

3次審査

3次審査(自己紹介&歌唱)

3次審査では全国から選ばれた13歳から24歳の才能溢れる30人の若者が、東京のオーディション会場に集められた。自己紹介を兼ねた歌唱では、歌、ダンス共に得意、歌が得意、ダンスが得意、ラップが得意、楽曲を自主制作している、音楽未経験だが音楽センスがあるなど、才能を持った者達がパフォーマンスを披露した。
自己紹介後、審査に向けA~Fの6チームに分けられ、アーティシズム審査が始まった。
3曲の課題曲が2チームごとに割り当てられ、翌日にはパフォーマンスを行う。問われるのは音楽を愛せる心、音楽を一緒に鳴らす仲間を思える心が見せられるかどうか、良いパフォーマンスをするための思考力。「その片鱗が見れたらいい」とSKY-HIは語った。
課題曲はSKY-HIの「Sexual Healing」、Da-iCE(ダイス)の「BACK TO BACK」、w-inds.(ウウィンズ)の「Beautiful Now」。それぞれの曲で求められる表現も違う。そんな中ダンスが得意なメンバー、未経験のメンバー、歌が得意なメンバーが同じチームでパフォーマンスをしなければならない。練習の途中ではDa-iCEの工藤大輝、w-inds.の橘慶太もサプライズゲストとして登場し、参加者のクオリティーや頑張りに感動している姿を見せた。参加者が悩みながらも協力しながら練習する姿は視聴者の心も動かした。パフォーマンスを見たSKY-HIは的確なアドバイスや魅力を参加者に伝えた。評価を伝えると共に感極まる場面も映し出され、参加者への感謝の気持ちも語った。そして「業の深いことをしているな」と感じると表現した。
SKY-HIとスタッフによる会議の後、順位発表がされる。4次審査に進めるのは30人中15人。
発表される前にSKY-HIは参加者に対し「選ばれなかったとしても君の才能や可能性を否定することでは全くなく、逆の話で今回(THE FIRIST)の話だけだから」と参加者を思う言葉を伝えた。
そして1位から発表された。発表の際、SKY-HIは驚くほど丁寧に1人1人に向けて称賛の言葉と課題を伝える。通過した15人の発表後、選ばれなかった参加者が待つ部屋に行くSKY-HI。全ての参加者に優れていた点と感謝の言葉を真摯に伝えた。

4次審査富士山合宿 クリエイティブ審査

合宿クリエイティブ審査(序章)

4次審査は約1ヶ月の富士山合宿。4月に山中湖の畔の合宿所で、SKY-HIと参加者が共同生活を行いながら審査が行われた。参加者は年齢順に振り分けられた3人部屋で過ごす事となり、初めはよそよそしい姿を見せたが一緒にダンスレッスンや歌のレッスン、食事などをする中で良き仲間になっていく様子が映し出されている。後に生まれるBE:FIRST(ビーファースト)のテーマ「上り詰める、だけど蹴落とさない、媚びない、だけど誰も否定しない、自分である、だから人を愛す」がオーディション中から体現され、ボーイズ(参加者の総称)はライバルというよりも、より良い音楽を作る同志という印象を与える。
SKY-HIも寝食を共にし、一緒にレッスンを受けるなど参加者との距離も話題となった。また、指導者やコレオグラファー(ダンスの振り構成制作者)、楽曲提供者がエンタテイメント業界の一線で活躍する、錚々たるメンバーである事も話題を呼んだ。
合宿1次審査はクリエイティブ審査だ。クリエイティブ審査は5人ずつ3チームに分けられ、与えられたトラック(歌なしの曲)にメロディーと歌詞と振りを作るという審査。今までのオーディション番組では見たことのない審査内容と、1週間で作品を完成させなければならないという短期間の制作という事で、地上波で放送された『スッキリ』のスタジオでも出演者の戸惑う姿が印象的だった。視聴者にも「本当に完成するのだろうか」と思わせる。しかし心配は不必要だった。曲のライティング経験のある者も無い者もアイディアを出し話し合いながら作品制作を進める。曲を提供したアーティストはMatt Cab(マットキャブ)、MATZ(マッツ)の2人。Matt Cabは音楽プロデユーサーとして、BTS、Crystal Kay(クリスタル・ケイ)、RADWIMPS(ラッドウィンプス)など幅広いアーティストをプロデュースしている。MATZは日本人で初めて海外のレーベル「Enhanced Music」(イギリス)と「Media Records」(イタリア)からRemix楽曲をリリース。日本国内ではSKY-HI、和田アキ子、倖田來未らのRemixを制作。2020年代の日本ダンスミュージックシーン界の重要人物である。
3チームそれぞれにドラマが生まれ、悩みぶつかり合いながらも音楽性の高い楽曲とダンスを作り上げた。
後にSKY-HIは「クリエイティブ審査の成功がなかったらこのオーディションは成功していなかった」と語っている。コンセプトに掲げていた「クオリティファースト、クリエイティブファースト、アーティシズムファースト」がはっきりと体現された3チームの作品。スッキリのスタジオで彼らの行く末を見守っていた加藤浩次も、視聴者も、『THE FIRST』のやろうとしている事がはっきり見えた瞬間だった。
Hulu、YouTubeでは各チームごとの制作過程を見る事が出る。

Team A の特色

Team A

Team A 本番

ソウタ テン ナオキ マナト レオ
曲名「“A” Life」
平均年齢と、ダンスや歌の経験年数が長い参加者が多い。音楽制作の初日から良い雰囲気でクリエイトが始まった。ダンサーとして活躍していたメンバーはコレオグラフを任され、メンバーのアイディアを取り入れながら制作を進める。制作期間が残り僅かになるにつれ作品を磨き上げ、3チームの中でも一番順調に進んだ。審査のパフォーマンス当日が『スッキリ』で放送された際はスタジオの加藤浩次、出演者をクオリティの高いパフォーマンスで驚かせた。

Team B の特色

Team B

Team B 本番

シュンスケ ジュノン ラン リュウヘイ リョウキ
曲名「Good Days」
歌唱経験の長い、ダンス経験が長い、未経験者など、バラバラな経歴の参加者が集められた。トラックを聴きながらの話し合いではSKY-HIから曲のイメージを聞かれながらも、メンバーはなかなか発言をする事ができなかった。コレオグラフが定まっていないまま中間発表と制作期間後半を迎え、メンバー同士の意見が合わず激しくぶつかる様子も映し出された。しかしそこから一致団結し、ダンストレーナーの力も借りながらも本番前日に作品を完成させ、当日は素晴らしいパフォーマンスを披露した。

Team C の特色

Team C

Team C 本番

ykitama
ykitama
@ykitama

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