THE FIRST -BMSG Audition 2021-(ザ・ファースト)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『THE FIRST -BMSG Audition 2021-(ザ・ファースト)』とは、ダンスボーカルグループAAAのメンバーでありラッパーのSKY-HI(スカイハイ)が自腹1億円を投じて行ったオーディション番組だ。2021年4月からHulu(フールー)にて配信され、ショート版が日本テレビ系列、朝の情報番組『スッキリ』で放送され、BMSG公式YouTubeチャンネルにもアップされている。最終的に7人のメンバーが選ばれ、ボーイズグループが「BE:FIRST」誕生した。

出典: sept-ppn.com

大山天

舞台「SEPT A Story of ReAnimation: ReverSing」アーティスト写真

河口湖円形ホールの特設ステージでパフォーマンスをした際、ゲストにはフィメールラッパーのちゃんみなを迎え行われた。クオリティーの高さに驚いたちゃんみなの「誰が落ちてもおかしい状況」という言葉が印象的だ。
翌日、結果発表が行われた。12人のうち1人が最終審査に進めない。
初めにチームとして優れていたのは「Be Free」と告げられる。この時点でTeam Be Free全員の審査通過が決定し順位発表が行われた。前回の審査と同様、SKY-HIからは厳しい言葉と称賛の言葉、課題、激励の言葉が伝えられる。一人一人の人間性を考慮し伝えられる言葉は今まで以上に重みが増し、オーディションも終盤に近づいている事を実感させる。
Team Move Onの中から次の審査に進めない者がいるという事実が緊張感を生む。チームの上位から順々に発表され、最後に残ったのはテンだ。クオリティーが伸びなかった明確な原因があったと告げられる。テンに詳しい事を話す前に次の審査に進める11人がその場から離れる。ボーイズ達はSKY-HIからお疲れ様でしたと言われ解散すると、Team Move Onメンバーは俯き、テンが次の審査に進めない事にショックを受け言葉を発せないまま抱き合う。
SKY-HIとテンの面談が行われる。根本のクオリティの担保は出来ていると伝えられる。しかしアーティストではなく、アスリートのようなストイックさに走っている印象を受けたと告られた。SKY-HIに憧れ芸能界を目指したテン。テン自身、パフォーマンスがSKY-HIに近付いてしまい、自分の個性が見出せず、追い込みすぎて自分を嫌いになってしまったと語った。
合宿所にいるボーイズの元に戻るテンは気丈に振る舞っていた。テンを迎えるボーイズはなかなか言葉が出てこないが、静かに抱きしめあったり、感謝を伝えたり、励ましの言葉をかける。最後にはテンを真ん中にして、周りに集まったボーイズが輪になって小さなテンを包み込む。「嬉しいな本当に」とテンが呟き、どれだけテンが愛されていたかがこの瞬間に現れ、『THE FIRST』を通して上位の涙腺崩壊ポイントとなった。
最後は拍手と感謝の言葉でテンを見送った。テンを見送った後の、SKY-HIの涙。ボーイズの涙。全員がこのオーディションで素晴らしいグループを作ろうと決意を新たにした。
テンはインタビューで、オーディションで一番得たものは何かと問われると「仲間」と迷いなく答えた。

テンはオーディション中、『THE FIRST』が芸能界を目指すラストチャンスと語っていたが、ダンスのインストラクターや舞台に挑戦し活動を続け”テンテン”と呼ばれ、ファンに愛され続けている。

twitter.com

4次審査富士山合宿 最終審査11人の「To The First」

合宿最終審査 課題発表&練習

合宿最終審査 練習&審査

合宿最終審査は「VSプロのアーティスト」と題して、合宿のために書き下ろされた「To The First」を残った11人でパフォーマンスするという内容だ。ボーイズはSKY-HIから自身との対決であること、全員でパフォーマンスする事を告げられ、驚きの表情を見せる者、己を鼓舞する者、静かに闘志を燃やす者など感情豊かに表現し、視聴者に期待感を与えた。
この審査は、「To The First」の歌割とコレオグラフを参加者全員で作らなければならない。
メンバーが床に輪になり、曲を聴きながら自分が歌いたい箇所や「誰がどの箇所に合うか」を考える。合宿を通して、いいパフォーマンスをする事が自分にとってもメンバーにとっても最善である事を自覚し、自然と「自身と他者を輝かせる」という思考になっている。話し合いの様子もその考え方の基、行われている事がよくわかる。年長者を中心に中学生のリュウヘイもルイもアドバイスや希望を述べる。自薦・他薦でパートが決まっていく。
ダンスについてソウタが発言した。ダンスの世界大会(HIP HOP INTERNATIONAL)の優勝者で、チームのコレオグラフを担ったソウタは、大雑把な振り付けを作らせてほしいと言った。「みんなの事を知っている俺だからこそ、いろいろ聞いた上で作りたい」と伝え、メンバーも快く同意した。
夕食後、ソウタはメンバーそれぞれの思いを語り合う場を設けた。ボーイズそれぞれがオーディションを受けるまでの葛藤、経緯や決意、今抱えている不安を語る。番組内で初めて語られる事が多く、なぜボーイズ達が『THE FIRST』に集まったのかが深く知ることが出来ると同時に、その思いの強さも感じられる場面でもある。
翌日からソウタを中心にコレオグラフを制作しはじめた。ボーイズのインタビューでは確実に良い作品になると確信している言葉が次々と発せられた。
歌唱とダンスのレッスンのシーンでは一人一人成長している姿が映し出され、『THE FIRST』が改めて「育成プログラム」として成功している事も示されている。

パフォーマンス

審査パフォーマンスは河口湖ステラシアターで行われた。思いが込められたダンスと歌に、SKY-HIはパフォーマンス開始1分で涙する。パフォーマンス後、メンバーの顔には達成感が見られた。次々にSKY-HI、メンバー、スタッフに感謝の言葉を伝える。ボーイズは今までの審査で一番自然体で一人一人に感想を述べた。それに対しSKI-HIが称賛と感謝を伝える。参加者には達成感と笑顔が見られ、会場の雰囲気も暖かい空気に包まれていた。
審査の締めくくりには事務所BMSGのロゴが入ったパーカーがボーイズにプレゼントされ、SKY-HIと「To The First」のパフォーマンスを行い、笑顔で幕を閉じた。
ここまでの審査を見守っていたザスト民は、素晴らしい番組を作ってくれるスタッフも含め感謝する風潮が生まれた。この事はグループを推す「箱推し」ならぬ、番組制作スタッフごと推す「ラッピング推し」という言葉を生んだ。

結果発表

合宿最終審査 結果発表

河口湖ステラシアターから合宿所に戻り結果発表が行われた。
初めに SKY-HIから「最下位の人が脱落するということでは全くない」と伝えられる。年内のデビューを想定し、実力が届かないと判断した者が脱落する。1位のリュウヘイから順に発表され最後に残ったのはルイだった。しかし10位のジュノンの発表時、一番最初に拍手をしたのはルイだった。SKY-HIからは、「人を惹きつける圧倒的なパフォーマンスだが、基礎的なダンスと歌の技術面が追いついていないことは今年デビューのグループに入ってしまった場合、グループにデメリットを運んできてしまう事になる」と伝えられた。最年少のルイは変声期で歌唱に苦戦したり、成長期で体の痛みなどもあった事から年内のデビューを考えた時に厳しいという判断だ。しかしカリスマ性のある圧倒的なパフォーマンスでSKY-HIを魅了していたルイ。そんなルイにSKY-HIから驚きの提案があった。それは 「BMSGからのデビューを一緒に目指してくれないか」という提案だ。それは「練習生としてBMSGに所属してもらう」という意味だった。急遽用意したSKY-HIの手書きの契約書がルイに渡される。そして話が終わった後、ボーイズはすかさずルイを抱きしめに歩み寄り、ルイを讃え涙した。結果的に誰よりも早くBMSGの所属が決まった事になる。
その日の夜、合宿所で打ち上げが行われ、全員の笑顔で1ヶ月に及ぶ合宿が終わった。

最終合宿審査

最終合宿 課題発表&練習

最終審査課題曲「Shining One」

Team Shining ステージ映像

Team One ステージ映像

合宿を終えそれぞれの家に戻り1ヶ月を置いて再び10人が山中湖に集まった。
課題曲は「Shining One」。プレデビュー曲として正式にリリースされる事が告げられる。1チーム5人2チームに分かれる。「Team Shining」はジュノン、ショウタ、ソウタ、マナト、リュウヘイ。「Team One」はシュント、ラン、リョウキ、レイ、レオ。
作曲したのは「m-flo」のTaku☆Takahashi(タクタカハシ)とSKY-HIだ。番組外のSKY-HIのインタビューで、何年も前から音楽業界を変えたいこと、会社を作りたいという事をTakuに話てしていたと語っている。そういった繋がりもあり、大物アーティストの協力が実現した。コレオグラフは「S**t kingz」のNOPPO(ノッポ)だ。課題曲「Be Free」「Move On」のコレオグラフを手掛けたOguri、Kazukiと同じグループに所属する世界で活躍するダンサーだ。
早速振り入れが行われる。テンポが速いだけでなく振りの量やステップの難易度も高く、オーディションを通して一番難しいと口にする者が多かったが、全員が楽しそうに汗をかいていた。
コレオグラフだけでなく楽曲のメロディーも難易度が高い。音の動きやファルセットを使う部分、難易度の高いラップなど最終審査の課題曲に相応しい難しさだ。チームの垣根を越えて同じパート同士練習をしたりダンスの自主練をしたり、それぞれが最高のパフォーマンスをするために努力を重ねる。個人のインタビューでは、早くShining Oneを自分の個性で表現したいと語るボーイズの姿を見る事が出来る。ダンス経験のないレイ、ジュノンも苦戦はするものの心は折れていない様子が頼もしく映し出されている。デビューメンバーが決まる時間が近づくにつれボーイズに伝えられるSKY-HIの言葉も重みが増す。練習を見る場面では今までにはない厳しい言葉もかけられ、それぞれにより具体的な課題が伝えられる。それはパフォーマンスに関してだけではなく人との関わり方や、自分のキャラクターの理解についてにも話が及ぶ。デビュー後、活動を続けるために必要な事についても見据えられたアドバイスだった。

クリエイティブ審査NEO

クリエイティブ審査Neo 1

クリエイティブ審査Neo 2

最終審査内容が発表された夜、SKY-HIとボーイズは『THE FIRST』合宿編を鑑賞した。SKY-HIはクリエイティブ審査時の映像を神妙な表情で見ている。翌日、メンバーが急遽集められた。「昨日クリエイティブ審査の映像を見て、今同じ事をしたらどうなるのだろうと思った」とSKY-HIは語る。そして「クリエイティブ審査NEO」を行うことが告げられる。行なう理由として「音楽性、人間性を音楽を通してもう1回見せてもらう。彼ら(同士)の距離と音楽との距離も縮まって、今だったら色々な事ができる。それを存分にやってもらおう。彼らの成長の証明を見せてもらおう」という趣旨の事を語った。
SKY-HIの楽曲をベースにアレンジし、メロディー、歌詞、コレオグラフを一番自分が魅力的に見えるのか客観視しつつ、自分がやりたいという主観を持ってどんなパフォーマンスをするか決める。誰とパフォーマンスするかは自分達で決める。
話し合いが行われそれぞれの思いを語りながら、組みたいメンバーを挙げていく。その結果チーム分けと使用楽曲が決まった。

Show Minor Savage の特色

Show Minor Savage(ショーマイナーサーベージ)
ショウタ ソウタ マナト
曲名「No Cap Navy」 サンプリング元はSKY-HIの「ナナイロホリデー」
「新感覚でもありみんなが乗れるヤバイ曲」を目指す。3人の共通点はアメリカの独特のノリがある音楽などに刺激を受けてきた事。マナトは自分達の好きなR&BやHip Hopの要素を一切妥協なく詰め込んだ楽曲になっていると語った。「ナナイロホリデー」の音をループさせ、音の高さを変えトラックを作った。歌詞が浮かばず苦戦する姿も見られたが、3人が納得するワードが生まれた瞬間の喜ぶ姿が視聴者を笑顔にさせる。メンバーの言葉通り、3人にしか出せないノリとメロディーで審査会場を沸かせた。

ykitama
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@ykitama

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