東京事変（Tokyo Incidents）の徹底解説まとめ

大人

『通常版』
収録曲
1 秘密
2 喧嘩上等
3 化粧直し
4 スーパースター
5 修羅場 adult ver.※
6 雪国
7 歌舞伎
8 ブラックアウト
9 黄昏泣き
10透明人間
11 手紙
※シングルverと別アレンジ

『初回限定盤【CD+DVD:2枚組】』
・デジトレー付ワンピースボックス
・「秘密」の初披露ライブ映像（Dynamite tourより）をDVD収録。
・リリック＆ポートレート豪華ブックレット（オリジナル香り付）
『初回限定版DVD』
「DVD“秘密”の初披露時ライブ映像（Dynamite tourより）」

2006年1月25日リリースの2ndアルバム。「大人」と書いて「アダルト」と読む。
浮雲と伊澤を迎えて初めてのアルバムとなる。それに伴い折り鶴をモチーフとしていたバンドロゴを一新し、孔雀のトレードマークが誕生。東京事変の新たなスタートの幕が上がった。また、当アルバムはバンド初のオリコンチャート1位を獲得。東京事変のさらなる飛躍の印となった。
亀田が自分の息子をイメージして作曲した「透明人間」は一躍東京事変のヒットナンバーに。2012年閏日に行われた解散ツアーの最後を飾る楽曲に選曲された。その他にもフジテレビ系ドラマ「大奥」の主題歌「修羅場」のアルバム限定アレンジや、椎名が野球選手イチローをイメージして作詞した「スーパースター」等が収録。
スイングジャズやボサノヴァの要素が色濃く、「教育」課程を経て前作よりもさらに「大人」の魅力を倍増させ、革新的な進化を遂げた作品。

娯楽

収録曲
1 ランプ
2 ミラーボール
3 金魚の箱
4 私生活
5 OSCA
6 黒猫道
7 復讐
8 某都民
9 SSAW
10 月極姫
11 酒と下戸
12 キラーチューン
13 メトロ

※初回限定はギザギザ仕様 スリープケース付き

2007年9月26日リリースの3rdアルバム。「娯楽」と書いて「バラエティ」と読む。
これまではほとんどの楽曲を椎名が作詞作曲が担当してきたが、本作では他メンバーがこれまで作った膨大なデモ音源から厳選し、椎名はあえて作詞と歌唱に専念をするという制作スタイルを採用。他4人の個性を前面に出していくよう大きく方向転換を行った。
曲を聴いた全ての人間をあっと驚かせる程に変幻自在の楽曲展開が浮雲作詞作曲の「OSCA」。伊澤が考案した心地よいスイングと旋律、それに日常のいかなる物事にも宿る尊さや美しさを讃えた椎名の詞が織りなす楽曲「キラーチューン」。浮雲・伊澤・椎名の3人がメインボーカルを担当するライブで絶対盛り上がる鉄板曲「某都民」等、東京事変を語る上でマストとなる楽曲を多く排出。狙いは見事に当たることとなった。
これまでの作品よりもさらに「バラエティ」豊かなラインナップ。以降の作品にも大きな影響をもたらす起点となった1枚。

スポーツ

収録曲
1 生きる
2 電波通信
3 シーズンサヨナラ
4 勝ち戦
5 FOUL
6 雨天決行
7 能動的三分間
8 絶体絶命
9 FAIR
10 乗り気
11 スイートスポット
12 閃光少女
13 極まる

※初回盤のみ金メダルエンボススリ－ブ・ケース仕様

2010年2月24日にリリースの4thアルバム。
前作のメインコンポーザーであった伊澤・浮雲に加え、椎名も作曲陣営に復帰。あらかじめ「スポーツ」というアルバムテーマを定め、各メンバーがそれに沿った楽曲を持ち寄る。膨大なデモから厳選された13曲が今回のラインナップとなっている。「孤独」と「自由」を根幹とした世界観が、これまでの作品に比べより生き生きとしたバンドサウンドにより引き立てられている。はつらつさとともに、苦しさ・悔しさ・寂しさを垣間見ることで、生きることの美しさを強く実感できるアルバムとなっている。
汗をかいて、息を切らし、時には涙を流す「スポーツ」のような人生を表現したこのアルバムは、あの世でもらえる評価が金メダルであるよう、精一杯「生きる」という競技を極めたいというメッセージが込められている。

大発見

収録曲
1 天国へようこそ For The Disc
2 絶対値対相対値
3 新しい文明開化
4 電気のない都市
5 海底に巣くう男
6 禁じられた遊び
7 ドーパミント！ BPM103
8 恐るべき大人達
9 21世紀宇宙の子
10 かつては男と女
11 空が鳴っている
12 風に肖って行け
13 女の子は誰でも
Bonus Track 天国へようこそ For The Tube

初回限定盤
・大発見スリーブケース仕様

2011年6月29日リリース。アルバムタイトルは「ディスカバリーチャンネル」に由来。
椎名が「チャンネル縛りの起承転結の結を目指した」と語ったこのアルバムは、メンバー各々で曲を持ち寄ったり、メンバー同士で共作を行い楽曲を創り上げ、まさに東京事変が総動員で全てを出し切ってできた集大成といえる。今思えば、東京事変の活動終了はこのタイミングであるべくしてあったのだろう。
先行配信されていた「天国へようこそ」や「ドーパミント！」のアルバムバージョンや、CMに起用された「空が鳴っている」、「女の子は誰でも」等収録。ポップス、ロック、パンク、シャンソン、ビッグバンドなど幅広い音楽ジャンルを用いて楽曲をプロデュース。1曲目からボーナストラックまで、飽きを感じさせないラインナップとなっているのは、変幻自在の音楽集団の成せる技である。
「東京事変にはまだこんなにも引き出しがあるのか！」とファンはこの「大発見」に胸が躍ったことであろう。しかしこのアルバムが、東京事変の軌跡を飾るエンディングとなる。

color bars

収録曲
1 今夜はから騒ぎ
2 怪ホラーダスト
3 タイムカプセル
4 sa_i_ta
5 ほんとのところ

初回限定盤
・カラーバー紙ジャケット仕様
・東京事変メンバー・フォトカード封入
・東京事変live tour 2012 Domestique Bon Voyage抽選予約案内封入

2012年1月18日にリリースされた6thアルバムであり、初のミニアルバムである。また、このアルバムリリースの約1ヶ月後、東京事変は解散する。
各メンバーが書き下ろした楽曲が1曲ずつ、計5曲が収録されている。はじめて伊澤が単独でメインボーカルを務める「怪ホラーダスト」や、はじめて亀田が作詞した楽曲「タイムカプセル」。さらには東京事変史上初の刄田が作詞作曲、さらにはメインボーカル担当の楽曲「ほんとのところ」を収録。「今夜はから騒ぎ」で「もうきっと潮時よ」と椎名がつぶやくこの場においても、東京事変の新しい一面を見せた。
全ての放送を終了したとき、画面に映し出される「color bars」を表したこのアルバムは、東京事変が本当に終わってしまうというさみしさが、ファンの胸にぎゅっと染み渡る感慨深い1枚。

東京コレクション

収録曲
1 三十二歳の別れ
2 禁じられた遊び
3 かつては男と女
4 キラーチューン
5 OSCA
6 ミラーボール
7 復讐
8 ピノキオ
9 閃光少女
10 透明人間
11 丸ノ内サディスティック
12 スーパースター
13 群青日和
14 夢のあと

初回限定版
・紙ジャケット仕様

2012年2月15日リリース。通算7枚目となるアルバムで、東京事変初のライブアルバムである。
椎名の音楽キャリアに於いて、これまでベストアルバム形式の作品は制作してこなかった。東京事変においても例外ではなかったが、解散を機にライブベストアルバムをリリース。新曲「三十二歳の別れ」とともに、これまでのライブのハイライトとなったパフォーマンスを厳選し収録している。序盤は2011年12月に行われた国際フォーラム公演を収録。以降トラックが進むにつれ日付が古い音源となり、最後は2005年2月の名古屋センチュリーホール公演の「夢のあと」で締めくくられる。
結成から解散までの数々の思い出を「コレクション」した当作品。ファンにとっては、青春を謳歌した時代の写真を沢山刻んだアルバムのような1枚である。

深夜枠

収録曲
1 ハンサム過ぎて
2 体
3 BB.QUEEN
4 我慢
5 ピノキオ
6 鞄の中身
7 心
8 恋は幻
9 落日
10 ダイナマイト
11 その淑女ふしだらにつき
12 顔
13 ただならぬ関係

初回限定版
・紙ジャケット仕様

2012年8月29日リリース。東京事変のキャリア初のカップリングアルバムである。
新曲「ハンサム過ぎて」、「ただならぬ関係」に加え、これまでシングル曲のカップリング曲としてのみ収録されていた楽曲を1枚のアルバムに集約。歴代シングルからのセレクトということで、初期から解散前まで時系列が違う楽曲を集めたものにも関わらず、世界観を損ねずにひとつのオリジナルアルバムとしても十分に成立してしまうのが、このアルバムのすごいところ。
椎名が死に別れた愛猫に捧げた「落日」をはじめ、ジャズのスタンダードナンバー「The Lady is a Tramp」を大胆にアレンジした「その淑女ふしだらにつき」等カップリングという枠の垣根を越えた「名曲」の宝石箱である。
ゴールデンタイム放送枠から外れた「深夜枠」には知る人ぞ知る隠れた名番組が多い。本作は知る人ぞ知る隠れた名曲に思いを馳せることができる。それと同時に、「ただならぬ関係」の英名「And The Beat Goes On」という言葉に、ファンは次に起こることをぼんやりと期待していた。

ニュース

収録曲
1 選ばれざる国民
2 うるうるうるう
3 現役プレイヤー
4 猫の手は借りて
5 永遠の不在証明

初回限定版
・ニュース”紙ジャケット仕様
・“再生”記念・お楽しみシリアルナンバー

2020年4月8日リリース。通算7枚目となる2枚目のEP。
2020年を迎えたその瞬間、全日本を駆け巡った臨時ニュース「東京事変、再生」の文字。新曲「選ばれざる国民」の配信とともに、東京事変が8年ぶりに動き出すという号外に日本音楽界が揺れた。
本作は改めて、「東京事変再生」を高らかに宣言する1枚である。前回の「color bar」と同じく、メンバー5人が各々楽曲を持ち寄り1曲ずつ収録する形となっている。同年のNHK紅白歌合戦で披露された「うるうるうるう」、『劇場版名探偵コナン 緋色の弾丸』の主題歌となった「永遠の不在証明」を軸に「一見関連がなさそうなトピックが、実は関わり合っている」というテーマを元に、全く別物と思われる5曲の関連性を暴いていくと面白いような展開となっている。
東京事変復活の「ニュース」速報を報じる衝撃作。往年のファンにとっては懐かしく、新規ファンにとっては新しい。8年の時を経て各々が様々に嗜める1枚。