『はいからさんが通る』の舞台は大正時代の東京。腕っぷしの強い主人公・紅緒とハーフのイケメン将校・忍の婚約話から物語は始まります。婚約がほぼまとまりかけたある日、紅緒の酒乱が原因で忍は上官から睨まれパワハラを受けるようになります。挙句、忍はシベリアへ派兵されエライ目に遭い死にかけます。そして、忍が死亡したという誤通知が紅緒の元に届けられたのでした。
昔の日本軍は上官からのパワハラ(当時は「しごき」と言っていました)で命を落とす下級軍人がかなりの数いたそうです。
シベリアで亡くなったはずの忍に瓜二つの男が外国人の美女を伴って紅緒の前に現れます。紅緒や忍の元部下も忍本人だとすぐに気付くのですが、忍本人は記憶喪失なので別人だと言い張ります。紅緒は忍への思いを断ち切り、勤めていた会社の社長と結婚することになるのですが、その時記憶が戻っていた忍は苦渋の選択をするのです。
昔は通信網が発達しておらずDNA鑑定も無かったので、死んだはずの旦那さんが復員してくるという奇跡が多々あったそうです。また、戦地に赴いた兵隊さんの中には現地で新しい家庭を持ってしまい終戦後も日本に戻って来ない方がいたそうです。
『はいからさんが通る』の時代設定は大正時代なのでシベリア出兵がメインです。なので、あまり統制された生活は送っていませんが、昭和に入ると国全体で物資が不足し国民が食べるものにも事欠くようになります。娯楽も制限され、国中が戦争一色でした。もし今日本で戦争が起こったら、こんな可愛い紅緒ドールで遊べないどころか買うことも出来なくなります。