意味不明でも強烈な存在感を放つカルト映画まとめ!『ホーリー・モーターズ』など

ここでは筋書きは意味不明でも強烈な存在感を放つ、一度見たら忘れられないカルト映画をまとめた。ひとりの男が24時間で11人の別人を演じる『ホーリー・モーターズ』、マッツ・ミケルセンが主人公を演じた神話的世界と暴力描写が光る『ヴァルハラ・ライジング』などを紹介している。

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『リアリティのダンス』予告編

▼『マジック・ランタン・サイクル』

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”偉大なアングラ作家による崇高でスタイリッシュで早すぎた映像絵巻!”

アンダーグラウンド映画の映像作家ケネス・アンガー。彼の与えた影響は計り知れず、時代を越え、ジャンルを越え、今なお多大なる影響を与え続けている。ポップ・ミュージックと映像のクロスオーヴァーによる皮肉たっぷりでスタイリッシュでビザールでアブナイ雰囲気の”アンガー的”作風は、ハリウッドの定番となった。ホモセクシュアルやフェティッシュ、悪魔教といった当時タブーとされた題材をふんだんに取り入れたアナーキーな姿勢も含め、彼こそ、映画史上最も広く深く影響を与えた映画作家である。この『マジック・ランタン・サイクル』は、彼が1947年~1972年に製作したアート・フィルムをまとめた作品集。

『マジックランタン・サイクル』は、アンガーの短編映像を集めた作品集。収録作品は以下の通り。

「スコピオ・ライジング(1963)」
「K.K.K.(1965)」
「我が悪魔の兄弟の呪文(1969)」
「ブース・モーメント(1949)」
「ルシファー・ライジング(1980)」
「花火(1947)」
「ラビッツ・ムーン(1950~1978)」
「人造の水(1953)」
「快楽殿の創造(1954~1978)」

1963年の『スコピオ・ライジング』は、フェティッシュなブラック・レザーのジャケットを身に纏ったカリスマティックなバイカー"スコピオ"の映像に、ヒトラー、ジェームス・ディーン、マーロン・ブランド、イエス・キリストなどのショットが挿入され、オートバイの爆音と共に、1960年代のポップスが次から次へと挿入される。このスタイルは後の音楽PVに数多く見られる手法である。

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ケネス・アンガーは、先鋭的な映像作家でもあったが、ローリング・ストーンズなどのミュージシャンとの交流が深く、悪魔に魂を売った男とも呼ばれる。子供の頃から子役としてハリウッドに関わり、その時に知ったハリウッドの陰の部分を暴いた著書『ハリウッド・バビロン』の作者としても有名。今作は、一見華やかなハリウッドの裏の顔、麻薬、暴力、変態、精神病、マフィアとの癒着、アルコール中毒、赤狩り、そして殺人や変死、怪死といった闇に包まれたハリウッドを赤裸々に暴露した伝説の作品。今作のセールスを得て、一旦は挫折した映像作家に戻っていった。

『スコピオ・ライジング』の1シーン

普通の映画を100本見るより受けるインパクトは大きいわけで。なんというか、ここまで「見ちゃいけないものを見ちゃった感」溢れる作品も稀です。

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アンダーグラウンド映画の神話そのものであり、オリジナリティあふれる独自の世界を開花させ、実験映画やゲイ映画は言うにおよばず、商業劇映画やコマーシャル・フィルムにまではかり知れない影響を与えた

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解釈は難しいものになります。さっぱり分からないものも正直ありますが、何かサムシングを感じることがあると思いますし、映像世界は神秘的で蠱惑的なものですので、普通の映画に飽きた方には是非おすすめします。

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▼『不思議惑星キン・ザ・ザ』

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”ソ連発の奇妙でキテレツでヘンテコで社会派なカルト・ムービーの怪作!”

グルジア出身でロシア国籍の鬼才監督ゲオルギー・ダネリヤ監督・脚本による1986年のロシア映画。異星人のテレポート機械によって、キン・ザ・ザ星雲の砂漠の惑星に飛ばされたロシア人とグルジア人の2人の男が、地球へ帰るために長い旅をする。星の住民は地球人と同じ姿をしているが、通常の話し言葉は「クー」と「キュー」のみで、後者は罵倒語、前者がそれ以外を表す。この奇妙な惑星で、2人はどうやって生きて行くというのだろうか...。

このキテレツ極まりない奇妙でシュール、しかし痛烈な暗喩を含んだ作品が、厳しい検閲が行われていたハズの旧ソ連で公開されたのに驚かされるが、大ヒットを記録したという事実にもビックリ!。

『不思議惑星キン・ザ・ザ』予告編

『ロシアがおバカ映画を作るとこういう事になるのか!!!』と激しく感動した作品。近代のSF映画的にどうかと思われるようなシュールなその世界観は、ツボにハマると病みつきになります。

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タイムスリップ物としても面白く、ハリウッドなら、アクションが中心となりそうな内容を、シュールな世界にしたのはソ連ならでは。

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過剰な期待は禁物ですが、インパクトがあることだけは保証できますので、”カルト”という言葉に目がない人は絶対に抑えておきましょう。

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