秋山醤(あきやまじゃん)とは、西条真二による料理マンガ『鉄鍋のジャン!』の登場人物。唯一の肉親である祖父を失い、その祖父の友人が営む「五番町飯店」に雇用されることになった16歳の少年で、同作の主人公にあたる。料理対決に勝つためとあらば、極悪非道ともいえる手段を平気で取って相手を陥れる苛烈な性格がゆえに、本作をただの「料理マンガ」ではなく、一種のピカレスク・ロマン作品に押し上げている存在といえる。だが勝負が関係ないところであれば面倒見が良い一面もあり、そのギャップも非常に魅力的な人物だ。
作中屈指の恐怖シーンとして話題になった醤の姿。実はダチョウ肉を食べているだけ。
全日本中華料理人選手権の第2回が開催されることになり、醤は出場することを決めた。祖父の階一郎のライバルである五番町睦十(ごばんちょう むつじゅう)の「大会で優勝すれば勝負してやる」という言葉に奮起して予選を突破する。
「炒飯」をテーマにした料理対決で、醤はほかの料理人のコンロへガスを供給しているガス管を潰して自分のコンロに引き入れ、大火力を用いた炒飯を作って予選を突破することに成功した。本戦に出場した醤の前には、異なる分野の専門家である3人の審査員が立ちふさがった。従来の料理の審査とは全く異なる観点から料理を審査するため、従来の料理審査のやりかたは通用しない。一計を案じた醤は、自分が作った料理に対し、事前に時間が経つほど香りと味が上がる仕掛けを施しておいた。この仕掛けが功を奏し、辛くも初戦を突破する。
2回戦で餃子料理に挑む醤だが、この課題は味だけでなく、短い時間内でどれだけ多くの餃子を作れるかというスピード勝負でもあった。かつて睦十や階一郎たちが、アジアの料理界を牛耳る百蘭王(ぱいらんわん)と行った勝負に似たものだ。
対戦相手の陸延雀(りくえんじゃく)は、先代百蘭王と同じテクニックを使い、餃子を高速で仕上げていく。しかし醤は、階一郎が百蘭王の技を盗んだ上に改良を加えた技を披露して勝利を収め、さらに醤は陸顔王(りくがんおう)とのオリジナル調味料対決を制して勝ち上がっていく。
準決勝では「鮫料理」という難題がテーマだった。ここでは100点を獲得した霧子に対し、醤は95点を獲得して決勝へ進出する。
決勝戦のテーマとなったのは「ダチョウ肉を使った未来の料理」で、醤は食糧危機に対する回答として昆虫食を提示。霧子ともう1人の対戦相手である黄蘭青(こうらんせい)もそれぞれ違ったアプローチを用意していた。しかし、そこで醤が料理のために使ったハエが会場に放たれ、ダチョウたちも暴走。採点の結果が出る前に会場はパニック状態となり、大会も中止になってしまった。
結果として優勝はしなかったものの、睦十に勝負を受けてもらえた醤だったが、睦十は勝負の前日に病でこの世を去ってしまった。
消沈する醤だが、自身を訪ねてきた祖母の明輝の誘いで、彼女が中国で経営する料理店で修行することを決め、霧子と共に旅立つ。
3年後の日本には、料理人として大きく成長した2人の姿があった。
秋山醤の関連人物・キャラクター
家族
秋山 階一郎(あきやま かいいちろう)
醤の祖父で、唯一の肉親でもある。かつては「中華の覇王」として名を馳せた料理人。虐待ともいえる苛烈な料理の修行を施し、彼を料理人として育て上げた。見た目こそ醤にそっくりで攻撃的ともいえる風貌をしているが、内面はかなり人懐っこく陽気。しかし料理に関しては厳しく、指導がいきすぎることもあって弟子が定着しなかった。醤の振る舞いを見た明輝にも「子育てに向いていなかった」と評されている。
現役引退後は群馬県の山奥で孫の醤にスパルタで料理を叩き込んでいたが、高齢になったことや、長年患っていた癌で塩味を感じられなくなったことを自覚すると、醤に五番町飯店へ行くように遺言書を残して焼身自殺した。
五番町飯店の長である五番町睦十とはライバルで、唯一無二の親友でもある。
「料理は魔法」という信念を持っており、この信念は孫の醤にもしっかりと受け継がれている。
桃 明輝(とう みんき)
階一郎の妻で、醤の祖母。中国で蟇目檀と伍行壊が働いていた店を経営しているが、少女時代は馬賊の棟梁だったという過去がある。日本人を嫌っていたものの階一郎と睦十には世話になったという気持ちから、彼らに対する協力は惜しまない。睦十の死後に消沈する醤を訪ね、自分の店で修行することを勧める。
秋山 爆(あきやま ばく)
醤の父で、階一郎と明輝の息子。醤が赤ん坊だったころに死別しており、物語開始時点ですでに故人。
五番町飯店の関係者
五番町 霧子(ごばんちょう きりこ)
本作のメインヒロインであり、五番町飯店の跡取り娘。16歳。叔父の弥一と祖父の睦十に師事し、若手ながら確かな腕を持つ。将来は店を継ぐべく、見習いとして日々奮闘している。「料理は心」という信条に基づき、常に食べる人を楽しませることを考えた料理を作るが、自分の価値観を押し付けがちな面もあるのが玉に瑕。「料理は勝負」という、自分と真逆のモットーを持ち、傲慢ともとれる姿勢の醤とはしばしば対立している。
最終話では醤と共に中国へ修行の旅に出る。その後は醤と結婚し、続編にあたる『鉄鍋のジャン!!2nd』では、彼との間にもうけた息子が登場する。
小此木 タカオ(おこのぎ タカオ)
五番町飯店の見習いをしている少年。16歳。料理人としては同世代の醤や霧子に大きく遅れを取り、先輩料理人からいつも叱られている。料理の腕が今一つと評される一方、高い発想力を持っており、店内の新メニューコンペでは意外な発想で評価されたりもしている。
非常に優しい性格をしており、失敗して落ち込む醤を励まして以来、彼が信頼を寄せる数少ない人間のひとりとなった。
五番町 睦十(ごばんちょう むつじゅう)
五番町飯店のオーナーで、霧子の祖父。75歳。階一郎亡き後、醤を自身の店で引き受け、成長を見守ってくれる。
「中華大帝」の異名を持っており、かつては醤の祖父である階一郎と共に日本の中華料理界の頂点に君臨していた。現役を引退してからは店の経営に専念し、後進を育成することに力を注ぐ。しかし内心では未だに現役であることを自負しており、料理も常に精進できるよう努力を惜しまない。基本的には物腰が柔らかく親切な好々爺然としているが、時折厳しさを隠し切れないことも。第2回全日本中華料理人選手権大会の後、醤や霧子、黄蘭青と料理勝負をすることを約束していたが直前に病に倒れ他界してしまう。
墓標は、生涯最大のライバルであり、親友でもあった階一郎の隣に並べる形で建てられた。
五番町 弥一(ごばんちょう やいち)
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目次 - Contents
- 秋山醤の概要
- 秋山醤のプロフィール・人物像
- 秋山醤の能力
- 卓越した料理センスと技術
- 秋山醤の来歴・活躍
- 五番町飯店編
- 第1回全日本中華料理人選手権編
- ホテル「ミラージュ」編
- 湯水スグル編
- 第2回全日本中華料理人選手権編
- 秋山醤の関連人物・キャラクター
- 家族
- 秋山 階一郎(あきやま かいいちろう)
- 桃 明輝(とう みんき)
- 秋山 爆(あきやま ばく)
- 五番町飯店の関係者
- 五番町 霧子(ごばんちょう きりこ)
- 小此木 タカオ(おこのぎ タカオ)
- 五番町 睦十(ごばんちょう むつじゅう)
- 五番町 弥一(ごばんちょう やいち)
- 全日本中華料理人選手権の出場者
- セレーヌ 楊(セレーヌ やん)
- 沢田 圭(さわだ けい)
- 河原 裕司(かわはら ゆうじ)
- 大前 考太(おおまえ こうた)
- ザザビー本郷(ザザビーほんごう)
- 藤田 貫一(ふじた かんいち)
- 陸一族の関係者
- 黄 蘭青(こう らんせい)
- 陸 顔王(りく がんおう)
- 陸 延雀(りく えんじゃく)
- その他の料理対決関係者
- 蟇目 檀(ひきめ だん)
- 尾藤 リュウジ(びとう リュウジ)
- 伍 行壊(ご ぎょうかい)
- 湯水 スグル(ゆみず スグル)
- 刈衣 花梨(かりい かりん)
- その他
- 大谷 日堂(おおたに にちどう)
- 秋山醤の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「心証なんてクソくらえだ!!」
- 秋山醤の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 「食べるラー油」のブーム以前に「飲めるラー油」を開発していた醤
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