野田ともうします。(漫画・ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『野田ともうします。』は、2008年から2016年まで連載された柘植文による漫画作品、およびそれを原作としたNHKのショートドラマ。眼鏡にひっつめ髪、グレーのスウェットにジーパンと、「どこにでもいる」地味で真面目そうな風貌だが、どこか一風変わった女子大学生である野田と、そんな野田に振り回される周囲の人物の日常を描くショートコメディ。シュールな世界観と、野田の浮世離れした価値観で多くのファンを掴んでいる。

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『野田ともうします。』の概要

『野田ともうします。』(のだともうします。)は、2008年から2016年まで連載された、柘植文による漫画作品、およびそれを原作としたNHKのショートドラマ。
雑誌『Kiss』の増刊号『Kiss PLUS』にて、2008年から2009年11月号まで連載され、『Kiss』本誌でも2008年から2016年にかけて連載された。また、同誌のwebサイト版である『デジキス』でも、2009年から2014年まで月1回のペースで新作が配信されていた。コミックスは全7巻が刊行されている。
2010年、NHKワンセグ2の番組『青山ワンセグ開発』内にて5分間の実写ショートドラマ化がなされ、同作が好評だったことから、2011年にはシーズン2、2012年にはシーズン3が放送されている。

眼鏡にひっつめ髪、グレーのスウェットにジーパンと、「どこにでもいる」地味で真面目そうな風貌だが、どこか一風変わった女子大学生である野田と、そんな野田に振り回される周囲の人物の日常を描くショートコメディ。シュールな世界観と、野田の浮世離れした価値観で多くのファンを掴んでいる。

『野田ともうします。』のあらすじ・ストーリー

異色の女子大生

埼玉県にある東京平成大学文学部ロシア文学科に在籍する大学生の野田は、いつもひっつめ髪にメガネ、グレーのスウェット、Gパン、スニーカー、という格好に身を包み、趣味は読書という、一見すると真面目で大人しい女性。しかし、彼女は常に日常にある面白みを見つけては、1人で思案を巡らせている。
大学のクラス自己紹介の時、のみ込んだ金魚を口から出す「人間ポンプ」を披露する野田。当然、周囲にドン引きされてしまう。しかし、まったく意に介さず、おそらく、引かれていることすら気づいていない。そこでクラスの女子ともっと打ち解けようと思った野田は、近くに座っている女子たちにスウィーツの話を切り出してみた。「太宰治が心中した鎌倉の小動岬の近くの漁港で食べたシラスが甘くておいしかった」という話をした野田は、完全に無視されてしまうのであった。
そんな野田はある日、大学のミスコンに出場することを決意する。自宅のテレビが壊れたため、優勝賞品の42型プラズマテレビ目当てにしてのことだった。しかし野田は友人の重松に「100mを3秒ぐらいで走ろうとしてる」とツッコミを受けるが、勝機があると言って譲らなかった。結局ミスコンは書類審査で落選してしまう。
こうして日々を生きる野田は、周囲から「浮いている」自覚は持ちつつも、好奇心旺盛に日常の中の面白みを探し、学業とアルバイト、趣味の読書に「手影絵」のサークル活動など、充実した日々を送っていた。

犬のヨダレで懸賞をゲット

野田には、懸賞ハガキを出す時に、犬のヨダレで切手を貼ると絶対当たるという特殊能力があった。ただし、この能力には「安価な賞品はチワワのような小さな犬で当たるが、1万円を超えるものとなると、大型犬のヨダレを使わないと当たらない」という致命的な制約があった。しかし、過去にブルドッグのヨダレを使って「越前ガニ」を当てたりと、輝かしい実績も持っている。野田はある日、雑誌の懸賞に踊る「ハワイ旅行」の文字を見つけた。しかしこれを当てるには、超大型犬の代表格、土佐犬くらいのサイズの犬のヨダレが必要だという。野田は意を決して行動し、土佐犬のヨダレをゲットするために奮闘した。ボロボロになりながらも、無事土佐犬のヨダレで切手を貼ることができた野田は、そのハガキを発送する。
結果としてこの懸賞で、マカダミアナッツなどの詰め合わせである「ハワイアンセット」を当てた野田は、「自分の特殊能力は、効果があるにはある」と噛みしめるのであった。

バイト仲間とのショッピング

ある日、ファミレス「ジョリーズ」のバイト仲間の亀田に、いつも同じ格好だが、何かこだわりがあるのか、と聞かれた野田は、亀田とバイト仲間の富沢を引き連れ、行きつけの服屋に向かうのであった。
行きつけの服屋は「しましま」という大衆的な価格の店だった。亀田と富沢は、彼女に似合いそうだがいつも彼女が着ないテイストの服をオススメするものの、野田はいつもと何ら変わることのない、地味なグレーの服ばかりを選んでくる。
何とかイメージを脱却させたいと思った2人は、「服を選ぶときのハンガーの音の数だけ、無限に服を選ぶことができる」と野田を説得。それを聞いた野田は血相を変えてラックに向き合い始め、亀田と富沢はようやく野田を覚醒させたと安堵するが、実際は彼女は服ではなく、先ほど指を切った時にもらった絆創膏をなくしてしまい、それを必死に探しているだけだった。
呆れ果てる亀田と福沢。しかし後日、大学のキャンパスには、いつもと似たようなグレーとジーンズの色味ながら、誇らしげにオールインワンを身に着けて颯爽と歩く野田の姿があった。

『野田ともうします。』の登場人物・キャラクター

主人公

野田(のだ/演:江口のりこ)

本作の主人公。群馬県出身。埼玉県にある東京平成大学文学部ロシア文学科に通う大学生。大学では手影絵サークルに所属し、チェーンのファミリーレストラン「ジョリーズ」のホール係として、ウェイトレスのアルバイトをしている。
眼鏡に三つ編みと地味な風貌に、服装はいつもグレーのスウェットにジーパンと代り映えがしない。趣味は読書で、筋金入りの活字中毒。触っただけで本のページ数がわかるという独特の特技を持っている。いわゆる「一般的」という感覚からは逸脱した感性の持ち主なので、周囲からは浮いているが、逆に本人も周囲が何を考えているのか理解できないと感じている。
しかしこの一方では好奇心旺盛で、日常の面白みを常に追及し、目にしたものや聞いたものは何でも試してみたくなるという一面も持っている。幼稚園の年少の時から、あだ名は「野田さん」。誕生日は10月16日。

ドラマ版の野田。キャストがハマり役と話題になった。

ドラマ版では「かず子」という下の名前が登場している。

ジョリーズのバイト仲間

富沢(とみざわ/演:増田有華)

画像中央が富沢

野田のバイト仲間。野田の言動やセンスにはなかば呆れながらも仲はよく、女子会に野田を誘ったり、一緒に服を買いに行ったこともある。誕生日は5月10日。

亀田(かめだ/演:池谷のぶえ)

画像奥の水色の服を着た女性が亀田

野田のウェイトレス仲間の中年女性。夫は既に他界している未亡人。おしゃれとは縁遠い野田を気にかけ、一緒に服を選んでくれたりする面倒見のいい性格。年齢は55歳(テレビドラマ版では45歳)。俳優のピョン様のファン。

東京平成大学の関係者

TAMTAM
TAMTAM
@tamtam

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