呪いと隣り合わせの財宝・『幽麗塔』

ニ―ト青年のもとに転がり込んできたいわくつきの財宝案件、幽霊塔。黒岩涙香の翻案小説と『医龍』の野木坂太郎さんがマッチした魅力的なミステリーです。

あらすじ・ストーリー

時は昭和29年、舞台は神戸。ニートの天野は、幽霊塔と呼ばれる時計塔で、白い何者かに襲われ死の寸前、謎の美青年・テツオに救われる。テツオは曰く「幽霊塔の財宝探しを手伝えば、金も名誉も手に入る」しかしテツオの正体は、男を装う女であり、その名も偽名であった…

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登場人物・キャラクター

天野太一
主人公。二―トだがかつての同級生に見栄を張り嘘をついていたところを、見ず知らずの美青年・テツオに助けられる。そして幽霊塔にまつわる財宝の話を聞かされて乗り、片思いの相手・恵を落とすことを目標に奮闘する。

テツオ(沢村鉄雄)
太一に幽霊塔の話を持ちかけ、財を分け合おうと誘う美青年。正体は女性であったり、平然と嘘をつけたり、ある人の思惑を守るべく動いてる風を匂わす、何やらきなくさい人物。

花園恵
太一にとって国民学校高等科の同窓生で、想い人。母子家庭で育ち通信社に勤めていたが、財産目当ての結婚の話が進んでいる。

原作はイギリスのサスペンス

アモリー家に伝わる由緒ある屋敷、ローン・アベイ館。一族ゆかりの屋敷を下見に来たテレンスは、屋敷の時計塔で謎の美女コンスエロと出会う。婚約者ポーラよりもコンスエロの美しさに惹かれるテレンス。だが、それは次々と起こる奇怪な出来事の幕開けだった…。

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このアリス・マリエル・ウィリアムソンの『灰色の女』をベースに、黒岩涙香や江戸川乱歩が翻訳したのが『幽霊塔』になります。

まとめ

戦後日本を舞台にしたハイカラな空気感と、財宝を巡る奇怪な事件が絡み合う『幽麗塔』。妖気と色香の漂うミステリーが好きな方にオススメの一作です。

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