ひとりで飲めるもん!(漫画・ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ひとりで飲めるもん!』とは2017年8月から2019年2月までコナリミサトが『まんがタイムオリジナル』で連載していた漫画作品、及びそれを原作としたテレビドラマ。
主人公・紅河メイ(べにかわめい)はコスメ会社の広報部で働くキャリアウーマン。社内でも一目置かれる彼女は、サクッと飲めるチェーン店飲みが大好き。仕事に疲れた時や自身のキャリアに悩み、迷った時には美味しい食事とお酒でリセットし、また明日頑張ろうとメイは前を向く。

連休明けからぼんやりしてやる気が起きない烏丸。新社会人の陥る5月病ではと騒ぐ烏丸を横目に、メイは「5月病は新入社員だけが患う病気ではないのよ」と心の中で呟く。実はメイもぼんやりとして通常の仕事量がこなせなくなっていた。そこで長崎めんのチェーン店へ。
野菜増し増し長崎皿うどんと生ビールを注文。あんたっぷりの麺とビールを口にすると「なまらうみゃああ」と頭身が縮む。そのままの味を楽しんだ後は、お酢、ラー油、ウスターソースとプレーンの4つの味のエリアを作り食べ進める。「ちょっと工夫すればマンネリせずに食べられるってすごい事だわ」と感じたメイは、5月病の原因がマンネリではないかと気づく。
早速デスク周りのグッズを購入し、リフレッシュを図ったメイは5月病をやり過ごすことに成功。一方の烏丸は単なる風邪であった。

12軒目 とんかつ定食とビール

ベストオブコスメデス大賞の授賞式。大賞を受賞し、登壇するのは老舗高級メーカー美勢堂(びせいどう)広報部の朝丘類次(あさおかるいじ)だ。メイが挨拶にいくとメイの会社の2位受賞を讃えつつも「やっぱりプチプラものってだけでみんな飛び付いちゃうんですかねぇ」などとイヤミが飛び出す。
烏丸は類次への怒りを爆発させるがメイはクールにかわし、帰りにとんかつチェーン店に立ち寄る。とんかつ定食と生ビールを注文。「なまらうんみゃっ」と頭身が縮む。しかしその形相は怒りに満ちていた。本音は大賞を獲れると踏んでおり、悔しさでいっぱいだったのだ。こちらを見下す様子が許せないメイは類次への闘志を燃やす。
「あーゆう奴にはこーゆうチェーン店の安くてなまらうみゃーメシ飲みの良さ、わからないんだろうなー」ととんかつを頬張るメイの近くの席には、類次がとんかつを食べる姿があった。

13軒目 かつ丼

ユルく、世渡り上手に見える朝丘類次。コスメデス大賞受賞の場では、ビジネス誌の記者や美容学校関係者、女性社員たちのお誘いをユルくかわす。そしてメイと同じとんかつのチェーン店へ向かった。
注文はカツ丼と水のみ。丼物は瞬殺で食べる事ができるから。類次はユル男に見せかけ、効率重視の仕事人間だったのだ。「食ったら即たまった仕事メールのレス!そして未消化の今日のタスク処理だ!」と食事中も仕事で頭はいっぱい。そして今日のパーティーでのメイを思い返し「まぁあの女はこんな安いチェーン店でメシ食ったりしないだろうがな」とカツ丼をかき込んでいると「なまらうみゃー」の声が聞こえてきた。
振り返ると頭身の縮んだメイが食事をしていた。類次はそれがメイとは気づかず、幸せそうに食べる姿を見て「なんか良いのかもな。ゆっくり時間を噛みしめて楽しんでて」と考える。しかし食事を終えた類次は早々に仕事に戻るのであった。

14軒目 激辛カレーとビール

メイが手がけたティーン向サイトの最終デザインが上がってきた。そこへ「紅河さん、大変です!」と後輩が駆け込んできた。それは類次プロデュースの今日発表された新サイト。全てがメイの案とそっくりだったのだ。
再度の擦り合わせで日にちはロス、上層部は小言を言うばかり。憎しみの業火で焼身してしまいそうなメイは、カレーチェーン店へ。大盛りカレーの10辛と缶ビールを注文。カレーを口にすると「なまら辛うみゃああ」と頭身が縮む。ビールも缶のままチェイサーのように飲み干す。「今日やるべきことは全てやった!あとは明日に持ち越し!」と激辛カレーを食べ続けると、汗と一緒に焦燥と憎しみも吹き出していく。
類次とメイは仕事の感度が似ており、そして類次の方が少し仕事が早い。汗をかき切りスッキリしたメイは「朝丘類次いつか泣かす」と店を後にする。

15軒目 うな丼とビール

仕事中に母からの電話を受けているメイ。電話を切ると会話を聞いていた後輩に、紅河家のお盆は、亡くなった祖父母の好物のうなぎを親戚一同で食べるのがお決まりなのだと説明する。去っていくメイを見ながら後輩たちは「紅河さんて実家との距離感クールそう」「お盆休み返上で仕事とか考えらんない」と囁き合う。
仕事後、メイはうな丼のチェーン店へむかう。うな丼とビールを注文。ふわっとした身のうなぎを食べると「なまらうみゃー…」と頭身が縮む。実は実家が大好きなメイは、親戚や家族とうなぎが食べたかったと落ち込んでいたのだ。また、名古屋出身の母が作ったひつまぶしが食べたいと思うメイ。「ないなら作ればいいのでは」思い立ち、早速うなぎをテイクアウト。
翌日のメイはイキイキとしていた。昨晩自宅で作ったひつまぶしは成功で、年末まで頑張れるエナジーチャージにも成功したのであった。

16軒目 ハンバーグとビール

アロマサロンで「紅河店長、結婚記念日ディナー楽しんできてくださいね」とスタッフから送り出されるメイの母。スタッフは「結婚年月にちなんだ粋なワインで乾杯してそう!」と盛り上がるが、両親が向かったのはハンバーグのチェーン店であった。
大ジョッキと目玉焼きハンバーグ、チーズハンバーグを注文。乾杯し、ハンバーグを食べると「なまらうみゃ〜っっ」と2人とも頭身が縮む。そして初めて家族で来店した時の事を思い出す。当時両親は多忙を極め、関係もギスギスしていた。そんな時小さなメイがハンバーグを頬張り「なまらうみゃー!」と言ったのだ。2人が「なあに。それは?」と聞くと、2人の地元の言葉を合わせて作った言葉で「お父さんとお母さんの美味しいが仲良く合体したみたいで、嬉しくて楽しいよ」と答える。それを聞いた2人はいい意味で力が抜け、食事を楽しむことができたのだった。
お盆休みに会えなかった事を嘆く父に、母は「今頃東京で同じ店のハンバーグ食べてたりしてね」と応え笑いあう。同じ頃、東京ではハンバーグを食べるメイの姿があった。

17軒目 ホットドッグとビール

類次と重複したサイトの修正に成功したメイは上層部から評価を受ける。しかし対処法を示さず、結果が出た時だけ手のひらを返す上層部にモヤっとするメイ。後藤と食事をしながらその話をすると退職して独立でも考えているのかと聞かれ、ドキッとする。同日ニュースサイトでは類次の独立が報道されており、焦燥感を感じたメイは飲み直そうとするも寄りたい店が思いつかず、映画館に入館する。
ホットドッグと生ビールを買い、予告を見ながらホットドッグを頬張るメイ。「なまらうみゃ〜っっ」と頭身が縮む。映画はもがき悩みながらも戦い続ける女戦士の物語で、その爽快さと女性客の多さに「きっとみんなだって色々と悩んだりしてるんだろうなって、そう思うと不思議な力が湧いてくるみゃ!」と前向きになるメイであった。女戦士は自分の道を切り拓き、映画はエンドロールを迎えたが「で、私はどうしよう」とメイはその場を動くことができなかった。

18軒目 回転寿司とビール

最近ボーッとしている事が多いメイを見て、社員たちは転職か独立するのではと噂していた。噂を聞いた上層部は退職を止めようとしてくるが、メイの良き上司である是枝は「上層部の奴らの言うことなんて気にしなくていいのよ。たくさん悩み抜いて冒険なさい」と励ます。
自分にとっての冒険がわからないメイは、高級寿司のディナーに出かけてみることに。美味しい寿司と白ワインに舌鼓を打つメイ。食べ方も店員の指示通りに。今後を考える事にも疲れ、このまま流れに任せてみようかと決めかけた時、靴のヒールが折れ倒れ込む。「なんでこのタイミングで折れるかな!?最悪…」と顔を上げると、そこには回転寿司のチェーン店があった。
回転寿司とビールを楽しみながら、食べたい時に食べたい物が食べられ、気軽に楽しめる店がやっぱり好き。仕事もみんなの笑顔が見れるような物を作って売りたい。それだけだと再認識したメイであった。

最終軒 天丼とビール

メイは是枝に「この会社に残って働くことが、今の私にとって最高にワクワクする冒険だ」と残留を決めたことを報告。「どうせなら上がって来なさいよ、紅河」と是枝もメイを応援する。
その頃、類次は商談相手とメイの話題になっていた。商談相手からメイが転職か独立をするという噂があったが、結局残留となったことを聞かされる。類次は転職や独立はないと分かっていた。メイの自社商品への熱烈な愛を感じていたからであった。
高揚感を感じていたメイは天丼のチェーン店へとやって来た。小天丼とグラスビールを注文するが、いつもとは違い温玉乗せである。「なまらうみゃ〜っ」といつものように楽しむメイ。この先も迷うことがあっても、こんな夜があればきっと乗り越えられるとメイは確信したのであった。

『ひとりで飲めるもん!』の登場人物・キャラクター

紅河メイ(べにかわめい/演:大政絢)

28歳。物語の主人公。コスメ会社の広報部でリーダーを務めるバリバリのキャリアウーマン。後輩の面倒見も良く、退職の噂が立った時は上層部からも直々に止められている。容姿端麗でその美貌に街行く人や立ち寄った店の客も振り返るほど。仕事ぶりも容姿も目立つため、会社の同期からは妬まれ、陰口を叩かれてしまうこともある。そのようなストレスも大好きなチェーン店めしでリセットしている。
美味しい食事とお酒にありつけると「なまらうみゃ〜」という自身の心の声とともに、緊張の糸が途切れ、頭身が縮んで子供の様になってしまう。食事が終わって心身がリセットされると再び元の姿に戻る。
人間関係もクールに見られているが、家族や親戚が大好きで、甥っ子姪っ子に頬擦りしながらビールを飲むことを楽しみにしている。

朝丘類次(あさおかるいじ/演:桐山漣)

30歳。老舗化粧品メーカー美勢堂の広報部代表を務めている。その雰囲気や見た目から、ユルーく仕事をして成功しているように見られているが、実は効率重視の仕事人間。食事にも時間をかけたくないため、瞬殺で食べられて高カロリー摂取が可能な丼物を好む。カツ丼はカツを一切れ5秒で食べ、米は飲むペースで食す。女性とイチャつく暇があるなら、商談をまとめるのに時間を使いたいと考えているため長年彼女はいない。仕事の感性が似ているメイを苦手としている。

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