探偵撲滅(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ
『探偵撲滅』とは日本一ソフトウェアから発売された、探偵シミュレーションアドベンチャーゲーム。探偵助手の北條和都(ほうじょう わと)が主人公となっており、プレイヤーは和都の目線で物語を進めていく。アドベンチャーパートと捜査パートに分かれており、テキストを読み進め、起こった事件に対して捜査をする、というのが本作の流れとなっている。個性的なキャラクターと先が読めないストーリーが魅力の作品だ。
『探偵撲滅』の登場人物・キャラクター
登場キャラクターの探偵たちにはそれぞれ「〇〇探偵」と本名以外に探偵ネームが付いており、作中では基本的にその探偵ネームで呼ばれる。また、主人公の属する「探偵同盟」には探偵序列があり、100位が最下位となっている。
探偵同盟
無能探偵
CV:小林敬
本作の主人公で、本名は北條和都(ほうじょうわと)。探偵序列は100位(最下位)。
これといった特技がないことからストーリー序盤に「無能探偵」と名付けられ、他の探偵たちから「無能くん」と呼ばれることになる。
性格は真面目で、作中初めての殺人現場を目撃した際、嘔吐するなど、一般人と変わらない感覚を持っている。
かつて「サイカちゃん」と呼んでいた仲良しだった少女が目の前で死んだ姿を見て、同じような犠牲を出さないためにと探偵を志す。序盤では堕落探偵と呼ばれる探偵が運営している群青寺(ぐんじょうじ)探偵事務所で助手として雇われており、事務所の掃除や人探しなどをこなしていた。
その正体は初代「理想探偵」で、かつて機密警察の手により行われていた非人道的な実験で拉致されていた子供の一人。異能覚醒実験で悲劇を予知する力、「理想想失(エンド・シーイング)」が覚醒し、そこでサイカ(現在の理想探偵、彩華のこと)がSPXの攻撃にやられ死ぬ姿を予知してしまう。そのため、サイカを連れ、実験から逃げ出そうとしたが、襲ってきたSPXからサイカを庇い瀕死の重傷を負う。そんな和都の姿を見たサイカは「自分が和都の代わりに理想探偵になるから和都を助けてほしい」と機密警察の人間に告げ、それからはサイカが理想探偵を名乗っている。
攻撃を受けた後遺症で和都は異能覚醒実験を受けていた記憶が無くなっている。そのため探偵同盟に入り彩華と出会うまで、和都は彩華を守れずに死なせてしまったと思っていた。しかしそれは彩華の死を理想想失で予知した記憶が頭に残っていただけであり、それにより彩華が死んだと勘違いしていた。
理想探偵
CV:奥野香耶
本名、彩華(さいか)=シェリンフォード=ホームズ。探偵序列は2位。
普段から落ち着いた話し方をしており、感情的になることはあまりない。探偵序列が2位ということもあり、ほかの探偵たちからの信頼も厚く推理力も高い。一周目をクリアすると追加される残留思念の回想において、ストーリー序盤から事件の犯人に目星が着いていた様子が見られる。
初めて会った時から和都に特別な信頼を寄せており、「君に命を救われた」と度々話している。
過去、和都と共に機密警察に捕らわれ、異能覚醒実験をされていた子供の一人。最初に「理想探偵」だったのは彩華ではなく和都だったのだが、先に覚醒していた和都が彩華が死ぬ未来を予知したことにより彩華とともに実験からの逃亡を図る。しかしその途中、追跡してきたSPXにより和都が深手を負い、その姿を見た彩華は「自分が代わりに理想探偵になるから和都を助けてほしい」と告げ、彩華が理想探偵を名乗ることとなった。
探偵同盟に入り、和都と初めて会うときまで和都が記憶を失っていることを知らず、「きみに命を救われたんだ」と和都に話した際は否定され、驚いた顔をしていた。
また、彩華=シェリンフォード=ホームズも偽名であり、本名は鎧井彩華(よろいさいか)。つまり、武装探偵の妹である。一周目をクリアした際追加される残留思念の回想で、武装探偵と理想探偵の会話があり、その際に武装探偵の妹であることが明かされる。
外道探偵
CV:石谷春貴
本名、銀噛十五(ぎんがみじゅうご)。探偵序列は4位。
飄々としており、真相に気づいているのに口にしなかったりと性格に難がある。趣味はボランティアと語っているが、真偽は不明。過去に複数の殺人事件を起こしており、普段はマンション型の牢獄に閉じ込められている。犯罪者の心理を把握する能力に長けており、その能力を買われ数人の探偵の監視下のもと、探偵同盟に属している。また、首には首輪型の爆弾が仕掛けられており、ある条件下で起動するようになっている。
過去に異能覚醒実験に参加させられていた子供の一人。身体能力が高く、機密警察の目を欺き、脱走することに成功する。が、その数年後、「銀噛一家心中事件」と呼ばれる事件で、(身を守るためとはいえ)襲ってきた母親を惨殺してしまう。それが理由で児童更生施設へと入れられるが、そこでも混乱を引き起こし、その後理想探偵に粛清され探偵同盟へと入ることとなった。
社畜探偵
CV:藤野裕規
本名、四崎宗也(しざきそうや)。探偵序列は10位。
目の下に隈があり、睡眠不足を感じさせる容姿をしている。夜は探偵として働いており、昼間は「社畜探偵」の名の通り、サラリーマンをしている。妻子を持っており、妻に頼み込んで副業という形で探偵同盟に属している。
かつて機密警察に所属していた過去を持ち、当時は「鬼畜探偵」と呼ばれていた人物。機密警察の非人道的行為に加担していたが、機密警察のやり方に賛同できなくなり、理想探偵に協力し、機密警察の解体に貢献した。現在は贖罪の意味も含めて探偵同盟に所属している。作中で理想探偵は、「社畜探偵の目の下の隈はかつての罪に苛まれ、睡眠がとれていないが故にできたものだ」と語っていた。
華族探偵
CV:小田果林
本名、アーリアル=アラン=ピンカートン。探偵序列は5位。
世界で有名なピンカートン探偵社の子孫。理想探偵をライバル視しており、尊大な態度をとる。しかし探偵としての能力は高く、「本物」を見極める目も備わっている。リーダーとして指示を出す、など組織として行動する際は成果を発揮できるが、華族探偵一人では真価を発揮することができない様子。
本来ならば華族探偵は海外のピンカートン探偵社に属している人間だが、「華族」があらわす通り、作中のピンカートン探偵社の現状は落ち目にあり、警備の仕事を営んでいる状態だった。そんな状況に納得がいかなかった華族探偵は部下を引き連れピンカートン家の復興するため日本で「ピンカートンジャパン株式会社」を立ち上げ、会社の成長に尽力をしている。
渋谷探偵
CV:鈴木あんず
本名、佐奈江犬美(さなえいぬみ)。探偵序列は22位。
明るい性格で、初対面であっても誰とでも打ち解けられる性格の持ち主。「コミュニケーション推理」と呼ばれる、複数人の推理をつなぎ合わせることで事件の真相を解明する推理を得意としており、16歳と若いながらも数々の事件を解決してきている。
幼いころからの友人が八つ裂き公事件の被害者となっており、そのことに対して怒りを覚えている。しかし、渋谷探偵は「人を殺したくなる」性格をしており、毒を使うことを得意としている。
魔界探偵
CV:田所陽向
本名、エヴァンス・ヘルシング。探偵序列は7位。
主にオカルト系の事件を専門にとり扱い、解決に導いている探偵。未解決である、「吸血鬼事件」という事件の真相を探るためにオカルトの知識を集めている。
文学探偵を「ブン」と呼び、親子のように仲が良い。
「明けぬ夜事件」の一つである「吸血鬼事件」で妻子を失い絶望していたが、その後の「狼男事件」で文学探偵と出会うこととなる。
文学探偵
CV:山下七海
本名、芥川天国(あくたがわヘヴン)。探偵序列は15位。
11歳と年齢は若いが、読書量は1万冊を超えており、読んだ本の内容を一字一句記憶したり、一度見たものは忘れない、「HSAM(非常に優れた自伝的記憶)」の持ち主。それだけに苦労は多く、殺人事件の現場などを目撃してしまうとその記憶は残り続けるため、精神的に負担となってしまうこともある。
かつて「狼男事件」で両親を失っており、その後にこの事件を解決した魔界探偵と手を組むこととなり、養子縁組を結ぶ。文学探偵は幼いながらも魔界探偵の手助けをするために、探偵として日々勉強している。
美食探偵
CV:中川亜紀子
本名、ナージャ・ニクリン。探偵序列は9位。
おっとりとした喋り方をしており、怒ることはない。普通の人よりも優れた嗅覚と味覚を持っており、人の感情すら見抜いてしまう「超味覚」の特技を持つ。
幼少のころからあらゆるものを食べていて、様々な毒への免疫を持っているため、毒ですら食べてしまう。
「氷の女王」と呼ばれていた伝説的なアームレスリングの選手。「明けぬ夜事件」で爆発テロに巻き込まれ、生き埋めとなる。その際に二週間にわたり絶食を余儀なくされ、ありとあらゆるものを口にし、生き永らえた。そのため、常に空腹感の絶えない体質となってしまった。
被虐探偵
CV:本泉莉奈
本名、玲央(れお)=グレイ。探偵序列は14位。
ネガティブな性格をしており、性質故に悲鳴をあげることが多い。
科学探偵
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目次 - Contents
- 『探偵撲滅』の概要
- 『探偵撲滅』のあらすじ・ストーリー
- 第1章 探偵八ツ裂き事件
- 第2章 透明人間殺人事件
- 第3章 不完全密室殺人事件
- 第4章 探偵たちの迷宮入り
- 第5章 矛盾階層殺人事件
- 最終章 八ツ裂き公事件
- 『探偵撲滅』のゲームシステム
- 捜査システム
- 捜査シミュレーションパート
- 真相解明パート
- 語録辞典
- 『探偵撲滅』の登場人物・キャラクター
- 探偵同盟
- 無能探偵
- 理想探偵
- 外道探偵
- 社畜探偵
- 華族探偵
- 渋谷探偵
- 魔界探偵
- 文学探偵
- 美食探偵
- 被虐探偵
- 科学探偵
- 大和探偵
- 武装探偵
- 老師探偵
- その他
- 八つ裂き公
- 『探偵撲滅』のアイテム
- 探偵デバイス
- 残留思念
- 『探偵撲滅』の用語
- モルグ島
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- 『探偵撲滅』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 各探偵が主役の外伝小説
- 前日譚と後日談