正一（鬼滅の刃）の徹底解説・考察まとめ

正一のプロフィール・人物像

CV：市来光弘

正一（しょういち）とは、大正時代を舞台にした吾峠呼世晴の漫画作品『鬼滅の刃』の登場人物で、鼓屋敷（つづみやしき）と呼ばれる場所での戦いにおいて活躍した少年。名字は不明。
市井の少年であり、兄・清（きよし）、妹・てる子（てるこ）の三人兄弟の次男。ファンからは三人合わせて「鼓屋敷の三兄妹（つづみやしきのさんきょうだい）」と呼ばれている。

『鬼滅の刃』は、人食いの怪物・鬼と、鬼を狩ることを使命とする鬼殺隊の世に語られることのない熾烈な戦いを描いた作品である。清は鬼に取って特別に滋養のある“稀血（まれち）”という特殊体質で、これを狙った鬼・響凱（きょうがい）に拉致される。兄を助けようとこれを追いかけていった先で鬼殺隊の新人剣士・竈門炭治郎（かまど たんじろう）と我妻善逸（あがつま ぜんいつ）に出会い、彼らと共に響凱の住まう鼓屋敷へと踏み込む。
空間ごと部屋と部屋が入れ替わる不可思議な屋敷の中、炭治郎とてる子とはあっさり離れ離れになってしまう。残った善逸と二人で進むも、臆病で小心な彼に振り回され、年下の自分に本気で助けを乞う姿に呆れ、ついにはその情けなさに辟易とする様子を見せる。緊張感漂う鼓屋敷の戦いの中で、善逸ともどもコメディリリーフとして活躍した。

兄の清でさえこの時の炭治郎（十五歳）より幼く、善逸の見立てでは正一自身はまだ年齢一桁とのことである。年齢の割にかなりしっかりした考え方ができる少年で、善逸が恐慌しながら「このままでは死ぬから一緒に逃げよう」と誘った時は、「てる子や炭治郎をここに残して自分だけ助かるつもりなのか、なんのために腰に刀を差しているのか」と理路整然と反論している。
この頃の善逸は、鬼殺隊の剣士として新人らしからぬ実力を持ってはいたが、自分の力量をまったく理解しておらず、恐怖に失神するなどして前後不覚になった時だけそれを発揮するという状態にあった。屋敷の中で襲い掛かってきた鬼を一蹴するも、これを「一緒にいた正一がやったこと」だと思い込み、後々までこの勘違いを抱かれていた。

正一の来歴・活躍

兄・清を鬼に拉致される

夜道を歩いていた際、兄・清を鬼の響凱に連れ去られる。響凱はもともと“十二鬼月”という鬼の中でも別格で強力な者たちの一員だったが、体質的な問題でこれ以上人を大量に食べることが（＝強くなることが）できなくなっていた。このことから地位を剥奪されるも、食べる数ではなく質でこれを補おうと画策。清を狙ったのは、彼が鬼に取って特別に滋養のある“稀血”という特殊体質の持ち主だったからだった。
兄を助けようと、妹・てる子と共に清の血の痕を追いかける。山中に建てられた怪しい屋敷まで辿り着くも、この中に兄を連れ去った怪物がいるかと思うと怖くて動けず、てる子と抱き合って震えていた。

鼓屋敷に挑む

夜が明けた頃、鬼が現れたという報せを受けて鬼殺隊の新人剣士である炭治郎と善逸が屋敷の前までやってくる。事情を聞いた炭治郎が「清を助ける」ことを正一たちに誓う一方、善逸は屋敷に踏み込むことをギリギリまで拒絶する情けない姿を見せた。
炭治郎は家族を鬼に殺されており、唯一の生き残りである妹の禰豆子も鬼にさせられてしまっていた。普段はこの禰豆子を隠した箱を背負って行動しているのだが、鬼との戦いを考慮し、「命より大切なもの」だと説明してこれを外に置いていく。いざという時には禰豆子に正一たちを守ってもらうことも考えての措置だったが、怪物の巣食う屋敷を前に、どうやら中に大きな生き物が潜んでいるらしい箱を傍らに置かれた二人は、恐怖のあまり炭治郎たちについていってしまう。

鬼との遭遇、善逸の本領

響凱の屋敷は鼓屋敷といい、彼の術によって空間ごと部屋が入れ替わる不可思議な構造になっていた。彼はここに無数の人を捕らえ、稀血の者だけを選別して食べようとしていたが、人肉を求める他の鬼が勝手に踏み込んできて戦闘になり、そのドサクサで清にも逃げられてしまっていた。
どこかに隠れている清を探して、響凱や兄たちが屋敷の中を徘徊する中、空間ごと部屋が入れ替わった影響で正一と善逸はてる子と炭治郎とはぐれてしまう。そこに屋敷の中に入り込んでいた鬼の一体が現れ、二人を食おうと追いかけてくる。

恐怖に震えるも、隣にさらに大仰に泣き叫んで喚き散らす善逸がいたためかえって冷静になる。パニックに陥りながらも、自分より弱い正一を守るために善逸は決して逃げず、しかしついに精神の限界を迎えて失神。いよいよ打つ手無しかと思われた時、善逸は一閃の居合斬りで鬼を討ち果たす。
実のところ、善逸は新人剣士らしからぬ高い実力を持ってはいたものの、生来の臆病さと気の弱さでそれをまったく自覚していなかった。彼がその力を発揮できるのは前後不覚になった時だけで、正気を取り戻してもそのことを一切覚えていない。今回もそれは変わらず、我に返って鬼が倒されているのを見ると、これを正一がやったことだと思い込んで「助けてくれてありがとう、そんなに強いなら早く言ってくれ」と涙塗れで彼にしがみつく。一部始終を見ていた正一にとって、この言動は理解の範疇を超えており、善逸について考えることを放棄した。

屋敷からの脱出

その後炭治郎が響凱を倒したことで屋敷にかけられた術は解け、正一は善逸と共にここを脱出する。しかし、先んじて屋敷の中に侵入していた鬼殺隊の剣士嘴平伊之助（はしびら いのすけ）は、外に置かれたままの禰豆子が入っていた箱に気付き、「この中に鬼がいる」とこれを攻撃せんとする。
善逸はどうやら箱の中にいるのが鬼であるらしいことは理解していたものの、炭治郎が「命より大切なもの」だと言っていたことを覚えており、体を張ってこれを死守。業を煮やした伊之助に散々に殴られるも、なんとか箱を守り抜いた。

少し遅れて屋敷を脱出した炭治郎は、善逸ごと箱を串刺しにしようとする伊之助を見て激昂。彼を取り押さえようと飛び出していく。最終的に伊之助は炭治郎の頭突きを浴びて失神し、鬼殺隊の剣士たちの乱闘は収束する。
子供である正一には見ていることしかできなかったものの、伊之助が矛先を炭治郎に変えた後は、再会したばかりの清やてる子と共に彼を介抱している。

炭治郎たちとの別れ

その後炭治郎は、屋敷の中で殺されていた人々の遺体を回収し、その一人一人に墓を作っていく。清、てる子、善逸と共に正一もこれに協力する。
そんな中で伊之助が目を覚まし、「死骸なんて埋めてないで俺と戦え」と再戦を迫るも、炭治郎はこれを「怪我が痛くて埋葬を手伝えない」と解釈。無理せず休むように伊之助に伝える炭治郎を見て、その天然っぷりに清ともども唖然とする。

挑発されたと感じた伊之助が必要以上に働いた結果、日が暮れる前に埋葬は完了。炭治郎に促され、再び世闇が迫る前に清やてる子と下山を急ぐ。
麓近くまで来たところで、清の稀血を鬼から隠すための薬を受け取り、あとは自分たちだけで家に帰れると、炭治郎たちにお礼を言って別れる。善逸は未だに正一のことを「鬼を倒せるほどの実力者」だと思い込んでおり、今後も守ってもらうためになんとか引き留めようと彼にしがみつき、一行を辟易とさせていた。
炭治郎たちの前では最後まで礼儀正しい態度を守っていたが、ここの半日ほどの間の衝撃的な出来事に三人とも憔悴しており、胸中で「疲れた」と漏らしている。

正一の関連人物・キャラクター

清（きよし）

兄。年齢は不明だが、背丈などからしてこの時の炭治郎（十五歳）より幼いと思われる。
鬼にとって普通の人間の数十倍以上もの滋養がある“稀血”という特殊体質で、このことから響凱に拉致される。幸運に助けられた部分が大きいが、少ないチャンスをうまく活かして屋敷の中を逃げ回り、炭治郎が来るまでなんとか独力で己の身を守り抜いたクレバーな少年。超常的な体験を重ねておきながら、救出された後は恐慌に陥るでもなく炭治郎たちに礼を伝えており、身なりもいいことから「きちんとした礼儀を教えられた裕福な家の子供なのではないか」とファンから推測されている。

清（鬼滅の刃）の徹底解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

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清（きよし）とは、大正時代を舞台にした吾峠呼世晴の漫画作品『鬼滅の刃』の登場人物で、鼓屋敷と呼ばれる場所での戦いで活躍した少年。名字は不明。
弟・正一、妹・てる子の三人兄弟の長男。鬼に取って特別に滋養のある“稀血”という特殊体質の持ち主で、これを狙った鬼・響凱に拉致される。“稀血”目当てに集まった鬼たちと響凱が争う中、隙をついて逃走。この時不思議な力を持つ響凱の鼓を咄嗟に回収し、これを使って鬼たちから逃げ続ける。設定的には救いを求める弱者だが、幼いながら意外な聡明さを発揮して物語を盛り上げた。