ヨスガノソラ(ゲーム・漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ヨスガノソラ』とは、2008年12月5日にCUFFSの姉妹ブランド、Sphereより発売された18禁恋愛アドベンチャーゲーム、およびそれを元にした漫画・アニメ作品であり、Sphereのデビュー作である。本作の企画がCUFFSでは制作が難しかったため、企画と共に新ブランドを立ち上げた。
不慮の事故で両親を亡くした双子の兄妹である春日野悠(かすがの はるか)と春日野穹(かすがの そら)は、それまで住んでいた都会から離れた山奥の田舎町にある父親の実家であり、亡き祖父の家で兄妹二人が生活を始める。

『ヨスガノソラ』の概要

『ヨスガノソラ』とは、2008年12月5日にCUFFSの姉妹ブランド、Sphereより発売された18禁恋愛アドベンチャーゲーム、およびそれを元にした漫画・アニメ作品である。CUFFSの姉妹ブランド・Sphereのデビュー作。本作の企画がCUFFSでは制作が難しかったため、企画と共に新ブランドを立ち上げた。シナリオ担当の太刀風雪路は、タイトル『ヨスガノソラ』について、「どこでもどんな時でも変わらずそこにある空のように、人と人との関係もそうありたい」という願いや憧れを込めたと語っている。漢字では「縁の空」だが、音の響きを重視してカタカナとした。作品のテーマとしては、素直で優しすぎるために自分の気持ちを押し殺してしまう、あるいは素直でない姿を周囲に当たり前と思われてしまって本心が伝えられない、といった「意志の疎通の難しさ」を表現している。2010年5月にテレビアニメ化が発表され、2010年10月よりAT-X・BS11・TOKYO MXにて全12話が放送された。シリーズ構成の荒川稔久によれば、作品舞台である田舎の情景を意識して作品に取り入れている。
都市部から遠く離れた田舎、奥木染(おくこぞめ)。春日野悠は、妹の春日野穹を連れてその町に向かっていた。そこには幼少の頃、夏休みに何度も訪れ過ごした祖父の家があり、懐かしい場所であった。不慮の事故により両親を亡くし、拠り所を失った二人は、今は誰も住んでいない祖父の家に引っ越し、そこで暮らすことを決める。そこで妹やヒロインたちと共に不器用な恋愛を展開する。

『ヨスガノソラ』のあらすじ・ストーリー

第1話 ハルカナキオク

不慮の事故で両親を亡くした双子の兄妹の春日野悠と春日野穹は、それまで住んでいた都会から離れた山里にある奥木染町(おくこそめちょう)へ移り住み、かつてその地で医者を営んでいた亡き父方の祖父母の家で、兄妹二人の生活を始めることとなった。家の近くにはコンビニもなく、あるのは田畑ばかり。そんな典型的な田舎町である奥木染に、うんざりしている穹を悠はなだめながら近所のスーパーに向かう。買い物を済ませると悠はスーパーの隣の自転車屋で予め買っておいた自転車を受け取り、後ろに穹を乗せて奥木染を巡る。翌日、転入先の穂見学園に一人で登校した悠は、悠と昔一緒に遊んだことのある「叉依姫神社(さよりひめじんじゃ)」の娘である天女目瑛(あまつめ あきら)、ややきつめの顔立ちをした才色兼備で清楚なお嬢様の渚一葉(みぎわ かずは)、悠たちより一つ年上だが、留年して彼らのクラスメートとなっている中里亮平と友達になる。一方、体が弱いことと、学校の制服がまだ用意できていないことで登校出来ない穹は、一人で留守番をしながら悠の帰りを待ち詫びる日々を送っていた。
悠と同じ学校であり、幼少時の悠と穹が遊びに来たときにいつも面倒を見てくれていた、一つ年上の依媛奈緒(よりひめ なお)は自転車で走っている最中に、学校帰りの悠に誤ってぶつかってしまう。悠は奈緒を自転車の後ろに乗せ家まで送ることにする。悠の帰りが遅いと穹は家の外へ出るとちょうど自転車に乗った悠と奈緒を見てしまう。奈緒は小さい頃、両親が離婚寸前になるほどよく喧嘩をしており、家を飛び出し悠の元へ向かい、悠にすがるように覚えたての性知識で悠と性交してしまったことがある。穹は自分の兄である悠と奈緒が性交しているのを目撃して以来、徹底的に嫌っている。奈緒と会っていたため帰りが遅くなったことを知っていた穹は、悠に対して不機嫌な態度をとるのであった。

第2話 アキラハズカシ

ある朝、穹の部屋に蚊が入り「どうにかして」と悠に頼む。「蚊帳が家にあるから取りにおいでよ」と瑛に言われ悠は瑛の家へと向かう。瑛の家は神社であり、巫女と神社の管理人を兼任しており、そこで一人暮らしをしていた。「たまに下の駄菓子屋の人と一緒にご飯を食べる」と瑛が言い、悠は駄菓子屋に顔を出しに行く。すると駄菓子屋には身寄りのない瑛の保護者をしている伊福部やひろがいた。瑛が一人暮らしということが気になり、やひろに聞いてみるが「知る必要はない」と言われてしまう。
学校のプール掃除をするため体操服に着替えたクラスの皆だったが、一葉は体操服を忘れ制服で見学をすることになる。ホースから勢いよく出た水を誤って一葉にかけてしまう。濡れてしまった一葉を急いで更衣室まで連れ出す瑛。その時に一葉が落とした携帯を悠が見つけ更衣室まで届けようとするが、更衣室から一葉が瑛を「お姉ちゃん」と呼ぶところを聞いてしまう。

第3話 ツカズハナレズ

更衣室から一葉が瑛を「お姉ちゃん」と呼ぶところを聞いてしまい驚く悠。普段は一葉がお姉さんのように瑛の面倒を見ているため、周りは一葉がお姉さんだと思っていたからだ。そこに渚家のメイドである乃木坂初佳に、盗み聞きしていたところを見られてしまう。放課後、悠は聞いてしまったことについて考えながら歩いていると、物凄い勢いで一葉が悠の元へ走って来る。一葉は悠が盗み聞きしていたことを知り、一葉の口から、瑛とは異母姉妹であること、そして一葉の父親が瑛を認知しないために瑛が一人で苦労していることを告げられる。一葉の苦悩を知った悠は、瑛を気遣っていつもどおりの態度で接する。そんな悠の優しさを感じた一葉は、海水浴で二人っきりになったことをきっかけに、次第に悠に惹かれ、ともに過ごす時間も増えていくのだった。ある日、瑛や悠と一緒に叉依媛神社で夏祭りの準備をしていた一葉は、夏祭りの下見をしに神社にやってきた父親と鉢合わせしてしまう。一葉の表情が怒りに満ちているのを見た悠は、一葉を街へと誘いその帰り道2人は唇を重ねるのだった。

第4話 ハルカズハート

瑛が過労で倒れ、悠に夢中になって瑛が疲れていることに気付かなかった一葉は、瑛の面倒を見ず、放ったらかしにしてきた父親と自分が同じだと思い、ヴィオラのレッスンも悠のことも放り出して瑛の面倒を見ようとする。瑛は無理して自分の面倒を見ようとする一葉に「父親を責めたいからだ」ということ、「父親は自分に対し良い人である」ということを伝える。「父親を責めたいからだ」と瑛に言われ、自室でふさぎこむ一葉に、悠は一葉の誕生日プレゼントととしてオルゴールと、「会いたい」と書いたメッセージカードを届ける。そして夏祭り当日、悠の前に姿を現わした一葉は、父親が神楽舞に臨む瑛の頭を撫でているところを目にする。父は一葉の母を傷つけないために、隠れて瑛に会いこっそり経済支援し、一葉と同じように瑛を愛していたのであった。このことを知り、一葉は父と向き合うようになった。

第5話 ヤミアキラカニ

悠は学校で瑛に、彼女と一葉が腹違いの姉妹であることを打ち明けられた。だが瑛は父親に認知されておらず、これまでずっと一人で生きていたのだった。
そんな深刻な真実を打ち明けつつも、笑顔を絶やさない瑛の明るさと強さに、悠は惹かれていく。その日の夜、悠は自分が瑛と子供のころに出会っていたこと、そして遊んでいる際、幼い瑛が母親のペンダントをなくしてしまったことを思い出した。幼い日に見た瑛の切ない表情を思い出した悠は、一緒にペンダントを探そうと瑛を誘う。瑛は「無理だよ」というが、「天女目をずっと笑顔でいさせてあげたい」と言う悠は、諦めずペンダントを探し続ける。その姿に心を打たれた瑛だが、その拍子に転んで悠と瑛は泥まみれになってしまった。泥を落として着替えるために、神社に戻った二人。先に悠がお風呂に入っていたところ、瑛も風呂場に入ってきた。同じ湯船に漬かっているうちに気持ちが高まってきた二人は、互いを求め合い付き合うことになった。

第6話 アキラメナイヨ

夏祭り当日、一葉の母が瑛の前に現れるが、挨拶をしてきた瑛を無視して行ってしまう。舞台で舞う瑛の目から涙が零れ落ちるのを見た悠は、瑛の元に駆け付ける。そこには「瑛ちゃんと一葉ちゃんは取り違えられた可能性」という一文が書かれた日誌を燃やそうとしている瑛の姿があった。翌日、悠は学校で瑛から別れを切り出された。大切な人を失うことが怖くなった瑛は、悠もいつか自分の元から離れてしまうのではないかと考えていたのだ。悠は一葉に取り違えられた可能性があることを打ち明けて、DNA鑑定を申し入れる。真実を知るため一葉は了承する。悠から「DNA鑑定を行なう」と告げられた瑛は、一葉や悠とともに、鑑定結果を聞く約束をする。だが結果が出る当日、瑛は町から逃げ出そうとしていた。しかし、悠の説得も有り皆の元に戻った瑛。そこに現れたのは、一葉の母であった。鑑定の結果は、生物学上の母親である可能性はなかった。瑛を産んだ母は瑛をかまってあげておらず、一葉の母が瑛を抱いたときに一葉の母がつけていたペンダントを瑛がちぎってしまう。瑛の母はいなくなってしまい、嘘でも母親の思い出をあげたいと思いそのペンダントは瑛にあげたのであった。後から瑛は父の愛人の子だと一葉の母は知り、瑛に罪はないが背を向け続けていた。だが今回のことをきっかけに少しずつ寄り添っていくのであった。

第7話 ツミナオトメラ

ある日、春日野家に奈緒が蚊取り線香を届けにやってきた。だが奈緒は幼馴染である悠によそよそしい態度を取る。それは過去に奈緒が強引に悠と身体を重ねたことがあったからだった。勢いでしてしまった過去を後悔しつつも、悠を忘れられない奈緒。そんな雰囲気を察し、穹は奈緒に対して陰ながら嫌悪感を抱いていた。一方、亮平は、悠と奈緒が親しくなれるよう、二人をプールに誘い出す。奈緒との距離に戸惑いを感じながらも、昔から奈緒に憧れていた悠は、カナヅチを克服するためにレッスンをお願いする。そして泳ぎ終わった後、奈緒は悠に幼少期の件のことを謝る。「嫌じゃなかった」と悠は言い、お互いの気持ちを確かめ合った悠と奈緒は、自然にキスを交わすのだった。

第8話 ナオクラキソラ

奈緒と気持ちを確かめ合った悠は、穹に二人の仲を許してもらおうとしていた。だが穹は、話そうとする悠を避ける。
ある日、奈緒はカレーを作って奈緒、悠、穹で食卓を囲むことを提案する。穹が自室で昼寝をしていると知らずカレーを作り終えた悠と奈緒は、二人で昔の写真を見ているうちに自然と身体を重ね合う。そのとき、異変を感じて居間に飛び込んだ穹が、「また誘ったのね」と奈緒に言い放つ。奈緒を悲しませまいと決意した悠は、穹に責められて憔悴した奈緒を励ましながら、穹に様々なアプローチを試みる。そんな二人を気遣った亮平は、親睦を深めようと悠、奈緒、穹や瑛、一葉、初佳で海水浴に出かけようと提案する。

第9話 ハルカナオモイ

穹は海水浴には行かず一人自宅に残ったが、気になって海水浴場に出かけた穹は、溺れた悠に人工呼吸する奈緒の姿を見てしまう。このまま自分は捨てられると考えた穹は、家を出ることを企てる。「ここから出よう ハル」というメールを穹から受けた悠は、懸命に穹の姿を探す。一方、穹は母との思い出が詰まった黒ウサギのぬいぐるみを持って、バスの停留所で悠が来るのを待っていた。だが、雷雨の中現れたのは奈緒だった。優しく手を差し伸べる奈緒に、涙ながらに「悠を取らないで」と叫ぶ穹。そのとき、停留所に雷が直撃。穹の大切な黒ウサギが炎に包まれる。そんな穹の大切な黒ウサギを奈緒は命がけで助け出した。穹は自分のために命をかけてくれた奈緒に少し心を開き、「悠を取られて一人になるのが怖かった」と奈緒に話すのであった。

第10話 トリノソラネハ

悠とキスをかわした奈緒は、穹に二人のことを話したいと提案するが、悠は煮え切らない。なぜなら悠は、実の妹である穹のことを異性として意識し始めていたからだ。だが悠は穹への思いを断ち切るために、奈緒と二人きりでデートすることを約束する。一方、悠と奈緒の関係に気づいた穹は、先に約束があると嘘をついて、悠が自分と奈緒のどちらを選ぶのか試そうとした。そうとは知らない悠は、迷いつつも奈緒とのデートを優先。そして帰宅後、自分が置き去りにされた夢を見て泣く穹を強く抱きしめた悠は、改めて自分達がたった二人きりの兄妹であることを認識するのだった。

第11話 ソラメクフタリ

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