ガンダムF91（モビルスーツ）の徹底解説・考察まとめ

Variable Speed Beam Rifle＝可変速ビームライフルの略称であり、正式な文字表記は「V.S.B.R.」となり、発音が「ヴェスバー」となる。
ただし、資料集やゲームをはじめとして、多くの文献などでは文字表記もカタカナの「ヴェスバー」とされる事が多い。

本機の背部に、左右に1門ずつ釣り下げる形で装着されている大型のビーム砲。
使用時はレールを介して稼働し、両脇に抱える形の射撃体勢となる。
また、高速・高貫通力のビーム弾から、低速・高威力のビーム弾までを自在に設定して射撃可能であり、レールでの稼働ギミックと併せて「可変速」とされている。

ガンダムF91に直接取り付けられているため、エネルギーは全て機体の核融合炉から供給される。
連邦軍モビルスーツに従来より存在したビームキャノンを搭載する火力支援モビルスーツの高火力をそのままに、ガンダムタイプらしい高機動力を維持する事に成功した画期的な兵装である。

ただし、その一方でこのヴェスバー自体が機体バランサーの一部として機能しているため、もしも被弾してヴェスバーを破損すると火力低下と共に、機体の機動性までもが低下してしまうという欠点を抱えている。
ガンダムF91が「そうそう被弾はしないエースパイロット」向けに設計・開発されている所以でもある。

オプション兵装

ビームライフル

連邦製か否かを問わず、多くのモビルスーツが標準的な兵装としているビーム弾を撃ち出せるライフル。
このビームライフルは本機専用に開発されたものであり、連邦軍の量産型モビルスーツが運用するものよりも精度が向上している。

ビームランチャー

原理的にはビームライフルと同じものだが、それよりも高威力とした代わりに、取り回しを犠牲にした兵装。
かつてのRX-78-2 ガンダムが使った「ハイパーバズーカ」に相当するものだが、あちらが実体弾を発射できるという設定でビームライフルと描写的な棲み分けが出来ていた事に対し、こちらでは今ひとつビームライフルと差別化ができず、その上に高出力ビーム兵装という立場もヴェスバーに奪われてしまっている。
そのため、劇中ではさりげなく登場しているのみである。

防護装備

ビームシールド

その名の通り、ビームで形成された盾である。
具体的には発生器から六角形の板状に生成されるビームがシールドの役割を果たす。
物理的なシールドと違い、発生器を攻撃されない限り無限の耐久性を持つため、ガンダムF91の継戦能力向上へ大きく貢献している。

物理的なシールドと比較した場合のデメリットとしては、発生器を破壊された場合は使用不能になる事である。
また、演出的には「シールドを手に持つ」や「シールドに身を潜める」や「機体変形時にシールドを機体パーツとする」といったアクションをこなせず、引いてはガンダム関連の玩具として評価が芳しくなかった。

そのため、後の『機動戦士Vガンダム』で、その主役機「Vガンダム」および「V2ガンダム」がビームシールドを装備した以降は、主に映像作品での主役ガンダムに装備される機会が大幅に減った。

ガンダムF91のパイロット・関連人物

シーブック・アノー

本機の主たるパイロット。
ガンダムシリーズの伝統に習うような形で、元々は民間人の少年（高校生）であったにも関わらず、突然ガンダムに乗り、戦いへ身を投じる。

コロニー「フロンティアIV」に住居しており、フロンティア総合学園工業学科に通う高校生であった。
しかし、フロンティアIVへのクロスボーン・バンガード襲撃を受け、戦火を逃れるため妹リィズ・アノーと、親しい学友と共にフロンティアIVを脱出。
近隣コロニー「フロンティアI」に避難し、そこで地球連邦軍練習艦「スペースアーク」内部で整備されていた本機に遭遇。

その時点で本機は起動の方法が判らず、クロスボーン・バンガードの襲撃に対して使う事ができていなかった。
しかし、偶然にも、本機に搭載されるバイオコンピュータの開発者が母モニカ・アノーだった事により、起動に必要な符牒が"あやとり"の技のひとつ「八賭けの吊橋」である事を見抜き、結果としてパイロットに抜擢され、クロスボーン・バンガードと戦う事になる。

最終的にはクロスボーン・バンガードの総司令官カロッゾ・ロナの打倒に成功。
戦いの後はカロッゾ実の娘にして、その父を見限って貴族主義と戦う道を選んだ、セシリー・フェアチャイルドと共に生きていく道を選ぶ。

シーブック・アノー（機動戦士ガンダムF91）の徹底解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

renote.net

シーブック・アノーとは、劇場用アニメ『機動戦士ガンダムF91』の主役キャラクターであり、同作主役モビルスーツ「ガンダムF91」のパイロットを務めた少年。
『機動戦士ガンダムF91』の後の時代を描いた、漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム』シリーズにも「キンケドゥ・ナウ」という名で出演している。
それまでのガンダムシリーズの主役達がクセの強い性格設定であった事に対し、突飛な部分が少ない、調和タイプのキャラクターとなっている。

モニカ・アノー

シーブックの実の母であり、サナリィの技術者であり、さらに本機のバイオコンピュータの開発者である。
『機動戦士ガンダム』のテム・レイや『機動戦士Ζガンダム』のフランクリン・ビダンに相当する「主人公の肉親にして主役機に深く関わる人物」であり、それらの先例に則るように、仕事を優先してあまり家庭を顧みない親として描かれている。

これは『機動戦士ガンダムF91』や、上記二作の監督である富野由悠季の生い立ちが複雑であり、父母を単純には認める事ができなかった富野自身の悩みや葛藤を反映した設定なのだが、上記の二名が最終的に悲劇的、あるいは自業自得とも取れる死を遂げている事に対し、モニカは最終的には息子に理解を示し、ガンダムF91の開発スタッフとしても、母親としても、全面的にシーブックを援助し、そして劇の終わりまで生き延びるという違いがある。

ハリソン・マディン

『機動戦士ガンダムF91』の後日譚となる漫画『機動戦士クロスボーンガンダム』に登場。

量産型ガンダムF91の主たるパイロット。
地球連邦軍第17機動中隊に所属し、階級は大尉である。

「連邦の青い閃光」の異名を持ち、量産型ガンダムF91だけで構成された部隊を率いる。
モビルスーツパイロットとして高い技量を有しており、彼の搭乗する量産型ガンダムF91は最大稼動モードが使用できるようにカスタマイズされており、同時にそれを制御する。

堅物なところがあるものの、おおむね人格者であり、知った人物や組織に助けが必要であると判断した場合は、連邦軍の許可を仰がず（軍の作戦以外でモビルスーツを使用するなどで、絶対に許可が下りないため）独断で権限を行使するなど、破天荒な行動で、木製帝国と戦うトビア・アロナクスやキンケドゥ・ナウ（シーブック・アノー）に肩入れする。

しかし、最終的には「結局いろいろとやりすぎた」ために連邦軍を解雇されてしまい、ブラックロー運送に転職した。