BEAST COMPLEX(ビーコン)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『BEAST COMPLEX(ビースト コンプレックス)』とは、擬人化した肉食獣と草食獣が織り成す社会模様を描いた、板垣巴留(いたがき ぱる)による漫画作品。
スマホなども存在する現代風の世界。そこでは二足歩行する能力と高い知性を持った動物たちが、文明的な生活を謳歌していた。それでいて彼らは獣としての本能を捨て切れず、肉食獣は隣人たる草食獣の肉を欲してやまず、潜在的にそれを理解している草食獣は肉食獣を恐れている。危うい均衡で成立する社会の中、苦悩しながらも歩み続ける獣たちを描いた短編集。

ツキノワグマの大男。レゴシの暮らすコーポ伏獣の住人として、『BEASTARS』にも登場している。
「草食獣の繊細な心情を書かせれば右に出る者はいない」とも言われる小説家で、現在は樹獣社の文芸誌の看板作品を執筆している。しかし自分とはまるで違う種族、人生を歩む者の心理を完全にトレースすることに疲れ果て、重大なスランプに陥っている。

第12話

レゴシ

『BEASTARS』の主人公。ハイイロオオカミの青年だが、四分の一だけコモドオオトカゲの血が入っている。
高校で出会ったハルに恋心とも狩猟本能とも取れるような感情を抱き、やがてそれが彼女への愛情であることを自覚。様々な試練を乗り越え、ハルと結婚前提の交際を開始する。
必要なことしか口にしない上に外見上の感情の動きが乏しく、一見取っつきにくいが真面目な性格。ハルだけでなく様々な草食獣と深く関わり、肉食獣である自分を受け入れてくれている彼らに感謝と尊敬の念を抱いている。

ハル

『BEASTARS』のヒロイン。ドワーフウサギの娘で、年齢はレゴシより一つ上。
自分の弱さと寂しさを紛らわせるために何匹もの彼氏を作ってきたが、高校三年生の時にレゴシと出会い、彼の真摯なアプローチに次第に応えるようになっていく。最終的には卒業後、互いの想いを理解し合い、結婚前提で交際することとなった。
いつも明るく朗らかな娘だが、自分が種として弱いことをどうしようもなく自覚しており、常に心の中で虚勢を張っている。レゴシに対しては素直に甘えているものの、真面目過ぎる彼が恋人らしいことをあまりしてくれないことには少々不満を持っている。

第13話

ルーク

ユキヒョウの俳優。三十七歳。
草食獣と肉食獣の禁断の愛を描いた映画「ディナー」の主役を演じ、最終的に愛情ゆえに恋人を食い殺すという難しい役柄を見事にやり遂げた。その鬼気迫る怪演はその年の主演男優賞を授かるほどの評価を受けるが、実は主役のプレッシャーに押し潰されそうになり、肉食獣としての本能を抑えられず、事故死したアヒルのボブの遺体を食べるという禁忌を犯していた。
自身の栄誉がおぞましい犯罪の実体験から生まれたものであることを恥じ、授賞式のインタビューでそれを打ち明けて自首しようと考える。

ロゼ

エゾシカの女優。三十二歳。
草食獣と肉食獣の禁断の愛を描いた映画「ディナー」のヒロインを演じ、最終的に愛情ゆえに恋人に食い殺されるという難しい役柄を見事にやり遂げた。その迫真の演技はその年の主演女優賞を授かるほどの評価を受けるが、実は“本当に獣の肉を食べた”ルークの鬼気迫る怪演に本気で恐怖した結果の産物だった。
「ルークが自首したら完成した映画がお蔵入りになる」と考え、なんとか彼を翻意させようと説得し、それが無理だと悟ると今度は実力行使でこれを止めようとした。もともとはアクションだけが売りの二流役者で、スタッフからも演技力の低さを指摘されていた。

第14話

アイシャ

トラの女性。とある会社で働く唯一の肉食獣で、草食獣だらけの環境で周囲とうまくやっていくために必要以上に気を遣う生活を続けている。溜まりに溜まったストレスを、週に一度通っている整体院で解消するのが趣味。
いつも整体を施してくれるアルパカの整体師であるマリリンが、想像を超える食わせ者であることを悟るも、その手練手管に絡め取られて翻弄されていく。

マリリン

メスアルパカの整体師。アイシャが通う整体院で、いつも彼女に処置を施している女性。
言動は穏当でほんわかした雰囲気の持ち主だが、その本性はサディストな上にレズビアン(あるいはバイセクシャル)で、アイシャが抱える心の葛藤を見抜いて彼女を篭絡、ついには屈服させる。実際にどのようなことをしたのかは不明だが、後日顔を合わせた際にはアイシャのことを「子ネコちゃん」呼ばわりしていた。

第15話

カメジ

YAMAKUZIRA
YAMAKUZIRA
@YAMAKUZIRA

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