BEAST COMPLEX(ビーコン)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『BEAST COMPLEX(ビースト コンプレックス)』とは、擬人化した肉食獣と草食獣が織り成す社会模様を描いた、板垣巴留(いたがき ぱる)による漫画作品。
スマホなども存在する現代風の世界。そこでは二足歩行する能力と高い知性を持った動物たちが、文明的な生活を謳歌していた。それでいて彼らは獣としての本能を捨て切れず、肉食獣は隣人たる草食獣の肉を欲してやまず、潜在的にそれを理解している草食獣は肉食獣を恐れている。危うい均衡で成立する社会の中、苦悩しながらも歩み続ける獣たちを描いた短編集。

第5話

ベニー

ワニの男性。料理研究家。前任者が高齢で引退したため、二十年の長きに渡って続く料理番組「ハピハピクッキング」の担当料理人となる。
この世界の絶対のタブーである“食肉”についての際どいジョークを気軽に口にする人物で、当初からルナに白い目で見られていた。彼なりにTPOに気を遣ってはいるらしく、その態度をルナにしつこく責められた際は肉ハラ(肉食獣に対するハラスメント)だと言い返している。
ルナと言い争いしながらも調理する手は止めないなど、プロの料理人としての腕と意識はしっかりしている。

ルナ

ガゼルの女性。二十年の長きに渡って続く料理番組「ハピハピクッキング」で、調理助手を務めている。
この世界の絶対のタブーである“食肉”についての際どいジョークを気軽に口にするベニーとは初対面から気が合わず、それを態度にも露わにしていた。プロとして撮影中はそれを表に出すまいと考えていたものの、カメラの前でも言いたい放題なベニーについに怒りを抑えられずに彼を罵る。
それでも調理する手は止めず、完成した料理についても素直な感想を漏らすなど、仕事はきっちりとこなした。このベニーと言い合いながら調理するスタイルは斬新だとして世間に受け入れられ、落ち目だった「ハピハピクッキング」はその年のメディア大賞を受賞するほどの人気番組となっていく。

第6話

キツネの少女

本名不明。物腰軽妙で、思ったことをすぐ口にする今風の少女。受験を控えた中学生で、学校では配布係を務めている。そのため同級生たちに配るプリントの整理を任されているが、「種族ごとに内容が違うから手間も時間もかかりすぎる」とうんざりしている。
同じ配布係のカメレオンの少年のことは真面目に働く仲間としてそれなりに信頼しているが、彼が自分の前でだけ擬態して顔を隠してしまうことを不思議がっていた。“種族”という大きな括りで個性をひとまとめにされることを嫌い、自分らしさを貫こうとした結果同級生のキツネたちからイジメを受けるも、気丈に振る舞うことでそれに抵抗している。

カメレオンの少年

本名不明。真面目で口数の少ない、内気な少年。受験を控えた中学生で、学校では配布係を務めている。キツネの少女にほのかな思いを寄せており、配布係の作業中は彼女と対面しなければならないため、恥ずかしさのあまり擬態して顔を隠していた。
そのキツネの少女が同級生のキツネたちから暴力を振るわれそうになった際、意を決して姿を消したまま介入。キツネの少女を救うことに成功するも、「好きな子を堂々と助けることもできない」と自らを嘆く。服を消すことはできないので、この時は全裸だったようである。

第7話

オイゲン

ブタの青年。レゴシの暮らすコーポ伏獣の住人として、『BEASTARS』にも登場している。
死亡した獣を剥製にして永遠に残す「剥製屋」を営む。これ自体は合法だが、仕事の内容的な問題で警察やその関係者からは色眼鏡で見られている。本人はこれを意に介さず、「生き物の強さも弱さも美しさも醜さも、全ては形を変えただけの“美”である」という独特の哲学を胸に、誇りを持って仕事をしている。
査察にやってきたガーベラの“生き物としての美しさ”に心を奪われ、次第に友人関係を築いていく。後に彼から「自分を殺して剥製にしてほしい」と頼まれるも、植物のガーベラの生花を贈って「君には生きていてほしい」と自身の願いを訴えた。

ガーベラ

クジャクの警官。ある日死体の処理を手掛けるオイゲンの剥製屋を訪れ、彼が犯罪に加担していないかどうか釘を刺す。当初は高圧的な物言いが目立ったが、オイゲンと親しくなる内にそれが恥ずべき態度だったことを認め、彼に謝罪した。
自分の美しい容姿を自覚する一方でそれによる苦労も多く味わっているようで、近隣でもっとも治安の悪い17地区へ異動させられることになったのも、その美貌を妬んだ周囲の獣たちによる画策だった。遠からず自分が17地区で殺されるだろうことを考え、友人となったオイゲンの手でもっとも美しい自分を永遠に残す(=剥製にされる)ことを望む。しかし彼の「君には生きていてほしい」という言葉によって思い直し、17地区で警官としてやっていく覚悟を決める。

第8話

ムギ

YAMAKUZIRA
YAMAKUZIRA
@YAMAKUZIRA

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