ReLIFE(リライフ)のネタバレ解説・考察まとめ

『ReLIFE』とは、日本の漫画家である夜宵草のウェブコミックおよび、これを原作とする漫画単行本、小説、テレビアニメ、映画、舞台作品である。入社3カ月で会社を自主退職し無職になった主人公が社会復帰プログラム「リライフ」の対象者となり、薬によって見た目を若返らせ高校生活を送る様子が同作で描かれている。周囲との関わりによって本来の自分の良さを取り戻しながら成長していく過程をラブコメ要素を交えながらコミカルかつしっとりと展開される点と、受け手が人生のやり直しを疑似体験できる点は本作の魅力である。

以下の2作品は別作者による創作作品であり、『comicoノベル作家オーディション アナザーストーリー賞』の受賞作品である。原作と同じく、comicoで配信されている。

ReLIFE in 異世界

ジャンル:ファンタジー、アクション、コメデイ(comicoによる分類)
著者:すみす
形態:ノベル
連載期間:2015年6月15日(全話同日に公開)
話数:全10話

本作は別作者による創作作品であり、『comicoノベル作家オーディション アナザーストーリー賞』の受賞作品である。原作と同じく、comicoで配信されている。

連載版★ReLIFE in 異世界

「ReLIFE in 異世界」の続編にあたる。
著者:すみす
形態:ノベル
連載期間:2015年8月14日~2016年4月1日
話数:全35話

ReLIFE(リライフ)の登場人物・キャラクター

以下に『ReLIFE(リライフ)』の登場人物について、本稿で独自にまとめた内容を掲載する。また、ここで掲載している誕生日、星座、血液型はTVアニメ上の設定である。

主要人物

主人公:新海新太(かいさきあらた)

CV:小野賢章
演:小野賢章(舞台)/中川大志(実写)

誕生日:8月12日(獅子座)
血液型:O型

本作の主人公で27歳(アニメ設定)無職、彼女なし。大学院卒業後に就職して早々に会社を退社後、再就職にも恵まれずフリーター生活を送る。ある日、リライフ研究所のサポート課の夜明了に出会い、高校三年生になって一年限定の「人生やり直し」をする「リライフ」に参加することを決意。

2浪の末に大学に入学し、特になりたいものがあるわけでもなく大学院に進学。入社した会社は3カ月で、かつ転職先が見つかっていない状態で自主退職した。やや逃避気味な面もあるが本人は不真面目なわけではなく、少し不器用で実直な性格の持ち主である。実年齢のせいもあるが、クラスでは気さくなお兄さんキャラで、人の心の機微によく気が付き面倒見がいい。一方で、時に自身のおせっかい感に自ら恥じらう場面も。やや口が悪いが自然体な飾らない性格で、「リライフ」の当初は適当に学校生活を送るつもりだったが、本人も意識しないうちにいつもクラスの友人を思いやるようになり、早々に溶け込んだ。当初、クラスの友人と一定の距離を保とうと考えていたのには、適当に学校生活を送ろうとしていた以外にも理由があり、「リライフ」後に海崎の記憶が皆から消えるにもかかわらず過度に干渉することで影響を与えてしまうことへの懸念があったからである。

喫煙者で日頃からビールをよく飲む。趣味は釣り。部屋は綺麗にしており、現役で稼働できるMDコンポを今も持ち合わせており物持ちが良い。女性の扱いにはやや手慣れた感があり、クラスの女子生徒を慰める際に頭をポンポンする場面が散見される。物語の当初は喫煙がばれる、体力測定で散々な結果を出す、日代に(悪気はないが)邪険な扱いを受けるなどなかなかハードな体験をするが意外とめげない。大分の漁村出身で、大学進学で東京に進出するも、理由は高校の時の修学旅行で東京に行った際に漠然と抱いたあこがれ。

「リライフ」では、絶望を抱くことになった社会の理不尽な現実と挫折を乗り越えて自らの在り方を発見していくことになる。単純に新しい姿へと成長していくのではなく、過去のトラウマを解決しながら元来持ち合わせていた周囲を思いやる力や誠実さ賦活していった点で海崎の「リライフ」は特徴づけられる。多くの人が多かれ少なかれ経験するであろう社会に出てぶつかる壁やそれに伴う傷つきを消化していく自らの姿を本作で海崎に投影することが出来る。

ヒロイン:日代千鶴(ひしろちづる)

CV:茅野愛衣
演:荒井萌(舞台)/平祐奈(実写)

誕生日:12月25日(山羊座)
血液型:B型

本作のヒロインで、高校生に戻った海崎と同じ3年3組に所属する。女子の学年成績1位を誇る頭脳の持ち主。優秀が故に周囲と歩調が合わずにトラブルになる反面、わからないことはネット検索等で調べながら自分なりに解決を試みる努力の人。だが大真面目に斜め上にズレた言動をやらかすため、本作随一のど天然キャラ。

海崎と同じ3年3組に所属するが、実は2年生の頃から夜明の担当のもとで「リライフ」生活を送る被験者。被験者ナンバーは001。子どもの時に転校が多い生活を送り、どうせ離れ離れになるのに仲良くなっても意味がない、と対人関係を諦めるようになる。「リライフ」を開始すると、1年目は積極的に人とかかわることがなく、特に変化がなかったために2年目を迎え、2学期からは夜明の後輩にあたるサポート課の小野屋の担当のもとで継続参加することになった。しかし2年生では、海崎の計らいと本人の努力で狩生と玉来と仲良しになり、狩生と玉来の仲に亀裂が入った際は間を取り持って関係を修復させた。「リライフ」中、海崎に対して次第に恋愛感情を抱いていくのだが、それが「恋」にあたるのかうまく自身の感情がつかめず試行錯誤する。最終的に自分の気持ちに気づくことが出来たものの、互いに被験者であるため、卒業を迎えてふたりとも互いのことを忘却してしまう。「リライフ」終了間際では、海崎が被験者であることに薄々気づいていたものの海崎に尋ねるわけにもいかず、互いが互いのことを忘れる日が近づくたびに日代は一人でその事実に苦しんだ。「リライフ」終了後、偶然二人はリライフ研究所に就職することになり、そこで互いの「リライフ」について語り合ううちに互いの存在に関する記憶がよみがえることになる。

学業成績は非常に優秀で、2年生に引き続き3年生も女子でクラストップになり学級委員の座とシルバーピンを得ている。一方で人の名前はことごとく覚えが悪く独特な呼び方をすることがある。人に対して興味関心を持ってこなかったと自身のことを思っており、「ぼっち女」と自虐する。このように対人関係を諦めた背景には子ども時代に転校が多く、どうせ離れ離れになるのに仲良くなっても意味がない、と理解することで自分の境遇を消化してきた過去がある。そのため、海崎をはじめ3年3組のメンバーと関係を築くたびにその心地よさと対人関係に対する諦めの狭間で揺れ動くことになり、自身の在り方が徐々に変化していく。わからないことがあったらすぐに調べるのは本人の解決努力であり、苦手な対人関係に関しても「リライフ」を機に克服しようと不器用ながら奮闘する。そのため非常に努力家な一面が垣間見え、海崎との出会いを糧に日代の悪気ない素直さが次第に理解されクラスに馴染んでいく。空気が読めず(読まないのではなく読み間違う)どストレートな発言をする『ReLIFE』随一の天然キャラであり、毎回海崎をハラハラさせフォローされてきた。ややナーバスさのある狩生とは性格が真反対で当初は相性が悪く、さらに狩生が狙っていたシルバーピンを日代が得たこともあって狩生から複雑な感情を抱かれていた。狩生と文化祭のエピソードは、これまで日代が抱えてきた対人関係の躓きを象徴的に描いている。

リライフ研究所(兼 青葉高等学校 3年3組)

夜明了(よあけりょう)

CV:木村良平
演:中村優一(舞台)/千葉雄大(実写)

誕生日:1月5日(山羊座)
血液型:B型

リライフ研究所のサポート課に所属し、海崎の「リライフ」を担当する。監視と盗聴等を駆使してストーキング(本人談)し、手厚く海崎をサポートする。しかし、過去に担当した「リライフ」の滞りと、会社からの矛盾した理不尽な態度の狭間で葛藤した経験があり、海崎のサポートに感情が混じる。抜け目なく用意周到で、その様は時に周囲に軽く恐れられるほど。感情の読めない朗らかな笑顔を浮かべ、笑いながら海崎をもてあそぶ場面が散見される。海崎からは「このドS」と再三呼ばれる。

被験者002の海崎を担当する前の年に、被験者001である2年生時の日代を担当していた。担当当初は日代に対して過干渉であると研究所の上層部に咎められ、以降干渉を避けてきたがその結果日代の「リライフ」に目立った功績が見られず、このことを受けて上層部から今度はサポートが足りない、と矛盾のある指摘を浴びせられる。無念さを抱えたままサポート課の後輩である小野屋に日代の担当を2年目の2学期から譲ることになり、同年は海崎を担当することになる。以降、海崎に対する小野屋の度重なる干渉ぶりに懸念を抱き、サポート課としての在り方に揺さぶりを受けることになる。加えて海崎からクラスへの干渉に関する懸念の相談を受けたり、海崎自身が経験した社会人としての傷つきを耳にしたりすることで自身が抱える課題とオーバーラップして葛藤しながら自分なりの在り方を探ることになる。

笑顔で穏やかな印象が強いが、笑いながら小野屋に海崎への過干渉に叱咤したり、海崎の困る様子を傍観したりする「どS」キャラ(海崎談)。つかみどころのない、真意の見えない飄々をした様が小野屋も似ていると海崎から恐れられる。クラスでの海崎の友人関係からは一歩引いた俯瞰した立場を取り具体的な方向性を導くことはせず、かつストーキング(尾行、監視、盗聴等)をし続ける絶妙な距離感を維持している。海崎のサポート役ではあるものの、自身も海崎と同じく大人の世界での理不尽さによる傷つきを抱える人間であり、海崎とオーバーラップすると感情が見え隠れし多く語りすぎてしまったことを自戒する場面が時折みられる。そのためただの傍観者ではなく、強く影響を受けながら距離感への葛藤をはじめ互いに正解を探り続ける支援者としての立場を担っている。比較的高層階の広いマンションに住んでおり、海崎に比べ多少リッチさが垣間見える。

小野屋杏(おのやあん)

CV:上田麗奈
演:柴小聖(舞台)/岡崎紗絵(実写)

誕生日:5月27日(双子座)
血液型:B型

リライフ研究所のサポート課に所属し、夜明の後輩にあたる。一見ゆるそうな印象を受けるが抜け目なくするどい、楽観的で何を考えているのか、はたまた何も考えていないのかも分からない一面がある。このつかみどころのなさが夜明と似ており、海崎に指摘される。情に厚く思いやるあまりに苦心し涙する優しさがあり、夜明が「リライフ」の進展が芳しくなく失意を抱いた際には隣で鼓舞しつつ支えてきた。

海崎が「リライフ」を始める前の年は研修で他の高校に入学していた。しかし研修期間が1年延長になり、夜明が通う青葉高等学校に編入する。海崎を被験者002に推薦した張本人であるが、夜明が海崎を担当することになり、小野屋自身は夜明の監督のもとで2学期から日代の担当を引き継ぐことになった。夜明が日代の担当時に葛藤を抱える姿をそばで見てきた理解者であり、時折接触を図って支えることもあった。自身が推薦者であることから海崎への思い入れは強く、編入当初から度々干渉し、その都度夜明からたしなめられる。海崎と日代の関係の不遇な運命に胸を痛め、強く感情が揺さぶられる様子が描かれている。

楽観的で自身の感情に素直に生きている様子が伺える。被験者との距離感に葛藤を抱える夜明に対して、そんな小野屋の在り方は時に複雑な思いを夜明に喚起させることになる。一方で二人はサポート課として同じ立場にあるため、夜明にとっては小野屋が唯一の理解者であるのも事実である。小野屋の率直な態度は、被験者と「適度な」距離を保つようサポート課として求められる担当者像と、より海崎へ親密にサポートしてあげたい本心の狭間で揺れる夜明に影響を与え、その葛藤の落としどころを見つける助けとなる。夜明と比べるとオープンに自身の感情と向き合うタイプだが、海崎の自宅で海崎に迫るシーンをはじめ、小野屋がとった被験者への干渉はすべて計算で行われたのか、(夜明曰く)暴走も含まれていたのか、定かではない。チャラい(夜明談)女子高生から三つ編み眼鏡女子まで器用に変化をこなし、学業成績を自在に操り、迫真の演技で27歳の海崎に迫り焦らせる様はまさに小悪魔的であり、ポテンシャルの計り知れなさを伺わせる。

青葉高等学校 3年3組

狩生玲奈(かりうれな)

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