魔王学院の不適合者(ラノベ・漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『魔王学院の不適合者』とは2017年よりWEB小説サイト「小説家になろう」で「秋」が連載しているハイ・ファンタジー学園ライトノベル、またそれを原作とした漫画やアニメ作品のことである。二千年前の神話の時代に魔王として君臨したアノス・ヴォルディゴードが前世の記憶を持ったまま二千年後に転生し、驚くほど低次元の魔法しか使えなくなった子孫達に不適合者の烙印を押されながらも魔王学院デルゾゲードで活躍する様子を描く。原作はシリーズ累計2020年11月の時点で160万部を超える大ヒット作品である。

『魔王学院の不適合者』の概要

『魔王学院の不適合者』とは2017年より「秋」がWEB小説サイト「小説家になろう」で連載していたハイ・ファンタジー学園ライトノベルやそれを原作とした漫画やアニメ作品である。2018年3月からKADOKAWAの電撃文庫で文庫版も発売され、2020年11月の時点で160万部を超える大ヒット。漫画版は『マンガUP!』でかやはるか作画によって2018年から連載が開始されている。2020年7月から9月にかけてTOKYO MXでアニメが放映された。Netflixで「今日のTOP10」で毎週1位を獲得するなど幅広い層から支持されている。
暴虐の魔王と呼ばれた魔王の始祖アノス・ヴォルディゴードは、前世の記憶を持ったまま二千年後に人間の子供に転生した。しかし転生した二千年後では、子孫達が使う魔法のレベルは大幅に下がっており、さらに魔王アノス・ヴォルディゴードの名前がアヴォス・ディルヘヴィアと誤って伝えられていることに気が付く。アノスは子孫が作った魔王の生まれ変わりだと思われる者を集めた魔王学院に入学するが、アノスが始祖だとは認めないばかりか不適合者の烙印を押されてしまう。不適合者の烙印を押されながらも圧倒的な強さを見せつけ理不尽と戦っていくアノス、そしてそんなアノスを唯一信じる魔族の少女ミーシャ・ネクロンなども登場するハイ・ファンタジー学園作品である。
『魔王学院の不適合者』の魅力は、なんといってもアノスの圧倒的な強さだ。アノスは、解決が難しいと思われた理不尽も解決していく。アノスの戦いは、爽快感を感じる。主人公最強という物語が好きな人にとっては、たまらない作品だ。

『魔王学院の不適合者』のあらすじ・ストーリー

暴虐の魔王が転生する

二千年前の神話の時代に人や精霊だけでなく、神までも滅ぼし暴虐の魔王と呼ばれた魔王アノス。実はアノスは心から平和を望んでおり、勇者カノン、大精霊レノ、創造神ミリティアに自らの命を魔力に変えて人間界、魔界、精霊界、神界の四つの世界を隔てる千年は開かない壁を作る大魔法四界牆壁(ベノ・イエヴン)を発動することを提案。勇者カノンと、転生後の世界で友人として再会しようと約束して、転生(シリカ)の魔法で二千年後に転生する。

人間の子供として転生したアノスは、知能、魔力、魔法技術、身体能力、記憶を持ったままだった。産まれてすぐ言葉を話し、6歳の姿まで一気に成長する。そんなアノスの元に、魔王の生まれ変わりを集めて育成することを目指す魔王学院から入学の案内が来る。
魔王学院に入学するには、生徒同士で決闘を行う実技試験で勝利しないといけない。アノスは、圧倒的な力で相手の生徒を倒す。実技試験を難なくクリアしたアノスだったが、魔力測定で魔力水晶がアノスの規格外の魔力に耐え切れず測定できなかったこと、そして適正検査で始祖の名前や思想を応えられなかったことで学院で初めての不適合者の烙印を押されてしまう。実は二千年の間に始祖の名前がアノス・ヴォルディゴードではなく、アヴォス・ディルヘヴィアと誤って伝えられており、始祖の思想も本来のアノスとはかけ離れたものへ変えられてしまっていた。さらにアノスは、子孫達の魔法レベルのが大きく下がっていることを知る。

ミーシャとサーシャ

アノスは、適正検査でミーシャという魔族の少女と友達になる。ミーシャは、アノスの能力が高いことを見抜きアノスが始祖であることを唯一信じる存在だ。魔王学院に入学したアノスは、白い制服を支給される。白い制服は人間と魔族の混血を示す色。一方黒服を着ている生徒は、アノスが転生する前に自らの血で作った七人の魔族の血を受け継ぎ純血を守ってきた皇族と呼ばれる存在だった。アノスはミーシャが白服であるのに、姉のサーシャが黒服であることに気が付く。ミーシャ達は実は七魔皇老の一人であるアイヴィス・ネクロンの直系の皇族だった。

目に映る物を自滅させる破滅の魔眼の持ち主であるサーシャは皇族派の中でも、リーダー的な存在だった。一方ミーシャはサーシャからガラクタ人形と呼ばれ蔑まされていた。そんな中、班別対抗試験が開催される。アノスはミーシャと班を組み、サーシャがリーダーを務めるグループに圧勝する。そしてアノスはサーシャに自分の班に入りミーシャと仲直りするように伝える。当初はアノスに反発していたサーシャだったが、次第にアノスに心を開いていく。ミーシャとの仲も良くなったかのように見えた。
魔王学院の授業に教師として登壇したアイヴィス・ネクロンだったが、アノスのことは覚えていない様子だった。何者かがアイヴィス・ネクロンの記憶を消したと推察するアノス。そんな中、魔王学院のあるデルゾゲードの地下にあるという王笏を取りに行く班別ダンジョン試験が開催される。デルゾゲードはもともとアノスの城だったため、簡単にアノスとミーシャ、サーシャはデルゾゲードの地下に到着する。ダンジョン試験の次の日はミーシャとサーシャの15歳の誕生日。そこで地下の宝物庫に2人を案内し、好きな物を取るように伝えるアノス。アノスが少し席を外して宝物庫に戻ると、不死鳥の法衣を着たサーシャがミーシャ刺している現場だった。その場から逃走するサーシャ。アノスは、ミーシャを回復させ後を追った。そしてアノスは、ミーシャはアイヴィス・ネクロンが魔王の器を作るために一人の人物を二人に分ける魔法である分離融合転生を使いサーシャから誕生した存在ということを知る。ミーシャは、15歳の誕生日にサーシャと同化して消える運命にあったのだ。

城の中にある自然魔法陣の部屋の部屋でサーシャを見つけたアノス達。実はサーシャは、自分が消えてミーシャが生き残る魔法である根源同調を発動しようとしていた。何とか魔法陣を完成させたサーシャだったが、上手く行かなかった。根源同調の魔法を発動するためにはミーシャから拒絶される必要があった。しかし、ミーシャは自分に嫌われるようなことを言っていても実は自分のことを考えてくれているサーシャを嫌いになることはできなかった。絶望を感じるサーシャ。しかしアノスは、2人が過去に飛び根源をもう1つ増やせばミーシャもサーシャも助かると伝える。アノスを信じて過去に飛ぼうとするミーシャとサーシャ。しかしそこにアイヴィス・ネクロンが乱入し、アノスの計画を阻止しようとする。アイヴィス・ネクロンを一撃で倒すアノス。しかし、アイヴィス・ネクロンと時の番神エウゴ・ラ・ラヴィアズが融合し、アノスを倒す。しかしアノスは「殺したくらいで、俺が死ぬと思ったか?」といい復活。アイヴィス・ネクロンと時の番神エウゴ・ラ・ラヴィアズを理滅剣ヴェヌズドノアで倒し、ミーシャもサーシャも救った。アイヴィス・ネクロンはアノスに蘇生され、アノスの配下となる。

魔剣大会

アノスのクラスに錬魔の剣聖と呼ばれる剣の天才レイが転入してきた。レイは皇族だったが、アノスが有能だということを見抜き、班に入りたいと伝えてきた。アノスはレイが相応の結果を見せれば班に入れると伝え、班別対抗試験で対戦する。レイは急きょアノスのファンで構成されたアノス・ファンユニオンのメンバーの白服の女子生徒達と班を組み応戦する。結果アノス班が勝ったが、レイを見込みアノスは班の仲間に引き入れる。そんな中魔剣大会が開催されることになり、参加者にアノスとレイが選ばれた。アノスを不適合者として扱っている学院がアノスを魔剣大会で亡き者としようとしているのではないかと考える面々。そんな中アノスは、アノス・ファンユニオンの中心的な存在で父親が魔族、母親が精霊のミサの案内で七魔皇老の一人メルへイス・ボランと会うことに。

メルへイス・ボランも記憶を失っていたものの、アノスのことは覚えており再会を喜ぶ様子を見せる。魔剣大会への出場に悩むアノスだったが、両親の応援もあり参加することに。鍛冶職人である父グスタから託された剣を胸に魔剣大会を勝ち進んでいく。レイも魔剣大会に参加する。しかし、アノスはレイの様子がいつもと違うと感じる。実はレイは精霊病にかかっていた養母のシーラのことで皇族派に脅されていたのだった。アノスは決勝戦でシーラを入院させる代わりに皇族派になりアノスを倒すように脅されているレイと対峙する。しかし、アノスと再会した後で何者かに操られていたメルへイス・ボランが登場。闘技場から隔離された別次元にアノス達を飛ばしてしまった。ただしアノスは、レイと協力してメルへイス・ボランに打ち勝った。アノスは七魔皇老を操っていた黒幕を暴こうとするが、突然現れた仮面の男に邪魔されてしまう。仮面の男が、アヴォス・ディルヘヴィアではないかと思うアノス。その後、アノスはシーラが真の名工が心を込めて鍛えた剣には魔力とは違う何かが宿るという伝承を元にしている存在であることを見抜き、魔剣大会で噂と伝承を広めることによりシーラのことも救ったのだった。

勇者学院での戦い

アノス達魔王学院のメンバーは、勇者学院での交流授業に参加することになった。勇者学院の生徒は敵対的で、アノス達に手厳しい態度をとる。唯一勇者学院の三回生であるエレオノール・ビアンカが、アノス達に好意的に接してくれる。アノスは、勇者学院のある人間界でも人間界アゼシオンでも魔王の名前が誤って伝えられていることを知り落胆する。さらに転生する前アノスがライバルとして認めていた勇者カノンは、人間の手によって殺されてしまったと知らされ驚くアノス。そして学院別対抗試験が開催されたが、勇者学院側は聖水を操る魔法具を使い魔王学院の側にとって不利な戦いを繰り広げ魔王学院の三回生に圧勝する。そして2回戦でアノス達が勇者学院側と対峙するが、根源光滅爆(ガヴエル)を使って何度も立ち向かってくる勇者学院の生徒ゼシア・カノン・イジェイシカに苦戦するアノス達。そして実はエレオノールは根源を生み出す禁忌の人型魔法で、ゼシアはエレオノールに生み出された根源クローンであることが分かる。

エレオノールから勇者学院の秘密、そしてゼシアを止めてほしいと伝えられるアノス。しかしその時偽の魔王アヴォス・ディルヘヴィアが現れ、人間と魔族の戦争を誘導する。人間と魔族の戦争を止めようと奮闘するアノス達。そしてアノスは偽のアヴォス・ディルヘヴィアの正体がレイであることを突き止める。実はレイは、勇者カノンの生まれ変わりだった。レイは平和を願った転生後のアノスが人間に狙われないように偽の魔王の名前を広めていたのだった。あえてアヴォス・ディルヘヴィアが勇者カノンに討たれて死亡したように見せて人間側を納得させようとするアノス。しかし、アノスへの憎しみのあまりエレオノールを作り出した勇者カノンの師匠総帥ジェルガが魔族断罪という魔法になって登場し、アノス達の前に立ちはだかった。アノス達は力を合わせてジェルガを倒し、人間と魔族の戦いを止めることに成功する。

『魔王学院の不適合者』の登場人物・キャラクター

主要人物

アノス・ヴォルディゴード

出典: animeanime.jp

CV:鈴木達央

二千年前の神話の時代に暴虐の魔王として君臨した。実は平穏な世界を願っており、自分の命と引き換えに千年は開かない扉を作る魔法を発動した。自分の血を使って七魔皇老を作ったことから、魔族の始祖と呼ばれることもある。人間の子供に転生した後も、二千年前と同じ性格、能力を有していて、生まれてすぐ言葉を話した。魔王学院では不適合者というレッテルを貼られて不当な扱いを受けているが、持ち前の俺様な性格と圧倒的な力で次第に周囲に仲間を作ることに成功している。学校では、混血を意味する白服を着ている。母親が作るキノコのグラタンが好物。サーシャやミーシャ、エレオノールから好意的な目で見られているが、本人は気が付いていない。

ミーシャ・ネクロン

CV:楠木ともり

七魔皇老の一人であるアイヴィス・ネクロンの直系の皇族であるにもかかわらず冷遇されていた魔族の少女。皇族でありながら白服を着ている。実はアイヴィス・ネクロンの分離融合転生の魔法でサーシャから分離した存在で、15歳の誕生日にサーシャと融合するはずだった。魔王学院に入学するとき魔力測定で10万246という高スコアをたたき出した。転生したアノスに初めてできた友達でもある。創造魔法や氷を使う魔法が得意で、班別対抗試験では巨大な城を築く役割を担うことが多い。ミーシャとサーシャが融合・合体し、アイシャとして戦うこともある。普段はあまり感情を出さないが、アノスと関わる時は表情豊かになる。

サーシャ・ネクロン

出典: animegaphone.jp

CV:夏吉ゆうこ

目に映した物を自壊させる破滅の魔眼の持ち主で、ミーシャの双子の姉。皇族でリーダシップもあるため、慕われている。感情が高ぶった時に意図せず破滅の魔眼を使ってしまうことも多く、十分に破滅の魔眼を制御しきれていない。破滅の魔女と呼ばれることもある。当初ミーシャに冷たい態度を取っていたが、おそれは15歳の誕生日にミーシャが消えないようにするためのサーシャの作戦のためだった。アノスに対してはミーシャと仲良くしていることで興味を持ったが、破滅の魔眼が美しいと言ってくれたアノスに対して好意を抱くように。性格はツンデレで、アノスの前ではそっけない態度を取ることも多い。

レイ・グランズドリィ

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