YUI（ユイ）の徹底解説まとめ

YUIの概要

YUI（ユイ）とは、福岡出身の女性シンガーソングライターである。2005年「feel my soul」でメジャーデビュー。
2006年には『タイヨウのうた』で女優デビューも果たし、「新人女優賞」を受賞している。
2012年まで音楽活動をするも、一時は活動休止をする。
2013年から「yui」のアーティスト名で4人組バンドFLOWER FLOWER（現在3人組）のボーカル&ギターとして活動する。
2020年には「YUI」としても再始動している。

小柄で可愛いルックスで、優しくも力強い唯一無二の歌声が特徴だ。
目を瞑って、あぐらをかいて歌う姿は「かっこいい」と話題になり、人気曲も次々と生み出した。
現在はバンドとしてのyui、ソロとしてのYUI、それぞれいろんな顔が見られるためワクワクさせてくれる。
かわいいPOPな曲調から疾走感のあるロックな曲調と幅広い曲がある。

YUIの活動経歴

YUIの原点

小さい頃から「歌うこと」が大好きだった。本格的に音楽をやろうと15歳、16歳ぐらいのときに決心した。
ストリートミュージシャンと出会い、福岡市内の音楽塾ヴォイスに入塾しギターと曲作りを学ぶ。
ソニーミュージックグループのSDオーディションに応募し、約2万人の応募者の中から10人の中に残る。
最終審査では、審査員の全員が最高点をつける。

2005年にメジャーデビュー

2005年
2月23日、「feel my soul」が発売され、メジャーデビュー。初めて月9の主題歌に抜擢される。
ルックスは可愛く、確かな歌唱力とあぐらをかいて歌うスタイルがデビュー当時から話題に。
6月22日、「feel my soul」の大ヒットに続き、「Tomorrow's way」を発売。映画『HINOKIO』の主題歌になり、初めての映画書き下ろし作品。
11月9日、「LIFE」を発売すると、アニメ『BLEACH』のエンディングテーマに起用された。
夏フェスなどにも参加し、人気を誇る。

2006年
1月18日、インディーズ時代からあたためていた「TOKYO」を発売。
2月22日、初のアルバムを発売。タイトルは、「FROM ME TO YOU」。
デビュー前の楽曲からヒット曲と、YUIのセンスとメッセージが詰まったファン待望のアルバム。

映画『タイヨウのうた』で女優デビュー

2006年
映画『タイヨウのうた』で女優デビュー。
第30回日本アカデミー賞で、新人俳優賞を受賞する。
6月14日、YUI自身が初主演の映画『タイヨウのうた』の主題歌として、「Good-bye days」を発売。
カップリングの「Skyline」と「It’s happy line」は、同映画の挿入歌になっている。
9月20日、映画『タイヨウのうた』の雨音 薫の恋人目線で描かれた曲「I remember you」を発売する。

映画・ドラマ・アニメの主題歌に、次々とヒット曲を生み出す。

2007年
1月17日、文化祭やライブで人気曲だった「Rolling star」を発売。大人気アニメ『BLEACH』のオープニングテーマに起用された。
3月7日、YUIの春ソング「CHE.R.RY」を発売。au by KDDI「LISMO!」のCMソングに起用された。この曲で、YUIの認知度と人気度は一気に高まる。
4月4日、ファン待望の2枚目のアルバム『CAN'T BUY MY LOVE』を発売。
6月13日、「My Generation/Understand」を発売。「My Generation」は、ドラマ『生徒諸君！』の主題歌に起用された。「Understand」は、竹内結子主演の映画『サイドカーに犬』の主題歌に起用された。
9月26日、映画『クローズド・ノート』のために書き下ろした「LOVE & TRUTH」を発売。YUI自身最大のバラード曲となった。

2008年
2月27日、「Namidairo」を発売。ドラマ『4姉妹探偵団』の主題歌に抜擢。
3月19日、配信限定で「Laugh away」を発売すると、グリコ「ウォータリングキスミントガム」のCMソングになる。
4月9日、アルバム3枚目となる『I LOVED YESTERDAY』を発売。アルバムの収録曲である「OH YEAH」は、フジテレビ系『めざにゅ〜』のテーマソングに。
7月2日、YUIの夏ソング「SUMMER SONG」を発売。「Laugh away」に続く曲のようだ。

突然の一時休暇

2008年
8月29日、一時休暇に入ることを発表。理由は、音楽制作活動に専念するためだった。
11月12日、カップリングを集めた『MY SHORT STORIES』を発売。

活動再開

2009年
6月3日、13枚目のシングル曲「again」を発売。この曲でYUIは音楽活動を再始動させる。アニメ『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』のオープニングテーマになった。
10月7日、復活に勢いを止めることなく、「It's all too much/Never say die」を発売。
「It's all too much」は、映画『カイジ 人生逆転ゲーム』の主題歌に抜擢され、原作者の福本伸行氏や映画監督の佐藤東弥氏も絶賛した。「Never say die」は、同映画の劇中歌で流れた。

2010年
1月20日、「GLORIA」を発売。ベネッセコーポレーション「進研ゼミ高校講座」のCMソングになり、多くの受験生の背中を押した。
6月2日、「to Mother」を発売。YUIの16枚目のシングルは母を想った曲だった。この曲で初めてのピアノ演奏を披露し、新たな一面を見せた。
7月14日、復活して初めてのアルバムとなった『HOLIDAYS IN THE SUN』を発売。アルバム収録曲の「Please Stay With Me」は、フジテレビ系ドラマ『夏の恋は虹色に輝く』の挿入歌に選ばれた。
11月24日、「Rain」を発売。フジテレビ系ドラマ『パーフェクト・リポート』の主題歌になり、存在感を示した。

2011年
1月26日、「It's My Life/Your Heaven」を発売。
「It's My Life」は、ユーキャンのCMソングに起用された。
「Your Heaven」は、SONY WALKMAN「Play You. キミの知らない音 project」のCMソングに起用された。
6月1日、「HELLO 〜Paradise Kiss〜」を発売。映画『パラダイス・キス』のために書き下ろした曲。カップリングの「YOU」は、同映画のエンディングテーマに起用され、切ない涙を誘った。
10月5日、記念すべき20枚目のシングル「Green a.live」を発売。東日本大震災を通して作られた楽曲。
11月2日、5枚目のアルバム『HOW CRAZY YOUR LOVE』を発売。多くのタイアップ曲とヒット曲が詰まっている。収録曲の「Lock On」は、TBS系ドラマ『怪盗ロワイヤル』の主題歌になった。
9月5日、「fight」を発売。第79回NHK全国学校音楽コンクール（中学校の部）の課題曲となる。
10月24日、YUI自身初のトリビュート・アルバム『SHE LOVES YOU』を発売。miwaやSCANDAL等、今も活躍する人気アーティストの豪華メンバーがYUIの曲をカバーしている。

活動休止

2012年
12月5日、初となるベストアルバム『GREEN GARDEN POP』『ORANGE GARDEN POP』を2枚同時発売。
12月31日、『NHK紅白歌合戦』に初出場。「Good-bye days」を披露した。
TBS系『CDTVスペシャル 年越しプレミアライブ 2012→2013』に出演後、YUIとしての活動を休止した。
休止の理由として、「制作における摩擦が積み重なっていったこと」など本人より語られた。順調に見えた音楽活動の裏で激しい葛藤を抱いていた彼女は、音楽を嫌いにならないために活動休止という判断を下したそうだ。
当時の彼女の言葉によれば、単に「これ以上進めない」という段階を通り越し、もはや歩くことも立ち上がることもできないところまで追い詰められていたという。歌を歌うことさえ困難になるほど心が折れてしまったことが、休止に至る率直な理由だった。
このような決断を下した裏には、ファンに対する強い責任感があった。彼女は常に元気な姿を見せ、聴く人に活力を届けたいと願っていたため、自分の心が壊れていく様をさらけ出すことを何より恐れたのである。
また、音楽活動を完全に辞めるという選択肢については、彼女にとって現実的ではなかった。幼い頃から息を吸うように歌に親しんできた彼女にとって、音楽から離れることは活動を続けること以上に辛い選択だった。たとえ聴く者がいなくなったとしても歌い続けていたいという思いがあり、何より「音楽を嫌いになること」を避けるための回避策が、一時的な休止であったといえる。
活動休止の要因は、個人の精神状態だけでなく、所属事務所の戦略に対する長年のストレスも深く関係していた。女優を中心とする事務所の意向により、デビュー当時は映画出演などアイドル的な扱いを受けることもあったが、彼女はこうした売られ方に嫌悪感があったという。さらに、発表する楽曲のほとんどにタイアップが付くというビジネスモデルも、彼女の感性とは折り合いがつかなかった。事務所側とのトラブルは常態化しており、最終的には周囲も彼女の決意を止めることができないほど、その溝は深く修復不可能なものとなっていた。

FLOWER FLOWERとして活動再開

2013年
5月4日、ロックバンド『FLOWER FLOWER』のボーカル＆ギターとして活動を再開する。また、再始動を機に、それまでのYUIというアーティスト名を小文字表記の『yui』に変更することも併せて発表された。茶髪ロングヘアだった髪を切って金髪ショートヘアにし、大幅なイメージチェンジを図った。

新たな音楽の形を求めて「FLOWER FLOWER」を結成したyuiだったが、その歩みは順風満帆とはいかなかった。2014年の1月中旬、yuiが都内の病院に緊急搬送され、極秘入院していたことが判明する。その直接の原因は、パニック障害の治療薬を、誤ってアルコールと一緒に摂取したことによる意識混濁だった。搬送時には実母とともに交際していたバンドマンの恋人も付き添っており、幸いにも翌日には退院したという。
パニック障害は、突然の動悸や呼吸困難、めまい、強い恐怖に襲われるなど、心身の苦痛を伴う病である。彼女がこうした病を患うに至った背景には、ソロ時代から積み重なってきた音楽活動への過度なストレスがあった。
さらに、私生活における環境の変化も彼女を追い詰めていた。入院当時は交際相手に支えられていたものの、その後の報道では、交際相手であった「People In The Box」の波多野裕文とは、多忙によるすれ違いから破局を迎えていたことが明らかになった。公私ともに多大な負荷がかかる中で、ようやく踏み出したバンド活動も一時的な療養を余儀なくされる形となったのである。

その後、2017年6月にライブ活動を再開。2018年5月18日には『ミュージックステーション』にバンドとして初出演を果たした。また、自身の原点ともいえる映画『タイヨウのうた』のリメイク版公開イベントへの登壇や、憧れの存在である矢井田瞳との初対談など、自身のキャリアを象徴する活動も目立った。
2019年にはSNSでの発信も開始し、札幌の路上でゲリラライブを敢行するなど、かつてのスタイルを彷彿とさせる活動でファンを驚かせる。相鉄の記念ムービーでは他アーティストの楽曲を歌い上げるマッシュアップ企画に参加。

2020年以降も、自身のバンドとしてのテレビ出演や、他ユニット「クレイユーキーズ」への楽曲参加など、精力的な活動を継続している。配信ライブではソロ時代の代表曲である「SUMMER SONG」を披露するなど、過去のキャリアを大切にしながらも、新たな音楽の場を広げ続けている。