異世界居酒屋「のぶ」(蝉川夏哉)のネタバレ解説・考察まとめ

『異世界居酒屋「のぶ」』は、蝉川夏哉によるライトノベルを原作とし、コミカライズ・スピンアウト・アニメ・ドラマと多岐にわたるメディアミックス化をしている。異世界転移というジャンルではあるが、経営している居酒屋の入口が異世界に通じ現代日本の料理と酒で異世界の人々を癒すという異世界転移にグルメジャンルを取り入れた異色のストーリーだ。帝国の古都アイテーリアにある居酒屋「のぶ」。そこはアイテーリアの人々が見たこともないようなお酒や料理を出し訪れた客を暖かく癒やしてくれる不思議な居酒屋だった。

居酒屋のぶの入口が繋がった世界は中世ヨーロッパのような世界。
そして帝国と呼ばれる国の北に位置する城壁の古都アイテーリアと呼ばれる街の馬丁宿通りの奥にある場所にひっそりと繋がった。
アイテーリアは歴史と伝統の溢れる街であり帝国直轄領でもある。治めているのは貴族ではなく商会のギルドマスターや有権者達による″市参事会″であり、居酒屋のぶが開店した当初はバッケスホーフ商会のトップが議長を務め絶大な権力を握っていた。
更にアイテーリアの位置は帝国の内地になっており北から流れているベルフラウ河で流通をしていたが、アイテーリア北部の貴族達が下流に通行税を課したことと北方三領邦との相続問題により徐々にアイテーリアの流通は難しいものになっていく。特に冬になると食料が一気に少なくなり、この季節にアイテーリアを訪れた者達やアイテーリアに住んでいる者ですらもうじゃがいもは食べたくないと言うほどじゃがいもばかり食べることになる。
しかしこれも居酒屋のぶが開店した当初の話であり、物語が進むと帝国先帝が内政問題で揉めていた北方三領邦との会議を成功させたことにより北方分断の危機は回避された。これにより治安が良くなったため新しい水路を作る計画が持ち上がり一気に水上による流通が復活しようとしている。

帝国周辺の国々。

帝国の周囲には様々な国がある。
隣に位置する大国である東王国オイリアをはじめ、連合王国ケルティア、聖王国ルブシア。
それぞれに抱えている密偵にも呼称があり、オイリアは奇譚拾遺使、ケルティアは外套と短剣、ルブシアは法皇の長い手。
勿論帝国側にも密偵組織がありその名は硝石収集局と呼ばれている。

特にオイリアは南から西の一帯が帝国と接しているため数百年間もの間覇権争いが絶えない間柄でもあった。隣国という関係上、居酒屋のぶの登場人物の中にもオイリア出身の者は多い。
オイリアは現在幼王ユーグが治めており、即位した年齢があまりにも幼かったため彼の姉であるセレスティーヌが摂政宮として幼い弟王を支えている。

日本と確実に違う点

中世ヨーロッパのような世界ではあるが、日本と確実に違うことがある。
それは月が2つあるということだ。
大きな月を″雄月″、小さな月を″雌月″と呼び、合わせて″双月″と言われている。
この世界の星に関しては最新の学説では周転円という仮説が有力だとこと。
タイショーとシノブはこの星に関する話を聞いて地動説や天動説のことか?と頭の上にハテナを沢山だしていた。

居酒屋のぶの料理

トリアエズナマ

日本で普通に提供される、いわゆるジョッキに入れられたビール。
のぶで提供しているものはラガーだが、正しい種類は「ビルスナー」である。

イツモノ

居酒屋のぶ常連客の好物をシノブが覚えていて出してくれる。
シノブお任せになってしまうこともあるが、彼女の鋭い観察眼から出される料理のため食べたことのないものが出てきても食べれば一気に好物になる。

おでん

オーディン鍋という名前になって、アイテーリアにて流行した。

ハンス、またはハンスのアレ

ハンスが初めて創作した料理だが、タイショーやシノブからは「餃子」と言われている。

アイテーリアの風習など

護符

居酒屋のぶに持ち込まれた護符は、「出会いの護符」。
願いが果たされたものは一般的に占事や呪術に長けている薬師、所謂魔女に託すことになっている。

サクヌッセンブルクの仕来り

きのこが禁忌であること。
理由は百年ほど前、魔女狩りがあったため。魔女がきのこを使って食中毒を広めたという疑いがあった。
真相は知識のないものがきのこの流通に手を出したことが原因で、魔女達は濡れ衣を負った。そのことに対する自戒と反省をこめてきのこが禁忌となっている。
アイテーリアもサクヌッセンブルク領にあるためきのこを食べることを嫌う人間もいる。だが若い者の間では古い風習になっており気にせず食べている者も多い。

住民と認められる

帝国には古い法律があり、その都市に1年暮らせば住民として認められるというもの。
居酒屋のぶも1年以上アイテーリアで営業をしているため立派なアイテーリアの一員である。

『異世界居酒屋「のぶ」』の登場人物・キャラクター

居酒屋のぶの従業員

矢澤信之

omiyasan77
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@omiyasan77

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