MONOEYES(モノアイズ)の徹底解説まとめ
MONOEYESとはthe HIATUS・ELLEGARDENのフロントマンである細美武士を中心に結成された4人組ロックバンド。
2015年に活動開始以降、全国各地のライブハウスや音楽フェスに出演。2020年10月19日には日本武道館にて無観客配信ライブを敢行。ドローンを駆使した斬新なカメラワークや360°ステージでのライブは大きな反響を呼ぶ。作品毎に音楽性をガラリと変え新しいサウンドを生み出し続けるthe HIATUSとは対照的で、MONOEYESはストレートでキャッチーなサウンドが特徴。
MONOEYESの概要
MONOEYESとはELLEGARDEN・the HIATUSのボーカル・ギター細美武士を中心に結成された4人組ロックバンド。
MONOEYESの前にELLEGARDEN・theHIATUSについても少し触れたい。
ELLEGARDENとは1998年に結成され、2005年リリースの4thアルバム『RIOT ON THE GRILL』のヒットにより若者を中心に絶大な人気を誇ったロックバンドである。だが、メンバー間のモチベーションに違いにより、ニューアルバムの完成が困難であること、それに伴いバンド活動も続けていくことが難しいという結論に至り、人気絶頂の2008年に活動休止を発表。
the HIATUSとは、ELLEGARDENが活動休止した翌年の2009年に細美武士のソロ・プロジェクトにより結成された5人組ロックバンドである。百戦錬磨の凄腕ミュージシャン達で構成されるthe HIATUSの音楽はメンバー個々の高いポテンシャルが遺憾なく発揮されている。2012年にはメンバー総勢17人のオーケストラ形式での全国ツアー「The Afterglow Tour2012」を開催するなど、ジャンルを超越した独自の音楽性が評価されている。
ELLEGARDENが活動休止後、the HIATUSの中心メンバーとして音楽活動に邁進していた細美武士がMONOEYESを発足させることになったのは自身のソロアルバムのプロジェクトがきっかけである。
2014年12月22日のthe HIATUSの日本武道館公演を終えた直後、細美武士は自身初のソロアルバムを作ることを決意する。ソロアルバムのサポートを頼んだミュージシャン達と一緒にアルバム制作を行っていく中で、ソロではなくバンドで活動しようという流れになりMONOEYESが始動することになる。
2015年に活動開始以降、全国各地のライブハウスや音楽フェスに出演する
聴く者の心を突き動かすエモーショナルな音楽は多くのロックファンから支持され、2020年10月19日には日本武道館にて無観客配信ライブを敢行。
ドローンを駆使した斬新なカメラワークや360°ステージでのライブは大きな反響を呼ぶことに。
音楽活動の大きな特徴として、「フットワークの軽さ」が挙げられる。
全国各地の大型フェスから地域密着型の小規模なフェスまで幅広く出演し、毎週のようにライブを行っている。その活動の根底に、彼らにとってライブとは”仕事”ではなく”遊び”という倫理観がある。そしてもう一つは、ここ数年全国各地で発生している自然災害により、苦難な道を強いられながらも懸命に生きる人たちと音楽を通して一緒に笑い合いたいという強い想いがあるからだ。
MONOEYESの活動経歴
MONOEYES結成までの流れ
結成理由は主に2つ。
1つ目は、細美武士が所属するバンドであるthe HIATUSの次回アルバムをより良いものにするため。百戦錬磨の卓越したミュージシャン達で構成されているthe HIATUSの魅力を最大限に引き出すには、音楽面での自身のエゴを取り払うべきだと細美武士は考えるようになる。そのためにソロアルバムを一本作ることを決意し、theHIATUSの日本武道館公演が終了したタイミングでソロアルバムの制作をスタートする。
その際にサポートとして集まったメンバー達とMONOEYESを結成することになる。
2つ目は、東北の皆を笑顔にしたいという想いから。
東日本大震災以降、細美武士は東北各地に何度も赴き、弾き語りライブを行なっている。弾き語りを続けていく中で、「もっと観にきてくれる人たちを暴れさせたい・一緒に大声で歌いたい」という気持ちが芽生えたことも、MONOEYESが発足した大きな理由の一つである。
1stアルバム『A Mirage In The Sun』リリース、全国のライブキッズを熱狂の渦に巻き込む
2015年5月13日にMONOEYESとしての活動が発表され、同年7月29日に1stアルバム『A Mirage In The Sun』をリリースする。
そのアルバムを引っさげ各地のライブハウス、音楽フェスに出演して多くのロックファンの心を掴んでいく。
MONOEYESの楽曲やライブスタイルに、ELLEGARDENを想起させるリスナーも多く、ELLEGARDENファンにとってもMONOEYESの結成は喜ばしいことであった。しかし、それと同時にELLEGARDENの活動再開がより遠のくのではと心配する声も少なくなかった。
2ndアルバム『Dim The Lights』をリリース、そしてロックシーンを代表するバンドに
2017年7月5日に2ndアルバム『Dim The Lights』をリリース。
演奏できる曲数が増えてライブに厚みが出たことで、よりアグレッシブでパワフルなバンドに進化する。ベースのスコット・マーフィーがボーカルを務める曲も増えていき、ツインボーカルのバンドというイメージも定着していく。
この頃から各地の音楽フェスでトリを任せられるようになり、ロックシーンを代表するロックバンドに成長していく。
コロナ禍でのアルバム作成、ライブ活動の変化
新型コロナウイルスの影響により、ライブ、レコーディング等の日程が全て白紙に。
その間、インストバンドtoeが立ち上げた新型コロナウイルスにより、困窮するライブハウスを支援するプロジェクト「Music Unites Against COVID-19(MUAC)」に新曲「Red Light」を提供する。
この楽曲は緊急事態宣言の影響でメンバー間の接触がNGだったため、レコーディングやアレンジ等は全てリモート作業・宅録での作業となった。
2020年9月23日には当初の予定より約2ヶ月遅れで、3rdアルバム『Between the Black and Gray』をリリース。
同年10月〜12月にかけて「MONOEYES Semi Acoustic Live Tour 2020」を開催。
新型コロナウイルス感染拡大防止に配慮するため、客数を減らして演奏もアコースティック形式での着座ライブとなった。
また、10月19日にはMONOEYES初の生配信ライブ「Between the Black and Gray Live on Streaming 2020」を日本武道館にて開催。
MONOEYESのメンバー
細美武士(ほそみ たけし)
ボーカル・ギター担当。
1973年2月22日生まれ。
MONOEYESの作詞・作曲も手掛ける。
MONOEYESの発起人であり、バンドの中心的存在。
ELLEGARDEN・the HIATUS・MONOEYESと3つのバンドに所属している。
3つもバンドを掛け持ちしていて大変ではないのかという質問に対して細美は「3つのバンドをやっていても、アルバムを一年で3バンド分作るわけではないから苦しみが増えるということはない。逆にライブは3バンド分できるから楽しみだけがいっぱい増える」と自身のラジオ番組で語っている。
2012年頃から体を鍛えはじめ、それと同時期にボクシングも始めている。
メンタルが弱っていると感じた時は、筋トレやランニングで徹底的に自分自身を追い込む。そうすることで気持ちが晴れやかになり、前向きに物事と向き合えるようになるとのこと。
スコット・マーフィー
ベース・ボーカル担当。
1979年2月11日生まれ。
アメリカ合衆国・シカゴ出身。
アメリカのポップパンクバンド「アリスター」のベース・ボーカルでもある。アリスター時代にELLEGARDENとツアーを周るなど、かねてより親交のある細美武士にソロアルバム制作の手伝いを頼まれて来日。
結果的にソロではなくバンドとして活動することになったため、アメリカを離れて日本で暮らすこととなる。
J-POP好きであり、それが高じてJ-POPのカバーアルバムをソロ名義でリリースしている。
2013年にはWeezerのフロントマン・リバース・クオモと日本語で歌うロックユニット「スコット&リバース」を結成。同年3月20日には全曲日本語のオリジナル・アルバム『スコットとリバース』をリリース。
大のビール好きでライブ中もよくビールを飲んでいる。2020年4月にはイラストレーター兼作家である岩田リョウコとの共作で著書『エンジョイ!クラフトビール 人生最高の一杯を求めて』を出版する。
戸高賢史(とだか まさふみ)
1982年7月22日生まれ。
大分県出身。
ファンからは「Toddy(とでぃー)」の愛称で親しまれている。
2000年に結成されたオルタナティブ・ロックバンド「ART-SCHOOL」のギタリストでもある。
ART-SCHOOLが活動休止中に細美からソロアルバムの制作のサポートを頼まれて、その流れからMONOEYESのメンバーになる。
戸高を誘った理由は、細美曰く「ART-SCHOOLが活動休止中でフットワークが軽かったことと、音楽的ルーツが近いから」とのこと。
MONOEYESのグッズのデザインも度々手掛けており、デザイナーとしての一面も魅せる。
2020年10月19日に行われたMONOEYES初の日本武道館公演は戸高の強い意向により開催することが決定する。新型コロナウイルスの影響により、バンド初の日本武道館公演は無観客での生配信ライブとなるが、同公演のMCにてメンバーらは有観客での日本武道館公演を近い将来開催することを宣言した。
一瀬正和(いちせ まさかず)
1974年7月13日生まれ。
神奈川県出身。
2002年に横浜で結成されたスリーピース・ロックバンド「ASPARAGUS」のドラムボーカルを務める。
細美武士が所属するバンドthe HIATUSにも名を連ねており、1stEP『Insomnia』の収録曲「Antibiotic」のレコーディングにも参加している。
2019年10月1日にthe HIATUS結成10周年を記念して行われたライブ「the HIATUS 10thAnniversary Show at Tokyo International Forum」では「Antibiotic」をthe HIATUSのドラマー柏倉隆史とのツインドラムで披露した。
横浜でスタジオを経営しており、ドラムスクールなども行なっている。そのためか細美武士から度々「塾長」と呼ばれている。
急遽、細美からソロアルバムの制作のサポートを頼まれたため、自宅で作っていたカレー作り(スパイスも自分で調合する本格的なカレー)をやめて急いでスタジオに合流したというエピソードがある。
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目次 - Contents
- MONOEYESの概要
- MONOEYESの活動経歴
- MONOEYES結成までの流れ
- 1stアルバム『A Mirage In The Sun』リリース、全国のライブキッズを熱狂の渦に巻き込む
- 2ndアルバム『Dim The Lights』をリリース、そしてロックシーンを代表するバンドに
- コロナ禍でのアルバム作成、ライブ活動の変化
- MONOEYESのメンバー
- 細美武士(ほそみ たけし)
- スコット・マーフィー
- 戸高賢史(とだか まさふみ)
- 一瀬正和(いちせ まさかず)
- MONOEYESのディスコグラフィー
- 1st EP『My Instant Song』
- 2nd EP『Get up』
- 3rd EP『Interstate46』
- 1stアルバム『A Mirage In The Sun』
- 2ndアルバム『Dim The Lights』
- 3rdアルバム『Between the Black and Gray』
- MONOEYESの代表曲とミュージックビデオ(MV/PV)
- My Instant Song
- Get Up
- Free Throw
- Two Little Fishes
- Fall Out
- When I was A King
- Borders&Walls
- リザードマン
- MONOEYESの名言・発言
- 細美:誰もがそうではないかもしれないけど、自分の一番近くにいる人を一番大事にできない人間はカッコ悪いなと思うようになってきた。誰に対しても平等に付き合う人間より、自分と距離が近いやつをちゃんと大事にできるほうが好き。
- 細美:物理的に体を鍛えるのも単純に強さだと思うし、あれもこれも大事で何も選べないから結局何も守れない、みたいな人間にはなりたくないからね。で、俺はそういう強さとカッコよさを仲間から学んできたつもり。もちろんバンドのメンバーも含めてね。みんなの喋り方や生き方を見て、俺に足りないものをいつも見つけてるっていう感じですね。
- 細美:俺たちはいつだって、何を作ってるときだって、世界で一番カッコいいアルバムを作りたいと思ってるんだよ。この先も、作品を作るなら常にそこを目指すと思うの。そのモチベーションはずっと変わることがないと思います。※一部省略
- MONOEYESの裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 本当は違うバンド名だった?
- レコーディングは夏休みも兼ねて沖縄で