フジケン(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『フジケン』とは、小沢としおによる日本の不良ギャグ漫画である。1998年から2002年まで『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)で連載。単行本は全22巻。不良漫画、学園漫画、ギャグ漫画など多面性のある漫画だ。主人公の富士山健作(通称フジケン)と主要キャラクターたちの高校三年間の熱い友情が、下ネタやギャグを盛り込みながら面白おかしく描かれている。気軽に読めて笑える漫画だが、そこに描かれている友情は本物だ。

高校生活の最後にどっちが強いか決着をつけるフジケンと紋二

高校生活最後のタイマンを張っているフジケンと紋二

卒業間近のある日、紋二が、フジケンにやり残したことがあってそれをしておかないと卒業できないと言った。彼らは、河原にやってきた。紋二は、1年最強の座をかけてタイマンをした時、最後に立ってたのはフジケンだったが、あれはまぐれだと納得できてなかったのだ。うらみっこなしでもう一回タイマンをすることになった。同じ頃別の場所で、水野と藤堂も決着をつけようとしていた。殴り合いながらお互いを認め合うフジケンと紋二。紋二が、「俺の高校生活ん中で一番バカだったよテメーは」と言うと、フジケンが、「俺の高校生活ん中でオメーが一番マヌケだったぜ」と返し、お互い最後の一撃を出した。二人は倒れて気を失っていたが、水野と藤堂の声で目が覚める。水野が「お前らもやったの」、藤堂が「どっちが勝った」と聞くと、フジケンと紋二は、「教えなーい」「俺らふたりの秘密だ」と返した。フジケンが、水野に「オメーらは」と聞くと、やはり水野たちも結果は二人だけの秘密だった。フジケンと紋二、水野と藤堂、それぞれの決着をつけて卒業を迎えようとしていた。男同士ならではの熱い友情である。

10年後の彼ら

街中の液晶に映るジミー&カルロス

最終巻である22巻の最後に彼らの10年後が描かれている。なんと全員好きだった女子と結ばれて子どもが誕生していた。フジケンは、マコトと結婚して一男一女を儲けた。紋二は、竹下と結婚して男の子が一人産まれた。高校卒業してすぐに結婚した秋山とトモは、男の子二人が誕生していた。ある日、トモの実家にみんなで集まってテレビを見ていると、ジミー&カルロスというお笑いコンビとしてフジケンと紋二が映っていた。彼らはお笑い芸人になったのだ。そして彼らのマネージャーを務めるのはなんと山栗である。そして二人が音楽番組のMCをしている番組にゲストできたのは豊樹だった。その頃水野は、デザイナーになり、藤堂はラーメン屋、影山は某有名組系某組若頭に出世していた。みんなそれぞれの道でがんばりながらも、彼らの友情は永遠なのだ。

『フジケン』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

豊樹は不細工好き

モデルにスカウトされるほどイケメンの豊樹だが、女性の好みがズレていて不細工好きである。不細工が好きになったルーツとも言える話がある。小学校2年生の頃、両親が忙しく不在なことが多く寂しい思いをしていた豊樹の世話をしてくれていたのがお手伝いのまゆみさんだ。まゆみさんは、寂しくて落ち込んでる豊樹におもしろいことをして笑わせてくれる優しい心の持ち主だった。遊びにきたフジケンに夕飯を食べさせてくれることもあり、まゆもさんのカレーはおいしいと評判だった。フジケンは彼女のことを「ブス」と言っていて見た目は不細工な女性だった。ある日豊樹は、クラスメイトの父親が近くの山でUFOを見たと聞いて興味がわいたフジケンにそそのかされて山に行くことになった。幼い豊樹は、UFOの写真を撮ったら母親も喜んでくれるかもしれないと思ったのである。しかし雨も降って暗くなってきてしまい二人は身動きが取れなくなってしまう。帰りが遅いことを心配したまゆみさんは、豊樹を探しに出た。遠くの方から豊樹の歌うドリフの歌が聴こえてきた。豊樹は、まゆみさんからさみしくなったらこの歌を歌えと教えてもらったのだ。まゆみさんに見つけてもらった二人は無事に帰宅した。しかしまゆみさんが豊樹の母親から責められてしまう。二人は一生懸命まゆみさんをかばった。一年後、まゆみさんとお別れの日がきた。実家の父親の看病をするために田舎に帰ることになったのだ。三人は涙を流し合いながら別れた。この頃から豊樹の不細工好きは始まっていたのである。ちなみに高校生になった豊樹は、「あの人はブスじゃない」と言っている。

白金東のカリスマヤンキー影山がお金を巻き上げていた理由は家族のお墓を購入するため

影山は、周辺の学校を傘下に入れてお金を巻き上げていた。昔彼の父親の会社が倒産し、莫大な借金を抱えた。ノイローゼになった父親が、キレて家に火をつけた。その火事によって両親と幼い妹を亡くした影山は、妹の声が聞こえていたのに助けられなかったことがトラウマになっていた。その家族のためにお墓を立ててあげたいと考えているようである。それを聞いたフジケンは、「カツアゲした金で墓だァ?んなもん成仏できるもんも成仏できねーよ」と、意外と正論を言っていた。しかしその後一人で影山のところへ行き、喧嘩中に彼の親の悪口を言ったことを謝罪した。めちゃくちゃに見えるフジケンも筋が通ったところがあるのだ。

幽霊にモテる紋二

ある日フジケン、豊樹、紋二、秋山、山栗の5人で、女の人の霊が出ると噂されている家にやってきた。結婚式間近に病気で死んだ女の人が、この世に思いが残っていて出ると言われている。幽霊を信じない紋二は、帰り際家に貼ってあったお札をはがして取ってしまう。翌日、授業をさぼって公園にいる紋二の前に女性が現れた。女性は昇子と名乗り、なぜか紋二の名前を知っていた。街をブラブラしているフジケンたちは、一人でヘラヘラしている紋二に遭遇する。紋二に昇子を紹介されるが、フジケンたちには見えなかった。しかし少し霊感のある山栗にだけは彼女の存在が見えていた。彼が言うには、紋二は二十歳ぐらいの女性の霊に憑りつかれていた。前日のお化け屋敷の霊だったのだ。紋二たちを追いかけてお化け屋敷に着いたフジケンたちは、霊に料理をふるまってもらっている紋二を発見する。山栗は、霊と闘うが敗れてしまう。紋二の元に戻ってきた昇子が、彼の胸のネックレスに気付く。そのネックレスは、アメリカに旅立つ前に竹下からもらったものだった。紋二は、好きな子からのプレゼントで、遠くから想ってるのも悪くないかなっと思っていると話した。それを聞いた昇子は、自分勝手だったと反省して紋二の前から姿を消したのである。

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