ゼロから始める魔法の書(ゼロの書)のネタバレ解説・考察まとめ
『ゼロから始める魔法の書』とは、電撃文庫より出版された、虎走かける著・しずまよしのり絵のライトノベル、およびそれを原作としたマンガ、アニメ、ゲームである。「獣堕ち」と呼ばれる半人半獣の主人公「傭兵」と、世間知らずの魔女「ゼロ」が、世界を滅ぼすほどの力を秘めた魔法の指南書「ゼロの書」を探す物語。1~10巻までの本編と、後日談である短編集を合わせた全11巻まで刊行されている。2018年より講談社ラノベ文庫から続編である『魔法使い黎明期』のシリーズが開始された。
CV:加藤英美里
ゼロと傭兵がアクディオスに訪れた際に出会った孤児の少年。本名はティーオ。傭兵と出会ったばかりのころはその姿に怯えていたが、親しくなってからは獣堕ちという大きな力を持つ傭兵に憧れを抱くようになる。また、ゼロと傭兵と心を通わせていくうちに、共に旅をしたいと願うようになる。両親はすでに他界しており、その原因がフェーリアの〈犠牲印(サクリシグス)〉であったため、フェーリアを強く憎んでいた。フェーリアを殺すため、フェーリアの小間使いとなったテオだったが、彼女を殺す際に自分に刻まれた〈犠牲印(サクリシグス)〉に気が付かずにフェーリアをナイフで刺したため、その傷が自分に転移してしまう。ゼロが魔法でその傷を癒すものの、すでに子供には耐えられないほどの出血をしていたため、傭兵の腕の中で息絶えた。
サナレ
CV:赤崎千夏
フェーリアの侍女として身の回りの身支度をしていた女性。その正体は、「ゼロの魔術師団」に所属していた魔女。しかし彼女自身は魔法が使えず、魔術師団での仕事はゼロの書の写本を作ることだった。そのためゼロの書の内容を深く知っており、孤児院から引き取ったフェーリアに〈犠牲印(サクリシグス)〉の魔法を教え、聖女に仕立て上げ、アクディオスでの事件を引き起こした。彼女は過去、両親が病にかかった際に医者に救ってもらえなかったため、医者を酷く恨んでいる。またその後生活していた孤児院では「役立たず」「無能」と罵られ、人の役に立ちたいと思うようになる反面、役に立たない人間は死んでも構わないという思想を持ってしまう。実は魔法が使えないのではなく、「ゼロの書に記載されている」魔法が使えないだけであり、ゼロの書の理論を用いて新たに生み出した死霊魔法を習得する。自分の師である「あの方」の役に立ちたいという思いから「不完全な数字(セストゥム)」の一員となる。
神父
CV:西山宏太朗
フェーリアが本当に聖女なのか、または聖女を騙った魔女なのかを裁定するために教会から派遣されてきた盲目の神父。名前はなく、「隠匿」という自らの罪業の名で呼ばれている。「女神の浄火(デア・イグニス)」と呼ばれる死刑囚だけで構成された異端審問組織の一員であり、戦闘力は傭兵と互角以上に渡り合えるほど。武器は杖に変形する大振りの鎌。実は盲目なのではなく、光に異常なまでに敏感なため、日中の強い光から目を守るために眼帯をしている。しかし夜になれば昼間と同じくらいの視界を得ることができる。教会の教えというという面もあるが、幼いころは狐の獣堕ちによって育てられ、そして裏切られたという過去を持つため獣堕ちに対して強い恨みを持っている。しかしアクディオスで傭兵に助けられたことや、ネズミの獣堕ちであるリーリとの交流で次第に態度は軟化していった。
黒竜島
アムニル
CV:竹内恵美子
黒竜島のノーティス王国の王女。近いうちに戴冠することが決まっている。魔法の扱いに長けており、ゼロも関心するような魔法の使い方をする。冷静沈着で常に「最善」であることを心掛けているが、それゆえに頑固なところがある。自らの師匠であるアルゲントゥムを慕っており、彼が神父によって殺された際には取り乱し、その心の隙をサナレに狙われる。しかし持ち前の計算高さと意志の強さでサナレからの呪縛を自ら払いのけた。
ラウル
CV:陣谷遥
馬の獣堕ちであり、アムニルに仕えている。上半身は人間で下半身が馬という、獣堕ちの中でもかなり異質な見た目をしている。両親に捨てられ、殺されそうになっていたところをアムニルに救われ、以降彼女に尽くすことを誓う。誰に対しても気さくに笑顔を向けるような穏やかな性格だが、人前で裸になることや女性と一緒に入浴することなどに何の躊躇いも持たないなどやや常識がずれている部分がある。また槍の名手でもあり、竜との闘いにおいてはアムニルを背に乗せ活躍した。
ゴーダ
CV:若林佑
ノーティス魔法兵団の団長。しかし、ゴーダ自身は魔法が一切使えない。もともとは黒竜島でノーティス王国と対立していたもう一つの国家「アルタリア王国」の王子だが、魔法を習得したノーティス王国に劣勢に立たされ、さらに当時の国王が無理に領土を広げようとした結果、竜の怒りに触れ、竜によって国が滅ぼされたためにノーティス王国に無条件降伏した。その後、アムニルによって能力があるという理由で魔法兵団長に任命されたものの、魔法を使えない自分が団長に任命されたことや、敵国の王子なのに処刑されなかったことに葛藤を覚えている。ゼロや傭兵と協力し竜を下した結果、その竜に認められ、小型化した竜に懐かれてしまう。その様子から国民から「破竜王」という異名を授けられ、行方知れずとなったアムニルに代わって黒竜島の王となった。
アルゲントゥム
あらゆるものを観測し、記録している魔術師。ゼロがその名を知るほどの高名な魔術師であるが、年老いた体を維持するための魔力が付きかけており、寿命を迎えつつあった。魔法が世界中に広まると何が起こるのかを黒竜島を使って実験するために「不完全な数字(セストゥム)」に入り、ゼロの書の写本を手に入れ、魔法を広めた。アルゲントゥムの見方では、この黒竜島に魔法が入ってから現在までの7年は、世界中に魔法が広まった場合の100年に相当すると考えられている。アムニルの魔法の師であり、弟子であるアムニルを案じてゼロに彼女を助けるよう頼む。その後、断罪に来た神父によって首を刈り取られ死亡した。
テルゼム
リーリ
ゼロと傭兵、神父が出会ったネズミの獣堕ち。両親に捨てられ、途方に暮れていたところをクレドとリザに拾われ、親子同然に過ごす。引っ込み思案な性格と無害なかわいらしい見た目だが、傷つけた相手に病を発症させてしまうという能力を持っており、それによって幼い頃、人間の子供を傷つけ病を発症させてしまったことがトラウマになっている。またネズミと意思疎通を図ることができ、ネズミを使役することもできる。テルゼムでの一件以降、神父を慕うようになり、それが友情や愛情ではなく恋であることを自覚していった。自分がいることでクレドとリザの家業が正当に評価されないことを悩んでいたリーリは、神父がゼロ達とともに出発する際、一緒についていくことにする。これ以上小柄な体型のまま成長しないため勘違いされやすいが、実年齢は17歳である。
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目次 - Contents
- 『ゼロから始める魔法の書』の概要
- 『ゼロから始める魔法の書』のあらすじ・ストーリー
- ゼロの書
- アクディオスの聖女
- 黒竜島の魔姫
- 楽園の墓守
- 詠月の魔女
- 禁書館の司書
- ゼロの傭兵
- 『ゼロから始める魔法の書』の登場人物・キャラクター
- ゼロ
- 傭兵
- ウェニアス王国
- アルバス
- ホルデム
- ソーレナ
- 十三番
- 七番
- アクディオス
- フェーリア
- カル
- テオ
- サナレ
- 神父
- 黒竜島
- アムニル
- ラウル
- ゴーダ
- アルゲントゥム
- テルゼム
- リーリ
- 背徳
- ノックス大聖堂
- 泥闇の魔女
- ジェマ
- 悪魔
- 万里を掌握せし千眼の哨(ばんりをしょうあくせしせんがんのしょう)
- 名もなき悪魔の王
- 『ゼロから始める魔法の書』の用語
- 魔術
- 魔法
- 魔女・魔術師・魔法使い
- ゼロの書
- 獣堕ち
- 『ゼロから始める魔法の書』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- ゼロ「――戻りたいのか?人間に」 傭兵「――戻れるのか?人間に」
- アルバス「子どもが悪夢に怯えたときに安らかな眠りを誘う魔法、泥棒が出たときに捕まえる魔法、そんな書き方がしてあって――けど誰も、ゼロの思惑通りに魔法を使わなかった」
- ゼロ「君は、我輩一人では知り得なかったことをもたらしてくれるな」
- ゼロ「ゼロの魔法書、あれは我輩の本であり、我輩の罪だ。その始末をつけるために手を汚さなければならないのなら、我輩はこの手を汚すことを選ぶ」
- 『ゼロから始める魔法の書』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 小説投稿サイト「小説家になろう」にて後日談が投稿されている
- 講談社ラノベ文庫にて、続編『魔法使い黎明期』のシリーズが開始
- 『ゼロから始める魔法の書』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):たぴみる『発見者はワタシ』
- ED(エンディング):Chima『はじまりのしるし』