ゾンビランドサガ(ゾンサガ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ゾンビランドサガ』とは、2018年に放送されたオリジナルアニメーション作品。「MAPPA」「エイベックス・ピクチャーズ」「Cygames」の共同企画で製作された。放送前に物語に関する情報を伏せ、第一話でゾンビ物でありながらアイドル物でもあったことが発覚し大きな話題となった。各種2018年の人気アニメランキングで1位を獲得。アイドルを目指していた「源さくら」は、トラックに轢かれて死亡しゾンビになってしまう。そして「巽幸太郎」と出会い、何故かアイドルを目指す事になってしまう。

『ゾンビランドサガ』の概要

ゾンビとなって蘇った主人公の源さくら。

『ゾンビランドサガ』とは、「MAPPA」「エイベックス・ピクチャーズ」「Cygames」共同企画で製作されたオリジナルアニメーション作品。
2018年に放送。全十二話。
キャッチコピーは「私たち、生きたい!」。当初は「私たち、生きたい。」だったが一話放送後に変更された。

主人公「源さくら」はアイドルを目指す高校生であった。
アイドルオーディションの応募封筒を片手に、未来への希望で胸いっぱいだったさくらは家を出た瞬間にトラックに撥ねられて死んでしまう。
しかしゾンビとして目覚め、謎の青年「巽幸太郎」にご当地アイドル企画「ゾンビランドサガプロジェクト」としてアイドルになるように言われる。
さくらは、同じくゾンビになった「二階堂サキ」「水野愛」「紺野純子」「ゆうぎり」「星川リリィ」「山田たえ」と共に、アイドルユニット「フランシュシュ」を結成。
一同はゾンビであることを隠しながら、アイドルとして活動していく。
既に死んでしまったゾンビでありながら、精神的に成長し生きていく姿が描かれている。

元々はゾンビがアイドルをやる「アイドルゾンビ」という仮タイトルがついていたが、佐賀県のアニメを作るという依頼があったことから舞台を佐賀にする方向になった。
佐賀県協力の元に計画は進み、実際に佐賀にある建物が出てきたり、アイキャッチなどでご当地グルメを紹介しつつゾンビがアイドルをする作品になった。
放送前まで「新感覚ゾンビ系アニメ」という事以外のストーリー情報は伏せられ、PVは本格的なゾンビホラーのような雰囲気になっていた。
これらはタイトルからアイドル物であると分かると視聴者が限定されてしまうためと、視聴者を驚かせるための作戦であった。
その結果第一話放送後から大反響があり、「ネットユーザーが本気で選ぶ!アニメ総選挙2018年間大賞」で1位を獲得。
佐賀県でのイベントや、ライブイベントなども行われている。

『ゾンビランドサガ』のあらすじ・ストーリー

フランシュシュの誕生

アイドルになることを夢見る高校生・源さくら(みなもと さくら)は、交通事故に遭って意識を失う。次に彼女が目覚めるとそこは佐賀県にある見知らぬ洋館で、中には6人の少女のゾンビがいた。驚いたことに、さくら自身も事故で命を落としてしまっていたらしく、館の主である謎の青年・巽幸太郎(たつみ こうたろう)によってゾンビとしてこの世に蘇ったらしい。
どこでそんな技術を身に着けたのか、どうやって自分たちを集めたのか、山ほど問いたいことがあるさくらを一喝して黙らせると、巽は「今日からお前はアイドルになれ。そして佐賀県を救え」と無茶苦茶なことを言い出す。

ゾンビ2号、伝説の特攻隊長・二階堂サキ(にかいどう さき)。
ゾンビ3号、伝説の平成のアイドル・水野愛(みずの あい)。
ゾンビ4号、伝説の昭和のアイドル・紺野純子(こんの じゅんこ)。
ゾンビ5号、伝説の花魁・ゆうぎり。
ゾンビ6号、伝説の天才子役・星川リリィ(ほしかわ りりぃ)。
ゾンビ0号、伝説の山田たえ(やまだ たえ)。

巽の特殊メイクで全身の傷跡を隠し、とりあえずファーストライブを勢いだけで乗り切ると、さくら以外の面々もたえを除いて自我を取り戻す。ゾンビ1号ことさくらを加えた7人の少女たちは、ゾンビとなってしまった自分たちにここ以外の居場所が無いことを悟り、巽に言われるまま佐賀の地元アイドル「フランシュシュ」として渋々と活動していくことになる。

新旧トップアイドル問答

順調とはいえないスタートを切ったフランシュシュだが、もともとアイドルに憧れていたさくらの熱意、仕切りたがりな上に負けん気の強いサキのリーダーシップなどがうまく作用し、徐々にその活動は上向いていく。毎度毎度無茶な仕事を取ってくる巽だったが、その営業の力量自体はかなりのもので、さくらたちもそれなりの信頼を寄せていく。
そんな彼女たちのアイドル活動の屋台骨となったのが、それぞれの時代で生前はトップアイドルだった愛と純子の2人である。「どうしてこうなったのか分からないが、アイドルとしてステージに立つ以上は手を抜きたくない」との思いからメンバーを鍛え上げていく愛と純子だったが、やがてその2人の間に亀裂が生じていく。昭和の芸能界を生きた純子は、「アイドルとは不可侵の存在である」との考えを持っており、愛やさくらの認識する「握手会を開催するなどしてファンとの距離が近い現代のアイドル」を受け入れることがどうしてもできなかったのである。

時代に置き去りにされた事実に絶望し、練習にも顔を出さず、部屋にこもるようになってしまった純子。「最悪の場合純子無しでもステージに立とう、その分は自分がフォローしよう」と猛練習に励む愛。フランシュシュ空中分解の危機を前に巽が動き、「“今のアイドル”を受け入れられないのも立派な持ち味だ、そのために協力してくれる仲間から逃げるな」と諭す。
“今の時代に自分の信じるアイドル像を貫く”という道を示された純子は、意を決してさくらたちと合流。佐賀ロックフェスティバルにも参加する。落雷で命を落とした愛が天候の急変に怯えて動けなくなった時、純子の側がこれをフォローしたことで、決裂しかけていた仲も修復する。主力2人のアクシデントを乗り越えたフランシュシュのステージは、拍手と喝采を浴びるのだった。

記憶喪失のさくら

リリィとその父親の再会。サキの友人親子との交流。その後もフランシュシュは佐賀県で活発に活動し、地元の人気者となっていく。
これに気を良くした巽は単独ライブの開催を決定し、さくらはおおいに張り切る。しかしその矢先トラックに轢かれて倒れ、今度は命ではなくゾンビとなって以降の記憶を失ってしまう。代わりに彼女は、朧気だった生前の記憶を完全な形で取り戻すのだった。

人間だった頃のさくらは、どこまでも運の無い少女だった。張り切れば張り切るほど肝心な時に失敗し、ついには「どんなに努力をしたって自分は報われない」と思い込むまでに至る。そんな彼女が最後に夢見たのがアイドルになることだったが、それさえ叶わず飛び出してきたトラックに轢かれて死亡してしまったのである。
やはり自分は幸運に見放された人間なのだと意気消沈し、ネガティブなことばかり口にして、練習にも参加しなくなってしまったさくら。そんな彼女に、巽は「お前がどれだけ運の無い女だろうと、代わりに俺が大きなものを持っているから問題ないんだ」と理屈にもなっていなければ根拠もまったく無い言葉をかける。なぜ巽がこうまで自分に関わろうとするのか分からず、さくらは困惑を通り越して彼に対する反感を覚えていくのだった。

嵐の単独ライブ

さくらが抱いた巽への反感は、「そこまで言うなら自分がどれだけ努力の報われない体質か見せてやる」という形で発露する。しかし大喜びで自分を迎え入れるメンバーたちと、「さくら抜きで成功するより、さくらと一緒に失敗したい」との心からの言葉を受けて、どうせ無駄だとは思いつつ真面目に練習に参加するようになる。
そしてやってきた単独ライブ当日、佐賀に季節外れの大雪が降る。やはりこうなったかと絶望するさくらだったが、それでも今まで交流してきたファンが会場に集まり、少しずつゾンビになってからの日々とフランシュシュの中で発揮していた熱意を思い出していく。

しかしいざライブが始まるや、雪の重みで屋根が破れ、ステージも崩落。こうなってはライブも何もないと今度こそ全てを諦めようとするさくらの前で、フランシュシュの仲間たちはなおも立ち上がって歌い続ける。“成功する時も失敗する時も一緒だ”というその強い想いに奮起し、さくらもまた崩れ落ちたステージの上に立ち、ライブを続行。奇跡のようなその光景にファンは熱狂し、単独ライブは大成功に終わる。
そんなフランシュシュの姿を、その1人として活躍するさくらを見詰め、巽は過去に想い馳せていた。学生だった頃、彼は“乾”と名乗っており、さくらとは同級生の間柄だった。彼の正体が何者なのか、最終的な目的がどこにあるのかは謎のまま、ゾンビとなった少女たちの物語は終わる。

一方、フランシュシュの活躍を見詰め続けた記者の大古場新太(おおこば しんた)は、愛や純子など“死んだはずの有名人”とあまりにもよく似た少女たちがそのメンバーの中にいることに気付き、これについて調べ始めていた。

『ゾンビランドサガ』の登場人物・キャラクター

フランシュシュ

風前の灯となった佐賀を救うため、巽幸太郎によって「ゾンビランドサガプロジェクト」として作られたアイドルグループ。
メンバーは全員ゾンビで、生きた時代はバラバラ。
ゾンビであることを隠すため名前は本名ではなく、「源さくら」ゾンビ1号、「二階堂サキ」ゾンビ2号、「水野愛」ゾンビ3号、「紺野純子」ゾンビ4号、「ゆうぎり」ゾンビ5号、「星川リリィ」ゾンビ6号、「山田たえ」ゾンビ0号という名前になっている。
グループ名は第一話では「デス娘(仮)」第二話では「グリーンフェイス」という幸太郎が適当につけた名前であった。
しかしグループ名をメンバーで考え、さくらの考えたフランボワーズとたえのくしゃみからリリィの提案で「フランシュシュ」という名前をつけた。

源 さくら(みなもと さくら)

CV:本渡楓

1991年4月2日生まれ、2008年4月7日(仏滅)没。享年17歳。
本作の主人公で、ゾンビ1号。
幸太郎のつけた伝説名は無し。唐津弁で喋る。
死因はトラックに撥ねられたため。
その際に頭に傷を負ったため、ゾンビ姿では頭に大きな傷跡がある。
普段は死んだときに来ていた制服を着用。

メンバーの中で一番最初に自我が芽生えた。
幸太郎曰く、特殊メイクを試しに施して鏡を見せたところ驚いて気絶し、生前の記憶を失って自我が目覚めた。
しかし幸太郎がそう言っているだけで本当なのかどうかは定かでは無い。
記憶喪失であったため、記憶が蘇る11話までは公式サイトでプロフィールが全て「?」になっていた。
記憶は無いが、アイドル活動に対して前向きで楽しさを覚えている。
練習もなくいきなりステージに立たされるが臨機応変に対応し、失敗しつつも何らかの成果を得ている。
常識的で少しどんくさい面があるが、ライブなどでは腹が据わっており、歌やダンスもこなせていてポテンシャルが高い。

生前は一つの事に熱中し頑張ることが出来る努力家で、勉強もスポーツも努力でこなす文武両道。
しかしさくらは決定的に「運」や「特別な何か」に恵まれず、全ての努力がいつも台無しになってしまう人生を歩む。
そのため高校生になった時には「努力をしても無駄」「私は持ってない」と無気力になってしまう。
だがテレビで水野愛とそのグループ「アイアンフリル」に憧れを持ち、自分も愛のようになりたいとアイドルを目指す。
アイドルオーディションを受けるための応募封筒を持ち外に出た所でトラックに轢かれて死亡。
その後生前の記憶を失った状態のゾンビとして目覚めた。
11話で死んだときと同じくトラックに轢かれたことで記憶を取り戻し、逆にゾンビになった後の記憶を失ってしまう。
ゾンビになった後のさくらは前向きで明るい性格であったが、生前の暗くてネガティブな性格に戻ったことでメンバーと確執が生まれる。
自分の運の無さでフランシュシュを台無しにしてしまうと思っていたため、アイドルをすることを頑なに拒むが、幸太郎やメンバーの説得で練習に参加。
フランシュシュ初の単独ライブでは大雪に見舞われステージが雪の重みで崩壊してしまうが、それでも歌い続け、ステージの中で記憶を取り戻した。

二階堂 サキ(にかいどう さき)

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