川柳少女(Senryu Girl)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『川柳少女』とは、週刊少年マガジンで連載されている漫画、及びそれを原作としたアニメ。原作者は五十嵐正邦である。
川柳を題材に主人公の雪白七々子と彼女が想いを寄せる同じ文芸部の毒島エイジを中心に展開される学園ラブコメディである。話の大半はギャグシーンが多く、最後の大ゴマで恋愛要素を含めた落ちで締めくくられるというのが主なストーリー構成となっている。

『川柳少女』の概要

『川柳少女』とは、2016年47号から週刊少年マガジンで連載されている日本の4コマ漫画である。原作者は五十嵐正邦で、ジャンルはギャグ・ラブコメ。
五十嵐正邦は『タクシード』で第67回赤塚賞佳作を受賞した。主にコメディ、ギャグ漫画を中心に執筆活動を行なっている。他に『凸凹アニメーション』『まったく最近の探偵ときたら』などを手がけている。

本作の題材である川柳は、作者が表現の制約を設けたほうが面白いという考えから今作のテーマにしており事前にネタ帳にまとめてそれを基にストーリーを作成している。
基本的には1話完結で物語は進むが文化祭編やクリスマス編などは話が続く場合もある。さらに、話が進みに連れて歳月も進むため、連載当初3年生だった大月琴が卒業する番外編や2年生の片桐アマネが進路を顧問の倉に相談する話などが登場する。

2019年4月にアニメ化が決定され、主人公の雪白七々子役の声優は週刊少年マガジンの公式YouTubeにて公開された特別PVの時と同じ花澤香菜が担当している。毒島エイジ役は畠山祐、片桐アマネ役は矢作紗友里、大石琴役は逢田梨香子がそれぞれ担当し、逢田梨香子は同作品のED曲を歌う事が決定した。

『川柳少女』のあらすじ・ストーリー

七々子のエイジの出会い

自分の気持ちを5・7・5の川柳で伝える雪白七々子は、同級生の元ヤンキー・毒島エイジに恋をする高校1年生。彼女はエイジと共に文芸部に入部しており、当初は七々子が恥ずかしがりながらも積極的にエイジにアピールしていく。

彼女達が出会ったのは中学3年の冬。当時、西中の悪魔と恐れられていたエイジはよく他校から喧嘩を売られ、飛びかかる火の粉を払うため喧嘩をするという日々を送っていた。そんな生活に嫌気がさしたエイジはある時、喧嘩相手に言ったセリフが偶然、5・7・5の軽快なリズムになり、この事がきっかけで川柳の虜になった。

川柳に興味を持ったエイジはクリスマスに公民館で主催されていた川柳の集会に足を運んだ。道に迷ったため集会も終わりに近づいた頃になんとか参加する事ができた。エイジは隣の中学の制服を着た女の子の発表を聞いた。その女の子こそ、中学時代の七々子だった。
中学の頃の七々子は川柳の技術は高いものの、引っ込み思案な性格も災いして集会でも浮いた存在になっていた。初めての川柳を目の当たりにしたエイジは感動した様子だった。次はエイジが発表する順番となり、エイジのはクリスマスを題材に「サンタさん 親父の寝タバコ やめさせて」と川柳のルールを度外視にした個性的な句を読み周りを困惑させる。そんな中、七々子だけはエイジの句を気に入り、1人拍手をエイジに送った。
集会の帰り道、エイジは自分の句を誉めてくれた七々子に声を掛ける。エイジは感謝を述べつつ、またどこかで会った時に川柳を教えて欲しいと約束して別れた。

それから1年。同じ学校になった2人は文芸部部長の片桐アマネ、エイジの幼馴染の大月琴、同級生の矢工部キノや花買タオなど、個性豊かな仲間達と共に楽しい学園生活を過ごしていた。

恋のライバル・五町登場

七々子の大胆なアプローチや文芸部の活動を通じて次第に七々子への好意を自覚するようになるエイジ。エイジは七々子の弟の恋愛相談を受けた時、自分の気持ちを5・7・5にまとめられるようになったら七々子に伝えると弟にほのめかす。
そんなある日、文芸部のメンバーが廊下を歩いていると、ある少女に呼び止められる。彼女の名前は明司五町といい、不良のような風貌をしていたが、今一つ迫力が足りなかった。彼女は元々本が好きな文学少女だった。実は中学生で図書委員をやっていた時、不良に絡まれている所をエイジに助けられた過去があり、それがきっかけでエイジに好意を寄せていた。不良のような格好はエイジに気に入られるためだった。

高校生になった五町はエイジに気持ちを伝えようと一大決心する。
不良であるエイジといつも親しくしている七々子も同じように不良だと勘違いし、七々子を警戒するようになる。
七々子と接するうちに誤解が誤解を生み、不良疑惑を払拭しきれない五町だったが、携帯のゲームアプリをきっかけに自身と共通している部分を見つけ、七々子に歩み寄る。この出来事をきっかけに五町は七々子と友達になる。

お互いの気持ちを伝えきれない七々子とエイジ、エイジに自分の気持ちを伝えたいが友達である七々子を裏切れない五町という三角関係のような恋が展開されていく。

『川柳少女』の登場人物・キャラクター

文芸部のメンバー

雪白七々子(ゆきしろ ななこ/CV:花澤香菜)

今作の主人公で文芸部に所属する高校1年生。小さな頃から人とのコミュニケーションを川柳で行っている。理由は文字制限をすることにより考えをまとめやすくするためである。しかし、簡単な挨拶や身振り手振りなどで意思疎通を図ることもある。
その事で小さい頃はからかわれ、一時期あまり外出しない時期があった。しかし、クリスマスの時に行った川柳会でエイジと出会い、彼の言葉に救われ外に出るようになる。
エイジのことが大好きで彼に好意を寄せている。基本的には恥ずかしがり屋だが、エイジ時の前では時に大胆な行動をとることが多い。
寝起きはかなり悪い方。毎回弟が起こしにきてくれるが、それでも寝ようとするほどである。一緒にゲームをしたりするなど兄弟仲はいい方で、弟のことをかなり可愛がっている。また、エイジの妹とも仲が良く、一緒にお遊戯で楽しんだりしている。

毒島エイジ(ぶすじま えいじ/CV:畠中祐)

七々子と同じ文芸部に所属している元ヤンキーの同級生。強面ですぐに喧嘩を売られてしまい、中学では西中の悪魔と恐れられていた。
ある日、相手に言った言葉が偶然5・7・5になり、そこから川柳にハマるようになる。川柳のウデはいまいちではあるが、七々子はエイジの作った作品のファンでもある。
デリカシーのない発言が多く、アマネやタオによく指摘されているが根は優しい性格である。腕力に自信があり、絡まれた時に携帯を粉々にして相手を威嚇するが、携帯は本人のものを使用しているため、毎回壊したことを後悔している。
まだ幼い妹がおり、妹を溺愛している。自分のことを褒めてくれた時はハイレゾ録音で音声を残そうとしていた。

片桐アマネ(かたぎり あまね/CV:矢作紗友里)

文芸部の部長で七々子たちの先輩にあたる人物。彼女らの恋を応援しつつ観察もしている。ツッコミ役に回る事も多いが自分の行動も抜けている事が多いため、ボケ役に回る事も多い。
北金まりあという名義で小説家として活躍しているが、本人は周りに隠している(しかし、周りのメンバーは気づいている)。倉は彼女の本を愛読しているが、アマネ本人だとはまだ気づいていない。
他の人の恋の機微には相当敏感である。また、観察と称して尾行する癖があり、その際はサングラスで変装する。
当の本人は恋愛に関して強い憧れを抱いている。自身の小説の中では力があり頼れる男らしい共通の人物が描かれており、理想のタイプが投影されているのではないかとタオによって示唆された。それに該当する人物として柔道部の主将が候補として上がるが、それを否定していた。しかし、だんだんと意識しているようである。

倉阿佐子(くら あさこ)

前任の先生がある事情で入院する事になり、途中から入れ替わりという事で顧問になった新米教師。どこかゆるい印象で抜けている事が多い。そのため、日常生活でも支障をきたすほどの勘違いを多々するため先輩の先生にはいつもハラハラしている。
しかし、いい意味でもノリはよく、アマネが持ってきたテレビゲームを見つけた際には咎めもせず、ゲームの必須アイテムとしてお菓子を持ってきた。その時、「いい人だけど教師に向いてない」とアマネに指摘された。
意外にも生徒の特徴や部活、苦手科目などを記したノートを作成したり、進路に悩んだアマネにアドバイスするなど教師としてしっかりと生徒たちを導く。

その他の登場人物

明司五町(あかし ごまち)

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