初恋限定。(Hatsukoi Limited.)のネタバレ解説・考察まとめ

『初恋限定。』は、河下水希による漫画作品。
『週刊少年ジャンプ』にて、2007年44号から2008年26号まで連載された。
中学2年生の有原あゆみと江ノ本慧を中心に、中学生と高校生計8人の恋が同時進行で進む姿を描いたオムニバス作品だが、連載期間は約半年と短命に終わった。
いわゆる「打ち切り」となった作品であるが、打ち切りに遭いながらドラマCDやアニメといったメディアミックス化された珍しい作品でもある。

岬と夕のクラスメイトで、クラスの委員長と、後に水泳部を掛け持ちする事になる。

中学では全国1位になり、オリンピック候補生として将来を期待されるなどかなりの実力を持つスイマーだったが、胸が大きくなって水着を着るのが恥ずかしくなったとの理由で水泳を辞めてしまう。

高校では泳ぎたくないという理由でプールがなく、水泳の授業も水泳部もない学校を選んだものの、彼女にとって初恋の人であり、更には自ら水泳部を立ち上げ、近所の市営プールを借りて密かに活動していた武居源五郎と再会し、水泳勝負を要求される。
水泳はもう辞めたと断るが、毎日のように半裸でやって来る彼の熱意に折れて水泳勝負を行い、得意の背泳ぎで勝利する。

後に、部員不足となって廃部の危機に直面した水泳部を救うためマネージャーとして入部するが、2年生に進級後、スイミングクラブの後輩で自分を追って水泳部に入部した久間菜の花との勝負に負けた悔しさから水泳部から離れる。

水泳部を抜けてからはイメージチェンジで巨乳をアピールする制服の着崩しスタイルに挑戦するなど水泳とは無縁の日々を送っていたが、めぐるを連れ戻しに来た武居と再び勝負する事になり、今度は完膚なきまでに叩きのめされてしまう。

勝負に負け、悔しい気持ちを露わにするが、悔しいなら水泳を辞めるべきではないと改めて説得する武居に対して、胸を見られる事が恥ずかしくて水泳を辞めた事を打ち明けるが、武居は全く気にしておらず「気にするな」という彼の言葉によって正式な部員となり、以後は武居のクロール以外誰も勝てないほど圧倒的な、かつての泳ぎを取り戻す。

久間菜の花(きゅうまなのか)CV:矢作紗友里

武居とめぐるとは同じスイミングスクールの後輩であり、ライバルと呼ぶめぐるの後を追って水泳部に入部する。

小学生のような小柄な体格とかわいらしい容姿のため、久々に会っためぐるから頭を撫でられるなど子供扱いされるが、水泳の実力は高く、2年のブランクというハンデこそあったものの元オリンピック候補生だっためぐるに勝つなど実力は高い。(但し、この勝負がきっかけとなってめぐるが選手として復帰してからは当時のカンを取り戻した事もあって一度も勝てていない)

久間という苗字のためめぐるからは「Qちゃん」と呼ばれるが、そのあだ名は嫌っている。

高校生男子

財津操(ざいつみさお)CV:乃村健次

私立黒骨高校に通う衛の兄で、強面な風貌も手伝って近所では有名人となっている。

たまたま見た衛のクラスの集合写真に写っていたあゆみに一目惚れをしてラブレターを渡すが、その場にいた女子全員から恐がられるなど、194センチの長身に超強面という恐すぎる外見のせいで初対面の相手から避けられる事が多く、あゆみ達が慣れるまでまともに接してくれる異性は幼馴染みで付き合いの長い岬だけだった。

不良と喧嘩する事も多いが、実際の性格は家出した衛を本気で心配するなど弟想いで、当初は嫌っていたあゆみも彼の優しい性格は認めている。

見た目に似合わずという言葉は失礼だが、超が付くほど几帳面で、服を畳んだ母親の畳み方が気に入らないと自分で畳み直して満足する(それを見た岬が呆れる)など強いこだわりを持っている。
また、動物好きで窓の外にいる鳥に餌を与えているが、操が見ている前では近寄って来ない。(但し、窓を閉めたら喜んで食べてくれる)
子供の頃はハムスターを飼っていたが、操の顔が恐いためストレスで死んでしまうなど、動物好きでありながら動物からは全く好かれない。

有原有二(ありはらゆうじ)CV:吉野裕行

あゆみの兄で、妹を誰よりも愛するシスコンだが、あゆみからは蹴られたり冷たくあしらわれたりするなど妹への愛情は空回りしている。

クラスメイトの山本岬から好意を寄せられるが、有二自身は妹以外の異性に興味はないという態度を終盤まで貫いていた。
岬に対して素っ気ない態度を取る有二の態度を見かねた良彦から岬と向き合うよう言われ、初めてあゆみ以外の異性の事を真剣に考えるようになる。

岬の事が好きだった衛と良彦から彼女を結果的に「取ってしまう」ような形となり、良彦との関係も気まずいものとなるが、お互いに山本岬がきっかけで仲が悪くなりたくないので、有二は岬と真面目に向き合う事を良彦に伝え、良彦も有二と岬の恋を応援する事でお互いに納得した。

別所良彦(べっしょよしひこ)CV:日野聡

小宵の兄で、常に妹から好意を向けられており、日頃から「お兄ちゃんLOVE」を公言する小宵のブラコンぶりに頭を悩ませているが、基本的に兄妹の仲は良く、同じく妹がいる有二とはお互いの妹自慢で喧嘩する事が多い。

少なくとも初登場する前から岬の事が好きで、彼女が興味を持った有二に関する相談相手として交流を持つようになるが、岬とは友達以上の関係になる事はなかった。

岬にフラれてからは有二を応援する事に徹し、妹以外の異性に興味はなく、好意を向ける岬に対して素っ気ない態度を取る有二に岬と向き合うよう進言する。

この結果岬と有二の関係は大きく進展する事になり、地味ながらも重要な役割を果たした。

千倉一真(ちくらかずま)

名央の兄で、同じく妹のいる有二、良彦とは同じクラス。

写真部所属だが、アニメ版には登場しない。

妹自慢で喧嘩する有二と良彦に呆れながらも仲裁するなど三人の中で一番性格的に大人であり、クリスマス当日風邪を引いた名央を看病をするなど、妹とは仲がいい描写がある。

主要人物である有二、良彦と違って出番も少なくアニメにも登場しないが、小説版では、第2話『ウィンター・フォトグラフィー』の主人公として活躍する。

上村(うえむら)

有二達や岬達と同じクラスの男子生徒で、漫画家志望。

江ノ本夕の事が好きで彼女をモデルにしたキャラクターの漫画のネタを考えている。
自分の絵を見た夕から絵が上手と褒められた上に、更には最高賞金500万円が出るマンガ大賞の応募を勧められた事によって、賞金を元手にした結婚式に新婚旅行など好き勝手妄想する。

漫画を描くための画材道具を買うため夕と一緒に秋葉原に繰り出すなど二人だけの時間を楽しむが、実のところ夕は他にも男子との約束を入れており彼女の幅広い交友関係に驚くとともに、恋愛面に関して自分はノーチャンスである事を思い知らされる。

作中で登場するのはこの一回のみで、アニメでは彼の登場するエピソードはカットされたため登場しなかった。

武居源五郎(たけいげんごろう)CV:中井和哉

水泳部の部長で、暑苦しい見た目通りの熱血漢。

プールも水泳部もなかった水仙寺高校に自らメンバーを集めて水泳部を立ち上げるなど行動力もあり、自分達で作った水着で大会に出たいと語るなど水泳を何よりも愛しており、出番は少ないが水泳に関する名言が多い。

スイミングスクールの後輩であるめぐるにとって初恋の相手ではあるが、武居自身水泳一筋のため片思いである。

巨乳好きで、めぐるくらいの胸の大きさが好きと発言しているが、めぐるの事は異性ではなく有望な選手として見ており、残念ながらめぐるとの恋に発展する要素は皆無だった。
とはいえ、武居とまた一緒に泳げる事でめぐるは満足していた。

連城由紀人(れんじょうゆきと)CV:石田彰

leina19y6
leina19y6
@leina19y6

Related Articles関連記事

いちご100%(河下水希)のネタバレ解説・考察まとめ

いちご100%(河下水希)のネタバレ解説・考察まとめ

『いちご100%』とは、河下水希が週刊少年ジャンプにて連載していた漫画作品、あるいはこれを原作としたアニメ作品である。ジャンルはラブコメディー。 頼りないが夢に対してはまっすぐで情熱的な少年真中淳平をめぐって様々な恋模様が展開される。それらを通じて人間関係のすれ違いや将来の夢への苦悩を経験する中で登場人物が内面的に成長していく様子が描かれている。本筋に関わる部分でのヒロインたちの繊細な心情の描写とそれ以外の部分でのお色気、ギャグといったコメディ要素とのギャップが大きな魅力の一つである。

Read Article

大斬-オオギリ-(西尾維新)のネタバレ解説・考察まとめ

大斬-オオギリ-(西尾維新)のネタバレ解説・考察まとめ

『大斬-オオギリ-』とは、2014年から集英社の複数の漫画雑誌をまたいで掲載された漫画。編集者が出したお題に沿ったネームを西尾維新が書き、それをさらに9人の漫画家が形にするという、他漫画でも類を見ない構成が人気を集めた。9編全てがまったく異なるテーマを採用しているため、アクションからミステリー、恋愛ものやSFなど幅広いジャンルのストーリーが展開されている点が特徴である。

Read Article

ジャンプで連載された「ちょっとエッチな美少女漫画」シリーズまとめ

ジャンプで連載された「ちょっとエッチな美少女漫画」シリーズまとめ

ジャンプといえば「遊戯王」や「ドラゴンボール」、「ワンピース」、「NARUTO」など、熱血バトル漫画が多いですよね。しかしながら、そんな表舞台の外側では、密かに爆発的な人気を誇っていたのが「ちょっとエッチな美少女漫画」シリーズです。「いちご100%」や「to loveる」など、世代によって既知か否かはまちまちなので、今回まとめてみました。

Read Article

目次 - Contents