うみねこのなく頃にの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『うみねこのなく頃に』とは、同人サークル『07th Expansion』が発売したサウンドノベルゲームや、それを原作としたメディアミックス作品のことである。
この物語は、孤島で起きた連続殺人事件の真相が人の手によるものなのか、はたまた魔女の仕業なのかを焦点に話が進む。うみねこの世界では「魔法」と「愛」が密接に関わりあっている。現実世界において、本当の魔法とは何か、愛とは何かを問いかける数々のセリフが、読者や視聴者の心を惹きつけた。

魔法とは⋯えぇ、はっきりと言えるわ。⋯愛が無ければ視えない。

『episode4』での縁寿の独白。縁寿は故人を偲ぶ旅に出て、遂に六軒島にたどり着く。連続殺人事件の後に六軒島では爆発事故が起きたため、事件当時とは地形が変化していた。縁寿は旅をする中で、魔女が大好きで仲の良かった従兄弟の真里亞から教わった『魔法』について考えていた。真里亞からは、キャンデーがたくさん出る魔法やピーマンを美味しく食べられる魔法を教わった。しかし、幼かった縁寿は、魔法なんてあるわけがないと真里亞に伝え、彼女の心を傷つけてしまう。しかし、大人になった縁寿は真里亞に教わった魔法を思い浮かべる。そして、『魔法』の本質に気がついた縁寿が心の中で言ったセリフである。縁寿のいう『魔法』とは、魔法陣を出したりビームを撃ったりするというものではなく、辛い現状や苦手なものをちょっとした切っ掛けや行動でより良いものにするということだ。例えば、真里亞の魔法の中の「キャンデーを沢山出す」というのは、飴を沢山用意して魔法で出したように見せかけるという『手品』だが、『魔法』と思うことで幸せや夢を得る。「魔法は愛が無ければ視えない」とは、現実では何て事のない手品でも愛を持ってその事柄を見ることで、魔法と認め、認識することだ。

⋯魔法はあるわ。⋯憎しみをぶつけるのはただの罪。そんなのは魔法じゃないわ。⋯私が本当の魔法を見せてやる。

出典: renta.papy.co.jp

『episode4』で、縁寿が須磨寺霞に言ったセリフ。縁寿は、マモンや真里亞の持っていたぬいぐるみを擬人化した存在であるさくたろうと共に、六軒島に向かっていた。縁寿が六軒島に訪れた目的は、家族の供養をするためだ。しかし、六軒島には須磨寺霞とその部下たちが待ち構えていた。須磨寺家は縁寿の母である霧江の妹で、右代宮家の財産を狙って縁寿に近づいた。須磨寺霞は実家を継ぐという役割から逃げて右代宮家に嫁いだ実の姉の霧江のことを恨んでいて、その娘である縁寿を殺すつもりで六軒島に来た。霧江が右代宮家に嫁いだ後、須磨寺霞は姉が継ぐはずだった仕事を全て押し付けられ、将来を誓い合った男性とは別れさせれれて政略結婚を果たした。そして、その後の人生も須磨寺家の当主という立場に縛られて、自由な時間は一切与えられなかった。
縁寿は須磨寺霞の部下に嬲られるがその間に須磨寺霞の人生について考え、彼女の辛い日々に同情する。しかし、縁寿が殴られている時に真里亞の魔導書を落としてしまい、須磨寺霞がそれを拾う。魔導書には、「空からあめだまを降らせる魔法」や「魔法の友達を呼び出す方法」が書かれていた。須磨寺霞は、それをバカにしながら読み進め、本を破り捨てる。「魔法なんてバカバカしい」と、真里亞の純粋な思いを否定された時に縁寿はこのセリフを言った。そして、須磨寺霞たちの前で本物の『魔法』を使って見せる。
縁寿は「⋯さぁさお出でなさい。煉獄の七姉妹よ。」と呟き、魔女の手下で縁寿の友達でもある煉獄の七姉妹たちを呼び出した。うみねこの世界では、『魔法』は魔女を信じていない人の前では発現できなかった。しかし、縁寿は『魔法』の奇跡を信じたからこそ須磨寺霞たちの前でも魔法が使用できたのだ。

帰ってきてお兄ちゃんッ!私を独りぼっちにしないでッ!!!

出典: renta.papy.co.jp

『episode4』で、縁寿が戦人に対して『赤字』で言ったセリフ。赤字とは別名『赤き真実』といい、赤い字で語られた事柄には嘘が一切混じっておらず、真実の言葉となる(赤字で何かを語るときは嘘は一切言えない)。元々『うみねこのなく頃に』はサウンドノベルゲームなので、それを利用したシステムだったが、漫画やアニメでも忠実に再現されている。
もともと縁寿は、ベアトリーチェを倒すことを目的としている『奇跡の魔女』を名乗るベルンカステルという少女の誘いに乗って戦人対ベアトリーチェのゲームに参加した。その際、自分が戦人の妹であることは明かさないという契約を交わした(戦人が縁寿の正体を知ったら、戦人がさらにやる気を出して不利になるため)。
しかし、戦人はベアトリーチェから「戦人は明日夢の息子ではない」という事実を赤字で言われてしまい、ゲームに対するやる気を失ってしまった。明日夢は故人で戦人の母親で彼を生んだとされる女性だが、それを否定されて自暴自棄に陥る。戦人は明日夢との親子仲は良好で、明日夢の死後、明日夢の夫である留弗夫がすぐに霧江を後妻として迎えたことで留弗夫と戦人との親子仲が悪化した。霧江は現在の戦人の母親で、縁寿は霧江と留弗夫の間から生まれた。
明日夢と自分が本当の親子ではないと知った戦人は茫然自失となるが、縁寿はこのセリフを言って喝を入れた。彼女は身元をしっかりと保証するために赤字で言い、連続殺人事件の後、一人ぼっちになって寂しい思いをしたことを告げる。縁寿は「自分の正体を明かさない」ことを約束にゲームに参加したため、正体を言った時点で縁寿の死が確定していた。戦人を勇気付けるために、死の恐怖と戦いながら思いを告げた名言だ。

ごめんなさい、絵羽おばさん⋯。あなたにとって二人の娘である私との生活は地獄⋯だったと思う。でもあなたは最期まで自分の口を閉ざすことで私を守ってくれたのね⋯。あなたは私の⋯一番の味方だった⋯。

『episode8』で、縁寿が絵羽に言ったセリフ。絵羽は連続殺人事件から難を逃れたため、家族が皆死んで一人取り残された縁寿を引き取った。しかし、絵羽を連続殺人事件の首謀者だと結論付けた縁寿は、絵羽に対して心ないことを言ってしまう。絵羽もまた縁寿に辛く当たるようになり、連続殺人事件の真相も一切口にはしなかった。しかし、連続殺人事件の真相は縁寿の両親である留弗夫と霧江の犯行であり、絵羽は残酷な真実から縁寿を守るためにあえて真相を話さなかったのだ。
そのことを、『黄金卿』という天国のようなところで知った縁寿は絵羽に対して心から謝罪をした。これはその時の言葉で、今まで絵羽にぶつけていた憎しみを完全に払拭した名台詞だ。

ごめんね⋯そしてありがとう。私のもう一人のお母さん⋯。

出典: renta.papy.co.jp

二人が生きているうちに意思疎通できていれば、こんな光景もあったかもしれない。

同じく『episode8』の黄金卿のシーンで縁寿が絵羽に言ったセリフ。縁寿が絵羽に対して「私はあなたの一番の味方だった。」と伝えた後、絵羽もまた「私はそんな上等な人間じゃないわ。自己保身の気持ちだってあったし、自分の悲しみに溺れて結局はそれを全う出来なかった」と、母親としての役割を全う出来なかったことを謝罪した。そんな絵羽に、縁寿はさらに「それでも私を育ててくれた」と感謝の念を伝えてからこのセリフを言った。絵羽に対する家族愛に満ち溢れた名台詞だ。

右代宮の鷲はもう片翼じゃない。みんながくれた心の翼でどこへだって飛んでいける⋯!

『episode8』で縁寿が言ったセリフ。右代宮家の紋章は片翼の鷲の翼だった。しかし、黄金卿という名の天国で、亡くなった親族たちの後悔や思いなどを受け取った縁寿は、心の中に家族を住まわせることに決めた。これは、現実の世界で「亡くなった人は私たちの心の中で生きている」という意味と同等である。
このセリフは、たくさんの人の思いを受け取った縁寿が、これから未来に向けて歩み出すことを象徴したセリフである。右代宮の紋章は片翼で羽ばたくことはできなかったが、もう片方の翼を貰った縁寿は、皆のことを思い浮かべながらこれからの人生を一生懸命に生きて羽ばたき出す。

右代宮朱志香の名言・名セリフ

出典: renta.papy.co.jp

朱志香は金髪の女の子だ。快活で男勝りな性格だが、恋する乙女な一面も併せ持つ。メガネの男性は従兄弟の譲治だ。

人はさ、自分の中に自分が本当に好きになれる「もう一人の自分」を作り出せるんだよ。

『episode2』で朱志香が嘉音に言った言葉。嘉音は右代宮家に仕える使用人で、朱志香は嘉音に恋をしている。嘉音は幼い頃からずっと使用人として育てられてきたせいか、自由に生きることを諦めていて、悲観しがちな性格だった。そんな嘉音に対して朱志香が言ったセリフだ。
『episode7』でこのセリフの深い意味が掘り下げられるが、朱志香自身も右代宮家の令嬢として、自分の生活やしがらみの中に囚われていた。環境を変えるのは容易ではないため、朱志香は「私は今の自分はそのままに⋯本当になりたい自分をもう一人、生み出すことを思いついたんだ。」と、語る。良家のお嬢様としての生活に窒息しそうになっていた朱志香だが、「だからって家で破天荒は出来ないからさ。それで家で大人しく親の言うことを聞く私に加え⋯本当になりたい私を生み出したんだ。」と言って、学校では軽音楽でバンド活動をしたり、友達と仲良くおしゃべりをする活発な自分を生み出した。
episode7でベアトリーチェの話を聞くために六軒島にやってきたウィルは、朱志香のことを「朱志香という少女は生い立ちも家族も言い訳にしない。自分のやりたい事については揺るぎなく真っ直ぐだ。」と評した。仕事や人間関係などで苦しい生活のなかでどのようにすれば楽しい毎日になるのかという、現実世界にも繋がる朱志香の生き方の名言だ。

この右代宮朱志香ッ!嘉音くんに胸を張れない生き方をしてきたつもりはないぜッ!!

出典: renta.papy.co.jp

『episode8』で、偽物の朱志香やヤギ頭の男たちに言ったセリフだ。朱志香たち親族は、死後は黄金卿という天国のようなところにいた。安らかな時が流れる場所だったが、古戸ヱリカやヤギ男たちによって襲われる。ヤギ男とは、体は人間で頭は山羊の怪物のことで、古戸ヱリカは他人を屈服させるのが何よりも好きな少女だ。そして、彼らは死者の人格まで貶めるためにそれぞれの人を殺人鬼として描いた偽物を用意する。嘉音は朱志香の偽物に襲われるが、朱志香本人によって倒された。
朱志香の堂々とした生き方が格好よく響く名台詞だ。

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@0tasupon129

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