Cutie Honey Universe（キューティーハニー）のネタバレ解説・考察まとめ

『Cutie Honey Universe』の概要

『Cutie Honey Universe』とは、1973年から1974年にかけて全25話で放送された永井豪原作のTVアニメ「キューテイーハニー」のリメイク版アニメの第4作である。
オリジナル版の「キューテイーハニー」は、これまで「新・キューティーハニー」（1994～1995・OVA・全8話）、「キューティーハニーF」（1997～1998・TVアニメ・全39話）、「Re:キューティーハニー」（2004・OVA・全3話）と3作がリメイクとして作られており、今回の「Cutie Honey Universe」は4作目のリメイクとなる。（それ以外にも実写映画2作、TVドラマ1作が作られている）
これまでの「キューティーハニー」のリメイク作品は全てオリジナル版を製作した東映アニメーション（旧東映動画）が製作に関わっていたが、今回は初めてプロダクション・リードによる単独製作となる。

早見団兵衛役にオリジナル版や「新・～」で同役を演じた富田耕生、如月博士役はオリジナル版で早見青児を演じた森功至、秋夏子には「Re:～」でハニーを演じた堀江由衣と過去作品にゆかりのある声優を起用している。
また、主人公である如月ハニー・キューテイーハニーを演じる坂本真綾とは別に、5つの変身形態（ハリケーンハニー・フラッシュハニー・ファンシーハニー・ミスティーハニー・アイドルハニー）にそれぞれ人気声優（内田真礼・黒沢ともよ・花澤香菜・田村ゆかり・三森すずこ）を割り当てているが、その声優は登場まで未公表であった。（第5話時点で全員公表済）

『Cutie Honey Universe』のあらすじ・ストーリー

キューティーハニーとジュネ

聖チャペル学園に通う女子高生・如月ハニー。しかしその正体は、空中元素固定装置による多彩な変身を駆使して犯罪組織パンサークローと戦う愛の戦士・キューティーハニーである。
宝石店を占拠したパンサークローの怪人に立ち向かうハニーの前に現れた、対パンサークロー国際機関（PCIS）の捜査官・ジュネ。冷静沈着で頼りになる彼女に心を許しはじめるハニーだったが、その正体はパンサークローの首領シスタージルだった。ジュネの指示を無視して宝石店へ突入したハニーの前に、怪人カッタークローや怪人バットフライクロー、怪人ブレストクローが現れる。ハニーがカッタークローを倒し、ジュネがブレストクローを射殺した。しかしバットクローを追うハニーの前に、シスタージルが現れる。ジルはハニーを痛めつけ、寸でのところまで追いつめると、白バラを投げて消えていくのだった。

ハニーに接近したジュネは、捜査協力を装ってハニーから如月博士が殺害された経緯や、空中元素固定装置の秘密を聞き出そうとする。その一方でシスタージルとして新たな怪人を作り出し、PCIS捜査官の早見青児を襲わせることでキューティーハニーをおびき出そうとしていた。爆弾で負傷した青児を殺害しようと現れたパンサークロー怪人を病院で迎え撃ち、無事倒したハニー。だが、ジルは自作自演の事件でハニーとの信頼関係を深めていく。

ハニーとその親友の夏子は、街で偶然出会ったジュネとお茶をすることに。ジュネから白バラを贈られた夏子はクールビューティーのジュネに夢中になり、ジュネは夏子をデートに誘う。デートの当日、ハニーはパンサークローの起こした立て籠もり事件の対処に追われていた。ジュネが「服を買ってあげよう」と夏子を連れていったデパートは、パンサークローが怪人の素体を誘拐するために使っていた場所だった。ジュネとはぐれた夏子は、誘拐事件の主犯であるバットフライクローに襲撃される。デートの邪魔をするためにスケバンの直子が2人の後をつけていたため、危ないところを救われた夏子だったが、直子も傷ついて倒れてしまう。バットフライクローに襲われそうになる中、そこへ駆けつけたのはジュネからの通報を受けたハニーだった。ハニーはバットフライクローを倒して夏子や直子を救ったが、夏子はジュネへ不信感を抱くのだった。

聖チャペル学園壊滅作戦

パンサークロー怪人をおびき出すため、ジュネの提案でハニーを囮に使う作戦を決行することになったPCIS。ミスティーハニーのゲリラライブへ現れた怪人たちと戦うが、タランチュラパンサーの糸により身動きできなくなったハニーは、パンサークローの研究所へと運び込まれてしまう。

しかし、そのハニーは偽物だった。戦闘員に変装して脱出していたハニーは、再変身しトマホークパンサーを倒すものの、エネルギー切れでシザースパンサーに苦戦。公園の銅像に変身することでなんとか追跡を逃れる。追っ手の気配が消えるまで銅像のふりをするハニーだったが、通りがかりの団兵衛と順平からエッチないたずらをされ、ハニーは銅像の姿のまま怒鳴って追い返す。やっと回復したハニーと青児たちは合流するが、発信機の故障で作戦は失敗、青児はこの作戦を主導したジュネに疑念を抱く。一方、タランチュラパンサーはジュネがジルであることを知るのだった。

箱浜市長の寺田倫子がパンサークローと繋がっているという情報を入手したPCIS。ハニーはフラッシュハニーに変身して取材を名目に市長と面会する。真偽を確認しようとするものの、最初の接触では逆に言い負かされてしまう。しかし、ジュネから市長が武器の密造販売を手掛けているという情報を得たため、その証拠を掴むために工場があるという無人島へ青児と共に潜入した。そこには財界人として市長に招待された団兵衛と順平も同行していた。

財界人たちへ武器工場への投資を要求する市長を激写するフラッシュハニー。正体を現した市長、アイアンサドーは、人間を材料にしたマネキン人形を人質にしてハニーへ投降を迫った。抵抗できないハニーを鞭で痛めつけるアイアンサドーだったが、団兵衛の機転で人質は解放され、ハニーの反撃によりアイアンサドーは倒されるのだった。一方、シスタージルは自身での出撃を決意し、随伴としてスネークパンサーとドラゴンパンサーを呼び寄せていた。

シスタージルは、ハニーの心の拠り所を奪うために聖チャペル学園の壊滅作戦を開始した。無数の気球船が学園上空に飛来し、無慈悲な爆撃を開始する。学園は廃墟になり大勢の生徒と教師が死んでいく。森に逃げ込んだハニーと夏子だったが、手柄を焦り先行したスネークパンサーと交戦。その追撃を逃れたハニーの前に現れたのは、シスタージルだった。学園を壊滅させたジルへの怒りを力に変えて戦いを挑むハニーだったが、その圧倒的な力の前に歯が立たない。辛うじて逃げたハニーだったが、戦闘不能に陥ってしまう。スネークパンサー率いるパペットパンサーの大部隊から戦えないハニーと夏子を救ったのはスケバンの直子だった。直子はハニーと夏子を湖に逃がすと、爆弾の直撃を受け止めて死亡する。それを見たジルは、スネークパンサーがハニーを殺害したと思い込み粛清した。なんとか生き延びたハニーは、学園生徒や直子たちの復讐を誓い血の涙を流すのだった。

全てを奪われるハニー

居場所を失ったハニーと夏子は早見家の居候となる。一方、青児は重力トンネルの秘密を調べてハニーを支援する方法を研究していた。夏子は以前から不審に思っていたジュネに対して直談判を試みるが、一方的にハニーへの想いを語るジュネの姿を見て、不信感が確信へと変わるのだった。

ハニーは何者かが部屋に置いた赤いバラを見て、学園崩壊のトラウマを抉られパニックに陥る。自分のために大勢の人が殺されたことを悔やむハニーは、意を決して夏子の前で変身し、自分が人間ではなく空中元素固定装置を持つアンドロイドであることを告げた。ハニーの正体がアンドロイドであることを知って以降、気まずさが漂う夏子とハニー。それを察した青児は、夏子に如月博士のことを話し、悩みは時間が解決すると諭す。

そんな中、シスタージルはタランチュラパンサーとオクトパンサーに夏子の誘拐を命じる。ジュネとして夏子をナイトプールに呼び出し、タランチュラパンサーが夏子を狙う。しかしタランチュラパンサーはハニーのことで苦しむ夏子に自分を重ねてしまい、誘拐をせず夏子にアドバイスをして帰してしまう。タランチュラパンサーの言葉で吹っ切れた夏子はハニーをデートに誘い、自分の気持ちを打ち明ける。お互いへの強い想いを知った二人は、今まで以上の絆で結ばれるのだった。しかし夏子は夜中に早見家を抜け出してジュネと直談判をしたことでパンサークローに囚われてしまい、それを追うハニーはオクトパンサーと激突。苦戦するハニーだったがタランチュラパンサーの檄で気力を取り戻し辛勝する。タランチュラパンサーはハニーに夏子を捕らえたのがパンサークローであることを告げると、エネルギー切れのハニーを見逃した。親友の奪還を誓うハニーは、戦いへの決意を新たにするのだった。

夏子を含めた人質の映像がPCISに送られてきた。シスタージルは、「1時間おきに人質を殺していく。止めたければ空中元素固定装置を取り出す手術を受けろ」とハニーに要求する。ハニーは焦り、PCISは必死で捜査するが、探し出した人質は全てパンサークロー怪人の死体だった。ハニーを精神的に追い詰めるためとはいえ、ジルの命令で仲間を殺し続けるタランチュラパンサーは苦悩していた。ジュネからの通信でようやく夏子のいるビルの屋上に辿り着いたハニーだったが、目前で夏子は落とされる。しかし、それを助けたのはタランチュラパンサーだった。夏子を助けようとしたハニーはジルに阻まれ、夏子への共感とジルへの忠誠で苦悩するタランチュラパンサーは二人に分裂。善の心を持つ黒いタランチュラは夏子を助けようとするが、悪の白いタランチュラによって夏子は殺されるのだった。

ジルとの最終決戦

夏子を失ったハニーは、復讐心のままパンサークロー怪人を倒し続けていた。ハニーは無謀な戦いを繰り返し、青児の説得すら受け入れない。そんなハニーの前に、黒いタランチュラとそれを護衛するドラゴンパンサーが現れた。黒いタランチュラを殺そうとするハニーだが、弱った体で無理に戦ったため、ドラゴンパンサーに一蹴される。黒いタランチュラはハニーを庇い、夏子を殺したくなかったことを伝えた。そしてハニーもまた、黒いタランチュラのことを信じる。

パンサークローを離反した黒いタランチュラパンサーとドラゴンパンサーは早見家に住むことになる。黒いタランチュラがハニーに近づいた目的は、ハニーに夏子の形見の指輪を返し、彼女の最期の想いを伝えることだった。夏子の遺した想いを受けて吹っ切れたハニーは、攻勢に出るためにパンサークローの本拠地を目指す。

ハニーに生け捕りにされたパンサークロー怪人から本拠地を聞き出そうとするPCIS。怪人に憑依したシスタージルは、ハニーへ本拠地である幻城へ来いと言う。思い詰めたハニーは青児の助力を拒み単身幻城へと乗り込もうとする。同行を申し出た黒いタランチュラを止め、ドラゴンパンサーがハニーを幻城へと連れて行く。遂に幻城の玉座に辿り着いたハニーだったが、そこでジュネがシスタージルであったことを知らされ、ショックで心を乱し戦闘不能になってしまった。そんなハニーを助けたのはドラゴンパンサーだった。ドラゴンパンサーの喝で戦う気力を取り戻したハニーは、二人で力を合わせてジルとの最終決戦に挑む。

合体怪人ギルパンサーと戦うハニーとドラゴンパンサーだったが、シスタージルの攻撃によりドラゴンパンサーは殺害され、ハニーは絶体絶命の危機を迎える。そのハニーを救ったのは黒いタランチュラの力でキューティーハニーに扮した青児や団兵衛たち、実は生存していた直子、そしてPCIS捜査官による軍団だった。

戦力としては頼りない彼らだったが、彼らの存在で自分が独りでないことを知ったハニーは、空中元素固定装置の真の力を解放。全員が自分と同様の能力を持つキューティーハニー軍団を作り出し、パンサークローの軍団を圧倒する。そしてハニー自身も愛の力でジルを凌駕する強さを発揮し、遂にジルを倒す。ジルもまた、死の間際にハニーへの愛を自覚する。

戦いを終えたハニーは、再建された聖チャペル学園に戻り、平穏な日常へ帰っていくのだった。

『Cutie Honey Universe』の登場人物・キャラクター

ハニーとその変身形態

如月ハニー（きさらぎ はにー）

CV：坂本真綾

聖チャペル学園に通う女子高生。しかしその正体は如月博士が作ったアンドロイドである。
如月博士の研究所がパンサークローに襲撃されるまでは自分が普通の人間であると思っていた。
博士から愛情を込めて育てられたためアンドロイドながら人間以上に美しい心を持っており、困っている人や苦しんでいる人を見ると放っておけない性格である。パンサークローとの戦いではそれが災いし、自ら危機に身を投じることにもなっている。
平時の姿である如月ハニーは長い金髪に青い瞳である。

キューティーハニー

CV：坂本真綾

如月ハニーが変身する戦闘形態。「愛の戦士」を名乗る。
この形態の時は赤毛の短髪に赤い瞳である。
主要武器は長剣シルバーフルーレと左腕のリボンから発射する刃付きのブーメランであるハニーブーメラン。
ブーツは反重力装置を内蔵し、超人的な跳躍力を発揮するほかビルの壁面や飛行機の下に貼り付くことも可能である。
また、戦闘時には「重力トンネル」と呼ばれる外部から不可視となる筒状空間を形成して周囲への被害を防ぐ。
エネルギーを使用し過ぎる、または戦闘時にダメージを受けすぎると如月ハニーの姿へと戻ってしまう。また、精神的に不安定になるとエネルギー切れと同様に中途半端に変身が解けた状態になってしまうこともある。

キューティーハニーの必殺技

・ディメンジョンスラッシュ
シルバーフルーレで空間ごと相手を切断する必殺技。最も多用された。
・ディメンジョンスピン
縦回転しながらシルバーフルーレで相手を切り裂く必殺技。
・ハニークレッセント
シルバーフルーレに赤い三日月型のビームを纏わせて放つ縦回転斬り。
・グラビティウェーブ
触れたものを弾き飛ばす重力波。
・グラビティレイ
黒いシャワー状の光線。
・ハニーブーメランスピン
回転しながら無数のハニーブーメランを発射する。
・ハニーブロック
ハニーブーメランが回転することで発生するハートマーク型の障壁。
・名称不明
ハニーブーメランを連ねて回転させることにより生成されるドリル。キック技と併用することもある。

ハリケーンハニー