Cutie Honey Universe(キューティーハニー)のネタバレ解説・考察まとめ

『Cutie Honey Universe』とは、永井豪原作の伝説のアニメ「キューティーハニー」のリメイク版アニメの第4作である。
聖チャペル女学園に通う女子高生・如月ハニーが変身する愛の戦士、キューティーハニー。彼女は多彩な姿と能力を使い、空中元素固定装置を狙う邪悪な犯罪組織パンサークローと戦っている。
そんなハニーにパンサークローの首領・シスタージルは捜査官ジュネとして接近、頼もしい味方を装ってハニーと空中元素固定装置の秘密を探るのだった。

ジュネ「たとえ次元の果てにいても、見つけ出してみせる」

恋い焦がれる相手に向けるかのような台詞だが、シスタージルとして空中元素固定装置へ向ける欲望なのかジュネとして如月ハニーへ向ける執着心なのか。それともその両方なのかはまだわからない。

第3話「私はあなたにふさわしい」

ジュネ「私にも洋服をプレゼントさせてくれ…大切な人にプレゼントするのは私の趣味でな」

夏子とのデート中の台詞である。これ自体は何のことはないが、ジュネ=シスタージルが白いバラを贈ることで女性をパンサークロー怪人に仕立て上げていること、そしてその中から自分に見合うだけの存在になれるかどうかを選んでいることを考えるとこの台詞にこもったおぞましさが見えてくる。

直子「つい……体が……動いちまった」

今回のエピソードでいちばんの見どころかもしれないシーン。
ここまで大番長と言いながらハニーには手玉に取られ、ハニーと親密な夏子に嫉妬心を燃やしては子分たちをズッコケさせてきたコメディリリーフ的な扱いの直子だったが、ここにきて大番長の名に恥じない勇敢さと正義感を見せた。決して快く思っていたわけではない相手を助け、恩を着せるでもないところがまた大番長らしい。

シスタージル「あいにく無意味だったようだ」

バットフライクローの無惨な最期に対してかけたシスタージルの言葉がこれである。
自分への憧れを強く滲ませていたブレストクローを自身の手で射殺し(第1話)、やはり強い忠誠心を口にしたバットフライクローがキューティーハニーに歯が立たず敗死した時も役に立たない者は無意味と切り捨てる。冷酷で功利主義的なジルの性格をこれ以上なく示している台詞であった。

第4話「無垢の美しさ」

パペットパンサー(キューティーハニー)「ある時はロックシンガー、ある時はパペットパンサー……しかし、その実体は!」

オリジナル版「キューティーハニー」定番の名乗り口上のアレンジである。
なかなか今作では使用されないと思っていたところ、白石稔によるまさかの男性声優バージョンでの使用となった。
アルフォンヌ先生役としてクレジットされているが、今回はその出番がないためパペットパンサー役を演じていたのだがこんな大役?を任されるとは。

早見団兵衛「なんだか銅像のおっぱいが柔らかくなってきたぞい」

どちらかというと迷台詞だろうか。
今回、大ベテランの富田耕生が大活躍、この迷台詞のみならず「あっは~ん♡」「うっふ~ん♡」等と十数種類のお色気ボイスに挑戦するなど熱演。オリジナル版の団兵衛の頃に負けず劣らずの健在ぶりを見せつけた。

ジュネ「タランチュラ、お前もハニーに負けず劣らず純粋だな……」

ジュネ捜査官=シスタージルという二面性の真意を汲み取りかねて困惑しているタランチュラパンサーをからかったところ本気で落ち込んだ様を見ての台詞である。
シスタージルがタランチュラパンサーを側近として身近に置いているのも、粗野で凶暴な他の怪人とは違うものをタランチュラパンサーの献身に感じているからではないかと思われる。

第5話「死ぬまで気持ちは変わりません」

寺田倫子(アイアンサドー)「女性は強い。 それに比べて男性は粗野で偉そうで頭も悪い、ゴミ同然です」

今回はところどころにラディカルフェミニズム風刺を利かせたエピソードであり、女性政治家が男性への強烈な差別発言をするこのシーンにもそれが伺える。一方でパンサークローという組織の強い女尊男卑性は怪人たちの過去における男性嫌悪もあるのではないかと思われる。
第2話においてDV被害者の女性がファイアーパンサーに変身したことや今回ではアイアンサドーが団兵衛たちのマネキン人形へのセクハラに強い嫌悪を示したところ等。

シスタージル「気高く美しいなハニー…だがお前はもっと美しくなる…もっと、もっとだ」

これまでもハニーの心の美しさに強い執着心を見せていたジルだったが、今回からはそれがより激しくなり、もはや妄執とも言えるところにまで到達している。ハニーの観察にかまけて部下の怪人を露骨に邪魔者扱いをするようになり、またハニーが責め苦を受けている声を聞き性的興奮を覚える等の変態性が描写されている。
その果てにハニーを精神的に孤立させ、より心の美しさを際立たせるため第6話で描写される凄惨な殺戮劇を立案するに至ったジル。その狂気はどこまでエスカレートするのか。

フラッシュハニー「市長が秘密裏に悪の公共事業、明日の1面はこれで決まり!」

これも小気味良い政治風刺ネタである。悪の公共事業というフレーズの力強さが良い。

アイアンサドー「ホント、バカね。 女性が活躍する社会を作りましょうなんて言ったら、ホイホイ集まってきて」

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