覇穹 封神演義(第1話『封神の書』)のあらすじと感想・考察まとめ

太公望は、自分の師である元始天尊から「封神計画」について聞かされる。妲己と因縁深き太公望は、封神の書を託され、四不象と一緒に封神計画遂行に動き出す。
今回は「覇穹 封神演義」第1話『封神の書』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。
「覇穹 封神演義」第1話『封神の書』のあらすじ・ストーリー

夕日を背に崩れ落ちる崑崙山で、太公望と聞仲が戦っていた。
殷王朝の太師である聞仲の宝貝(パオペエ)金鞭から繰り出される鞭を太公望は、はじき返した。
太公望「聞仲、お主も殷も老いたのだ。今、人間界に必要なのは、新しい風であろう。お主は消えよ!」
聞仲「そのような幼く、浅い思想を持ったお前に人間界は渡せぬ。」
お互い死力を尽くし戦うのだった。

人間界にて悪しき仙人や道士が名を連ねる「封神の書」
500年続いた殷王朝は、妲己(殷国の皇后で仙女)の手によって国は大いに乱れていた。王宮にいるものは贅沢三昧な暮らしをするが、民には重税を課し、貧困のどん底であった。
崑崙山(三大仙人の一人である元始天尊が仙人たちを育成するために開いた山)にて、三大仙人の一人である元始天尊は弟子である太公望を呼び出した。そして妲己やその手下たちが人間界で好き勝手している状態について、このままでいいのか不満をもらした。そこで、元始天尊は「封神の書」を見せて「封神計画」について聞かせるのだった。

元始天尊が設置した封神台
「封神計画」とは、「封神の書」に書かれた365人の仙人たちの魂を神界に閉じ込めるというものだった。
元始天尊は、人間界と仙人界の間に神界をつくり、その中に封神台を置いた。封神台は、人間界で死亡した仙術能力の高い者の魂を引き寄せ、閉じ込めてしまう作用をもっており、封じられた者は転生できなくなってしまう。
続けて、元始天尊は、「妲己一人を倒しただけでは終わらない。人間界における強力な支配者がいなくなれば、全土が混乱する。それは避けなければならない。」と告げる。つまり、妲己を倒すと同時に新しい王が必要だということだった。王の候補は、西方諸侯の長である西伯侯・姫昌であった。元始天尊は、太公望に破門をちらつかせ、計画の遂行を指示するのだった。
太公望がその場を立ち去った後、元始天尊の弟子であり付き人である白鶴童子は、太公望がこの計画を実行するかどうか元始天尊に尋ねた。元始天尊は、太公望にはこの計画をやらなけらばならない妲己との因縁があると言うのだった。

幼き太公望は、自分の村が焼け落ちていくのを見ているしかなかった
まだ人間であった幼い太公望は、自分の家族や村が全滅になるほどの人狩りにあい、一人生き残った。昔、王が崩御すると、村の者が数人付き人として、墓に一緒に埋葬されるという風習があった。今回は皇后が大掛かりな人狩りを指示したため、移民であった羌族の村が狙われたのだった。
焼かれる村を太公望は呆然と見つめていた。そこに後ろから元始天尊が声をかけ、皇后について話した。皇后は、不老不死の仙女で、数百年前に人間界に下りて以降、名を変え姿を変え、殷の王宮に住み続けているということだった。その皇后こそが妲己であった。それを知った若き太公望は、妲己への復讐を誓い、元始天尊に導かれ、仙人となったのだった。

大気を操る宝貝「打神鞭(だしんべん)」

元始天尊が太公望に遣わした霊獣・四不象(スープーシャン)
太公望は、封神計画を担うことを了承した。そこで元始天尊は、仙人の力を増幅させる兵器である宝貝を太公望に渡す。渡された宝貝・打神鞭は、大気を操る宝貝であった。また、乗り物として、霊獣・四不象(以下、スープーシャン)を太公望に遣わせるのだった。

一方、王宮では最強のスーパー宝貝「雷公鞭」を持ち、黒点虎に乗る最強の道士・申公豹が紂王の皇后である妲己に「封神計画」について説明していた。300人以上の道士を統括する妲己には恐るるに足らない話であったため、太公望にも興味がない様子であった。しかし申公豹は、太公望に興味をもち、接触を試みるのだった。
太公望はスープーシャンに乗り、朝歌(殷の王都)に向かっていた。太公望は、眼下に羌族が羊を放牧しているのを見て、昔の自分を思い出していた。そんな折、スープーシャンに言われ、封神の書を確認した。1番目には「申公豹」の名前があった。その名を聞き、スープーシャンは恐怖のあまり涙した。申公豹は三大仙人より強いと言われていたからだ。それを聞いた太公望も恐怖した。

その時、申公豹が急激なスピードで太公望の真後ろに近づいてきた。驚く太公望に、申公豹は淡々と自己紹介をした。スープーシャンがどうして妲己に味方するのか聞くと、申公豹は自分は中立の立場であり、ただ王宮が住むのに適しているからだと答える。申公豹の強さを聞いた太公望は、分が悪いと思い、その場から立ち去ろうとした。
無視されたくない申公豹は、太公望の後を追った。太公望は申公豹の道化師のような服が悪趣味であると親切心で注意するも、悪趣味だと言われた申公豹は激怒した。宝貝・雷公鞭を振りかざし、太公望に向かって赤い雷撃を放った。

太公望の反撃で、申公豹の左ほほに血が流れたが、目の前に太公望はいなかった。申公豹が乗る最強の霊獣・黒点虎の千里眼で、太公望を探す。太公望は背にあった羌族の村を守るため、自ら傷を負いながらも申公豹に一矢報いたのだった。そのような行動を見て、申公豹は太公望を自分のライバルとするのだった。
太公望とスープーシャンは気を失って倒れていた。気がつくと、そこは殷王朝の墓前であった。太公望はその墓を見て、殺された自分の家族に封神計画の遂行を誓うのだった。

朝歌に到着した太公望たち。朝歌の民たちは奴隷のように扱われ、悲惨な状態であった。さっそく、太公望は妲己を倒すために王宮へ乗り込んだ。妲己を倒し、手下の仙人達の自然崩壊を狙う作戦だった。そのためにまずは紂王の誘拐を企てる。
その時、黄家の武将である武成王・黄飛虎に声をかけられた。王に会う目的を聞かれた太公望は、妲己を倒すつもりだと正直に答えた。その態度を見た黄飛虎は笑い、皇后に会えるよう、取りはからうと言って去っていった。

太公望は、紂王の御前で宮廷音楽家として働くことを許可された。太公望は、紂王に西の都で美女300人と宴があると言って、スープーシャンに乗せようとした。妲己はすかさず、太公望は紂王を誘拐するつもりなのだと指摘した。スープーシャンは妲己の誘惑の術にはまって操られてしまった。太公望はスープーシャンに乗って逃げることが出来ずに、捕らえられてしまった。
気を失っていた太公望が目を開けると、そこには同じく捕らえられた奴隷の羌族がいた。妲己は、羌族出身の太公望が信用ならないため、羌族を皆殺しにすると言い、蠆盆の刑(猛毒を持った生物のいるところへ落とす刑)を執行しようとしていた。太公望の前に刑を執行されることになった160名の羌族は、必死に抵抗するも手下の仙人たちの攻撃にあい、全員死んでしまった。

黄飛虎は太公望の服を蠆盆に投げ込み、死を偽装したと太公望に告げる。しかし、羌族の人たちが目の前で死んでいくのを見ていた太公望は、失意の中にいた。初めて太公望に会ったとき、ピンとくるものがあったという黄飛虎は、「世の中のために生かしておいたのだから、甘えは許さない。」と太公望に檄を飛ばすのだった。
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