クジラの子らは砂上に歌う(クジ砂)のネタバレ解説・考察まとめ
「クジラの子らは砂上に歌う」とは、「梅田阿比」による漫画作品。2017年にJ.C.STAFF製作でアニメ化。砂の海に浮かぶ巨大な船「泥クジラ」には、超能力「情念動(サイミア)」を操る「印」と、操れない「無印」がいた。印である主人公「チャクロ」は泥クジラの歴史を綴る記録掛りをしていた。チャクロはある日、砂の海を漂流してきた島で謎の少女「リコス」に出会う。
泥クジラや、砂の海を移動する船の心臓となる生き物。
泥クジラのヌースは「ヌース・ファレナ」。
帝国はヌースの母体「ヌース・アンスロポス」、「ヌース・スキロス」「ヌース・リコス」などの8体を保有している。
通常のヌースは感情を食べサイミアを与えるが、ファレナだけは感情ではなく命を食べている。
ファレナにはヌースの格のような存在のネリ・エマ、スキロスにはオリヴィニスがいる。
流刑の身であるファレナには舵がなかったが、舵であるコカロを手に入れた後は他の船と同様に目的地へ進むことが出来るようになった。
泥クジラ
砂の海を漂流している巨大な船。島のように見える。
居住区・工房・医療室などの建物、農園・貯水池・竹林などがある。
建物は全て泥で出来ている。
人口は1話の時点で513人。
ヌース・ファレナを積んでいるため、帝国の人からはファレナと呼ばれる。
泥クジラは元々は帝国と同じ国であったが、ヌースによる支配を拒んだ人間達が、感情を食べないファレナに乗せられ、魔の海域に流刑にされた。
当初は肌の色も帝国の人々と同じ褐色であったが、長い時間を掛けて白い肌になった。
泥クジラの民は長老会以外はその事を一切知らず、外の世界がどんな所なのかも知らないでいた。
帝国ではファレナに住む人間は、感情を持った野蛮な人間で地獄のような場所だと教えている。
帝国
ヌースによる感情統制がされた巨大国家。
住民は褐色の肌をしている。
ヌースを使って砂の海を自在に動ける唯一の国であったが、敵国がヌース無しでも砂の海に進出し危機感を持つ。
泥クジラへの攻撃は、建前は流刑になった泥クジラの罪人たちの処刑であったが、同時に泥クジラを発見され奪われることを恐れての襲撃でもあった。
8体のヌースを所持し、ヌース・スキロスは泥クジラとの戦いで失った。
皇帝と最高議会「魂召会(エクレシア)」が政治権を持っている。
人形兵士(アパトイア)
ヌースに感情を食べられた帝国軍人。
サイミアの力を持ち、淡々と敵を殺す。
リコスも感情を食べられたアパトイアであったが、ヌースから離れると感情を取り戻して行った。
『クジラの子らは砂上に歌う』の見所・名シーン・名場面
世界観
本作は完全ファンタジーの世界観で、超能力などのSF要素もある。
オリジナルの生き物や風習など細かい所まで凝っており、アニメでは映像が美しく、そしてキャラクターは可愛く描かれている。
第3話まではほのぼのとした雰囲気があるが、3話の虐殺で話は一転し、キャラクターが次々に死んでいく。
次第に明らかになっていく泥クジラの秘密や、童話のような雰囲気のあるネリの歌唱シーンなど、儚さと残酷さを兼ね備えた世界観そのものが本作の見所の一つ。
指を組んで感情を抑える
泥クジラの人々は涙など辛い衝動を抑える時に、手を強く組んで耐えるという風習がある。
死者を弔う時には皆手を組んで耐えているが、結局耐え切れず泣いてしまう人もいる。
無印であるスオウは妹のサミなどの短命の印の運命を嘆き、血が滲むほど強く手を組んで悲しみに耐えている。
チャクロとサミ
チャクロとサミは幼馴染で、小さい頃からいつも一緒に居た。
小さい頃は軽かったサミをおんぶした事があり、リコスの登場に嫉妬したサミはチャクロに抱っこをねだった。
既に子供では無いサミのその言葉にチャクロは驚いて赤くなり、照れからもう重くて抱っこ出来ないと断り、サミは重くないと怒る。
そんな可愛らしいやりとりであったが、後日サミはチャクロを庇って死んでしまう。
横たわるサミをチャクロが抱っこし、サミの願いを敵えたが、サミからの返事は無い。
サミはチャクロの事が好きであり、その好意は一目見れば分かる程顕著にサミの顔や行動に現れていた。
チャクロの方もサミが好きであったが、それを表に出したのはサミが死んでしまった後であった。
しかしネリがチャクロに見せた投影の中で、サミはチャクロに想いをつげ、また自暴自棄になっていたチャクロにまだ役割があると諭した。
無印のスオウ
短命の印よりも長生きをする無印は、61歳になると長老会に入る事になる。
無印から選ばれる首長は政治権利はないが、住人達から好かれる象徴として振るわなければならない。
次期首長候補だったスオウは、タイシャの死によって首長となる。
スオウは印の人たちの短命を嘆き、印の短命を改善させようと研究をしている。
スオウがどれだけ印達の事を思っているかは、感情を抑えるために手を組んだ時に付いた爪跡の傷からも見て取れる。
人柄と整った顔から泥クジラの民から人気があるスオウであるが、ただ愛されているだけの象徴に留まらず、保守的な長老会に異議を唱える。
スオウの立ち回りから、泥クジラの民たち特に印はサイミアを使って帝国の襲撃から身を守るために戦う決意をしたり、スオウの口から短命の理由を知る事になる。
何も出来ない無印はお荷物で、印こそが泥クジラの舵を取るべきだと言う意見も出るが、泥クジラの民の殆どがスオウを指示した。
しかしスオウ自信は自分の言った言葉から、子供までサイミアで人を殺す事になってしまったことで心を痛めたり、短命の理由を印に教える事の覚悟と責任を背負う事になった。
長老会が殆ど機能しなくなってからは、実質スオウが泥クジラのリーダーとなっていく。
印が短命だった理由
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目次 - Contents
- 『クジラの子らは砂上に歌う』の概要
- 『クジラの子らは砂上に歌う』のあらすじ・ストーリー
- リコスとの出会い
- 帝国の襲撃
- 泥クジラを守るための決断
- スキロス防衛戦
- 第三勢力「スィデラシア連合国」の登場
- 泥クジラのこれから
- 『クジラの子らは砂上に歌う』の登場人物・キャラクター
- 泥クジラ
- チャクロ
- リコス
- サミ
- スオウ
- タイシャ
- クチバ
- マソオ
- オウニ
- ニビ
- ギンシュ
- シュアン
- ネリ
- エマ
- 帝国
- オルカ
- リョダリ
- スィデラシア連合王国
- ロハリト・ノ・アモンロギア
- その他
- オリヴィニス
- コカロ
- 『クジラの子らは砂上に歌う』の用語
- 情念動(サイミア)
- 印(シルシ)
- 無印(むいん)
- 長老会
- 体内エリア
- 魂形(ヌース)
- 泥クジラ
- 帝国
- 人形兵士(アパトイア)
- 『クジラの子らは砂上に歌う』の見所・名シーン・名場面
- 世界観
- 指を組んで感情を抑える
- チャクロとサミ
- 無印のスオウ
- 印が短命だった理由
- オウニとニビ
- 第三勢力のスィデラシア連合王国
- 『クジラの子らは砂上に歌う』の主題歌・挿入歌
- オープニングテーマ
- RIRIKO:「その未来へ」
- エンディングテーマ
- rionos:「ハシタイロ」
- 挿入歌
- エマ(加隈亜衣): 「光の唄」
- 「心(きろく)の唄」
- 『クジラの子らは砂上に歌う』の原作コミック
- 『クジラの子らは砂上に歌う』のDVD
- 『クジラの子らは砂上に歌う』の公式サイト