クジラの子らは砂上に歌う(クジ砂)のネタバレ解説・考察まとめ

「クジラの子らは砂上に歌う」とは、「梅田阿比」による漫画作品。2017年にJ.C.STAFF製作でアニメ化。砂の海に浮かぶ巨大な船「泥クジラ」には、超能力「情念動(サイミア)」を操る「印」と、操れない「無印」がいた。印である主人公「チャクロ」は泥クジラの歴史を綴る記録掛りをしていた。チャクロはある日、砂の海を漂流してきた島で謎の少女「リコス」に出会う。
チャクロ

CV:花江夏樹
印。14歳。本作の主人公。
泥クジラの記録係をしており、何でも記録せずにはいられない過書の病(ハイパーグラフィア)。
泥クジラで起きた出来事を細かく記録し、あくまで記録であるとし私情を入れない。
しかし、帝国の襲撃以降は私情を入れた個人的な日記となる。
そしてこの日記はただの記録保持ではなく、世界の人々に自分達が生きた証を残す手記となる。
普段は紙に書いているが、紙は貴重なためか記録とは関係ない個人的な気持ちは壁などに書く。
サイミアの制御が下手で、泥クジラの仲間たちからは「デストロイヤー」と呼ばれている。
しかし帝国が襲撃してきた際にはサイミアを使って戦っており、能力そのものは低くは無い。
サミとは幼馴染で、お互いに両想いであったが、それがお互いに伝わったのはサミの死後であった。
スオウとも幼い頃からの付き合いであるが、思春期の照れやスオウが首長候補であることなどから、スオウに対し敬語で話すようになった。
友人には色々なアイテムを作り出す工房に居る、ロウとネズなど。
帝国とサイミアで戦って抵抗していたことからギンシュに話しかけられ、ギンシュを「ギンシュ姉さん」と呼んだことでギンシュに好かれる。
流れ島(ヌース・リコス)でリコスに出会い、その後オウニに連れられもう一度流れ島へ行き、ヌース・リコスを見る。
その繋がりからリコスの事をいつも気にしており、オウニからは他の住人よりは多少気を許されている。
襲撃でサミを失ったことで自暴自棄になるが、ネリの見せた投影でサミやタイシャに励まされる。
ヌース・スキロスとの戦いでは、スキロスに潜入する突撃メンバーの一人になり、ヌース・スキロスの格であるオリヴィニスからコカロを貰う。
リコス

CV:石見舞菜香
印。14歳。本作のヒロイン。本名不明。
ヌース・リコスに感情を食べられたアパトイアで、ファレナ殲滅作戦の帝国の兵士の一人だった。
しかし帝国と敵対する国からの襲撃に合い、自分以外の兵士が死んでしまい、兵士達を一人で弔った。
その後、放心している所をチャクロに発見される。
リコスと呼ばれるようになるが、リコスという名はヌース・リコスを指す言葉であった。
しかし名前を覚えていないため、それが判明してからもリコスと呼ばれる。
泥クジラに住むようになってからは感情を取り戻して行き、涙を流したり、チャクロに想いを寄せるなど人間らしくなっていく。
兄はファレナ殲滅作戦を立てた軍指揮官「オルカ」。
当初は感情などいらないと思っていたが、感情を持つ泥クジラの人々に触れ、泥クジラを自分達が見失ったものを失くしていない「希望」と捉えるようになった。
帝国では、ファレナは感情を捨てない野蛮な人々が憎しみあう地獄のような場所だと教えられていた。
また、ファレナが感情を食べるのではなく命を食べることを知っていたが言い出せず、一人で苦しみを抱え続けていた。
サイミアの能力は、元軍人だけあって高い。
サミ

CV:金元寿子
印。13歳。スオウの妹。
チャクロとは幼馴染で、非常に仲が良く、チャクロに想いを寄せていた。
リコスが来てからはリコスに嫉妬し、チャクロにだっこをねだるなどする。
しかしリコスが嫌いなわけではなく、綺麗な人と高く評価し、リコスにリコスという名前をつけたのはサミであった。
帝国の襲撃の際に咄嗟にチャクロを庇って銃弾を浴び、絶命した。
死後ネリの見せた投影で現れ、チャクロに想いを告げ、サミの後を追いたいチャクロに対し、チャクロにはまだ役割があると諭した。
その後オリヴィニスがチャクロに見せた投影でも現れたり、チャクロにとってサミが大きな存在だったことが伺える。
スオウ

CV:島﨑信長
無印。17歳。サミの兄。時期首長候補。
一見女性のように見える中性的な美青年。
整った顔で女性を次々に魅了しており、たまにそれを利用する。
首長であるタイシャの跡継ぎであり、住民達からも愛されており信頼も厚い。
妹のサミを初めとする印たちの短命を憂い、薬草などを使って寿命を延ばす研究を続ける。
運動音痴で戦闘行為なども不得手。
性格は穏やかで、怒ってもコミカルであまり怖くない。
また、ロハリトたちの前に全裸で出て行ってしまうなど、おっちょこちょいな所もある。
しかし泥クジラの民達のためならばと辛い役を背負ったり、帝国に立ち向かうなどの強さも持つ。
タイシャの死によって正式に首長になる。
保守的な長老会と対峙し、帝国に抗わなければ全員ただ死ぬだけと戦う決意を固める。
自分の先導で幼い子供たちまで戦闘に参加しなければならなくなり、無邪気に兵士を殺して喜ぶ子供達を見て心を痛めた。
長老会が機能しなくなってからは実質泥クジラのリーダーとなっていく。
ロハリトたちが泥クジラにやってきてからは、ロハリトたち友好関係を築く。
タイシャ

CV:久川綾
無印。42歳。スオウの前の首長。
スオウと同じく人々から愛され、信頼も厚い。
しかしそんな首長の象徴としての役割に悩んでもいたが、自分が長老会に入るまでその役割を全うする道を選ぶ。
そんな矢先に帝国の襲撃で絶命する。
側近のクチバから好意を持たれていたが、首長は家族を持ってはならないという決まりから生涯独身であった。
クチバ

CV:鳥海浩輔
無印。39歳。タイシャの側近。
タイシャに想いを寄せていた。
少々短気で口が悪く、融通が利かないが面倒見は良い。
マソオとは腐れ縁で、顔を合わせるたびに喧嘩になる。
しかしサイミアの力を失くし、段々弱っていく短命のマソオに心を痛めていた。
妻子持ちで、妻のスミとは死別、キクジンという子供が居る。
マソオ

CV:内匠靖明
印。28歳。
サイミアの能力に優れていて、自警団に誘われたこともあるが、自分の意思で自警団には入っていない。
チャクロなどの子供たちにとってのアニキ分。
クチバとは腐れ縁で何かと喧嘩をしがちであるが、クチバが帝国の兵士の前に出た時は助けに入った。
無印のシノノが好きであったが、シノノは過去に印の夫を失っており、シノノはマソオを愛しながらも気づかないフリをしていた。
お酒が入ると泣き上戸になる。
印であるため寿命が段々と近づいており、能力と体が衰えて行き、ヌース・スキロスとの戦い後からは医療室で寝たきりになる。
その後寿命を向かえ、住民達に涙ながらに弔われた。
オウニ

CV:梅原裕一郎
印。16歳。泥クジラの問題児グループ「体内モグラ」のリーダー。
両親や出生を知るものはおらず、いつも一人で居たがニビに絡まれた事で喧嘩になり、そこからニビと仲良くなる。
ニビに「外の世界へ連れて行ってやる」と言われ、外の世界に憧れを持ち、泥クジラを自分を閉じ込める檻のように感じていた。
普段は素っ気無い一匹狼のように見えるが、実は仲間思いで帝国の襲撃の際も仲間を守ろうとする。
サイミアの能力は泥クジラで一番高いと言われており、帝国の襲撃の際は戦闘慣れしたアパトイアたちを圧倒した。
ヌース・スキロス討伐に参加し、その時に親友であるニビを失ってしまう。
ニビの死でサイミアを暴走させ、普通ならば出来ないサイミアを直接人に働きかける能力を見せ、ヌース・スキロスをサイミアで破壊させた。
またヌースの間ではそもそもサイミアが使えないのに、オウニがサイミアを使ったことから、オルカはオウニを「デモナス」と認識する。
その後一時的にサイミアの能力を失う。
しかし心は折れておらず、チャクロやスオウたちに力を貸し、印と無印を分断させようとするシコンとシコクと対立する。
表情は普段殆ど動かないが、ニビの死には泣き、アニメ最終話では笑顔を見せた。
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目次 - Contents
- 『クジラの子らは砂上に歌う』の概要
- 『クジラの子らは砂上に歌う』のあらすじ・ストーリー
- リコスとの出会い
- 帝国の襲撃
- 泥クジラを守るための決断
- スキロス防衛戦
- 第三勢力「スィデラシア連合国」の登場
- 泥クジラのこれから
- 『クジラの子らは砂上に歌う』の登場人物・キャラクター
- 泥クジラ
- チャクロ
- リコス
- サミ
- スオウ
- タイシャ
- クチバ
- マソオ
- オウニ
- ニビ
- ギンシュ
- シュアン
- ネリ
- エマ
- 帝国
- オルカ
- リョダリ
- スィデラシア連合王国
- ロハリト・ノ・アモンロギア
- その他
- オリヴィニス
- コカロ
- 『クジラの子らは砂上に歌う』の用語
- 情念動(サイミア)
- 印(シルシ)
- 無印(むいん)
- 長老会
- 体内エリア
- 魂形(ヌース)
- 泥クジラ
- 帝国
- 人形兵士(アパトイア)
- 『クジラの子らは砂上に歌う』の見所・名シーン・名場面
- 世界観
- 指を組んで感情を抑える
- チャクロとサミ
- 無印のスオウ
- 印が短命だった理由
- オウニとニビ
- 第三勢力のスィデラシア連合王国
- 『クジラの子らは砂上に歌う』の主題歌・挿入歌
- オープニングテーマ
- RIRIKO:「その未来へ」
- エンディングテーマ
- rionos:「ハシタイロ」
- 挿入歌
- エマ(加隈亜衣): 「光の唄」
- 「心(きろく)の唄」
- 『クジラの子らは砂上に歌う』の原作コミック
- 『クジラの子らは砂上に歌う』のDVD
- 『クジラの子らは砂上に歌う』の公式サイト