ここはグリーン・ウッド(GW)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

「ここはグリーンウッド」は那州雪絵による少女漫画作品。白泉社「花とゆめ」に連載された。単行本は全11巻。少女漫画ながら男性ファンも多い作品。
私立緑都学園に入学し、変人の巣窟と噂される緑林寮(通称:グリーン・ウッド)に入寮した蓮川一也が、個性的な先輩・同輩に囲まれて過ごす学園生活の日常を描く作品。

光流が日常生活を送っていると、「ひどーい」と言って泣き叫ぶ女性がいきなり現れるようになった。どうやら彼女は、かつて光流がアイドル歌手の新田美恵子に頼まれて出演したCMのファンの女性のようだった。銭湯に行っても本屋で雑誌を買おうとしてもひどいと言われる。CMで演じた孔雀の王子さまのイメージと違うということらしいのだが、光流にとっては迷惑でしかない。うどん屋へ行こうとしても牛丼屋に行こうとしてもひどいと言われ、はては寮内にまで現れて着ているスウェットがひどいと言い出す始末。私の夢を壊さないでください、という彼女に我慢ができなくなった光流は「おれは君が思っているような男じゃないんだよ、おれ、ほんとうは…こんな顔なんだ」といって特技の変顔を披露した。

彼女は光流の顔にショックを受けて、「この世には私の理想の人なんていないんだ…」と言って帰っていった。

珍しい光流の変顔の名シーン。

引用:ここはグリーン・ウッド 9巻

「おまえは自分が悪者になることを恐れているにすぎない」

五十嵐巳夜を匿った一件から、一也は巳夜のことが気になって仕方がなくなっていた。巳夜には幼馴染で親公認の小泉典馬という男がいる。巳夜は、優しくて賢い典馬が自分のことを好きだというので、頭が悪く、言葉遣いも悪い自分が典馬の側にいたら典馬の恥になるとして、嫌われようとしていた。しかし、親は典馬が巳夜の面倒を見てくれて助かるといい、典馬も巳夜のことは自分が一番よくわかっていると言って巳夜が自分の下から離れないように巳夜を囲い込む。

巳夜から典馬への「後になって嫌われたら悲しいから今のうちに嫌われる」という歪んだ気持ちを聞かされていた一也は、2人の間は何かおかしい、と気になり、かえって巳夜のことを忘れられなくなっていた。
正月、実家に戻った一也は、兄・一弘に相手のいる女子を好きになったらどうするか、と質問してみた。すると、諦められないなら譲らない、という答えが返ってきた。彼女や相手の男を傷つけるかも、と悩む一也に一弘が言ったセリフ。「おまえは自分が悪者になることを恐れているにすぎない。しかし、その段で考えるならおまえはもう退っ引きならないところまで足を踏み込んでるよな。人の彼女が好きであきらめられないんだから。ついでにもうひとつ教えてやろう。おまえがあっさりふられればおまえ以外誰も傷つかない。悪は滅びるっていうからな。そうすればおまえの取る道は嫌でもひとつに決まるし、でも、滅びなかったらそれは悪じゃないのかもしれない。それは後々になって彼女が決めることだけどな」

奥手でごちゃごちゃと考えすぎて動けなくなる不器用な弟の背中を押す一弘の名言。
この言葉で一也は巳夜に気持ちを伝えようと決意した。

引用:ここはグリーン・ウッド 10巻

「おれがついてるよ…!」

一弘に背中を押され、巳夜に告白しようと電話をかけた一也だが、巳夜に繋がったとたんに切られてしまった。その後何度電話をかけても繋がらない巳夜に業を煮やした一也は巳夜の学校で待ち伏せをすることにした。何日も通うが巳夜には会えず、学生に聞いてみると巳夜は腕を折って入院中だった。
お見舞いと称して会いに行っても、運悪く退院した後。一也はどこまでも不運だった。手紙を出して巳夜に会おうとするのだが、その手紙は典馬に握りつぶされ巳夜の手には渡らなかった。
それでも諦めない一也は、また学校の前で巳夜を待つことにした。するとそこに現れたのは一也の手紙を握り潰した典馬だった。典馬は巳夜の家はこれからも典馬の家と付き合っていかなきゃいけないし、余計なことをして巳夜の立場を悪くするなと一也に釘を刺す。「巳夜ちゃんはぼくのだよ」と言い切る典馬に一也は何も言い返せない。そこに、巳夜が現れた。典馬に連れられ一也を見ようともしない巳夜に、一也は声をかけるが、巳夜はそのまま逃げ出してしまった。一也は巳夜の背中に「なんで逃げるんだ五十嵐!」と叫んだ。

巳夜は、一也のことを気になり始めているのに、周りともめることが嫌でこのまま忘れてしまおうと考えていた。しかし、今までが意気地がなくて泣き虫でいつも逃げてばかりいたことを思い出した。不良グループとの一件で一也に助けられ、逃げてばかりじゃ何もできないとわかったはずなのに、また一也に向き合わず逃げてしまって良いのかと考えた。
巳夜の心が揺れているのを感じ取った典馬は「気にすることないよ、巳夜ちゃん。ぼくが巳夜ちゃんのこと一番よくわかってるからね。これからだってずっと巳夜ちゃんのこと守ってあげるから、巳夜ちゃんは今までどおりでいいんだよ」と言った。
今のままではいけないと感じ始めていた巳夜は典馬に「でもおれ、あいつのこと好きなんだ」と言った。

翌日、一也は話を聞いてもらえず落ち込んでいた。すると誰かが校門の前に女の子が居ると叫んだ。一也が駆けつけてみるとそこには雨の中傘をさして立っている巳夜がいた。巳夜は今まで電話にも出ず、昨日のことを一也に謝り、親とも典馬とも喧嘩していると一也に告げた。親や典馬とケンカしてでもおまえに会いたかった、と告げ、ちゃんとした人間になりたいと言う巳夜に一也は言った。「大丈夫!おれがついてるよ…!」巳夜は一也の言葉を聞き、一也の胸に飛び込んだ。

その日、不幸の星のもとに生まれた地道な少年が勝ち取った一生一代のハッピーエンドのおかげで緑都学園は何年かぶりに近隣住民からの苦情を受けることになった。一也と巳夜のこのやりとりを生徒たちは見ており、カップル成立に大歓声を上げた。

周りとの軋轢を恐れて流されるまま生きてきた巳夜を支える名言。

引用:ここはグリーン・ウッド 11巻

「そうだな、がんばって幸せになろう」

光流と忍も3年になり、卒業が近づいてきた。
忙しかった寮祭も終わったある休日、光流も忍も所持金がほとんど無いことに気づいた。休日のため寮では食事が出ない。誰かに借りようかと思っていると、それを知った一也が全寮生に光流と忍の所持金が無いことを知らせてしまった。面白がった寮生は誰もお金を貸してくれず、仕方なく光流と忍は外に出ることにした。忍が持っていた100円をパチンコで増やそうと、光流が顔を隠して台に向かっていると、一弘に見つかりパチンコは辞めさせられてしまった。かわりにパンを奢ってもらい、パチンコ屋の前で食べていると小さな女の子がパンに食いついてきた。どうやら母親がパチンコをしていてお腹がすいたらしい。女の子の母からパンを食べてしまった代わりに500円を貰った光流と忍は、次に車のキーを中に置いたままドアを閉めて困っていた女性に出会った。忍が針金で鍵を解除すると、その女性はお礼にと言って食事を奢ってくれ、さらには野球の試合にも連れて行ってくれた。どうやら彼氏と別れ、手切れ金を貰ったのでそんなお金はパーっと使いたいということで色々と奢ってくれるらしい。

食事中、パチンコ屋の前で出会った女の子が見知らぬ男に連れて行かれそうになったのを発見した光流と忍は女の子を助けるため店を飛び出した。無事、女の子を助け警察に保護されていく女の子に光流は「がんばれよ!」と声をかけた。女の子はピースサインで光流に応えた。男に振られて手切れ金を貰った女性も、気持ちを切り替え「頑張って幸せになろっと!」といって帰っていった。

所持金総額132円で豪遊できた光流と忍。こんな休日もたまにはあってもいいと思える一日だった。
忍は光流に聞きたいことがあったのだが、中々聞けずにいたことを聞いてみた。「…光流、卒業して、寮出た後どうする…?」光流は「家賃折半として9万以下のとこな。おれそれ以上出せねえから」
その言葉を聞いて思った忍の心の中のセリフ。「そうだな、がんばって幸せになろう」
あくどいことをして成り上がった実家の影響を受け、幸せになることを拒否しているような生き方をしてきた忍だが、光流と出会い少しずつ変わってきた。忍にとっての一里塚であった緑林寮での生活は居心地がよくてずっと留まっていたい場所だった。しかし卒業と同時に終わってしまうはずだった。しかし、光流の言葉でもう少し一緒にいられると分かり、忍の気持ちは自分も幸せになろうと前向きな気持ちになれた。

滅多に知ることのできない忍の前向きな気持ちがわかった名セリフ。

引用:ここはグリーン・ウッド 11巻

『ここはグリーン・ウッド』のOVA主題歌

メインテーマ:坂本千夏「ノーブランド・ヒーローズ」

ED:林朝美「君を好きでよかった」

【ここはグリーンウッド】君を好きでよかった FULL

ここはグリーンウッドの「君を好きでよかった」をFULLで。画像は動きません。いい歌なんですが、需要がないと思ったのでNMMでうp!

挿入歌:坂本洋「ここはグリーン・ウッド」

挿入歌:坂本洋「めざせバルセロナ」

新田美恵子のCM

テレビドラマ『ここはグリーン・ウッド~青春男子寮日誌~』

概要

「ここはグリーン・ウッド~青春男子寮日誌~」は白泉社「花とゆめ」に連載されていた那州雪絵による「ここはグリーン・ウッド」を原作とするテレビドラマ作品。
2008年7月からTOKYO MXなど11局にて放映された。

初恋の人が唯一の肉親である兄と結婚してしまったため、新婚家庭に身の置き所がなくなってしまい寮に入ることにした不幸な少年・蓮川一也と緑林寮(グリーン・ウッド)に住む個性豊かな面々との学校生活で巻き起こる日々の騒動をコメディータッチで描いている作品。

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