Yes(イエス)の徹底解説まとめ
Yes(イエス)とは、1968年ロンドンで結成されたプログレッシブ・ロックバンド。ピンク・フロイド、キング・クリムゾン、EL&Pと共にプログレ四天王(ジェネシスを入れると五大プログレバンド)と呼ばれ、分裂とメンバーチェンジを繰り返し活動を続けているロック史上に大きな影響を与えたバンドである。2017年『ロックの殿堂』入りをした。
1974年、ソロ活動に専念するためリック・ウェイクマン脱退。次のキーボード奏者として候補に挙がったのは元アフロディテス・チャイルド(Aphrodite's Child)のヴァンゲリス・パパサナシュー (Vangelis Papathanassiou、1943年3月29-)であったがアフロディテス・チャイルド解散後ソロ・アルバム制作の仕事に取り掛かっていたため実現できなかった。そして紆余曲折をへて3人目のキーボード奏者として加入する事になったのが元レフュジー (Refugee) のパトリック・モラーツ(Patrick Moraz、1944年6月24日 - )である。モラーツ加入後の初アルバム『リレイヤー』(Relayer)リリース。
1975年、初期のアルバムを編集した『イエスタデイズ』(Yesterdays)がアメリカでリリース。イギリス、アメリカのツアーで明け暮れた。
1976年、パトリック・モラーツが他の4人との音楽的相違から脱退、リック・ウェイクマンが復帰した。
1977年、ウェイクマン復帰後のアルバム『究極』(Going for the One)リリース。
1978年、バンド結成10周年の記念すべきアルバム『トーマト』(Tormato)リリース。
History Ⅳ
1979年、メンバー間の確執やスケジュールの事での意見の食い違い等の理由でバンドの顔的存在だったジョン・アンダーソンとリック・ウェイクマンが脱退してしまった。残されたメンバーは今までと同じようにメンバーを補充する事にし、同じマネージメント・オフィスに所属していたバグルスの2人、トレヴァー・チャールズ・ホーン(Trevor Charles Horn, 1949年7月15日 - )とジェフ・ダウンズ(Geoffrey Downes, 1952年8月25日 - )を加入させた。
1980年、『ドラマ』(Drama)リリース。このアルバムに併せヨーロッパ、アメリカツアーを行ったがアンダーソンとウェイクマンのいないイエスはファンから酷評された。
1981年、イエス解散。
History Ⅴ
1983年、スクワイアとホワイトはトレヴァー・ラビン(Trevor Rabin、1954年1月13日 - )ディテクティヴ (Detective)にいたケイと共にシネマ (CINEMA)というバンドを結成しょうとしていた。さらにシネマのデモテープを聞いたアンダーソンまでもがそこに加わったためバンド名をシネマからイエスへと変え、新生イエスが誕生した。しかしケイがやはり音楽性の違いにより脱退。チャールズ・オリンズ(Charles Olins)をゲストに迎え『ロンリー・ハート』(90125)リリース。リリース後キーボード・プレイヤー不在であったがケイが再び復帰。
1987年、『ビッグ・ジェネレイター』(Big Generator)リリース。
1988年、約5年間順調かつ地道に活動を続けていたがアンダーソンがラビンとの確執により脱退、ブラッフォード、ウェイクマン、ハウと共にABWH結成、後にイエスと名乗って活動する予定であったがスクワイア側のイエスと裁判沙汰になり結局はABWHのまま活動を続けた。しかしABWHの方が実質的イエスだったためスクワイア側のイエスが「シネマ」と改名せざるを得なかった。
1989年、ABWH『閃光』(Anderson-Bruford-Wakeman-Howe)リリース。
1991年、『結晶』(Union)リリース。ABWHとシネマは紆余曲折の末、合体し大編成によるイエス・ユニオンとなった。その後イエス・ユニオン解体。結局イエスは(90125)の5人に戻った。
1994年、『トーク』(Talk)リリース。
1996年、『キーズ・トゥ・アセンション』(Keys to Ascension)リリース。ラビンとケイの脱退を受けハウとウェイクマンが呼び戻されて1970年代の黄金期のメンバーとなる。
1997年、『キーズ・トゥ・アセンション2』(Keys to Ascension 2)リリース。ウェイクマンがマネジメントの問題で脱退。後任にサポート・メンバーだったビリー・シャーウッド(G、Key,Vo)(William Wyman Sherwood、1965年3月14日 - )が抜擢された。同年『オープン・ユア・アイズ』(Open your eyes)リリース。
1999年、『ラダー』(The Ladder)リリース。ツアーのサポート・メンバーだったロシア出身のイゴール・コロシェフ(Key,G)(Igor Khoroshev、Russian: Игорь Пeтpoвич Хорошев1965年7月14日 - )を加入させ、6人編成となる。
2001年、『マグニフィケイション』(Magnification)リリース。2000年にシャーウッドとコロシェフが相次いで脱退、4人編成でゲスト・キーボード・プレイヤーを加えてオーケストラとの共演作。
2002年、ウェイクマン復帰。2004年まで活動を継続した。
History Ⅵ
2005年、アンダーソンのツアー休止の意向を受けてバンドとしての活動を停止した。
2008年、スクワイア、ハウ、ホワイトに加えウェイクマンの息子オリヴァー・ウェイクマン(Key)(Oliver Wakeman)カナダ人シンガーのベノワ・ディヴィッド(Vo)(Benoît David、1966年4月19日 - )を新メンバーに活動を再開した。
2011年、『フライ・フロム・ヒア』(Fly From Here)リリース。キーボードにダウンズが復帰、オリヴァー・ウェイクマンが離脱した経緯の公式なアナウンスはされていない。
2014年、『ヘヴン&アース』(Heaven And Earth)リリース。2012年ディヴィッドが病気のため離脱、後任としてグラス・ハマー(Glass Hammer)のジョン・デイヴィソン(Vo)(Jon Davison)が参加。
2015年、スクワイアが死去、シャーウッドがベーシストとして加入した。
2017年、『ロックの殿堂』入り。
Yesのディスコグラフィ
スタジオ・アルバム
Yes/イエス・ファースト・アルバム
・1969年リリース
収録曲
1. ビヨンド・アンド・ビフォア - Beyond and Before(Chris Squire, Clive Bailey)
2. アイ・シー・ユー - I See You(Jim McGuinn, David Crosby)
3. 昨日と今日 - Yesterday and Today(Jon Anderson)
4. ルッキング・アラウンド - Looking Around(Anderson, Squire)
5. ハロルド・ランド - Harold Land(Anderson, Squire, Bill Bruford)
6. エヴリ・リトル・シング - Every Little Thing (John Lennon, Paul McCartney)
7. スウィートネス - Sweetness(Anderson, Squire, Bailey)
8. サヴァイヴァル - Survival(Anderson)
レコーディング・メンバー
・Jon Anderson – lead vocals, incidental percussion
・Peter Banks – guitars, backing vocals
・Chris Squire – bass, backing vocals
・Tony Kaye – organ, piano
・Bill Bruford – drums, vibraphone
"Beyond and Before"と"Sweetness "は、イエスを結成する前の「 Mabel Greer's Toyshop」時代の曲。
「The Byrds」の "I See You " 、「The Beatles」の "Every Little Thing "をとても爽やかで説得力のある方法で表現している。
ボーカルハーモニーやスクワイア のパワフルで独特なベース演奏など、イエスサウンドの一部は既にここで聞ける。
70年代プログレッシブ・ロックの中では、荒々しいアルバムと言えるが、今までにない最高のプログレッシブ・ロックバンドの1つになるバンドのための出発点となった。
このアルバムのジャケットは、イギリスでは青と赤のイエスのロゴだがアメリカ及びカナダでは建築物の前のメンバーの写真が使用されている。
Time and a Word/時間と言葉
・1970年リリース
収録曲
1. チャンスも経験もいらない - No Opportunity Necessary, No Experience Needed(Richie Havens)
2. ゼン - Then(Anderson)
3. エヴリデイズ - Everydays(Stephen Stills)
4. スウィート・ドリームス - Sweet Dreams(Anderson, David Foster)
5. 予言者 - The Prophet (Anderson, Squire)
6. 澄みきった日々 - Clear Days(Anderson)
7. 星を旅する人 - Astral Traveller(Anderson)
8. 時間と言葉 - Time and a Word(Anderson-Foster)
レコーディング・メンバー
・Jon Anderson – lead vocals, percussion
・Peter Banks – electric and acoustic guitar, backing vocals
・Chris Squire – bass, backing vocals
・Tony Kaye – Hammond organ, piano
・Bill Bruford – drums, percussion
サポート・ミュージシャン
・David Foster 元「ウォリアーズ」(The Warriors)- "Sweet Dreams "のボーカル、 "Time and a Word "のアコースティックギター
・Tony Cox - オーケストレーション、指揮者
・Royal College of Music students - 黄銅、弦楽器
オリジナルメンバーのギタリスト、ピーター・バンクスとの最後のアルバム。(オーケストラの導入に否定的だったため解雇された)
バンドが交響曲の方向に移り始めた最初のアルバムで、ファーストアルバムからの大きな一歩となった。
UKチャート45位
The Yes Album/イエス・サード・アルバム
・1971年リリース
収録曲
1. ユアーズ・イズ・ノー・ディスグレイス - Yours Is No Disgrace (Jon Anderson, Chris Squire, Steve Howe, Tony Kaye, Bill Bruford)
2. クラップ - Clap (Howe)
3. スターシップ・トゥルーパー - Starship Trooper
ⅰ)ライフ・シーカー - Life Seeker
ⅱ)ディシルージョン - Disillusion (Squire)
ⅲ)ワーム - Würm (Howe)
4. アイヴ・シーン・オール・グッド・ピープル - I've Seen All Good People
ⅰ)ユア・ムーヴ~心の光~ - Your Move (Anderson)
ⅱ)オール・グッド・ピープル - All Good People (Squire)
5. ア・ヴェンチャー - A Venture (Anderson)
6. パーペチュアル・チェンジ - Perpetual Change (Anderson - Squire)
レコーディング・メンバー
・John Anderson – vocals, percussion
・Chris Squire – bass guitar, vocals
・Steve Howe – electric and acoustic guitars, vachalia, vocal
・Tony Kaye – piano, organ, Moog
・Bill Bruford – drums, percussion
サポート・ミュージシャン
・Colin Goldring(recorders)-ユア・ムーヴ~心の光~ - Your Move
スティーヴ・ハウ加入後初、そして全曲オリジナルのアルバム。
パワフルなリフ、複雑なインストゥルメンタルパート、優れたオルガンとシンセサイザー。ケイとハウが果たした役割は大きく、批評家から積極的に受け入れられアメリカで確立された存在となった。しかしケイは当時市場に出始めたシンセサイザーの演奏には興味がなかった。それが他のメンバー、特にハウのスタイルと矛盾しているため、バンドを脱退する事となる。
UKチャート4位、USチャート40位
Fragile/こわれもの
目次 - Contents
- Yesの概要
- Yesのメンバー
- ジョン・デイヴィソン
- スティーブ・ハウ
- ビリー・シャーウッド
- ジェフ・ダウンズ
- アラン・ホワイト
- 以前のメンバー
- ジョン・アンダーソン
- クリス・スクワイア
- トニー・ケイ
- ビル・ブラッフォード
- ピーター・バンクス
- トニー・オライリー
- リック・ウェイクマン
- パトリック・モラーツ
- トレバーホーン
- トレヴァー・ラビン
- エディ・ジョブンソン
- イゴール・コロシェフ
- ベノワ・ディヴィッド
- オリバー・ウェイクマン
- セッション・ミュージシャン
- デビッド・フォスター
- コリン・ゴールリング
- ディパク・カザンキ
- グラハム・プレセット
- ジミー・ザバラ
- 『ユニオン』(Union)(1991年)のセッション・ミュージシャン
- スティーブ・ポーカロ
- ランディ・レイン・レーシュ
- リース・フルバー
- ルイス・ジャルディム
- ジェラード・ジョンソン
- ライブ・ミュージシャン
- ジャケット・デザイン
- Yesのバンドヒストリー
- History Ⅰ
- History Ⅱ
- History Ⅲ
- History Ⅳ
- History Ⅴ
- History Ⅵ
- Yesのディスコグラフィ
- スタジオ・アルバム
- Yes/イエス・ファースト・アルバム
- Time and a Word/時間と言葉
- The Yes Album/イエス・サード・アルバム
- Fragile/こわれもの
- Close to the Edge/危機
- Tales from Topographic Oceans/海洋地形学の物語
- Relayer/リレイヤー
- Going for the One/究極
- Tormato/トーマト
- Drama/ドラマ
- 90125/ロンリー・ハート
- Big Generator/ビッグ・ジェネレイター
- Union/結晶
- Talk/トーク
- Keys to Ascension/キーズ・トゥ・アセンション
- Keys to Ascension 2/キーズ・トゥ・アセンション2
- Open Your Eyes/オープン・ユア・アイズ
- The Ladder/ラダー
- Magnification/マグニフィケイション
- Fly from Here/フライ・フロム・ヒア
- Heaven & Earth/ヘヴン&アース
- ライヴ・アルバム
- Yessongs/イエスソングス
- Yesshows/イエスショウズ
- 9012Live: The Solos/9012ライヴ
- Something's Coming: The BBC Recordings 1969–1970/BBCセッション1969-1970 サムシングズ・カミング
- House of Yes: Live from House of Blues/ハウス・オヴ・イエス
- Songs from Tsongas/ツォンガスの歌:イエス25周年記念コンサート
- The Word Is Live/ライヴ・イヤーズ
- Symphonic Live/シンフォニック・ライブ
- Live at Montreux 2003/ライヴ・アット・モントルー2003
- Union Live/ユニオン・ツアー1991
- In the Present – Live from Lyon/イン・ザ・プレゼント〜ライヴ・フロム・リヨン
- Like It Is: Yes at the Bristol Hippodrome/“イエス・サード・アルバム”&“究極”完全再現ライヴ〜ライヴ・イン・ブリストル 2014
- Progeny: Seven Shows from Seventy-Two/プロジェニー:1972 ライヴ
- Like It Is: Yes at the Mesa Arts Center/“危機”&“こわれもの”完全再現ライヴ〜ライヴ・イン・アリゾナ 2014
- Topographic Drama – Live Across America/海洋地形学の物語/ドラマ:ライヴ・アクロス・アメリカ
- Yesメンバーの名言・名セリフ
- ジョン・アンダーソン
- クリス・スクワイア
- ビル・ブラッフォード
- ピーター・バンクス
- リック・ウェイクマン
- アラン・ホワイト
- トレバー・ホーン
- トレヴァー・ラビン
- Yesの代表曲
- Owner Of A Lonely Heart(ロンリーハート)
- ROUNDABOUT(ラウンドアバウト)
- Heart of the Sunrise (燃える朝焼け)
- Close to the Edge(危機)