テルマエ・ロマエ(ヤマザキマリ)のネタバレ解説・考察まとめ

テルマエ・ロマエとはヤマザキマリによる漫画作品である。本格的古代ローマ史に日本の浴場文化という異色の組み合わせが話題を呼んだ。ローマ人ルシウスと現代日本の人々との心温まるやり取りが魅力の一つだ。浴場の設計技師であるルシウスは突如、現代日本の浴場へとタイムスリップしてしまう。そこで得た日本の浴場技術をローマに持ち帰り再現することで皇帝に一目置かれる存在となり、古代ローマ史のキーマンとなっていく。

湯治場のオンドルを訪れたルシウスは、トラック事故で全身に縫った跡を持つ湯治客に対し「すごい傷だ!百人隊長あたりの地位に違いない」と驚く。
他にもキズを持つ客が多く訪れていることから「負傷者のキズを癒す効果」を発見した。
古傷を負った者は皆「戦の傷」だと思い込むところや、傷の多さを見て敬意を表するところが古代ローマ人のルシウスらしく人柄がよく現れている場面である。

「この女達は…一体何がしたいのだ?!」

勃起不全の治療中にタイムスリップし男根祭りに遭遇したルシウスは、男根を模したオブジェにまたがる女性を目の前に心の中で思ってしまう。
しかしまたがる女性を見つめているうちに、ローマ人にはない女性の色気にルシウスは欲情してしまい、勃起不全を治すことに成功するのだった。
まじめな職人気質が行き過ぎてしまい色事に鈍感なルシウスが、恥ずかしさを覚えながらも男性としての欲を思い出す意外な一面が垣間見える場面である。

「湯のある場所に諍い事は生じませんからね」

ルシウスが行政長官マルクスと浴場での会話していた時の一言である。
ルシウスが作った数々の浴場が、戦場の兵士を癒したり荒廃した土地に人を呼び寄せるきっかけになったり、と和平へのきっかけになっていることを示唆した言葉である。
平和路線のハドリアヌス帝に仕えるマルクスらしさが表れた一言でもある。

「女は惚れた男と添い遂げるのが一番だ」

鉄蔵はさつきがルシウスに惚れていることをずいぶん前から察知していた。
しかしさつきがルシウスの元へ行けないのは自分を一人で置いていくことができないさつきの優しさからくるものだということも分かっていた鉄蔵は、さつきに決意を固めさせるためにこの言葉を言った。
さつきが幼い頃、母が亡くなってから親代わりになって育ててきた鉄蔵が、さつきの幸せを心から願っていることが窺い知れる場面である。

劇場版テルマエ・ロマエ

テルマエ・ロマエは原作の大ヒットに伴い、「テルマエ・ロマエ」「テルマエ・ロマエII」と映画化された。
古代ローマ人を誰が演じるかという点が注目され、芸能界の中でも「顔が濃い」と言われている阿部寛をはじめとした豪華俳優陣が抜擢された。また、第一作目はイタリア・チネチッタにて1,000人のエキストラを動員しての海外ロケなど話題に事欠かない作品となり、映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)初登場1位を獲得した。また、今作で主演の阿部寛は第36回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞している。

古代ローマ人の浴場設計技師ルシウスが現代日本の銭湯にタイムスリップし、数々の技術を持ち帰り再現する、という物語の主軸は変えないまま、上戸彩演じる「山越真美」というオリジナルキャラクターが登場し、恋仲にまでは至らないものの友人以上の確かな絆を結ぶことになる。

山越真美に関しては原作ヒロイン小達さつきをイメージしたキャラクターだと思われがちではあるが、原作者のヤマザキマリは「山越真美と小達さつきは全く別人」と名言している。

また、興行収入58億円に対し原作者ヤマザキマリに入る原作使用料が100万円だけだったという話を本人がテレビで暴露し、それ以外にも「使用料100万円は知らないうちに決まっていた、ある日出版社から突然言われた」、「映画の番宣で丸一日いろんなところに連れ出されても全部ノーギャラ。これなら原稿書いていた方がお金になる」など数々の爆弾発言を残しており、ネット上では「酷い」「漫画家はいいように利用されすぎ」といった声が上がっていた。

『テルマエ・ロマエ(劇場版)』主題歌

ラッセル・ワトソン『誰も寝てはならぬ』

北島三郎『与作』

『テルマエ・ロマエ(テレビアニメ版)』主題歌

チャットモンチー『テルマエ・ロマン』

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