ミステリと言う勿れ(田村由美)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ミステリと言う勿れ』とは田村由美により『月刊フラワーズ』2017年1月号に読み切りとして掲載され、2018年1月号より連載を開始したミステリー漫画である。2022年1月より、菅田将暉主演でテレビドラマ化された。心理学を学ぶ大学生・久能整(くのうととのう)が様々な事件に巻き込まれ、会話から事件の本質をあぶり出していく。ミステリー漫画でありながら、謎解きよりも登場人物の悩みを解決することに重きを置いており、整が話す内容に読者は共感したり既成概念に疑問を持つこととなる。

備前島が名物刑事。
横浜編の連続殺人事件の調査を行った。

大鬼蓮美術館(おおおにばすびじゅつかん)

通称、オニバス。
大隣総合病院から1番近い美術館。
有名な絵画のレプリカが多く展示されている。

鍵山(かぎやま)事件

過去に起きた連続幼女殺人事件。
青砥が大隣警察署に飛ばされることになる冤罪事件。
小諸が犯人と目されていたが、誘拐事件にて井口が真犯人だと発覚する。

『ミステリと言う勿れ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

整「真実は人の数あるんですよ でも事実は一つです」

殺人の容疑で取り調べを受けていた整は、青砥から嘘の供述をしても意味はない「真実は一つ」だと言われる。その言葉に整は「そんなドラマみたいなセリフをほんとにいう人がいるなんて」と驚く。そして整は青砥に、物事の捉え方は人それぞれで「真実は人の数だけあるんですよ でも事実は一つです」と言う。
物事の捉え方は人それぞれあり、人の数だけ真実はあるが、何が起こったかという事実は1つしかない。

このセリフは真実と事実が別であることに気付かされる名言である。

整「メジャーリーガーは子供の成長に立ち会うことを父親の権利だと思い 日本側の解説者たちは義務だと思ってる」

整は池本から、子供が産まれてからピリピリしている妻との関係を相談される。池本が育児に対して「参加」や「手伝ってる」という言葉を使っていることに整は、「メジャーリーガーは子供の成長に立ち会うことを父親の権利だと思い 日本側の解説者たちは義務だと思ってる」と言う。そして池本にとって育児は権利と義務どちらの気持ちなのかと尋ねる。

このセリフは海外と日本の違いに気付かされる名言である。海外の父親は子育てを当然の権利と考えているが、日本では子育てを義務と考えている人が多いことを端的に表したセリフである。

整「『欠点』と『弱点』は全然違うものなんです」

整が乗ったバスをバスジャックした犯人は乗客達に自己紹介を求め、その際「欠点」もしくは「弱点」を言うように指示した。整はその指示に対して「『欠点』と『弱点』は全然違うものなんです」と言う。そして「僕はカレーに弱いです」と答える。
「欠点」とは自分の欠けている点で、「弱点」は自分の弱みである。

このセリフは同一視されがちな2つの違いに気付かされる名言である。

整「ここで発生するすべての問題はあなたのせいで起こるんです」

バスジャックの途中にトイレ休憩が行われた。その際バスジャック犯は乗客達に、トイレ休憩に乗じて誰かが逃げれば他の全員を皆殺しにすると言い、「逃げたおまえのせいでみんなが死ぬんだ」と脅した。その言葉に整は「ここで発生するすべての問題はあなたのせいで起こるんです」と反論する。

このセリフは、冷静に考えるとその通りだと納得させられる名言である。逃げた人間が悪いように思いがちだが、そもそもの事件を起こした犯人が悪いのである。

整「弱くて当たり前だと誰もが思えたらいい」

汐路は自分が朝晴に父親のことを話したせいで、父親達が死んだことを知りショックを受けていた。そんな汐路に整がカウンセリングを勧めるも「わたしどこもおかしくないもん」と拒否されてしまう。
整はアメリカでは人の弱さが認められているが、日本ではあまり弱さが認められていないとして、「弱くて当たり前だと誰もが思えたらいい」と汐路に弱いことは恥ずかしいことではないと伝えた。

このセリフは、弱いことをいけないことだと思っている人が多い日本人に考え方の変化を促す名言である。

asigalu
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@asigalu

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