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yuuiruyanq4のレビュー・評価・感想

ダンダダン / Dandadan
10

効果音なんか要らない!画力で殴る!!

霊媒師の祖母を持つ、宇宙人を信じないイマドキ女子の綾瀬桃と、オカルト好きで幽霊を信じない根暗地味系男子の高倉健。
その2人がふとしたことで互いの信念をかけた勝負をすることになります。
勝負の内容は宇宙人を信じない桃がUFOスポットに、幽霊を信じない健が心霊スポットに単身乗り込み、互いに互いが信じるものが存在しないことを証明すること。結果、2人は互いが信じなかったものが存在することを、体感で理解させられてしまいます。
かたやセルポ星人を名乗る宇宙人に脳波を弄られたことで開花させられた超能力を、かたやターボババアという怪異に呪われたことによる変身能力を手に入れるというオマケ付きで。

襲撃者の追撃を一時的とはいえ振り切った2人は、人の名前を覚えるのが苦手な桃のために再度自己紹介をするのですが、そこで判明したのは桃の憧れの俳優と健が同姓同名だということ。照れが先走ってどうしても受け入れらない桃は、オカルト好きの健にオカルンという渾名を付け、それで呼ぶようになります。

オカルンはターボババアに呪われ、男性の象徴を奪われているので呪いによる変身をコントロールできません。桃の超能力でオカルンの呪いを抑えながら行動するのがやっとです。オカルンを呪いから解放するため、霊媒師である桃の祖母の力を借り、2人はターボババアに勝負を挑むのでした。

この作品の特筆すべきは、そのストーリー構成もさることながらなんと言っても圧倒的な画力。
特にアクションシーンの表現は圧巻です。細部に渡る書き込みも素晴らしいですが、効果線が文字通り効果的に使われており、画面の中で起きた衝撃がそのまま伝わってくるようです。
何より驚くのが、戦闘やそれに類するシーンでは他の漫画では一般的である効果音が、一切使われていないということです。それなのに爆発音も衝撃音も臨場感そのままに伝わってくる迫力があります。

オカルトでホラーでギャグでシリアスでアクションでラブコメ。
ジャンルごった煮なのに、その総てが高い次元で成立している魅力溢れる作品です。

ヨルムンガンド / Jormungand
9

賛否両論の結末!ヨルムンガンドで戦争について考えよう。

武器商人と少年兵という日本ではなじみの薄い存在を主人公にすえた高橋慶太朗のコミック。
作品は少年兵である主人公のヨナ(ジョナサン・マル)目線で語られる。その生い立ちから、武器を憎みながらも手放せないという背景がある。
もう一人の主人公ココ・ヘクマティアルはヨナの上司であり護衛対象で、謎の多い人物。武器商人でありながら、戦いをやめられない人間に絶望している。世界を渡り歩いており、ある計画をくわだてている。
ココとヨナを含めた私兵メンバーは『ひとクセもふたクセもある』存在で個性が強く、魅力的である。それぞれのやり取りはセンスにあふれ、読んでいて非常に面白い。メンバーの来歴やココの私兵となるまでの詳細は、作中にてあっさりとした形で語られる。良い意味ですっきりとしており、冗長さゼロの作品と言える。
商売敵や顧客らの他に中央情報局(CIA)も加えながらのガンバトルが多い物語は実にテンポがよい。
そんな中で、武器と人間と戦争。世界平和の実現を問う作品。
読後にココの計画をありとするか否かを誰もが改めて考えるだろう。
基本的に巻頭で『ヨルムンガンド』の独白が入るが、『ヨルムンガンド』の意味は後半まで不明。そして、意味が理解できる瞬間が爽快であり、秀逸な構成の良作。

ロスト・イン・スペース
5

長い物語の一部だからなのか。

もともと、長いテレビドラマシリーズの映画化。地球外なくなったときのために他の惑星で住んでみるために宇宙に飛び立った家族と、裏切り者のホームドクター、運転士及び雑用の軍人が宇宙で迷子になるというアドベンチャー映画。もともと、ドラマでいろんな話があるところ、いろいろ削ぎ落としているからなのか、コンパクトに事件を描いてるのを映画用に伸ばしてるからなのか、なんかあまり迫力のない、間延びした感じの映画でした。蜘蛛型の宇宙人が出てきたり、裏切り者が結局家族と旅しなきゃいけなくなったり、タイムループがあったり、話の筋は面白いのに残念です。役者陣でいえば、有名どころではゲイリー・オールドマンが出ています。裏切り者のドクターを演じてて、なんか間抜けで、でもあくどさもあって、さすがだなと思いました。子どもを騙して鍵を開けさせるところとかは、ゲイリーぽいと思って笑ってしまいました。あと、蜘蛛型の金属系の宇宙人とか、膜に覆われた場所とか、出てくるものはSFっぽくていいと思いました。先ほど述べたように、私は、この映画を淡々としていてあんまり面白くないなと感じました。結局は題材的に連続ドラマの方があっているのだと思います。

ワールドトリガー / ワートリ / World Trigger
8

近未来型頭脳戦 怒涛のハイクオリティバトル

ワールドトリガーの魅力はなんといっても戦略的で尚且つかっこいいバトルシーンである。
物語での戦闘スタイルは主人公が所属する「ボーダー」と「近界民(ネイバー)」と呼ばれる異世界から来た敵が戦うものと「ランク戦」や「遠征選抜試験」というように「ボーダー」内で競い合うものと2種類ある。
その中でも後者の「ボーダー」内で競い合う戦闘は対戦するステージの地形や気候を選ぶとこらから始まり、武器に関しても多種多様な使い方があるため同じ武器を使っていたとしても戦闘スタイルは個性豊かである。
例えば主人公の「三雲 修(みくも おさむ)」は、「トリオン」と呼ばれる戦闘に使われる「トリガー」という武器の動力源となる生命エネルギーを生まれつき持っている。弾丸型のトリガーである「アステロイド」を微粒子の様に周りに広げたり、ワイヤー型のトリガーである「スパイダー」の色を4色以上にすることで「見えないワイヤー」を作り出すというような柔軟性あふれる戦い方をしている。
ジャンプSQというジャンプ系列のマンガであることもありアクションに関しては申し分なく、ワールドトリガートリガーはさらに目が離せないような頭脳戦が繰り広げられているところが見どころである。

KOHH / 千葉雄喜
8

日本語ラッパーKOHH

「オススメの日本語ラップ教えて欲しいです」と聞かれたら、まず一番最初に挙げるアーティストの一人は間違いなくKOHHである。生まれてこの方ヒップホップという音楽のジャンルを毛嫌いしていた私が「ハマってしまった」というのが大きな理由の一つだ。なぜそんなにハマってしまったのか、一つずつ説明していこうと思う。
それは日本語ラップにおいて、様々な新しい事を試みた先駆者かつオリジネイターという点だ。今でこそ、掃いて捨てるほど溢れているトラップミュージックだが、日本で大きく流行ったきっかけがKOHHである。彼がまだその当時日本で馴染みのないトラップの楽曲を作ることで、日本のヒップホップシーンの大きな流れを生み出したのである。
またその当時では珍しい、顔も含めた体全身にタトゥーを入れながら、所謂ダボダボとしたストリート系のような洋服ではなく、コムデギャルソンやヨウジヤマモト、マルタンマルジェラなどデザイナーズハイブランドを着こなすという独特のビジュアルはまさに唯一無二の存在であった。
楽曲においてもマライアキャリー、フランクオーシャン、スクリレックス、宇多田ヒカルといった錚々たるアーティストと共作をするなど、ヒップホップの枠だけには留まらないカリスマ性を持った数少ないアーティストではないだろうか。