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日本語ラッパーKOHH
「オススメの日本語ラップ教えて欲しいです」と聞かれたら、まず一番最初に挙げるアーティストの一人は間違いなくKOHHである。生まれてこの方ヒップホップという音楽のジャンルを毛嫌いしていた私が「ハマってしまった」というのが大きな理由の一つだ。なぜそんなにハマってしまったのか、一つずつ説明していこうと思う。
それは日本語ラップにおいて、様々な新しい事を試みた先駆者かつオリジネイターという点だ。今でこそ、掃いて捨てるほど溢れているトラップミュージックだが、日本で大きく流行ったきっかけがKOHHである。彼がまだその当時日本で馴染みのないトラップの楽曲を作ることで、日本のヒップホップシーンの大きな流れを生み出したのである。
またその当時では珍しい、顔も含めた体全身にタトゥーを入れながら、所謂ダボダボとしたストリート系のような洋服ではなく、コムデギャルソンやヨウジヤマモト、マルタンマルジェラなどデザイナーズハイブランドを着こなすという独特のビジュアルはまさに唯一無二の存在であった。
楽曲においてもマライアキャリー、フランクオーシャン、スクリレックス、宇多田ヒカルといった錚々たるアーティストと共作をするなど、ヒップホップの枠だけには留まらないカリスマ性を持った数少ないアーティストではないだろうか。