oozeki10@oozeki10

oozeki10
oozeki10
@oozeki10
14 Articles
5 Reviews
0 Contributions
0 Likes
oozeki10

oozeki10のレビュー・評価・感想

恋する寄生虫
6

SFだったとはびっくり。

もっとこう、虫と感じている人たちだけど、ほんとは違うみたいな話かと思ったら、ほんとに寄生虫がいて、宿主が自殺してしまうみたいな話になって戸惑いました。これはSFだったんだとびっくりです。でも、林遣都と小松菜奈という超いいキャストだし、おもしろかったです。潔癖症や四川恐怖症など、いきにくい人たちがひかれあう、それは自然なことのように思えました。なのに、それが虫のせいだったなんて切ないです。そりゃあ駆除はしたくないかもなって思います。小松菜奈さんの体当たり演技がすごかったです。彼女はすごくきれいだから、きっと見られすぎてそれで視線恐怖症になったのかななんて背景を考えてしまいました。きれいだけどどこか精神が不安定な感じもするから、このキャスティングはあっていたと思います。一方、林さんも線が細くて、繊細そうな感じなのでいいですね。彼って昔からちょっと変わった役をやってきた気がしますが、それが似合う男です。二人の今後はどうなるのか、よくわからなかったけど、虫のせいでもなく愛し合えればいいのになあと思います。てか、本当に虫というものがいたらと想像すると怖くなる設定だったなと思います。結構こみいってて、よくわからない感じがいろんな人を虜にしたのかなって気がします。だから、漫画化や映画化したのでしょう。魅力的なお話でした。

スティング
10

今まで見た中で最高に感銘を受けた映画

この映画は私が見た映画の中で最も記憶に残っている映画です。
1970年代の映画なのでだいぶ昔のものになりますが、今でも私の頭の中から離れません。
主演は、今は亡き名優『ポール・ニューマン』と『ロバート・レッドフォード』。
『明日に向かって撃て』の名コンビです。
若き日のロバート・レッドフォードがスリ役を演じ、詐欺師の師匠役にポール・ニューマンが扮します。
ロバート・レッドフォード扮する若者『ショー』は、ある日友人をギャングのボスに殺されてしまいます。
その敵討ちをすべく、友人の師であるポール・ニューマン扮する『ヘンリー』と手を組み、ギャングのボスを追い詰めていくというストーリー。
とにかく、見ていて痛快!
そしてアッと思うような逆転劇。
見ているこっちも騙されてしまう作品です。
それにこの映画は、各ストーリーに合わせて幕が閉じられるように分けられているのですが、そのレトロ感もたまりませんね。
まるで、舞台を見ているような気分になります。

劇画ヒットラー
9

水木先生の最高傑作マンガ。学びもあり、楽しさもありです

これは、太平洋戦争の時代のドイツの指導者 ヒットラーの一生を、伝記風に仕上げた漫画です。彼はもともと勉強も運動もできない、気位だけ高い、ダメ人間でした。しかし彼が20代のころ、第一次世界大戦が勃発します。義勇軍として従軍したヒットラーは「戦争っておもしれー」と思ってしまいます。彼はいつか、軍を指揮して世界と戦うことを夢見、政治に奔走しだすのでした。それから独裁者となるまで彼が歩んだ道のり、栄華を極めてから衰退するまでの道のりが詳しく、鮮やかに描かれています。
ヒットラーというと、ナチズムを連想しがちですが、この作品にはあまり、「ナチズム」という語や「ファシズム」という語が出てきません(これらの思想がどのようなものだったかという解説は、まったく出てきません)。私は以前、ヒットラーを主人公とした歴史小説を書きましたが、ついつい思想の解説を多く書いてしまいます。おそらく素人は、「(特に激しい生き方をした)人物の人生を描くとき、その思想の話をしなければ迫力のある話が書けないのではないか」と考えてしまうのだと思います。しかし、これを採用せずに面白く迫力のある作品を描くことのできた水木先生を、私は尊敬します。

この作品では、人物の顔がおもしろく描かれており、各人物の話す内容がヘンテコです。学校で友達と、登場人物の表情を真似て変顔を作りながら、この漫画に出てきたセリフを吐き、遊んだことを覚えています。今でもこの作品を読み返すと、その記憶がよみがえってきて、楽しい気持ちになります。

amazarashi / アマザラシ
9

雨晒しから光のさす場所へ

amazarashiは秋田ひろむがギターボーカルを務めるバンド。昔はフォークソングに近い曲も多かったが、最近はロック調の曲も増えている。このバンドの特徴は発信者の影響を受けさせないよう秋田ひろむが顔を出していない事もあり、内省的な歌詞である。
1stアルバムの曲、「光、再考」では神様がボロアパートで首を吊ったという歌詞がある。訴えている内容はとても暗く、陰鬱としていて、最初は聴き手を選ぶかもしれない。中島美嘉に楽曲を提供した「僕が死のうと思ったのは」では繰り返し主人公が死にたい理由を悲痛な声で叫び続ける。秋田ひろむの声は流行りのアーティストから比べるとかなり声を張り上げており、それがより悲壮感を漂わせる。
ただ暗いだけのバンドではなく、「光、再考」では君は今は闇の中にいるだけであり、また光が射すと歌い、「僕が死のうと思ったのは」では今までの訴えは全ては貴方に出会っていなかったからだと言う。逆説的な主人公は僕は今は死のうと思っておらず、希望を見出している事が分かる。昨今、オルタナティブロックが流行り、歌詞の陰鬱さを売りにしているバンドは多いが、歌詞に起承転結やわずかな希望を見出してくれる歌詞は少ない。秋田ひろむにはそれができている。陰鬱さからのカタルシス、これがamazarashiの魅力だ。
東京グールやどろろの主題歌にも抜擢されている。アニメが好きな層にも陰鬱とした気持ちを抱えている人は多いだろう。主題歌を通じて知ってくれる人が増える事を願っている。

キングダム / KINGDOM
10

最強の漫画 キングダム

漫画キングダムは最高で最強の戦国歴史漫画です。ストーリーのドラマチックさ、主人公の格好良さ、脇役やライバル、先人達の偉大さ等、沢山の魅力にあふれていて、読む人を飽きさせません。

ストーリーは主人公が孤児の少年時代から。共に育った親友との夢物語から始まり、親友の死から後、激動の物語が怒涛の勢いで主人公を成長させていきます。
立身出世を絵に描いたような作品で、主人公は実在した秦という国を舞台に戦に参加しては戦功を上げていきます。初戦では敵武将を討ち、100人の部隊を率いる隊長に昇格し、段飛ばしで出世をし、その中で魅力的で強い味方の大将軍に弟子入りし修行するなど、成長を加速していきます。
大将軍を目指す内に、目標となる大将軍を見出し、更に成長を続ける主人公でしたが、その大将軍も死んでしまいます。
しかしその魂を受け継いで、更に大きく強くなることを誓い、秦の王と中華統一に向けて、沢山の困難や強敵との対峙、何度もの死線をくぐりぬけながら高みへと上昇していきます。
大将軍への道を凄い勢いで登り続け、国内でも名が聞こえる人物になっていく中、同年代のライバルも出現し、戦自体も段々と大きく、厳しく、重要な内容に移っていきます。それでも夢を諦めず、限界を超えることをやめない主人公。
読んでいる方も手に汗握り、熱くなる漫画、それがキングダムです。