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mathew13j3のレビュー・評価・感想

陰陽師
10

怨霊(鬼)の力を使って都を支配しようとする陰陽師と都を守ろうとする陰陽師の戦い

時は平安時代、都はそこに住む人々の様々な思い(怨念、妬みなど)で渦巻いていた。恋愛のもつれや未練から、鬼になっていく女性らを主人公の源宏昌や安倍晴明が綺麗な心でその人々を救ってゆく。
現代も平安も、時代が変わっただけで人々の心に巣食う鬼は現代でも存在しているんだと思う。
安倍晴明が唱える呪文、操る妖術、闇を切り裂いてそこに光が射すような爽快感がある。都がどうなろうと関係ないと割り切っていた安倍晴明が、都のために人々を救おうという源宏昌に動かされ、立ち上がり協力し合う2人の友情も見どころである。
安倍晴明は、当時病んでいた人々の精神を救う精神科医の役割も果たしていたのではないだろうか?自分が思いを寄せた相手が、自分を捨て、他の相手に心が移る、それに我慢できなくなり、相手のことを呪う人々を癒すことができるのは、自分のことを本当に好きでいてくれる心の綺麗な誰かしかいない。愛情に包まれれば、人は異常な精神状態から立ち直り、狂気から生還して正気にものを判断できるようになる。
現代でも安倍晴明は必要であり、その役割を果たしている人もいるのではないだろうか。
狂言師である野村萬斎の舞や音楽も美しい。
生活に忙殺され、心の余裕がなくなった時、この作品を見てみるのも良いのではないだろうか。

ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド / The Legend of Zelda: Breath of the Wild / ブレワイ / BotW
7

コスパの暴力。でもゼルダではない。

ブレス オブ ザ ワイルド(以下ブレワイ)は、ゼルダの伝説シリーズにして、初のオープンワールドであるアクションゲームです。
非常に人気があるゲームであることは、各サイトのレビューを見れば一目瞭然ですが、私が思う人気の理由と、10点満点ではない原因をお話ししたいと思います。
ブレワイが過去のシリーズと大きく異なる点は、攻略の順番が自由であるということです。
Nitendo64の「時のオカリナ」を例にとると、基本的には順番にダンジョンをクリアしなければ攻略用のアイテムが手に入らず、途中で止まってしまうケースが多いです。
しかし、ブレワイはどんな順番で攻略しても進めることができます(難易度は変わります)。
基本的にブレワイは武器から回復アイテムまで、大半がその辺りに落ちているものを活用します。
敵の倒し方も自由度が高く、「このアイテムがないと倒せない」ということはほぼありません。
特筆すべきは、テクニックがあればいきなりラスボスを倒すこともできるという点でしょう。
クリアまでのタイムアタックを競うイベントでは1時間以内にクリアする動画もたくさんアップされています。
勿論楽しめる要素は豊富に用意されており、全て楽しむためには膨大な時間が必要となります。
プレイヤーのスタンスによって楽しみ方を調整できるのが大きな特徴であるといえます。
私が10点満点をつけなかった理由として、ゼルダの伝説の特徴である「謎解きダンジョン」の要素が薄いことが挙げられます。
過去作では「操作キャラはジャンプできない」「特定のアイテムがなければ進めない」という状況下でいかにクリアしていくか、頭を使いながら進めるのが大きな魅力の一つでした。
しかしブレワイではメインダンジョンといえる施設が4つしかなく、それぞれがあまり広くないため謎解きの幅が狭いです。
細かい小さなダンジョンもありますが、過去作のボリュームや深さと比べると寂しい印象を受けます。
ゲームとしては非常に完成度も高く面白いので、ゼルダシリーズをあまりやったことのない方には非常におすすめです。
逆にゼルダシリーズが大好きな方は、「これじゃない」と思ってしまうかもしれません。

シャーデー / Sade
9

洗練されたソウルを聴かせ、鉄板の人気を誇るバンド

シャーデーはイギリスのR&B・ソウルのバンドで、80年代から良質な音楽をリリースし、ヒットさせてきました。
ややこしいのですが、ボーカルの女性がシャーデー・アデュという名前で、彼女を中心としたバンドがシャーデーと名づけられています。
ボーカルのシャーデー・アデュがいない、他の演奏者だけでの活動として、スイート・バックというアーティスト名でも楽曲をリリースしています。
こちらもセンスが良くておすすめです。
洗練されているシャーデーの音楽は、時代が変わっても古くさくなりません。
2010年にもアルバムをリリースしていますが、やはり聴きごたえがあるのは、80年代〜90年代の楽曲ではないでしょうか。
その時代の作品には、楽器やボーカルに臨場感というか、生々しさがあり、その熱を肌で感じることができるからです。
これはシャーデーだけに限ったことではありませんが、あまりテクノロジーに頼っていない時代の音楽の方が人間らしい温かさがあるように思います。
80年代にリリースされた「Smooth Operator」、「The Sweetest Taboo」などの人気が高く、ダンサブルで情熱的な名曲です。
その一方で、穏やかでメロウな楽曲も素晴らしく、心を癒されます。
88年のアルバム『Stronger Than Pride』と92年のアルバム『Love Deluxe』はしっとりと落ち着いた雰囲気。
情緒豊かに歌われる愛が美しく、忙しい時代にこそ聴きたい名盤です。
中でも『Love Deluxe』からのシングル「Kiss of Life」には幸福感が溢れています。
これらの代表曲は94年にリリースされたベスト盤『The Best of Sade』に収録されているので、まとめて楽しむこともできます。
しかし、通常のアルバムを一枚通して聴くことも、雰囲気を深く味わうことができるのでおすすめです。
また、アルバムの全ての曲を合わせてバランスが取られているところもあるような感じがするので、ベスト盤よりは通常のアルバムで聴いたほうがしっくりくることも確かです。

マッドマックス 怒りのデス・ロード / Mad Max: Fury Road
10

最高のアクション映画

人間の環境汚染により荒廃した世界が舞台。その中で、最愛の妻と子供を失い亡霊のように荒野を彷徨う主人公マックス。
序盤にあっさりと悪党の手下達(ウォーボーイズ)に捕まってしまう。
人は、「食糧」「水」「ガソリン」などの資源に枯渇していた。そのうちの水と食料を独占する悪党「イモータン・ジョー」、その組員の女性兵隊長(フュリオサ)は、ジョーに性奴隷にされていた女たちとともに、資源が豊富にある緑の楽園を目指し逃げ出す。それを知ったジョーは怒り狂い、フュリオサを捉えるために全手下を率いて追う。その手下の一人の輸血袋として主人公マックスは車に括り付けられて荒野へと爆走。
途中で砂嵐に巻き込まれマックスは車から投げ出されるが、そこには逃げ出したフュリオサと女たちの姿が。いろいろあり、女たちと緑の楽園を目指し、ようやくたどり着いた先は、既に汚染されており奇形の民とカラスが住むデスタウンとなっていた。絶望するフュリオサ。それでも希望を持ってまた走り出す。そこにマックスが一言。「今引き返せば悪党どもの住処は空で、安全な水も食料もある」と。
その意見に合意した二人と女たちは、4000馬力の巨大タンカーに乗って決死の復路を進むことにした。
怒りに暮れるジョーvsマックス&フュリオサ達。
フュリオサは瀕死の状態になるもなんとかアジトに続く渓谷を塞ぐことに成功し、砦に戻ってくる。
英雄として崇められ、歓迎を受けるフュリオサ達だが、そこにマックスの姿がない。
ふと歓喜に沸く大衆の方に目をやると、そこには我が道を進むマックスがまた新たな場所へと消えていくのであった。

以上の内容ですが、監督がジョージ・ミラー監督で自身の世界観をそのまま反映させた作品になるので、非常に濃い世界観になっているところが魅力。常識的な価値観で見るより、映画の中にのめり込んでみると楽しさが倍増する作品です。